採光のムラ

2008-04-11 00:32:53 | Weblog
 ヨーロッパにある建物は、石や煉瓦などを積んでつくる組積造のため、構造上あまり大きな開口部がとれません。組積造は、壁で家を支えているので、室内を明るくするためには、開口部の幅を狭くして縦長にしなければなりません。これに対して日本の家屋では、縁側や深い軒を利用して開口部を横長にして均等な光を部屋の中に入れます。
 縦長窓では、室内に採光のムラ(光と影)ができるため、長い生活の中でヨーロッパの人はこの光の強弱を愉しむようになり、それに対して日本人は、明るく、均一的な光を求めていましたから、蛍光灯が爆発的に普及したのだそうです。

 建築のかたちが決まる理由 吉田桂二著 鳳山社