暑すぎた夏のせいで、今年は彼岸花が彼岸に間に合わず、数も少ないようです。そんな中で、窪野町北谷の彼岸花の満開情報を聞いて、忙中閑あり、ちょっとだけ行ってきました。目的地より500メートルほど手前で車を降り、散策。のつもりが、坂道をかなり登るはめになりました。あとで調べたら1500メートルは手前でした~。
でも、そのおかげで、いろいろな発見がありました。民家の庭の一画に、「古川坊跡(こっかぼうあと)」の石碑が。ちょうど外に出てこられた女性に伺うと、この近くで修行されていた一遍上人の縁のお坊さんたちの宿坊であったとか。なんでも、このお宅の仏壇の中には石が安置されていて、石碑を作ったときそちらに移動しようとしたら、「ここから出とうない。」と言ったとか・・・。
ここで出会った軽トラックに乗った地元のおじさんが、またまた親切にいろいろな話をしてくれました。ここの少し下に去年まで古いお寺があったけれど、瓦など落ちて崩れてきたので、とうとう壊してしまったが惜しいことをしたこと。たくさんの人が見に来てくれて、彼岸花も喜んでいること。ここのの人は、人のことを悪くいう人は一人もおらず、皆で助け合っていること。水がきれいで、日当たりも良いのでおいしいお米ができること。
そして、視界いっぱいの彼岸花とともに、今日三人目の出会いは、坂村真民さんの「念ずれば花開く」の人形を持参されていた女性でした。生涯「念ずれば花開く」人形を作り続けていらっしゃる森元青芳さんの作です。この人形を彼岸花をバックに撮りたかったそうで、私たちにも快く撮影させて頂けました。
曼珠沙華という呼び名のほうが似合います。
白い彼岸花。このあと、やはり写真を撮りに来られていたご夫婦とひとしきりおしゃべりして、なんだか心豊かな午後でありました。出会った皆さん、ありがとう。いつのまにかすっかり日が傾いて、逆光の彼岸花もまた、美しいのでした。