MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

Hazel English - Summer Nights

2022-06-21 12:24:23 | レヴュー

Hazel Englishが6月17日に、新作EP"Summer Nights"をリリースしました。
彼女はオーストラリア・シドニー出身の31歳で
米国カリフォルニア州を拠点に活動するシンガー・ソングライターです。

2016年にEP"Never Going Home"を発表し
翌17年にダブルEPの"Just Give In/Never Going Home"もリリース。
2020年には待望のフルアルバム"Wake Up!"を出しています。

今作は収録曲すべてがDay WaveことJackson Phillipsと共同制作、
初期のEP時代の音に戻りました。
バンドサウンドに寄ったフルアルバムでも曲の良さは健在でしたが
お馴染みのタッグで夏にぴったりのドリーミーポップに仕上がりました。
9月には日本限定でアナログ盤も発売になるようです。

キラキラして甘酸っぱい曲が5曲収められていますが
"Nine Stories"はJ.D.サリンジャーの短編小説集にちなんで付けられた曲。
個人的には爽快感あふれるタイトル曲の"Summer Nights"と
少し翳りを感じさせる"All Dressed Up"、
ゆったりしたラストナンバー"Blue Light"あたりが特に気に入りました。

Nine Stories →
Summer Nights →
All Dressed Up feat. Day Wave →
When You're Around →
Blue Light →

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Veronica Maggio "Och som vanligt händer det något hemskt"

2022-06-06 01:44:36 | レヴュー

スウェーデンのシンガー・ソングライター
Veronica Maggioが、5月20日に7枚目のアルバム
"Och som vanligt händer det något hemskt"を発表しました。
今回はLPとCDのリリースはなく
デジタル・ダウンロードとストリーミングだけのようです。

5月27日付のスウェーデン・アルバムチャートで3位に初登場。
発表1ヵ月前の4月22日と29日付では
2011年のサードアルバム"Satan i gatan"が1位に返り咲くなど
過去の作品もチャートを賑わせています。

最新の6月3日付ではニューアルバムは5位に後退、
"Satan i gatan"は9位と粘っています。

シングルチャートでは"Heaven med dig"が33位 (最高位18位)、
"Låt mig gå"が45位 (最高位19位)にランク。
それ以外にもアルバム発表前までに5曲がランクインしていて
"Se mig"は最高位5位のヒットになっています。

アルバム収録の個々の曲は完成度が高く
エレクトロニクスを駆使した透明感のあるサウンドと
彼女の少し甘いきれいなヴォーカルが聴けます。
惜しむらくは過去の作品と雰囲気の似た曲が多い感じで
新たな一面が見れるかという意味ではやや期待外れではあります。

やはり"Satan i gatan"と4枚目"Handen i fickan fast jag bryr mig"
そして前作"Fiender är tråkigt"の出来の良さを
改めて実感させられる結果となりました。
それぞれの曲はよく練られているのにその点が残念です。

Se mig →
Förlorat mot världen →
Daddy Issues →
Låt mig gå →
Heaven med dig →

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Veronica Maggio - Satan i gatan

2011-10-19 23:57:07 | レヴュー

予想以上に良かった1枚。
スウェーデン人とイタリア人のハーフ
Veronica Maggioによる3枚目のアルバム『Satan i gatan』。
前作『Och vinnaren ar...』は
60年代風のレトロなソウルという感じでしたが
今作では大化けしました。
前作に続いて全曲作詞はVeronica自身です。

やや地味な作りの前作があってこそ
生きたのだと思いますが
今回はエレクトロなども大胆に取り入れた
明るめのポップなサウンドで
一皮も二皮も剥けました。
とにかくポップで分かりやすい作品です。
ヴァラエティーに富んでいて透明感もあり
売れるのも十分うなづけます。

スウェーデンのアルバム・チャートでは
5月6日付で1位初登場し
3週間にわたり首位の座を守りました。
最新の10月14日付では9位に後退していますが
24週間連続でトップ10をキープしています。

さらに凄いのが
1stシングル「Jag kommer」は2月18日にランク入りし
一度ダウンしながらもアルバム発売後の5月6日付で1位
2ndシングル「Välkommen in」は最高位2位
それ以外の9曲もダウンロード発売により
それぞれチャートイン。
5月13日付ではアルバム収録の全11曲が
同時に30位内に入るという快挙を成し遂げています。


<収録曲>カッコ内はチャート最高位

01 Satan i gatan (2)
あっと言わしてくれたタイトル曲
02 Välkommen in (2)
前作の雰囲気に近い曲
03 Jag kommer (1)
インパクトの強い先行シングル
04 Mitt hjärta blöder (5)
個人的に一番好きな可愛らしい曲
05 Vi kommer alltid ha Paris (18)
夢見心地なフワフワした曲
06 Inga kläder (12)
これもドリーミーな曲で二番目のお気に入り
07 Alla mina låtar (24)
エレクトロが効いた不思議な雰囲気の曲
08 Snälla bli min (6)
ピアノをバックにじっくりと歌います
09 Sju sorger (18)
この曲もじわじわと盛り上がる良い曲
10 Finns det en så finns det flera (27)
軽快でダンサブルな曲
11 Lördagen den femtonde mars (30)
短いバラードですが味わい深い曲


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Razika - Program 91

2011-09-28 23:31:36 | レヴュー

ノルウェー・ベルゲンの4人組ガールズ・バンド
Razikaのデビューアルバム『Program 91』。
ポスト・パンクと60年代音楽からの影響が強い
メンバー全員19歳の女の子たちで
6歳の頃からの知り合いという幼馴染バンドです。

同じくノルウェーの女性5人組インディー・バンド
Norma Sassとも共通点はありますが
決定的に違うところは少し緩めのヴォーカルと
スカなども取り入れた音楽の多彩さ。

全体的になんとなく似ていると思ったのが
Elizabeth Morris率いるAllo Darlin'
サウンド的にはAllo Darlin'よりも粗い感じですが
ヴォーカルの雰囲気や
ポップ・フリークぶりは瓜二つと言ってもいいほど。
インディーぶり全開のところももちろん。

Allo Darlin'「Henry Rollins Don't Dance」は
終盤に「You're the One That I Want」が出てきましたが
Razikaの「Taste My Dream」という曲は
イントロがなんとThe Beatlesの「Lady Madonna」。

どことなくAmelia Fletcherの影も
見え隠れします。

Why Have We To Wait
Vondt I Hjertet
Nytt På Nytt
Jag Kommer (Veronica Maggioのカヴァー=アルバム未収録) →


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2011年 上半期ベスト・アルバム

2011-07-06 23:35:05 | レヴュー

恒例の上半期ベスト・アルバム。
今年1-6月発売のアルバムを対象に
5枚選んでみました。

前回の楽曲も含めて
後で簡単な解説をしてみようかと思っています。


***************





① Alessi's Ark - Time Travel





② Palpitation - I'm Absent, You're Faraway





③ Lykke Li - Wounded Rhymes





④ Acid House Kings - Music Sounds Better With You





⑤ Andreas Mattsson - Kick Death's Ass



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Alessi's Ark - Time Travel

2011-06-30 23:45:24 | レヴュー

今日が21歳の誕生日のAlessi's Arkが
今年4月25日に発表した2ndアルバムが『Time Travel』。
09年5月にヴァージンからリリースした1stアルバム
『Notes from the Treehouse』以来ほぼ2年ぶりのアルバムです。
その後、昨年2月にはヴァージンを離れ
昨年4月のEP『Soul Proprietor』に続いて
今作もインディーズのBella Unionからの発売です。

結構いろんな日本のブログで書かれていたり
Amazonのページでもレヴューする人がいたりと
そこそこ日本でも人気があるようです。

前作はバンド・サウンドながら
ストリングスやハープなどの楽器も使っていて
ナチュラルで素朴な魅力のAlessiの歌を
ドリーミーな雰囲気で包んだ素敵な作品でした。
今回はかなりシンプルな構成のバンド・サウンドになり
オーガニックなAlessiの持ち味を
一層引き立たせることに成功していると思います。

清楚、純真などと言われていますが
よく聴いてみると結構クセのある歌い方をしています。
でも、それがいやらしく感じさせないところが
この人の声の魅力なのだと思います。
とくに気に入ったのは
「Wire」「Maybe I Know」「The Robot」の3曲。

このアルバムでアメリカ・デビューするということが
つい2日前に決まったようです。

ジャケット・アートはアイスクリーム・ヴァンで
内側にはアイスクリーム・コーンのイラストがあるのですが
そこに「itadakimasu」の直筆メッセージがありました。
今回の手編みのニット・バッグは紺色です。

<2nd収録曲>
Wire
Maybe I Know
The Robot

<1st収録曲>
Memory Box
Over The Hill
Constellations


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Palpitation - I'm Absent, You're Faraway

2011-06-26 21:18:54 | レヴュー



Palpitationが6月1日にLuxuryから発売した
2ndアルバムが『I'm Absent, You're Faraway』。
セルフ・タイトルの1stアルバムから
1年1ヵ月での登場と結構速いペースです。
CDフォーマットでの発売がなく
LPとデジタル・ダウンロードだけです。

収録6曲でトータル22分強なので
ヴォリューム的にはフル・アルバムというより
ミニ・アルバムに近い感じです。
1stアルバムが個人的には衝撃的だったので
今回はとくに目新しさは感じませんが
それでも捨て曲なしのクオリティーの高さで
かなり満足度の高い1枚です。

前作に比べて打ち込みと
曲によってビートが少し強調されたような印象ですが
全体的には大きく変わっていません。

一足早くフリー・ダウンロード(右クリック)で紹介されていた
「We Don't Need To, We Don't Have To」は
打ち込みとパーカッション音が印象的な素敵な曲でしたが
それ以上に気に入ったのが3曲目の「Ready Set Go」。
スリリングなギター・サウンドと
タイミング良く入るトランペットの取り合わせも素晴らしく
会心の出来です。
この曲1曲だけでも聴く価値ありです。
(もちろん他の曲も良いですが)

<収録曲>
We Don't Need To, We Don't Have To
Repeat / Reverse / Rebuild
Ready Set Go
Lights Are Changing Color
New Mexico
Faraway

<おまけ>
Ready Set Go (acoustic live)  →


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Mire Kay - Fortress

2011-05-30 00:39:06 | レヴュー

スウェーデンの女性4人組ポストロック・バンドAudrey。
これまでに2枚のアルバム(1st2nd)を発表し
09年4月には来日もしていますが
そのメンバーのうち2人による
サイド・プロジェクト的に活動しているのがMire Kay。

メンバーはEmelie Molin(チェロ)と
Audreyの中心人物Victoria Skoglund(ギター)。
4月20日には1stリリースとなる5曲入りEP『Fortress』が
Audreyと同じくA Tenderversion Recordingから
発売になっています。

Audreyと大きく違う点は
フォーキーなアプローチをとっていること。
Audreyは美しいながらもダークで重々しいバンド・サウンドですが
Mire Kayはギター、チェロ、バンジョー、
ラップ・スティール・ギター、ヴァイオリンの楽器を使い
よりシンプルに美しいサウンドを作り上げています。
ヴォーカルの比重が増したのも特徴です。

ポップ・メランコリー・フォーク・ミュージックと
自らのサウンドを称していますが
個人的にもMire Kayの方が断然好みです。

BandCampでは1曲目に収録の
Sea Monster」という曲がフリーDLになっています。

全曲ストリーミング
So You Learned



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Acid House Kings - Music sounds better with you

2011-04-11 23:51:04 | レヴュー

Acid House Kings待望の6年ぶり5作目
『Music sounds better with you』。

2ヵ月前にシングル候補の数曲を聴いた時に
少し書いています
「Would you say stop?」と「(I'm in) A chorus line」は
前作収録の傑作「This heart is a stone」の雰囲気があったり
The Smithsの曲名に酷似する「Heaven knows I miss him now」や
「I just called to say jag älskar dig」(jag älskar digはI love youの意味)
なんていうタイトルの曲もあったりと
初めはかなりパロディの要素が強いのかと
思いながら聴いていました。

数回通して聴いた印象では
2nd-4thの3枚の方が良いような気がしました。
とくに前作『Sing along with acid house kings』の延長線上ですが
大きく変わった点も感じられませんでしたが
繰り返し聴くうちにジワジワと来ました。

今回はこれまでの作品以上にサウンドがすっきりして
ピュアなポップにさらに磨きがかかりました。
流れるようにエレガントなインディー・ポップです。
この1曲という決定打という点では少し物足りなさも残りますが
捨て曲のなさでは一番ではないかと思います。

今作品でもうひとつ感じられるのがThe Legendsのサウンド。
そしてこれも以前書きましたが
「Under Water」と「Waterfall」の2曲(こちらで)では
Friends「Far And Away」を思い出してしまいました。

個人的に気に入ったのが「(I'm in) A chorus line」と
「There is something beautiful」「I just called to say jag älskar dig」
「Heaven knows I miss him now」のラスト3曲。

「I just called to say jag älskar dig」は出だし部分が
これも前作の「Do what you wanna do」にそっくりだったりと
遊び心満載です。

(I'm in) A chorus line
There is something beautiful
Heaven knows I miss him now
Would you say stop?


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Lykke Li - Wounded Rhymes

2011-03-28 23:49:09 | レヴュー

今月25歳になったばかりの
Lykke Liの3年ぶり2ndアルバム『Wounded Rhymes』。
前作『Youth Novels』と比べて
個々の曲の出来が素晴らしく良いです。

50-60年代オールディーズ風
70-80年代ダンス・ミュージック風
80年代ニューウェイブ風と
どこかレトロでチープな感じは前作同様ですが
曲の作りがよりクリアかつシャープになっています。
前作で感じられたクラシカルな部分は
個人的にやや苦手でしたが
それが影を潜めたのも好感です。
とにかく分かりやすい1枚。

とくに気に入ったのが「Sadness Is A Blessing」
「Rich Kid Blues」「Love Out Of Lust」の3曲。
本国スウェーデンでシングル・ヒットとなった
「I Follow Rivers」も良いです。

スウェーデンのアルバム・チャートでは
3月11日に初登場2位(その後6位→12位)を記録しましたが
驚くべきは全米ビルボードにも初のチャートイン、
3月19日付で初登場36位でした。

01 Youth Knows No Pain
   02 I Follow Rivers     
03 Love Out Of Lust
04 Unrequited
05 Get Some
06 Rich Kid Blues
07 Sadness Is A Blessing
08 I Know Places
09 Jerome
10 Silent My Song


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