「北の迷宮」(原題:A CORPSE IN THE KORYO)ジェイムズ・チャーチ/不明 2007/4 読む
不可解ではあったが、なんの変哲もない任務だった。早朝、高速道路を望む丘に陣取り、通り過ぎる車の写真を撮れというのだ。ここ北朝鮮では、車自体が少ないし、そんな時間に通行する車などいないだろうに…だが、ライトも点けず、猛スピードで走り抜けようとする黒のメルセデスが現れた。シャッターを切ったが、カメラは作動しない。電池が切れているのか、故障か。まあ、いつものことだ。
署に戻った呉捜査官を待っていたのは、上司の朴だけではなかった。情報部の姜と軍部の金が、睨み合うようにして待ち構えていたのだ。いったい何事なのか?やがて、姜が密かに接触してきた。上司の朴は、慌てて呉を国境の町へと追いやる。それは迷宮の旅の始まりに過ぎなかった…。もと情報部員が匿名で放つ、知られざる国、知られざる社会で展開する、悪夢のようなサスペンス。(出版社)
図書で4冊借りる
「北の迷宮」ジェイムズ・チャーチ
「富士日記 上・下」武田百合子
「石牟礼道子 椿の海の記」石牟礼道子