町に住まう

2008-04-26 00:52:42 | Weblog
 コートハウスであるなしに関わらず、昨今流行の小住宅は外部空間を取り込む必要性に迫られています。ただでさえ狭い敷地に家を建てるのですから、家のなかにいて圧迫感のない、つまりいかに狭さを感じさせない室内にできるかが問われ、そのためには内と外のつながりをどうするかが大きなポイントになるのです。極端にいえば、狭小敷地の計画はすべてコートハウス的に庭を取り込む発想が必要といえるかもしれません。
 実際、雑誌に出ている小住宅でコートハウスの形式に依らないものでも、スクリーンなどと称する一種の壁を設けて隣地や道路からの視線を遮っているものが多く見られます。
 しかし、外からの視線を遮ることに固執しすぎると外に対して無愛想になりやすく、過剰に敷地外を拒絶した得体の知れない「怪しい」家になりがちです。

 緑を楽しむ家 心地よい都市住宅の作法 村田靖夫著 建築資料研究社