気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

百合の花粉

2006-05-30 21:24:10 | 日記

 花の中には、おしべとめしべがあり、おしべの先には花粉ができます。花粉が虫や風の手助けで、おしべの先について実を結びます。そもそも、それが花の存在意義であり、虫さんの気をひくためのめだつ姿や甘い蜜だったりするわけです。そこに人間様が割り込んで、美しい花に汚い?花粉がついているのが嫌だとか言うのは、本末転倒もはなはだしいことです。

 実は私は、その悪の親玉、人間の花屋です。花粉が花びらに落ちると、百合の花の観賞価値が下がるし、お客様の服にでもついたら大変!と、いうことで、百合の花が開くとすぐに花粉の袋(葯)を摘み取ってしまいます。最近では、葯の開かない百合まで開発されています。それに、もともと、こんなに大きく美しい百合は自然界には存在しません。すべては人間の作り出した幻なのです。

 いつも思うのですが、自然に近い位置にいると思われがちな生産者や花屋が、もっとも自然に反するところにいるのです。それがいいとか悪いとかではないのですが、その事実を忘れたらいけないような気がします。そんなことを考えながら、今日も明日も、花粉をポロリポロリと取り続ける日々です。



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4 コメント

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善も悪も・・・・ (折節)
2006-06-02 12:29:05
Quさん こんにちは。



ご無沙汰しています。



百合の花粉の話、商品としての切り花と自然界に咲いている花の違い、そこに常に接していらっしゃる方だけに、とても興味深いものがあります。



私なんかも、なんで花粉を取ってしまうんだろうと浅はかな思いをしたものでした。

が、この頃は、商品である以上、お客様のニーズと期待にマッチした花でないといけないというのが、よく理解できます。

「しゃーないやんか」ってとこでしょうか。



花といかに接しているか、どんな花の状態を望むか、切り花?地植え?様々なんでしょうね。

そこに、花の持っている性質も、善悪正反対で表面に出てくるのでしょうね。

好みとも違うし、なかなか、割り切れるものでもないみたいです。

Unknown (yone3)
2006-06-04 13:41:26
はじめまして!

花が大好きで毎日庭のていれで

いやされてます。

ゆりの花も好きでカサブランカじうえに

したら、花が10個もつき庭いっぱいの

香り、道ゆくひとが声をかけてくれます。

今年はどうかな?楽しみです。

いろんなこと教えてくださいね。

どくだみも花はかわいいから、じゃまじゃ

ないところはぬきません。
複雑です (Qu)
2006-06-05 22:23:25
 折節さん、こんばんは。

 「生き物が好き」と「生き物を商売に使う」は、どんなにきれいごとを言ってみても、まったく正反対のことです。生きているものが好きなら、あるがままにほおっておくのが、一番。だから、私は野生の植物が好きです。学生時代にはやった標語、仲間うちだけですけどね、「とっていいのは写真だけ。残していいのは思い出だけ。」と、つぶやきながら外をほっつきあるくのが好きです。

 とはいいながら、私はじっと机に座る仕事より、鉄やプラスティックを扱う仕事より、花を扱う仕事が好きなんですけど。
カサブランカ (Qu)
2006-06-05 22:35:13
 yone3さん、こんばんは。

 カサブランカが10輪も咲いたら、大迫力ですね。花屋がいつも扱っているのは、温室育ちの百合を蕾の状態で収穫し、室内で咲かせたものです。たまに戸外で咲いた百合をみると、葉の緑の濃さ、花びらの輝きにびっくりします。同じ品種には見えないほどです。太陽の光が直接あたることが、どれだけすごいかっていうことですよね。

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