開口部(窓)を考える

2012-11-30 22:56:55 | Weblog
 開口部を考えるということは、外部と内部の関係を考えることです。関係をどうしたいかで、開口部の位置と大きさ、その機構が異なるはずです。

 「リビングのソファから遠くの景色を見たい」「台所に立っている風が抜けていくように」「近所の目を気にせず、光を入れたい」「外と室内が一体となるようにしたい」など内と外を関係づけて考えて、必要なところ、必要な分だけ開口部にします。単に明るくなるからとか、壁があるから窓を付けよう(笑)なんて考えると、守ってくれる壁がなくなり、住まいの拠り所を失うことになりかねません。積極的な意味を見いだせない開口は設けない。開口部(窓)というのはそれくらいでちょうどいいと思います。

 窓が多いことは決して「豊か」ではないのです。

 (略)

 景色を取り入れるならば、見たいものだけを切り取る。だから大きな窓もあれば小さな窓もある。風を入れたければ、土窓にして床をなめるような風が欲しいのか、高窓で天井付近の熱気を抜きたいと思うのか・・・など、主たる目的をはっきりさせて設計を組み立てていった方が心地よい空間ができあがると思うのです。


  伊礼智の住宅設計作法 小さな家で豊かに暮らす より抜粋

 
 よく南向きに大きな開口を取っているが、いつもカーテンを閉じっぱなしの部屋とか目にします。
 不思議とこちらも開口部があると、その中を覗き込んでしまいます。窓を開けて外を見ると、隣の家の人と目が合ってしまうなんていうのは最悪ですね。

茶と能の“間”

2012-11-13 00:31:00 | Weblog
 前にもどっかで言ったことがあるけど、裏千家の家元である千宗室さんからお茶に招待されたことがある。京都のお寺の中にある、「今日庵」という由緒ある茶室で、そこには余計なものが一切ない。床の間の掛軸と花がちょっこと置いてあるだけ。その空間がそのまま宇宙だという。

 茶室の入り口までのアプローチもおもしろく、当然、きれいに掃き清められていて水も撒いてあるんだけど、そうした上でわざと枯葉を絶妙なところに置いたりしている。塀なんかにベタッとくっつけて。手を洗うところを蹲踞(つくばい)と言うらしいんだけど、そこにも一枚だけ紅葉を置いてある。枯葉の落ち具合も楽しんでください、というわけだろうけど、それを大声でアピールするわけじゃなく、「お気づきになられましたか?」なんていう感じでさ。あまりにも「掃除しました!」という雰囲気は、かえって品がないというかね。この美意識はなかなか外国の人には伝わりにくい。

  間抜けの構造 ビートたけし著より

 部屋を広く使うために、壁や扉をなくしてワンルームへ。流石に空間としては広くなり、一見便利そうではありますが、やはり大雑把な感じですね。結局、コストカット、工期短縮とか、作る側のメリットを、うまい具合に押し付けられた感じがしないでもありません。

 ふすま等で、二間を仕切ったり、一部屋として使ったりする知恵は、さすがに日本人ですね。部屋の中に、床の間を造ったり、部屋の中から雪見障子で庭を眺めたり、小さな空間でもそうは感じさせない。同じ空間でも、季節により時間の流れを感じさせるなど、間というか言葉では表せない日本の良さがそこにはあります。

オークション その2

2012-11-06 01:03:36 | Weblog
 このチェスト、ちょっと変わっていて、お洒落ではありませんか?

  幅1800×奥行460×高さ650mm 床面から幕板までの高さ310mm

 あまり見かけないサイズとデザインでしょう。
 脚が長くて、脚元がスッキリしているところが気に入りました。
 背もあまり高くないので、部屋の中でも圧迫感もなく、スッキリした感じです。
 天板の上も広くて、ちょっとしたものを飾っておくのにも最適です。

 オークションでの購入時の難点は、なんといっても運送代です。
 普段、お店で購入するときには、かかりませんから・・・
 中には、落札した品物代以上の運送代がかかってしまう場合があります。
 運送料がもったいないような気もしますが、それでもこの割安感にひかれてしまいます。