Birdie / Some Dusty

こんな嫌な陽気の日にはせめて音楽だけでも良いものをというわけで、Dolly MixtureとEast Villageという英国インディーズの2つの伝説的バンドのメンバーだったDebsey WykesとPaul Kellyによる夫婦デュオの99年作ファースト・アルバムです。

とにかく癒されます。アコースティック/エレクトリック・ギターとエレピの音の優しいこと、そしてDolly Mixture時代とはまた一味違う円熟したDebseyの柔らかなヴォーカル、タイミング良く入ってくるトランペットと、どれをとっても完璧です。セカンドの「Triple Echo」も音楽性が広がり出来の良いアルバムでしたが、何も考えずに聴くのなら断然ファーストの「Some Dusty」です。

素敵なシングル曲2曲「Folk Singer」「Let Her Go」のほか、グロッケンを使った「Port Sunlight」という曲もドリーミーで癒されます。というか一切捨て曲なしです。MySpaceでは、このアルバムの前に発表されたシングル「Spiral Staircase」（アルバム未収)も聴けます。

「Folk Singer」↓
http://www.youtube.com/watch?v=y30CImNZM1w
「Let Her Go」↓
http://www.youtube.com/watch?v=e-KdaAKlB6g
MySpace ↓
http://www.myspace.com/birdiepop 

スウェーデン・ミニ情報

《Pinto、新曲をフリーDL》
Pintoが新曲「Wherever Did She Go」のレコーディングを終え、またまたMP3フリー・ダウンロードを開始しています。やはり今回の曲もクラシカルなシンガー・ソングライターからの影響を感じます。それほど曲が似ているというわけでもないのですが、なんとなくDan Fogelbergの「Part of the Plan」を思い浮かべました。
ダウンロード・サイト ↓
http://www.hanif.se/Whereverdidshego.mp3

《Firefox AKがニュー・シングル》
Firefox AKのシングル「Once I Was Like You」が5月7日にリリースされるようです。シングル・ヴァージョンはスウェーデンのテクノ・デュオLaidとの共作で、Boeoes Kaelstigen、Kwat and Marcus Guentnerのリミックスも収録されるようです。近いうちにセカンド・アルバム「If I Were A Melody」のレヴューをせねばと思っています。
MySpace ↓
http://www.myspace.com/firefoxak

《Audrey、きょうセカンド・アルバム》
4人組ガールズ・バンドAudrey【写真】のセカンド・アルバム「The Fierce and the Longing」が、きょうA TenderVersion Recordingから発売になります。MySpaceには少し前に収録曲3曲がアップされていたようですが、ファーストに比べてかなりポップになっています。それでいてダークな雰囲気も相変わらず持っています。
MySpace ↓
http://www.myspace.com/audreyswe 

ネットで見つけた新アーティスト

昨日に続いてのこのコーナーですが、今回は1組だけ紹介します。

《Liechtenstein》
名前は紛らわしいですが、スウェーデン・イエテボリ（ヨーテボリ）のガールズ・バンドです。メンバーは4人となっていますが、最新の写真には3人しか写っていません。昨年初めにFraction Discsからファースト・シングル「Stalking Skills」が発売になっていますが、5月にはセカンド・シングル「Apathy」が発売になるようです。
影響を受けた音楽にDolly Mixture、Talulah Gosh、Girls At Our Best、Television Personalities、Mo-Dettes、The Slits、Shop Assistantsの名前が挙げられていますが、全体的な雰囲気はまさにDolly MixtureかShop Assistantsかといった感じです。過去の曲はC86直系のインディ・ポップですが、今回の新曲「Apathy」はThe Softiesのような瑞々しいアコースティック・サウンドになっています。
7月に英国・ダービーシャーのリプリーで行われるIndietracks festivalへの出演が決まっているようです。かなり楽しみな存在です。
採点：★★★★★★★★☆☆
MySpace ↓
http://www.myspace.com/liechtensteinia 

ネットで見つけた新アーティスト

今回はShelflife関連のアーティスト3組です。

《Champagne Riot》
間もなく「Paris and I EP」を発売予定のデンマーク人ワンマン・プロジェクト。エレクトロを取り入れたとてもポップな音楽を聴かせてくれます。MySpaceで収録曲のうち4曲が聴けますが、1曲目の「I Dream About You At Night」と4曲目「Before We Wave Goodbye」の２曲はドリーミーで、とても気に入りました。
採点：★★★★★★★☆☆☆
MySpace ↓
http://www.myspace.com/worksofunfinishedlove
 

《The Ruling Class》
「Tour de Force EP」を発売予定の英国のアーティスト。程よくシューゲイズでこちらもとてもポップ。MySpaceではタイプの違う2曲が聴けますが、どちらも良いです。The Ruling Classという名前からThe Monochrome Setを想像しましたが、The Sea Urchinsや初期Primal Screamの雰囲気を持っています。
採点：★★★★★★★☆☆☆
MySpace ↓
http://www.myspace.com/therulingclassuk

《Warm Morning》＝写真
「Silver Rain EP」を昨年発売済み、イタリア・ピアチェンツァのSimoneとAndreaの兄弟デュオ。同レーベルのDaysやKuryakinよりもさらにナイーヴで、まさに現代版Fantastic Somethingといった感じ。MySpaceのフレンド欄にはイタリアのMyHoneyからリリースしているLe man avec les lunettesの名前もありました。
採点：★★★★★★★★☆☆
MySpace ↓
http://www.myspace.com/warmmorning

Al Stewart / Modern Times

Al Stewartの75年の6作目。プロデューサーにAlan Parsonsを起用した最初のアルバムです。

Al Stewartといえばこの作品の1枚後の洗練された7作目「Year of the Cat」が有名ですが、聴き比べてみると「Modern Times」の方がヴァラエティに富んでいて曲の良さでは1枚上のような気がします。初期の頃の私小説的な部分は、74年の前作「Past, Present and Future」からは完全に影を潜めていますが、どこか翳りのあるノスタルジックな音楽です。

オープニング・ナンバーの「Carol」は、彼の曲の中では個人的に一番好きな曲で、79年の来日公演でのアンコール・ナンバーです。「Not the One」や「What's Going On」あたりもとてもよくできた曲ですが、それ以上に「Apple Cider Re-constitution」「The Dark And The Rolling Sea」「Modern Times」のラスト3曲の流れは完璧です。学生時代には本当によく聴いたもので、多分今までで一番聴いた回数が多いのがこの作品かもしれません。

Sirens of Titan↓
http://www.myspace.com/alstewartmusic  
The Dark And The Rolling Sea ↓
http://www.youtube.com/watch?v=jl16BCqvTYs
Apple Cider Re-constitution ↓
http://www.youtube.com/watch?v=LUCsiMA-pe0
Modern Times ↓
http://www.youtube.com/watch?v=V3eVqFFzTIE

おまけ
Shot In The Dark / Playing With Lightning
Al Stewartのバック・バンドのデビュー曲です ↓
http://www.youtube.com/watch?v=TrKgr4XKfbI

懐かしの一発屋 / YouTubeから

YouTubeで見つけた78-79年の懐かしい一発屋（Billboardシングル・チャート）の曲を3曲。Nick Gilderだけは他にマイナー・ヒットが2曲あります。

《Nick Gilder / Hot Child In The City》
ゆっくりゆっくりとチャートを上がって行き遂に1位をとってしまった78年夏の曲。ラジオを聴いていて毎週、この女性は誰だったかなと思っていました。Pat Benatarのファースト・アルバムに収録された「Rated X」（こちら）で彼の名前を見つけた時は少しだけ嬉しかったです。
http://www.youtube.com/watch?v=El6iQ2_dvlc

《Bram Tchaikovsky / Girl Of My Dreams》
米国のバンドだとばかり思っていましたが、英国の3人組です。The Knack「My Sharona」とほぼ同時期の79年夏の曲で最高位37位。当時はまだそんな言葉はもちろんありませんでしたが、今風にいえばパワーポップです。いい曲なのにあまり売れなかった。おまけに一発屋。
http://www.youtube.com/watch?v=Cbd33V8Mgn0

《Alton McClain & Destiny / It Must Be Love》
Alton McClainを中心にした黒人女性トリオで79年に最高位32位という渋いヒット。この頃はすでに食傷気味だったディスコですが、ギターの音が良くて結構好きだった曲です。ただ途中から頭の中はCaptain & Tennilleの「Love Will Keep Us Together」（こちら）になってしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=WAO1JuZWfxI

Maia Hirasawaのアルバムがトップ10入り

4月10日付のSwedishcharts.comアルバム・チャート（こちら）で、Maia Hirasawaの「Though, I'm Just Me」が前週の15位から9位へ上昇、初のトップ10入りを果たしました。シングル・チャート（こちら）では、「The Worrying Kind」（最高位9位、3月20日付）は11位から13位へと後退しました。

アルバム「Though, I'm Just Me」は、昨年の4月12日付に13位で初登場しましたが、ちょうど1年で最高位を更新したことになります。ニュー・エディションが発売されてから絶好調です。

昨年は13位で初登場した次の週の15-19日に、Hello Saferideのサポート役として日本でライヴを行っていますが、今年もSäkert!(Hello Saferide)との日本ツアーを来週16-19日に控えてのトップ10入りということで、スウェーデン×日本という血だけではなく何か日本と因縁めいたものを感じてしまいます。

スウェーデン・ミニ情報

《Robynニュー・ヴィデオ》
Robyn【写真】のニュー・ヴィデオ「Who's That Girl」がYouTubeにアップされました。昨年にはKleerupとの「With Every Heartbeat」が、スウェーデンのみならず英国でも大ヒットしましたが、今回のは06年の曲のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=UYomJbEZG54

《El Perro del Marフリー・ダウンロード》
El Perro del Marのセカンド・アルバム「From the Valley to the Stars」の米国盤を発売するControl Groupのページで、アルバム収録曲「Glory to the World」がフリー・ダウンロードになっています（右クリック）。まだ聴いていない人はこの機会にぜひ。個人的にはこのアルバムのベスト・トラックです。

《Vapnetの新譜、Klicktrackで》
Vapnetの9日発売のニュー・アルバム「Döda Fallet」が、音楽配信サイトKlicktrackでダウンロード販売が開始になったようです。全曲フル試聴できます。
http://www.klicktrack.com/klicktrack/releases/vapnet/doda-fallet

北欧ミニ情報

《Anna Järvinenニュー・ヴィデオ》
スウェーデンで活躍するフィンランド出身のシンガー・ソングライター、Anna Järvinen【写真】のHäpnaから発売されたデビュー・アルバム「Jag fick feeling」のラスト・ナンバー「Kom hem」のPVがYouTubeにアップされています。「Götgatan」とはまた雰囲気の違ったとても美しい曲です。
http://youtube.com/watch?v=ve_cjfwHESM


《The Elephantsもニュー・ヴィデオ》
デンマークのバンドThe Elephantsもニュー・ヴィデオ「Caroline Knows」をYouTubeにアップしています。これはドイツのTapeteから発売されたセルフ・タイトルのデビュー・アルバム収録曲ですが、こちらもサーフ感覚でなかなか良いです。とくに女性コーラスが気に入りました。
http://www.youtube.com/watch?v=9Ci0OH-I_fQ

《The Garlandsシングル・デビュー》
少し前から注目していたスウェーデンの男女デュオ、The Garlandsのデビュー・シングルが15日にCosy RecordingsとCloudberry Recordsからスプリット・リリースされます。MySpaceで聴ける「Why Did I Trust You」と、George Michaelのカヴァー「Freedom」など4曲収録です。
http://www.myspace.com/garlandssweden

The School追記

14日発売のThe School「All I Wanna Do」はピンク・ヴィニルの7インチで限定盤のようです。そしてなぜかApple Crumble Recordさんは既に入荷済みで、SOLDの赤い文字があります。Elefantのページでは今年末にはLPデビューとあります。Camera ObscuraもLucky Soulも欧州ではElefantからということで、レーベル・メートだったのでした。

Elefantの「Happy New Year 2008」という4曲入り（7インチ、CD-S）にも「Kiss You In The Snow」という曲で参加していて、こちらはまだApple Crumbleさんの方にあるようです。

そういえば9日発売のVapnetのニュー・アルバム「Döda Fallet」も既に入ってきていて、最近かなりいい感じに早いです。