なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

HOLD・FAST

2005年11月06日 23時05分58秒 | 本・雑誌
「シティ・オブ・ボーンズ」 2002 (原題CITY of BONES マイクル・コナリー 完読 ☆☆☆☆☆
ボッシュは両手の甲に傷跡がある。片方にHOLD、もう片方にFASTとタトウがあった跡だった。16歳のころ家出した漁港の漁師やマグロ漁船の男たちが両手にその彫り物ホールド・ファースト(しっかりしがみつけ)をしていたので意味をたずねるとそれが漁師のモットー、哲学だと教えてもらった。「命にしがみつけ‥‥ありったけの力をこめて」と。ただ、その話は海軍の連中から仕入れた話だったため陸軍に入隊した時、軍曹が海軍のタトウを入れさせておくつもりはなくレンガ塀に拳を殴らせ消させられた傷跡だったというエピソードが数ある啓示的な会話の中で印象に残った。

ボッシュと刑事の相棒は、二人とも離婚経験者で相棒の子供の親権は女性にあるため相棒が子供に会う日は限られおりその日の捜査活動にボッシュが気配りをみせるなどコンビが全般にいい味をだしていた。事件は虐待の連鎖がかかわり容疑者は二転三転するが落ち着くべきところに落ち着いた。過去に罪を犯しチャイルドスポンサーになり罪を贖っている男が亡くなってからボッシュが終盤にその意志をある女性に引き継がせる場面にはホロッとさせられる。おなじみ使命感と贖いがキーワードとなるハードな作品でした。(注)2005/2に文庫化
この作品で辞職したボッシュは9作目「暗く聖なる夜」(2005/9発売)と10作目「THE NARROWS」(未発売)でフリーとして活躍するが、再雇用プログロムをえて市警に復帰して活躍する第11作目「THE CLOSERS」が今年現地で出版されたようだ。(裏づけなし)
ちなみに本棚から2004年版(2002/11~2003/10発刊)の「このミステリーがすごい」を取り出して海外編ランキングをみると1位はサラ・ウオーターーズの「半身」で「シティ・オブ・ボーンズ」は17位に終わってる。同期間に出版されたボッシュシリーズの7作目の「夜より闇へ」(20位)との間で票がわれたのではと分析していた。 
図書で①「東京ライオット」戸梶圭太、②「ぐるりのこと」梨木香歩、③「透明な旅路と」あさのあつこ、を借りる。

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