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気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

赤毛のアン

2019-07-04 18:25:39 | 赤毛のアンの植物たち

 小学生の時、「赤毛のアン」と出会いました。それから、ずっとアンのシリーズは私のバイブルでした。いつか、アンのように聡明な、想像力豊かなお姉さんになるのが、私の夢でした。

 何度も読み返す「赤毛のアン」の中には、たくさんの聞き慣れない植物の名前が出てきました。シーツに香りをつけるラヴェンダー、春になって花が咲き出すと、一番に摘んで愛する人に捧げるというサンザシ、夕陽を吸い込む紫苑、庭に咲き誇る青い飛燕草・・・。それらの植物を想像しながら、いつかは本ものを見たい、そんな植物に囲まれて暮らしたいと思いながら大人になりました。その後の進路も植物系を歩き、仕事でもいまだに大好きな植物たちの傍らにいます。

 縁あって、愛媛県に嫁いでもう、40年近くになります。いわゆる田舎ですが、私にとっては心豊かないなかです。春の土手の雑草たちの芽生えも、夏の山の濃い緑も、秋の澄んだ風も、冬の冷たい星空も、日々のエネルギーの源です。結局、自分が今いるところを大切に思い、当たり前の日々の中に美しさや楽しさを見出す力を、アンに教えてもらったのだと思っています。今いるところが、アヴォンリー。

 

 

 

 

  ← こんな花屋を経営しています(^o^)/

 


アンと植物たち

2006-02-14 22:38:42 | 赤毛のアンの植物たち

 子供の頃から赤毛のアンを繰り返し読んでいた私は、本に出てくるラベンダーや飛燕草やサンザシはいったいどんな花なのだろうと、いつも想像していました。実物を見る機会が訪れるたびに、ああこれがあの「ラベンダー」だったんだと、旧知に出会ったようにうれしかったものです。そんな感動の積み重ねが、私を花好きにさせたのかもしれません。初めてラベンダーとローズマリーの種を蒔いた時の胸の高鳴りは、ほとんど恋愛状態。毎日毎日覗き込んで、芽が出ると地面に頬をつけて匂いをかいでみる日々でした。もう四半世紀も前のことなので、ハーブがどこでも手にはいる時代じゃなかったんです。
 美しい優しい村岡花子さん訳の文でアンになじんで来たけれど、最近ひとつの誤訳に気がつきました。春早く咲くmayflowerという花が、物語の中に何度も登場するのですが、村岡さんはイギリスでの呼び名「サンザシ」と訳されていました。ところが、北米ではツツジ科イワナシ属のEpigaea repensのことなのだそうです。長い間サンザシに疑問を抱いていたので、目の前の霧が晴れたように納得。日本にあるイワナシなら見たことがあるのですが、とてもかわいい香りのよい花なんです。そんなことを教えてくれた素敵なサイトは
赤毛のアンの庭http://www.h3.dion.ne.jp/~a-garden/
アンのファンの方、是非訪れてみてください。