妻の居場所

2011-01-26 23:36:34 | Weblog
 リビングで家族がくつろいでいる間も、毎日食事の準備をしいるお母さん。
 子供が出来ると、どうしても妻も“お母さん”と呼んでしまいます。

 まぁ私は、これも日本語の素晴らしさだと思ってはいるのですが、機嫌が悪いとよく「私はあなたのお母さんではありません」と切り返されています。

 お母さんの居場所は、くつろぐところではなく、家事をこなす台所なんですね。
 ついつい当たり前のように思ってしまいますが、お母さんは、毎日一番早くから起きて、一日中大変なのです。
 毎日、毎日、感謝!感謝です。

 最近は、このソファーがお母さんの居場所になっています。
 ちょっとテレビから離れているので、みんなはあまり利用しないのですが、10時を過ぎると、お母さんのベッドに早変わり。
 よっぽど疲れているのでしょう。
 テレビの音を聞きながら、そのままちょっと間横になるのが、今の妻の至福の時間のようです。

私の居場所

2011-01-22 00:56:05 | Weblog
 家の中に自分の居場所がありますか?

 昔から和室には、床の間があり、自ずからどこに誰が座るかが決められていました。でも今は、家の中心はテレビです。
 
 エコポイントのおかげで、すごい勢いで大型化し、リビングの一番中心にドカンと居座っています。間取りを考える時には、テレビをどこに設置するかが決まらなければ、先に進むこともできません。テレビを見る視線と、人の動線が重なってはいけないからです。

 「ここはお父さん」の場所という定位置がなくなり、テレビが家の中心となってしまったのです。

 この椅子は、私の居場所です。

 ちょっと奮発して購入しました。なかなか存在感があるでしょう?

 テレビからは多少離れてしまいますが、この椅子があれば、主人の存在も一目瞭然です。いくら遅く帰ってきても、ここにはいつでも私が座れるのです。何かさみしい話ですが・・・

 株式会社 匠工芸 ソイルダイニングチェアー

広縁(ひろえん)

2011-01-17 23:57:05 | Weblog
 広縁とは、その名の通り幅の広い縁である。通常の縁側の幅3尺(91cm)に対し、広縁は4尺(120cm)以上くらいでしょうか?

 広縁があると、部屋に広がりが持てますし、屋外のもう一つの部屋という感覚も味わうこともできます。但し、防犯的にもその先には広い庭が必要ですし、最近の住宅は耐震性が求められるので、どうしても家の周囲は壁で囲まれてしまいます。

 話は変わりますが、龍安寺の石庭は、どこから眺めるのが良いと思いますか?

 高校の修学旅行で、友人達と一緒に広縁のちょうど真ん中辺りで写真を撮った記憶はありませんか?

 てっきりそうだとばかり思っていたのですが、実は写真の位置から眺めるように設計されているのだそうです。広縁の真ん中というのは、ちょうど御本尊が安置されており、そこから庭を眺めるのは、御本尊にお尻を向けてしまいます。

 石庭の石は、写真の手前が一番大きく、周りの壁も手前から奥に向かって、少しずつ高さが低くなるように、屋根も幅が狭くなるように設計されているそうです。そうです。庭の中に人工の遠近法が用いられているのです。だからここからの眺めが、庭が一番美しく見えるのだそうです。

無駄な空間

2011-01-13 00:15:20 | Weblog
住まいには二つ以上の「無駄な空間」を

縁側、土間、屋根裏、地下室、広い玄関、吹抜け、中庭、ルーフバルコニーなどは、これといって明確な目的がない空間ではありますが、どれだけ暮らしに豊かさと潤いを与えてくれるか計り知れません。そんな場を住まいに二つ以上は取り入れてみたいものです。

住まいに居場所がありますか?家族をつくる間取り・壊す間取り
          ちくま新書 横山彰人著

プルキンエ現象

2011-01-10 11:00:27 | Weblog
ヒトの眼の網膜には、錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞との2種類の視細胞がほぼ一面に並んでいます。この名前の由来はずばり細胞の形(桿とは棍棒のこと)から来ています。
錐体細胞は網膜の中央部に多く存在(百万個)し、明るい時に働き、桿体細胞は中心部を除く全体に分布(1万個)し、暗い時に働きます。
明るいところから、映画館など暗いところに入ると、最初は暗くて何も見えませんが、次第に目が慣れてきます。これは、明るいところで見ていた錐体細胞から、暗いところでは桿体細胞が段々働いて、わずかな光でも受容するようになるためです。
桿体細胞は、感度は良いのですが、色を見分けることができず、赤い光には反応しません。

そのため、暗いところでは、赤い色が黒く沈んで見えます。反対に、青い色は明るく浮き上がってみえます。これは錐体細胞と桿体細胞の感じる光の波長のピークが違うため起こる現象です。この比視感度が変わる現象のことをプルキンエ現象と言います。

フェルメールの光

2011-01-06 00:04:51 | Weblog
和室に使われている障子は、横からの外光を優しく引き入れ、穏やかで静寂に満ちた空間を作り出しているのだ。
 ①障子は鋭い外光をそぎ落とし、穏やかな光に変換し、和室独特の静寂を生み出す。
  強い光は、茶道具を粗相に見せるので、茶室に障子は必然だった。
 ②障子は柔らかい光を拡散させながら室内の隅々まで均一に届けます。
 ③優れた断熱効果
 ④自然の和紙と木の素材が、居心地のよさを人に感じさせる。
 ⑤障子の開閉により、欲しい景色は採り入れ、欲しくない景色や外部からの視線はシャットアウト
 ⑥スクリーンのように自然の「墨絵」を描き出す。

 人を動かす照明術 
 歴史に学ぶ「ここ一番」での光の使い方 結城未来著