ローコスト住宅

2008-03-02 00:48:52 | Weblog
 真の「ローコスト住宅」とは建て主の最小限の要望と建築家の最大限のアイデアと努力によって実現されるものであるので、当然覚悟が必要である。その覚悟とはつまり建築家が「何を削ったか」ということである。普通の住宅に当然あるべきものを次から次へとそぎ落としていき、ある意味住宅の常識を破っていくことが「ローコスト住宅」の設計作法であるのだから覚悟だらけといっても過言ではない。
 しかし建築家はいわゆる「おうちらしさ」というものを削ることによって住宅がより抽象的なオブジェに近付いていくことにとてつもない快感を覚えるので妙に喜々として設計は進む。そこで建て主は建築家に「なぜニヤニヤしているのですか?」ではなく「何を削っているのですか?」ということをちゃんと聞いておかなければならない。それが構造的な性能なのか断熱性なのか気密性なのか耐久性なのか、それとも間取り的なことなのかということを。

 建てずに死ねるか!建築家住宅 ㈱エクスナレッジ 大島健二著より

 目から鱗っていう感じですね。建築家が安い家を造ってくれる訳ではなく、安く上げるには何かを除かなければいけないのです。言われてみれば当たり前のことなんですが、勝手に自分に都合がいいように思い込んでしまいますね。要するに、必要なものを造るには、それなりの金額はかかってしまう。コストを下げるとは、その中でも無駄なものをなくしていくということですか