goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2025年J3リーグ第6節 奈良クラブvsザスパ群馬

2025-03-27 16:03:03 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 奈良のフォーメーションは、yahooスポーツナビ・DAZN予想ともに3-4-2-1。しかし都並の可変具合(リトリート時にのみ5バックの中央になる)からして、彼をアンカーとした4-1-4-1(ないしは4-1-2-3)がシックリくる。
  • ルヴァン杯1回戦が前後に挟まり、奈良は既に消化済み(J1・FC東京戦、0-1)、群馬は3日後に控えるという状況での一戦。
  • その奈良のルヴァン杯からの連投は、GK岡田慎・鈴木・都並・中島・酒井の5名。

奈良ベンチメンバー=マルク・ヴィト(GK) 生駒 佐藤 田村亮介 山本 國武 岡田優希 神垣 百田

群馬ベンチメンバー=キムジェヒ(GK) 大畑 船橋 野瀬 山中 青木 田中 下川 小西


2度目(通算3シーズン目)のJ3となってしまった群馬。
いずれもJ2最下位での降格だけあって、近年増えてきた元J2クラブの中でも、特に悲壮感を覚えてしまうのは自分だけでしょうか。
それを覆い隠さんとしてか、攻撃サッカーへと舵を切った今季。

新監督に選んだのは、前年まで札幌のコーチをしていた沖田優氏。
長い同業(間に仙台のコーチも挟みましたが)のなか、あのミハイロ・ペトロヴィッチ氏(以下ミシャ)の下での仕事が最も長期だっただけに、フロントの期待に応えるべく攻撃面を落とし込むにはうってつけと言える人材であり。
その成果が最近3試合でいずれも2得点に表れているものの、その間の失点は8と差し引きマイナスな面は否めなく。
この辺り、ある意味ミシャ氏のサッカーを引き継いでいるというべきか。
開幕から4-1-2-3の攻撃型布陣を採っていたものの、そんな大量失点を受けてか前節(鳥取戦、2-0)から3-4-2-1へ変更と、これもミシャ氏の足跡を辿る事となり。

しかし試合が始まると、「ミシャ式」とはかけ離れたスタイルを披露します。
5バックで守るものの、一度マイボールになると米原が前に出てかつ中央寄りと、アンカー気味に可変。
従来の4バック・アンカーシステムの引継ぎ、かつ理想のスタイルの模索といった意味合いが交錯するようなそのシステム。
米原はアンカーと書いたものの、左から移動する形なのでその可変が間に合わず、それが逆にドイスボランチと流動的なポジショニングを生み出し。
そして本来ボランチが主戦場である風間や西村が降りてくると、4ボランチのようにも映る斬新さ。
こう書き連ねると、「特異なスタイルで相手を圧倒」という展開の予感を孕ませますが、実際は流動性が混乱を招いたようなものになってしまいました。

相手の奈良も、3バックの中央である都並がアンカーへと可変するシステム。(守備時も押し込まれるまではアンカーに残っていたので、↑では4バックとした)
そのため、そんな特徴ある布陣を見ても特別なものは感じず、普段通りのサッカーを貫けたでしょうか。

しかし前半8分、GK岡田慎がフィードを送らんとした所、スリップしてキックミスとなってしまい群馬のショートカウンターに。
拾った風間へのプレッシャーによるこぼれ球を、河田がダイレクトでミドルシュートを放って(枠外)脅かし。
するとその直後にも、浮き球を収めんとした都並が狙われ(安達に)奪われてのショートカウンター、河田を経由して風間がペナルティアークからシュート。
GK岡田慎が何とかセーブと、群馬の新システムの効果が十分現れたように混乱が齎されたような立ち上がり。

ウイングバックもかなり高めに位置取り、殆ど2バックのような布陣で攻め上がる群馬。
それでもサイド攻撃よりは、中盤で三角形を作りながら、降りてきた風間・西村へと縦パスを当てての中央突破が目立ち。

しかしそんな勢いが目立った序盤戦が終わると、前掛かりな隙をしっかり突かれる事となり。
14分敵陣浅めでフリーキックを得た奈良、反則を受けた吉村が素早いリスタートを選んだ事でその局面が訪れ、裏へのミドルパスを受けた川谷が左ポケットへ進入。
必死に戻った群馬ディフェンスを受けるも、それによりこぼれた所を田村翔がシュートし、ネットに突き刺します。
早期にリードを奪い、不安定な相手守備を露出させる格好に。

とはいうものの群馬ペースに見えた立ち上がりの時間も、6分の奈良の攻撃では中盤でのボール奪取が起点となり、右から上がった森田のアーリークロス。
これを瀬畠のクリアミス(ヘッドが丁度フリックの形になる)でファーの田村翔に収まる(シュートするもオフサイドで無効に)という具合に、後方の炎上の気配がプンプンとしており。
キックオフでの再開直後(15分)も、群馬のミスから田村翔が左ポケットへ切り込む好機が訪れる(瀬畠を剥がしてクロスもクリア)など、浮き足立つ事で崩れる危機の予感が高まります。

しかし直後の奈良のコーナーキックから、カウンターに繋げた(加々美のロングパスを受けた田頭が右ポケットへ切り込み)事で一息付き。
奈良も前掛かりな守備となっているのを突きに掛かり、18分には瀬畠のロングパスに河田が抜け出して受けるも、距離を詰めたGK岡田慎が掻き出して何とか防ぎ。
可変の肝となっている都並は、戻りが遅れるというよりも意図的に前残りしている格好で、あからさまに押し込まれるまではアンカーの位置を維持。
それに釣られるかのように前からプレッシャーを与えるも、群馬の中盤を厚くしてのビルドアップに対しボールゲインはままなりません。

群馬が小気味良く攻撃機会を重ねる流れとなり、迎えた22分。
GK岡田慎のロングフィードを瀬畠が跳ね返したのが起点となり、前に向かわんとした奈良の裏を素早く突く状況に。
そして山内のスルーパスがエリア内に送られ、走り込んだ河田が果敢にダイレクトでシュート。
これがGK岡田慎も一歩も動けないほどのフィニッシュとなり、ゴール右上へと突き刺さり同点に追い付きます。
この日もスコアに結び付いた攻撃サッカー。

その後、追い付かれた奈良がポゼッションを高めるも、その成果は芳しくなく。
23分の河田のシュート(ゴール右へ外れる)以降、どちらもフィニッシュが生まれないまま時間が経過。

均衡が破れたのが31分の奈良のフィニッシュ(川谷が左サイドを突破してクロス、ファーで酒井がボレーシュートもブロックされる)、では無く。
33分の奈良の攻めが途切れたのち、エリア内からの保持となった群馬がゲーゲンプレスをかわしてカウンターに持ち込みます。
山内が西村とのワンツーも交えて持ち運び、左へ展開ののち河田がエリア内へスルーパスを送るも、走り込んだ田頭の前でGK岡田が好反応で弾き。
すると直後の奈良の攻撃(34分)、左での前進から中山が一気に裏へロングパス、田村翔が抜け出すその前に出たGK近藤が間一髪クリア。
尚もこぼれ球を拾って継続する奈良に対し、酒井のドリブルが加々美に倒されて反則となり、獲得した直接FK。
これは得点に繋がらず(右ハーフレーン・エリアからすぐ手前でクロスを選択も合わず)も、お互いGKの好判断が交錯し、かつ奈良の優勢という絵図になった事でペースの針が振れ。

ここから開幕節(福島戦、2-2)でも顕著だった、敵陣でのボールゲインを頻発させる奈良。
そこからショートカウンターで幾度もエリア内を突き、苦し紛れに群馬がロングパスによりそのプレスを脱出せんとしても、落下点の加々美に対して吉村がショルダーチャージで強引に落として奪取。(39分)
その攻めで得た右CKから、キッカー中島の中央へのクロスがこぼれ、すかさず酒井が詰めましたがGK近藤がこれも至近距離でセーブ。

続く40分にも、中島ミドルパス→吉村ポストプレイを受けた酒井がエリア内からシュート(高橋がブロックしてCKに)と、奈良がフィニッシュを重ねる流れに。
しかし群馬も、この奈良のCKから再びカウンターに持ち込むなど一方的にはさせず。
43分には、2バックのうち高橋が持ち運ぶという起点で攻め、その後左サイドで細かく繋いだのち(西村が)サイドチェンジを通して好機。
田頭が右奥へ切り込んでグラウンダーでクロス(ニアに山内が走り込むも撃てず)と、お互い攻撃力を炸裂させる好ゲームの匂いも醸し出されます。

そのまま突入したアディショナルタイム、勢いのままプレスを掛ける群馬に対し、GK岡田慎のロングフィードで一気に裏を突く奈良。
そして抜け出した川谷がエリア内へ進入、切り返しからの横パスを経て田村翔がシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
果たして本当に好ゲームなのか群馬の最後方の脆弱ぶりが顕著なだけか、判断を難しくさせた末に前半が終了します。

3連戦の終わりという奈良の方が、そのコンディション面も考慮してハーフタイムで交代を敢行。
中山・酒井→神垣・岡田優へと2枚替えし、神垣が都並の位置・システムに入った事で都並が左サイドバックへ回り、後半に臨んだのが大きな動きとなりました。

その後半の入り、いきなりの後半1分にGK近藤のロングフィードが裏を突き、受けた田頭が右ポケットへ切り込み。
そしてシュートを放つも枠外と、勢いを見せる群馬。
しかし3分、縦パスをカットした神垣から奈良のカウンターが発動する(岡田優が裏へロングパスを通すも川谷が収められず)など、その威力と脆さは紙一重なのは変わりません。

奈良の違いとしては、都並の役どころが神垣となった影響で、彼が最終ラインに降りるタイミングが若干早まり。
つまりは5バックの色が強まり、守備強化によりスムーズに群馬の裏を突く意識が高まったでしょうか。

それが露骨に表れたのが9分で、群馬の攻撃もスルーパスが通らず終了し、奈良の深めからのビルドアップへと移った局面。
群馬はゲーゲンプレスを選択と前への意識は相変わらず旺盛でしたが、(GK岡田慎を経由し)神垣のロングパスを田村翔がフリック。
この一手で2対1を作られるという具合に、その守備意識の無ぶりはやはり(沖田氏の陰から感じられる)ミシャ氏を彷彿とさせるものでした。
そして吉村の中央へのパスから、岡田優がエリア内に進入、切り返しで瀬畠をかわして放ったシュートが右サイドネットに突き刺さります。
これだけスペースを与えれば、ゴールゲッターの岡田優の威力が発揮されないはずが無いとばかりに、奈良に勝ち越し点が齎されました。

ショッキングな失点による群馬の意気消沈か、その後もひとしきり奈良の攻撃機会が続き。
こうなると挽回する手段はベンチワークで、15分に動き一挙3枚替え。
安達・加々美・風間→野瀬・山中・青木へと交代します。
最終ラインに入った野瀬は右に入り、代わりに米原が本来のボランチへ、そして米原の可変する左CBの役は瀬畠が務める事に。
最前線も、青木が入った事で河田が一列降りる変化が齎されました。

前に出る瀬畠により、高橋が左利きCBとして起点を務めるビルドアップの色が高まる群馬。(前半は瀬畠の起点が多かった印象)
17分、高橋の縦パスを受けた山中が素早く裏へミドルパス、受けた青木がエリア内を突いてシュート。(GK岡田慎セーブ)
交代で入った駒も活かし、反撃の機運を高めます。
22分・24分と立て続けにシュートを放つ青木(前者は澤田がブロック、後者は吉村がブロック)を尻目に、前半ゴールを挙げた河田は下がり気味に。
シャドーながら、風間のように最終ラインからのパスを降りて受ける場面が目立つ事で、彼からの得点の匂いは失われた格好となり。

奈良は25分に2枚替え、都並・森田→生駒・國武へと交代。
後方の選手が入れ替わった所でのビルドアップ、その一瞬の隙を突いて河田が前に出てバックパスをカットしたのが27分。
そのままエリア内へ進入もディフェンスに遭い撃てずと、願わくばここで決められれば(河田の未来のためにも)という所でしたが……。

30分に双方ベンチが動き、奈良は川谷→田村亮へ、群馬は田頭→田中へと交代。
リードする奈良の方が先に5枚使いきりと、先んじてルヴァン杯を消化した影響をひしひしと感じさせますが、その効果もあったようで以降優勢に立ち。

32分吉村のパスカットからファーストプレイの機会を得た田村亮、右奥へのスルーパスで中島を走らせ、そのクロスの跳ね返りを右ポケットで拾い。
そして再度挙げたクロスもクリアされますが、尚もエリア内で田村翔が拾う好機が生まれ、ボールキープで撃つ隙を伺う所を野瀬に倒され。
しかし反則の笛は鳴らず、スタンドからの不満の声に包まれるロートフィールド奈良。

またも群馬の危ない守備対応が顔を出す展開に。
以降も、34分に神垣のロングパスで最終ラインの裏を突かれ、中島が受けた所を前に出てクリアしたGK近藤。
37分には生駒が前に出ての奪取でショートカウンターに持ち込んだ奈良、岡田優のラストパスを右ポケットで受けた田村亮、そのままシュートを放つもこれも距離を詰めたGK近藤が足でセーブ。(左へ流れた所を生駒が詰めるも枠外)
GKが居なければ……というシーンを頻発させ、肝を冷やします。

機運を高めたい群馬、39分に最後の交代を敢行し米原→船橋。
これで田中が前線に入る事で、イメージ的には山内アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)……と思われましたが、どうやら河田がボランチまで降りた模様であり。
1トップに必須な溜めを作る事が苦手な河田故に、前線起用を躊躇するのは判らなくも無いですが……。
それでも故障明けという要素はあっても船橋の威力は抜群で、縦突破あり、カットインから逆への展開ありと敵陣での攻め手を増やし。
43分にはミドルパスを受けた船橋が中央方面へと切り込んでラストパス、河田がシュートに持ち込む(GK岡田慎キャッチ)など相乗効果は十分齎され。

しかし時間も既に終盤。
44分に右奥から河田のクロスが流れ、西村の戻しから逆の左で二次攻撃、ミドルパスを山内がフリックして左ポケットを突くボール。
これを青木がバイシクルの格好でラフにクロスを送ると、そこに合わせにいったのは後方から上がって来た高橋。
しかしGK岡田慎が跳び出してファンブルの末に抑え、守備が固くなるのが必然な相手の前に、強引な攻めも交えなければならない苦しい展開。
即ちここでの高橋のような、後方の事を考えずの攻撃意識が高まり、一層守備面が懸念されますがそれも仕方無かったでしょうか。

突入したAT、最後方で高橋が持ち運びを選択するも、パスコースを探しているうちにタッチが長くなって田村亮に奪われてしまい。
そして拾った田村翔がすかさずミドルシュート、ループの軌道でGKを抜きにかかりましたが、このフィニッシュもセーブしたGK近藤。
しかしCKで継続となると、コーナー付近で中島・生駒・岡田優と3人がかりで長らくキープする奈良。
こうしたファインセーブも、既に流れを変える切欠に成り得ない時間帯という事を痛感します。

そしてAT+3分、奈良の自陣での右スローインでしたが、投げられたボールを國武足でフリック→田村翔1タッチパスによる國武の抜け出しを止められる術が無くなる群馬ディフェンス。
そのまま独走でエリア内まで切り込んだ末に、GKと一対一で放たれたシュートがゴール左へと突き刺さり。
最後もやはりスカスカな後方を突かれる格好で、2点差となり終止符が打たれました。

そのまま3-1で試合終了。
巧くリスク管理した後半の奈良を尻目に、最初から最後までリスクを抱えながらのサッカーだったといった印象の群馬。
1年でのJ2復帰を目指すにはあまりに脆弱と言わざるを得ませんが、そのスタイルの行き着く先は果たして。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J3へ



コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。