テレビ台

2010-06-10 00:24:49 | Weblog
 広いリビングが望みだったのですが、普通の生活ではあまり空間が広すぎても落ち着きません。そこで、リビングをつながったような、区切られたような二つの空間に分けれないかと考えました。
 天井の仕上げを変えることで、ある程度は空間を分けることはできましたが、何か壁のような姿を隠せるようなものが欲しくなりました。建具で区切るのは簡単ですが、それでは単なる二間続きの部屋になってしまいます。
 そうだ!テレビを掛ける壁を造り、それで部屋を区切れば良いんだ。
でも、壁を造ってしまうと、後からそれを取り除きたくなっても、もうどうしようもありません。そこで思いついたのが、写真のようなテレビ台です。
 台の背中に壁をつくることにより、空間を区切ることにしたのです。目線は、テレビ台の奥まで抜けるのに、空間は希望通りに分けることができました。それも棟梁が、床に使った無垢材を利用して、同じ材質で造ってくれたのです。どこにも売っていない、我が家だけのテレビ台です。


雪見障子

2010-06-09 00:54:20 | Weblog
「雪見障子」って、とても風情がある呼び名だと思いませんか?
雪見といっても、雪が降らないところでも、季節が冬でなくても構わないのです。見たくないところはカットして、きれいなところだけを切り取って眺めるのです。日本人ならではのアイデアだと思いませんか?
 それも、雪が積もった時にわざわざ障子を開けて、炬燵に入りながら、外を眺めるなんて・・・映画に出てくるような一場面ですよね。

 話は変わりますが、「雪見障子」に似たもので「猫間障子」というのがあるようです。「猫間障子」というのは、猫の出入り口のために障子を上下させるものらしいのですが、これってどちらが先かといえば、後者の方が先にできたと思いませんか?
 ちなみに「雪見障子」とは、障子が上げ下げでき、下部がガラスになっているものだけをいうようです。

場を仕切る

2010-06-06 00:18:20 | Weblog
 家をつくるとなると、誰しもが大きな部屋を希望する。大は小を兼ねる。たしかに狭い部屋より広い部屋のほうが、使い勝手も居心地のよさも上回るような気がしてしまうのだが、はたして暮らしては大きさや広さだけで、単純にすべてがよくなるものだろうか。
 部屋には用途に応じた適正な広さがある。極端な例を挙げてしまえば、茶室などはその狭さのなかに使い勝手と居心地のよさを追求する。普段の暮らしはそこまでストイックな環境を求める必要もないが、使い勝手を考えたとき、それに見合った必要な広さがあれば、そのほうが使い勝手はよくなることが多い。

 最高の住宅をつくる方法 本間至著 1200円(税別)

夏の日差しを遮って風だけを通す「すだれ」、視線を遮りながら室内に光を取り込む「障子」、空気を遮りながら空間はつなげている「つい立」等、日本人の生活の中には今更ながら新たに気付かされる工夫がいっぱいです。

住吉の長屋

2010-06-03 00:16:27 | Weblog
 檀ふみさんの「父の縁側、私の書斎」の中で、建築家の安藤忠雄さんの「住吉の長屋」が紹介されおり興味が湧いて調べてみました。
 何でも部屋から部屋に移動するのに、一度外に出なければらなく、雨の日には傘をさして移動するというもの。安藤さんがこの家を造った時、「住むことは闘いである」と言ったとか言わないとか・・・
 建物は、長屋跡に建てられた間口3.6メートル、15坪足らずの2階建てのコンクリート打ち放しであるが、1978年、この小さな住宅が安藤さんの名を世界中に知らしめた作品となったそうです。
 
 考えさせられますね。何せ階段を造るスペースがもったいないくらいですから
普通に考えると、建物の前面を下げて3階建にするとかでしょうか?
奥と手前を通路でつないだ中庭式はよく見かけますが、そこに階段スペースも取ると・・・光と風をどの部屋にも通すのは難しそうです。
後は、決断ですね。
何でも最初に考え付き、それを形にするというのは凄いものです。
私も住むとなると考えてしまいますが、アイデアを見せられたら納得してしまうと思います。
  

無駄の必要度

2010-06-01 00:14:37 | Weblog
「どうやって自分のプランを押し通すか」が、建築家の腕なのだという。
我が家も、そうした「腕」のいい建築家に当たったらしく、無駄で一杯である。七○パーセントは無駄で成り立っているといっていい。
 我が家には、応接間をぐるりとめぐっている廊下がある。廊下は吹き抜けになっており、はるかなる高みにある天井はガラス張りのトップライトである。
 「汚れたら、いったい誰が拭くんですか」と、私は私なりに必死の抵抗を試みてみた。しかし、「助手を差し向けます」と、建築家に簡単に言い負かされてしまったのだ。

 父の縁側、私の書斎 檀ふみ著より

 子供の学校の課題図書になっていて読んだのですが、これから家を建てようと考えている方は、住宅にまつわるエピソード満載のエッセイ集ですので、一度読んでおくと面白いと思います。

 携帯やパソコンと同じで、使い手がその機能を使いきれないから無駄に感じてしまうのか、便利さや費用ばかりの面から見るので無駄に感じてしまうのか分かりませんが、無駄って本当に無駄なのでしょうか?
 私なんかバリアフリー何てよくいいますが、多少段差があっても家の中に変化があって良いと思っています。