MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

<この1枚>France Gall Live

2007-10-20 00:57:19 | この1枚

France Gall(フランス・ギャル)といえば60年代のロリータ・アイドルというのが、日本をはじめ世界的な常識となっています。しかしFrance Gall本人も認識しているように、74年以降の夫のMichel Berger(ミシェル・ベルジェ)との活動こそが彼女の真のアーティストとしての軌跡だというのが私の持論です。とくに70年代の作品は、アイドルを脱して本格的なシンガーへと変貌を遂げていきます。

彼女の作品に初めて出会ったのは78年のことで、当時高校2年でした。たまたま聴いたNHK-FMのリクエスト番組でかかった76年のシングル「Comment Lui Dire」(新しい愛のはじまり)でした。フランス語の曲を聴くということはほとんどなかったのですが、ドキドキするようなイントロ、少し哀愁を帯びたメロディとヴォーカル、そしてサビの部分にくると一転して明るく可愛らしくなるという、それまで聴いたことのない魅力的な音楽でした。

それから何ヵ月かして今度は新曲の「Viens Je T'Emmène」(誘惑のダンス)を、これまた偶然ラジオで聴きました。こちらは当時ブームだったディスコ・サウンドです。この頃はまだ自由になる小遣いも限られていたわけですが、たまにレコード店に行ってはシングルやLPを眺めては、「いつか欲しいな」などと思っていました。

そして翌79年、今度はラジオ番組(多分「軽音楽をあなたに」)で彼女の新譜であるライヴ・アルバムを紹介しました。それが「Live Théâtre des Champs-Élysées」(本国では78年発表)です。France Gallは47年生まれなので、30歳を少し過ぎた頃の作品です。オープニングの「Musique」(二人だけのミュージック)から完璧でした。いま収録曲を調べてみると、16曲すべてが74年以降の曲で、シングル曲は漏れなく入っています。ライヴ盤という形ではありますが、74-78年の彼女のベスト・アルバムといっても良さそうです。

このアルバムを境に彼女の作品の日本発売が長らく途絶えることになります。その後すぐの80-84年の彼女のシングル曲の5曲中4曲が、60年代にも成し得なかったフランスのヒットチャートでNo.1を獲得したことを思うと少々不可解です。

オープニング曲の「Musique」の前に「Poupée De Cire, Poupée De Son」(夢みるシャンソン人形)のメロディが少しだけ流れるのが不思議だったのですが、アマゾンのレヴューに「『シャンソン人形』のメロディを“Musique”のイントロで中断する演奏は、アイドル時代への決別を見せ付けるようです」とありました。なんとなく納得です。


【収録曲】(リンクはこのライヴのものではありません)

Musique(二人だけのミュージック)
Samba Mambo(サンバ・マンボ)
Si, Maman, Si(聞いてよママン)
Comment Lui Dire(新しい愛のはじまり)
Ce Soir Je Ne Dors Pas(今夜は眠れない)
La Déclaration D'Amour(愛の告白)
Ce Garçon Qui Danse(踊る男の子)
Je L'Aimais(私が愛した人)
La Chanson D'Une Terrienne(わたしのお家)
Chanson Pour Consoler(歌は慰め)
Chanson De Maggie(マギーの歌)
Ça Balance Pas Mal A Paris(楽しい暮らしはパリで)
Le Meilleur De Soi-Même(わたし)
Aime La(愛してちょうだい)
Viens Je T'Emmène(誘惑のダンス)
Quand On Est Enfant(幼い日の想い出)


(データなどが充実しているこちらのページを一部参考にさせていただきました)

コメント (4)
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