気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

北谷の彼岸花

2010-09-30 01:02:04 | 野山で

 暑すぎた夏のせいで、今年は彼岸花が彼岸に間に合わず、数も少ないようです。そんな中で、窪野町北谷の彼岸花の満開情報を聞いて、忙中閑あり、ちょっとだけ行ってきました。目的地より500メートルほど手前で車を降り、散策。のつもりが、坂道をかなり登るはめになりました。あとで調べたら1500メートルは手前でした~。


 



 でも、そのおかげで、いろいろな発見がありました。民家の庭の一画に、「古川坊跡(こっかぼうあと)」の石碑が。ちょうど外に出てこられた女性に伺うと、この近くで修行されていた一遍上人の縁のお坊さんたちの宿坊であったとか。なんでも、このお宅の仏壇の中には石が安置されていて、石碑を作ったときそちらに移動しようとしたら、「ここから出とうない。」と言ったとか・・・。


 



 ここで出会った軽トラックに乗った地元のおじさんが、またまた親切にいろいろな話をしてくれました。ここの少し下に去年まで古いお寺があったけれど、瓦など落ちて崩れてきたので、とうとう壊してしまったが惜しいことをしたこと。たくさんの人が見に来てくれて、彼岸花も喜んでいること。ここのの人は、人のことを悪くいう人は一人もおらず、皆で助け合っていること。水がきれいで、日当たりも良いのでおいしいお米ができること。


 



 そして、視界いっぱいの彼岸花とともに、今日三人目の出会いは、坂村真民さんの「念ずれば花開く」の人形を持参されていた女性でした。生涯「念ずれば花開く」人形を作り続けていらっしゃる森元青芳さんの作です。この人形を彼岸花をバックに撮りたかったそうで、私たちにも快く撮影させて頂けました。


 



 曼珠沙華という呼び名のほうが似合います。


 



 白い彼岸花。このあと、やはり写真を撮りに来られていたご夫婦とひとしきりおしゃべりして、なんだか心豊かな午後でありました。出会った皆さん、ありがとう。いつのまにかすっかり日が傾いて、逆光の彼岸花もまた、美しいのでした。


 


 


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花のある暮らしの会 9月

2010-09-26 23:54:52 | 花の教室

 

 今月の花のある暮らしの会は、生徒さんのリクエストにお応えして、プリザーブドフラワーをデザインしました。生花を特殊加工して、柔らかさ、みずみずしさなどの風合いを保ちながら、長期間鑑賞できるようにしたもの。つまり生花と見まがうドライフラワーの一種と考えればいいと思います。当然、生花よりは値が張るのですが、猛烈な残暑の最中だった敬老の日には、よく売れていました。

 

 材料費は1000円ぽっきりというハードルの中、なんとか皆さんに満足して頂けて、ほっとしています。

 

 

 花のある暮らしのヒントは、雑草再発見。田舎道をぶらぶらすると、お宝(!)がたくさん生えています。写真はエノコログサ(ネコジャラシ)と彼岸花。他にも、ツルボ、野路菊、セイタカアワダチソウ、韮の花(雑草ではないけれど)など、少しの工夫で素敵なミニ生け花になります。露草やルコウソウは、残念ながらすぐにしぼんでしまいます。その一瞬を楽しむのも、さらに贅沢ですけれど。

 

 

 

 

 恒例の記念写真。常連さんあり、新顔ありですが、今日も楽しかったねと笑顔でパチリ☆

 

 

 

 ☆花のある暮らしの会は、NPO法人教育倫理プラザが、主催しています。心豊かな花のある暮らしの普及を目的としています。もちろん、どなたでも参加できます。ご入会、お問い合わせは下記へお願いします。

 

 株式会社あぼんりー     越智 089-966-4827 

 

 NPO法人教育倫理プラザ 中嶋 090-9779-6970

 

☆次回は10月17日(日)10:00~12:00 森の交流センターにて。

 

 

 

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スカビオサ

2010-09-25 23:38:20 | 店先で


 スカビオサ マツムシソウ科マツムシソウ属


 空は前線の影響でしょうか、荒れ模様のようです。大きな雲がもくもく移動しています。このスカビオサは鉢用の品種で、背が低く花も小さめです。はるか昔、学生時代に行った霧が峰で、丈高いマツムシソウが辺り一面、霧の中に浮かぶように咲いていた情景は忘れられません。


 マツムシソウと、あのチンチロリンの松虫、どこに共通点があるのか、不思議でした。調べてみると、マツムシソウの語源には、いくつか説があるようです。松虫の鳴く頃に咲くから。松虫塚(どこ?)のそばにたくさん咲いていたから。松虫鉦(音がチンチロリン?)に花の散ったあとの坊主頭が似ているから、などです。うーーん、ますますわからなくなって来ました。


 夜、愛犬花子と散歩をしていると、松虫の鳴いているスポットがありました。昨年も一昨年も、チンチロリンを楽しんだのですが、今年は鳴いていないのです。そのスポットに近づくと、イヤホンをはずして耳を澄ませてみるのですが、聞こえるのは、大音量の外来種アオマツムシの声ばかり。夏が暑すぎたのか、除草剤にやられてしまったのか。もう少し秋が深まるまで、聞き耳を立ててみるつもりです。


 


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小錦草  コニシキソウ

2010-09-22 18:46:51 | 田畑で


 相変わらず、暑い日々が続いていますが、カラカラの大地にへばりつくように勢力を広げている植物もあります。


 



 コニシキソウ トウダイグサ科ニシキソウ属


 葉の長さは5ミリくらいで、茎をちぎると白い汁が出ます。赤く色づく小さな実には、細かい毛がびっしり生えています。大きさも違いますが、この毛が、オオニシキソウとの大きな違いです。


 



 こちらは、茎が直立するオオニシキソウ。全体的に大柄です。実はつるんとした感じです。


 どちらも、雑草、しかも外来種という括りにはいる植物です。農家にとって、雑草を我が田畑に生やしているのは、悪徳です。ですから、暑さと乾燥だけでなく、除草剤や草刈機という受難もあるのです。コニシキソウは、地面に張り付いている草姿ですから、草刈機はなんとかかわせたのでしょう。でも、除草剤で、そのままの形で茶色に枯れていたり、と思ったら、一筋生き残った茎から葉を出し、花を咲かせていたり。大きな声では言えませんが、 がんばれ! と励ましたくなる今日この頃。


 


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アーティフィシャル フラワー

2010-09-18 21:09:10 | 店先で


 バッグの形のブーケを作りました。実物を見ても騙される(?)人が多かったですが、実はニセモノの花です。これは、結婚式の前撮り用なので、気温が高い屋外でも大丈夫なように造花で作りました。ニセモノといっても、実は本物の花より高価なのですが、造花というとあまりイメージが良くないですね。造花、アートフラワー、シルクフラワー、ホンコンフラワーなど、呼び方はいろいろですが、なかなかいい名前がありません。アーティフィシャルフラワー(人工的な花)と呼びませんかというメーカーがあります。なかなかおしゃれな響きなのですが、舌を噛みます。


 


 造花に対する偏見は、実は私もかなりあるほうです。でした、かな。最近は品質のいいものなら、許容範囲だと思っています。夫婦で働いていて、日中閉め切りの家では、この熱帯のような夏中、切花は飾れなかったのではないでしょうか。胸や頭につける花も、気温と体温と乾燥した空気で、すぐに萎れてしまいました。動けない病気の方へのお見舞いや、お年寄りへのプレゼントにも、造花は親切なのかもしれません。


 


 バッグの下側(置く側)も、造花だからこそきれいにできます。


 



 右下の黒っぽいバラは、造花ならではの色合いでしょう?これは、渋い赤のドレスを着た花嫁の頭を個性的に彩ります。左の大きなマムと芍薬は、白無垢用。大きく華やかに花嫁の頭を飾ります。いづれも、生花ではなかなかむずかしい演出なのです。知り合いの方なので、ぜひ、前撮り写真を見せてくださいねと、お願いしてしまいました。


 新郎は、というと、右上のブートニアをちょこんと胸につけるだけ。やはり、花は女性のもの、なんでしょうか。


 


 


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稲木

2010-09-18 00:03:18 | 田畑で


 暑い暑いと言っているうちに、いつのまにか稲刈りの季節です。機械で刈り取り、脱穀し、乾燥するのが、現代の普通の農業ではありますが、たまには、こうして昔ながらの天日干しを続けている方もいます。手間はかかるけれど、お日様で干すと、お米のおいしさが断然違うのだそうです。せかせかと生きる道を選んでしまった多くの日本人(私を含めて)から見ると、大変な贅沢かつ、エコな生活です。


 



 稲の束をかける木のことを、私の住んでいる愛媛県の中予地区では「稲木(いなき)」と呼んでいます。稲木は、地方により、作り方も呼び名もいろいろあるようです。千葉県にあった出身大学の圃場では、脚立に乗らないと稲をかけられないくらい高い、5階立ての稲木でしたし、昨年は山形で穂仁王に出会いました。


 



 ふと井出を見ると、ぶつぶつと蠢くものたちがたくさんいます。どうもジャンボタニシの赤ちゃんのようです。ついこの間、近所のおじさんが、「来年のためにな。」と、火バサミで田んぼから一個一個、大きなタニシを畦に放って潰していたのに。これでは、来年もジャンボタニシはたくさん田んぼを這い回りそうです。もとは食料にするつもりで輸入したものが、田畑で急増したのですが、肝心のお味のほうは、今ひとつだそうです。


 



 川沿いには萩の花が咲きはじめました。少し秋らしくなった風に、ゆらゆら揺れています。


 



 秋の七草のひとつでもある彼女らは、日本人にとってもっとも身近な花のひとつでしょう。春のお彼岸は牡丹餅、秋のお彼岸は萩餅(おはぎ)・・・ぼた餅はこし餡、おはぎは粒餡という説もあるようです。どちらかというと、粒餡が好みですv


 


 


 


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蜂蜜とれました!

2010-09-09 22:17:31 | 気になる動物たち


 我が家の日本蜜蜂事件は、あれからもいろいろありました。私は家の中に迷い込んで来た一匹をうっかり踏んで、足の裏を刺されて以来、傍観者を決め込んでいますが、群れの数は増え、友人Y氏にも無事に分けることができました。夫は、毎日、蜂の観察を続けています。以下は、夫の撮影です。


 


 


 巣の一番下にできる王台。普通の巣とは違う特別室で、次期女王は育ちます。


 



 黒いのが女王蜂。働き蜂より一回り大きいですね。


 



 そして、巣が大きくなると、上の巣は蜜の貯蔵庫に!


 



 きれいに几帳面に、蜜は貯められていました。卵も幼虫もサナギも一緒では、という疑問があったのですが、きちんと区画が分かれているようです。


 この蜜の部分を絞ったり、漉したり、夫はこまめに動き回り(もしや、働き蜂が乗り移った?)、今朝、めでたく蜂蜜トーストを食べることができました。西洋蜜蜂の蜜と比べると、あっさりした優しい味でした。一匹の蜜蜂が一生かかって集める蜜は、たった1ccなのだそうです。なんだか、農民の上前をはねて贅沢するお代官様になったような気分です。蜜蜂さんたち、ごめんね。


 


 


 


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月草

2010-09-08 23:38:24 | 田畑で


 ツユクサ ツユクサ科ツユクサ属


 はっとするほどの青い色、はかなげなその姿にファンの多い露草。昔から、その色に感動する人が多かったとみえて、たくさんの名前があります。藍花、青花、カマツカ、蛍草、帽子花、鴨跖草(オウセキソウ)、着草、月草・・・。朝開いて、数時間でしぼんでしまうから、まるで朝露のようだと露草。青い色が着くので着草(ツキクサ)、転じて月草。この花が咲く頃は、月の美しく見える季節でもあります。


 この青を衣服に染めたいという思いも古代からあったようです。でも、月草の青はすぐに色が落ちてしまいます。そこから、心変わりや、命のはかなさに例えられて、万葉集にも月草を詠んだ歌が何首かあります。


 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ 坂上大嬢


 (人の心は月草のようにうつろいやすいからでしょうか。私の思う方からは何の便りもありません。)


 現在でも、色が落ちてしまうという性質を逆に利用して、友禅など染物の下絵を描くのに使われます。露草の栽培種で、花の大きなオオボウシバナが用いられています。 


 


 


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秋の虹

2010-09-03 21:48:11 | 日記


 お日様は、9月になったのを気付いていないかのように、がんがん燃えて、猛暑日が続いています。エルニーニョだか、ラニーニャだかの影響で、まだ一週間は猛暑が続くとか、新聞に書いてありました。こんな異常気象でも、大多数の人間が(しんどいといいながらも)普通の生活を送っているわけで、人間の順応性って結構幅広いものだと感心してしまいます。


 先日、夕立のあと、妹から「虹が出てるよ!」という電話があり、皆で眺めました。久しぶりの夕立の後の虹は、二重にくっきりとかかり、かなり長い間見ることができました。いなかだからこその、虹の全景写真、なかなかすごいでしょ?気温は下がらないけれど、雲は少し秋めいて見えますね。


 朝は、家の天窓から日が射し込むようになりました。お日様もかなり傾いてきているのです。暑さ寒さも彼岸まで、の言葉を頼みに、もう少し頑張ってみましょうか。


 


 


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