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DAZN観戦 2023年J2リーグ第3節 V・ファーレン長崎vs清水エスパルス

2023-03-06 16:01:19 | サッカー視聴記(2023年J2)

<長崎スタメン> ※()内は前節からの変更

  • 4-4-2から4-2-3-1へと布陣変更。
  • 前節ハーフタイムで交代のエジガルがベンチ外。(詳細は不明)

<清水スタメン>

  • ベンチに乾と白崎が復帰。

出だしの2戦はともに不完全燃焼に終わったクラブ同士の対決。
2連敗という長崎と、2引き分けの清水では差異があるものの、清水の方は「昇格の最有力候補が未勝利」という要素を含んでいるので深刻さの度合いは甲乙つけ難く。
ともに無得点というのも重みを加えています。

その他の共通点はというと、「ともにブラジル人の監督」「いずれも前年途中に就任し、オフを挟んで2年目」といったものでしょうか。
そこにフォーカスを当ててみると、サッカーの質に向上が見られない長崎の深刻ぶりが勝っている(?)というのが個人的見解。
放送席の談では、2人の監督(長崎=ファビオ・カリーレ監督、清水=ゼ・リカルド監督)は母国のリーグ戦でも相対するほどの関係らしく、リカルド監督は相手の事を「守備組織を整える事に長けている」という評価をしているとの事であり。
しかし前年の長崎を振り返ると、守備力の高まりを感じさせる試合は演じる事が出来ぬまま、ついに7戦未勝利で幕を閉じてしまったシーズン。
オフの間に締め直す事も出来なかったのか、今季も連敗スタート(しかもシュート数ではいずれも相手が上回る)で未勝利は9戦まで伸びている状況となってしまいました。
ここで難敵・清水とぶつかるのは明らかに分が悪いでしょうが、幸い清水もJ1から降格→オフを挟んでも未勝利というのは同じなので、どちらが悪循環から抜け出すか。

フアンマが2018年以来のチーム復帰というのが目立った補強の長崎。
しかし過去2戦のエジガルとの2トップは機能したとは言い難く、この日はそれを改めて4-2-3-1・フアンマの1トップと微調整。
前半1分にそのフアンマの推進力で(北川が)反則・左サイドからのフリーキックを得ると、キッカー増山のクロスを頭で合わせてシュートを放ったフアンマ。(GK権田キャッチ)
2018年の長崎は、攻撃ではとにかくフアンマをターゲットにしたロングボール頼みという印象が強く残っており、その後他のクラブ(大宮→福岡)を転々とした先々でもその手段は強力な武器となり得ました。
今回もその例に従わず、という風になるでしょうか。

その後は清水が選手の能力の高さを前面に出すように、圧を掛けて長崎に攻めの形を作らせず。
相対的に全てが上回っている組み合わせといえるでしょうが、そうなると長崎サイドに専守を強いるのは良いものの、必然的に「ボールを持たされる展開」になる懸念が生まれるのがサッカー。
最終ラインから繋ぐ割合をある程度確保するものの、エースのサンタナに良い形でボールが送られるシーンは中々訪れません。

12分に長崎は増山のパスカットから左サイドでの攻撃、カバーにいったホナウドをフアンマが身体でブロックしてやらせず、味方に前進させるというマリーシアっぽいプレーもあり澤田が奥へ進入。
左ポケットを突いてのマイナスのクロスはクリアされるも、その後宮城からのクロスをフアンマが胸で落とした所にカイオがシュート。
鈴木のブロックに阻まれるも、こぼれ球を再度鍬先がエリア内へヘッドで送り、増山のボレーシュートはミート出来ずと惜しい好機になります。
すると直後にGK権田のスローから素早く運び、カルリーニョスのドリブルを挟んでサンタナがエリア内からシュート(ブロック)と、清水もエースのフィニッシュに持ち込み。

4-4-2のブロックを重視する長崎(もちろん、プレッシングもある程度混ぜてますが)に対し、清水も典型的な4-4-2での攻撃、といった印象。
最終ラインからサイドに展開し、相手のブロックをズラした上で、ボランチ経由かまたは直接ミドルパスを送る事でサイドを変えるといったパターン。
こうしてサイドに掛けていた人員をエリア内に満たしてのクロスで、フィニッシュシーンを作らんとしていたでしょうか。
しかし決定機を生み出す事は中々出来ずと、これまで無得点という硬直性を窺わせるものであり。
それを打破すべきサンタナも30分には、左サイドで山原のスルーパスを受けてキープに入るも、高橋峻のアタックで奪われ。(反則無し)
33分にも右サイドでディサロのスルーパスに走り込むという同じパターンも、今度はカイオにチャージされ奪われる(反則無し)等、トップコンディションにはまだ遠いというイメージを残してしまいます。

それでも37分、吉田のボール奪取からホナウド・北川が前へ運び、北川のクロスをニアサイドで合わせたサンタナ。
ゴールへは向かわず流れた所を、逆サイドで山原が拾って再度クロス、ホナウドがヘディングシュート。(枠外)
直後の38分には長崎のビルドアップのミスをカルリーニョスが拾い、北川のミドルシュートが炸裂(ゴール右へ外れ)と、圧力で強引に試合の流れをモノにせんとしたでしょうか。

しかしその矢先の39分でした。
長崎の最終ラインからの攻撃、左サイドでのパスワークののち中央→右へと展開と、清水のパターンと酷似しながらも前へ運んだ末に高橋峻がクロス。
これをファーサイドで宮城が折り返すと、プッシュしてネットに突き刺したのは鍬先でした。
清水のお株を奪うように、エリア内に人数を満たした末のシュートで先制に成功した長崎。

無得点を219分続けたうえに、とうとう今季初のリードを許す事となった清水。
目の色を変えて攻め上がるも、44分にはCKから長崎のカウンターが炸裂。
二次攻撃での放り込みをキャッチした波多野が素早く低いフィードを裏へ送ると、澤田が抜け出すという好機へ一気に繋げ。
そのままエリア内右を突いてシュートに持ち込んだ澤田ですが、GK権田のセーブに遭い追加点はなりません。
それでも清水の攻撃をいなし、1-0のまま前半を終えた長崎。
過去2試合から比べると見違えるような出来に、強敵相手故に自然と団結して立ち向かう事が果たされたでしょうか。

片や予想外といった感じの清水。
ハーフタイムに2枚替えを敢行し、吉田・松岡→岸本・白崎へと代えて仕切り直す事に。

こうしたHTでの交代は戦術的な面ももちろんあるでしょうが、それ以上にメンバーの尻を叩くという効果も大きく。
その通りに前から果敢に圧力を掛ける清水、早速の後半1分に投入された岸本が高めの位置でボールを奪い、そのまま右サイド奥へ切り込むシーンを作ります。
すると続く2分、クリアボールをサンタナが収めたのち、白崎の縦パスをディサロが受けてドリブルでゴールに迫り。
エリアライン寸前でカイオが反則で止めざるを得なく、右ハーフレーンから絶好の位置で直接FKを得た清水。
これを反則を受けたディサロが自ら直接狙ったものの、壁の左を通したボールはGK波多野が読み切って正面でキャッチ。

この変節が通用している内に仕留めたかった所ですが、すぐに長崎も守備意識を高め、前半同様にブロックの外側で回させる体制を築きます。
しかし11分には、ディサロのプレッシャーを受けた高橋峻がタッチに逃げざるを得ず、しかも筋肉系トラブルに遭うダブルパンチ。
高橋峻が担架で運ばれて数的優位となる清水、その間の13分に岸本のクロスからディサロがボレーシュート(枠外)と仕留めに掛かります。
何とか凌いだ長崎は、名倉を投入してトップ下に置き、米田が右SB・澤田が右サイドハーフへそれぞれシフト。

攻勢を掛ける清水も、パターン化された攻撃が続き長崎ディフェンスを崩すに至らず。
17分にカルリーニョスを諦めて西澤を投入。
その後もボールを支配しての攻撃を続けるも、中々フィニッシュには辿り着けません。
逆に長崎が宮城のドリブルで逆襲に入った所を、岸本が反則で止めてしまい警告を受け。(20分)
24分にはサンタナが再び反則気味のディフェンスで(今津に)奪われ、逆襲を浴びるといった所で鍬先がホナウドに倒され反則。
すると納得出来ない清水サイドに対し、長崎もフアンマがヒートアップしてホナウドと睨み合いが発生する等、苛立ちが隠せないといった清水。
一方の長崎サイドも、26分にはスルーパスで抜け出したディサロに対しカイオが反則を犯すと、異議で警告を受ける等影響が大きく。

清水はセットプレーでも、これで得た左サイドからのFKでは、西澤がキッカーを務めるもクロスは大きく流れてゴールラインを割り。
すると以降キッカーも山原(開始当初から務める)や神谷(北川と交代で出場・36分)と一定せず、その攻撃の迷走ぶりを強めるに至りました。
打開せんとしたのが岸本で、右サイドを突いて度々早いクロスで変化を齎します。
30分には彼のクロスをファーサイドでディサロが頭で合わせるも、枠を捉えられず。

ここから次第に長崎が攻撃機会を掴む時間が続き、攻め疲れを連想させる清水。
36分にとうとうサンタナを諦め(乾と交代、同時に北川→神谷へと交代)、新たな形を模索する事となります。
それは乾をセカンドトップとして、4-2-3-1ないしは4-4-1-1気味へとシフトするものであり。
ここからボランチが降りての最終ライン3枚でのビルドアップを固定化させ、乾がサイドで受ける事によりワンサイドで攻撃を完結する姿勢も見せる等、パターンを増やさんとしたでしょうか。
40分には右サイドでボランチが2人ともパスワークに参加した末に岸本がクロス、流れて左サイドで拾った山原から再度中央→右へと戻し。
そして再びの岸本の鋭いクロス、ニアサイドで跳んだ神谷には合わずも、ファーで山原が足で跳び込んで合わせます。
しかしシュートは浮いてしまいゴールの上と、どうしても得点出来ない清水。

一方の長崎も33分に宮城→加藤聖へと交代。
そして上記の清水の決定機の直後、足を攣ったフアンマが倒れ込んだのを受けて最後の交代準備。
その後フアンマがプレーに戻るも、44分に交代が果たされます。(フアンマ・澤田→都倉・カイケ)
センターバックを補充(カイケ)した事で、フォーメーションも3-4-2-1へとシフト。

<両軍最終布陣>

最早守り切るのみといった長崎の布陣ですが、アディショナルタイムに突入後すぐに名倉がパスカットからドリブルに持ち込んでのカウンター、これを乾が反則で止めて(乾に警告)右サイドからのFKに。
そしてその際に時間稼ぎには入らずCBもターゲットとして構えるなど、その姿勢には若干疑問が残りました。
このFKでは、キッカー米田のクロスを櫛引が合わせるも枠外に。

高橋祐も前線に加わるなど、総攻撃を掛けるしかない清水。
相変わらず長崎のブロックの外側で繋ぐしかないという状況ですが、長崎もブロックの位置を極端に下げた事で悠々と敵陣で攻めを展開します。
山原の左サイドのクロスから、ファーサイドで岸本がヘディングシュート、叩き付けたボールがゴールを襲いましたがGK波多野がセーブ。
これまでクロッサーがメインだった岸本の乾坤一擲のフィニッシュも阻まれ、勝利は確定かという空気も生まれ出す長崎のホーム・トランスコスモススタジアム長崎。

しかしその直後のCKからでした。
2度のクロスが跳ね返されるも、そのボールを山原がダイレクトで前線へ送ると、胸トラップで収めたディサロが間髪入れずに反転シュート。
この流れる動きに成す術が無かったという長崎ディフェンス、シュートは弧を描いてゴール右へと突き刺さり、無情ともいえる同点弾に。

勢いに乗りたい清水でしたが、その後の長崎の攻めで、攻撃を切ったかと思いきや高橋祐が転倒してボールロスト。
これを拾った増山が左ポケットへ切り込み、ライナーでマイナスのクロスを入れるも合わずと、流れを切ってしまうプレーを見せててしまった感があり。
結局1-1のまま試合は終わり、どちらも負の連鎖を断ち切る勝利は上げられずに終わりました。

低調な結果は変わらずも、土壇場で追い付いて最後に一匙の光明が差したかのような清水。
今回の降格は以前述べたように、招いた人材を活かす事も出来ず、ゴミのように投げ捨てるという事を繰り返した末のものというのが個人的感想。
前年その例に漏れずにロクに出番の無かった岸本・ディサロが、この日のプラス要因となり得たのを踏まえ、劇的な改革が生まれるかどうか。単純にカテゴリの違いで通用するかしないかという問題かもしれませんが


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