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DAZN観戦 2023年J1リーグ第3節 横浜FCvs鹿島アントラーズ

2023-03-07 16:00:43 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

2年ぶりにJ1へ戻ってきた横浜FC。
こう書くとJ1でも経験豊富、と解釈してしまったりもしますが、今季で通算4シーズン目と若年のクラブであり。

そのJ1への定着を狙う現在の立場ですが、オフにはシーズン前にゴール裏応援団の一新を図ったり、総勢20人以上もの選手獲得を行ったりとクラブの力の入れ具合は伝わって来ます。
前節(湘南戦、2-2)は熱戦を引き分けに持ち込み勝ち点1を確保し、ホームに戻ってきたこの日。
しかし相手は降格した事が皆無という、名門中の名門である鹿島。
生まれ変わりを図ってまだ日が浅い状態では、その差を埋めるのは至難の業であり。
それはグラウンドレベルのみならず、ホーム(ニッパツ三ツ沢球技場)にも拘らずサポーターの声援量では完全に後れを取る有様で、雰囲気に呑まれていた感がありました。

試合が始まり、鈴木狙いのロングボール中心という攻撃を見せる鹿島の入り。
その単純な狙いにも横浜FCディフェンスは早くも苦戦の色を表します。(前節にセンターバックのガブリエウが負傷・離脱という要素もあり)
前半2分にンドカが、4分に岩武がともにその鈴木に対して反則を犯すなど、競り合いの面で難儀するCBコンビ。

一方攻撃面でも、鹿島のハイプレスの前にままならないビルドアップという、強度の面での劣勢が露わとなり。
何とか誤魔化しながら、裏狙いでチャンスを作らんとするも不発に終わります。

そして9分、鹿島はGK早川ロングフィード→鈴木落としというパターンからの好機、安西が左サイド奥へ切り込んでクロス。
これは跳ね返されるも常本が繋いで攻撃継続、藤井→樋口→藤井という繋ぎにに対し、横浜FCもカットを見せたものの止めきれずにボールはエリア内右へ。
そして藤井のシュートがゴールネットを揺らし、力で勝ったというべき先制点が齎されました。

反撃したい横浜FCですが、依然として劣勢ぶりは不変。
ゴールキックの際にはユーリを前に上げてターゲットにするなど、前に運ぶ工夫は見せたものの効果的とはいかず。
そのユーリは守備面でも広範囲に動き回り、11分には安西の左サイドのドリブルに対し、中村不在となっていた穴を埋めにチェックするなど大忙し。
またロングボール攻勢に苦戦するCBを受け、跳ね返し役も多く務めるなどそのタスクは重くのしかかっている風でありました。

14分には再び、今度は知念が収めた所を三田に反則を受け、直接フリーキックを得た鹿島。
中央・エリアからやや手前という位置で、キッカー樋口は直接右足でゴール左を狙ったものの、曲がりが大きく惜しくも外れ。
数多得たFKでは、中盤寄りの位置でも放り込みを選択する等、鹿島の相手の弱点狙いは徹底されており。
前年の就任直後にはパスサッカーを指標としたはずの岩政大樹監督ですが、オフ(そして練習試合での不調ぶり)を挟んで完全に現実的なサッカーへと移行したようでした。

何とか糸口を掴みたい横浜FC。
右サイドに控える山根の推進力に目を付け、左サイドから対角線のロングパスも見せるなど、狙いをハッキリさせ。
21分には最終ラインから右へ展開したのちパスワークで前進し、スローインに。
すると投げ入れた山根がパス&ゴーの格好で長谷川のエリア内へのスルーパスに走り込み、安西の背後を綺麗に取り。
思わず安西は腕を使って止めにいってしまうと、山根が倒れ込んだ次の瞬間主審の笛が鳴り反則・PKとなってしまいます。
鹿島サイドは一斉に異議を唱えるも、脚が掛かっていなかったとはいえエリア内への進入の印象の悪さは拭えず。
これでPKという絶好機を得た横浜FC、ポイントゲッターの小川航がキッカーを務め、フェイントを交えてゴール左へ蹴り込み。
GK早川を見事に釣らせて決め、同点に追い付きます。

振り出しとなった事でにわかに勢い付く横浜FC。
有効打となった右サイドアタックを多めにし、30分には得点シーン同様スローインからの攻撃でエリア内を突き、さらにコーナーキックへ。
キッカー三田ニアにクロス→ユーリフリックというパターンから、こぼれ球をンドカが詰めたものの角度が無く右ゴールポストに当たって枠外に。

押し気味となる試合絵図を受け、次第に最終ライン・またはGK永井から繋ぐというビルドアップを試みる事も増えてきますが、今思えばそれが鹿島の罠だった感があり。
32分にロングボールを蹴り、橋本に回収させたのちのプレッシングでボールを奪ったのちに知念がミドルシュート。(枠外)
いかにも「ストーミング」的な立ち回りからの好機を作った事で、委縮させる事に成功したでしょうか。
その後何度も佐野のパスカットで前進を阻まれ、リズムを乱される横浜FC。

鹿島の攻撃回数が増えていくも、その手段はやはり鈴木狙いのロングパスが多めとなり。
横浜FCディフェンスを警戒させた所の38分、別の手で綺麗に隙を突きます。
最終ラインで植田がボールを持ち、プレスを避けつつ送ったロングパスに走り込んだのは常本。
このサイドバックの抜け出しに、予想だに出来なかったのか岩武は一気に裏を取られてしまい、右ポケット奥から送られた横パスに対し鈴木が合わせて勝負あり。
カバーに入ったンドカに当たってゴールに入ったように見えた事でオウンゴールとなるも、鹿島の勝ち越し点なのは揺るがず。(試合後に鈴木のゴールに修正される)

再びリードされた横浜FC、41分には深めの位置で知念に奪われ、そのままシュートを浴びる(ゴール右へ外れる)という具合に動揺ぶりを隠せず。
何とか建て直し、アディショナルタイムには再び右サイドでの攻撃から、スローイン→CKという流れを作るもモノに出来ず。
1-2のまま前半終了となりました。

反撃の機運を高めたい横浜FC、ハーフタイムに坂本→カプリーニ(マウリシオ)へと交代。
攻撃力を高めるべきのカプリーニという駒を早くも使い、前半ボールタッチが少なかった坂本と代え、そして山根が左サイドへと移った事でカプリーニが右サイドハーフへ。

一方交代が無かった鹿島は、後半に入ると布陣を一新して4-4-2へとシフト。
鈴木・知念の2トップとし、右ウイングだった藤井は左SHへとサイドを移し、ボランチは佐野とピトゥカ。
風が強かったコンディションもあり、その対応という意味合いだったでしょうか。

最初の好機は横浜FCで(後半2分)、やはり山根のサイドから攻め立てるも、その山根のクロスがクリアされたのち鹿島のカウンターに。
藤井がドリブルで一気に左ポケットに持ち込み、マイナスのクロスを横浜FCサイドが防いで何とか凌ぎ。
しかし直後にもパスワークの末に再び藤井が持つと、左からのカットインシュート。(ブロック、その後知念がシュートを放つも枠外)
共にサイドを移した選手が見せ場を作るも、チャンスの度合いで鹿島に分があり。

4分に三田のスルーパスに走り込んだ山根、再びクロスを入れる体勢を作ったものの、放たれたクロスは精度を欠いてしまいファー側のゴールラインを越え。
その後も山根を使い裏抜けを狙った横浜FCでしたが、鹿島も植田・常本の対応でやらせず。
逆に8分には佐野のミドルパスを受けた藤井が再び左サイドを疾走し、カットインで中央寄りからシュート。(ンドカがブロック)
藤井・山根の優劣は完全に付いた感がありました。

またドイスボランチとなった事で、佐野が前に上がり攻撃に絡むシーンも増え。
圧巻は5分で自陣右サイドでこぼれ球を拾った佐野はそのままドリブル、横浜FCのゲーゲンプレスも何のその、といった感じで紙一重でかわしつつ前進を果たし。
そして手放した後に鈴木のスルーパスに走り込み、クロスまで持っていくという上下動ぶり。
その姿はとても、前年に(町田で)腰痛で離脱を余儀なくされていたとは信じ難いものでした。

そのボランチでは、横浜FCサイドは相変わらず守備範囲の広いユーリが、鹿島のロングボールの跳ね返し役を務め。
しかしセンターバックと被ってしまうなど、その役割を果たしてチーム全体がどれだけ理解していたのか疑問が残るシーンを目立たせるに至り。
10分には鈴木へのロングボールに対し、ユーリ・岩武の2人で競りにいくも落としを許してしまい、右サイドで受けた樋口中央へパス→ピトゥカもこぼれる→藤井拾ってシュートと繋がれてネットを揺らし。
追加点といった絵図にひとしきり鹿島サイドがぬか喜びを見せた末に、VAR介入となり(樋口が)オフサイドでノーゴールと、何とか救われた感が拭えず。
ガブリエウ不在でディフェンスラインはあっさり崩壊した、と言いたくなる試合となりました。

横浜FCは17分に再びアタッカーを投入、山根→山下へと交代(これでカプリーニが左サイドに回る)するも、既に鹿島に傾いた流れを覆せず。
鹿島は後は決めるだけという状況で、20分には右サイドでのスローインから細かく繋いだ末に、右ポケットへの浮き球に佐野が走り込んでマイナスのクロス。
これを中央でピトゥカが綺麗に合わせたものの、ゴール左へ外れてモノに出来ず。
24分には樋口のスルーパスに再び右ポケットへ走り込む佐野、切り返した後にシュートを放ちましたが、やや角度が足りずこれもゴール左へと外れ。
佐野の跳梁は止まらず、しきりに横浜FCディフェンスを掻き回します。

苦境の横浜FC、26分にユーリが(鈴木へのアフターチャージで)警告を受けたというタイミングで、そのユーリが交代に。
井上へと代え、同時に橋本→林へと交代。
ユーリに頼れなくなった事もあり締め直しを強いられ、最終ラインを3人しっかり作る(ボランチが降りる、ないしはGK永井が上がる)事で、ビルドアップの下地を整えます。

すると30分、右サイドに人数を掛けてのパスワークののち、サイドを変えてフリーで左で受けた林がクロス。
ニアサイドで収めたカプリーニがキープののちに戻し、林のダイレクトでの送りを小川航がポストプレイで繋ぐと、長谷川がゴール眼前で受ける決定機を迎えます。
しかし放たれたシュートは植田のブロックに阻まれ、同点ならず。
横浜FCはシュート3本という試合後のスタッツだっただけに、まさにワンチャンスでしたが逃してしまい。

それでも、その後鹿島のプレッシングをかわしながら前に運ぶシーンが増える横浜FC。
鹿島サイドが、32分に佐野が足を攣らせてしまい交代となった(仲間と交代、同時に藤井と知念をアルトゥール・カイキと染野に交代)事も影響し、反撃体制を整えます。

39分に最後の交代を敢行する横浜FC。
長谷川→伊藤に代えるとともに、カプリーニと山下の位置を入れ替えと、SH同士またもポジションチェンジ。
1点差のまま終盤に突入と、最後まで望みを繋いだものの、ここから鹿島の押し戻しに遭います。
44分に右CKを得ると、早くもショートコーナーからのボールキープと、俗にいう「鹿島る」体勢に入り。
しかもここからクリアされたボールを繋ぎ、ピトゥカのミドルシュートが炸裂(左ゴールポストを掠める)というおまけも付いてきた事で、横浜FCサイドは色を失います。

そんな試合絵図の移り変わりを受けても、鈴木へのロングボール狙いに対して難儀するというシーンは最後まで変わらず。
40分鈴木の収めに対してチャージした岩武がとうとう警告を貰うと、ATでは左サイドでボールキープする鈴木をンドカが倒してしまい反則。
これに対し鈴木は怒りの表情を見せるも、これすら演技の節があるのが鹿島の試合運び。
味方に時間を作るとともに、相手に冷静さを失わせるという立ち回りを貫きます。

最早前掛かりになるしかない横浜FCですが、GK早川に対して詰めにいったものの、出されたフィードを受けた安西に対してはチェックにいけず。
疲労を窺わせる横浜FCを尻目にここから好機に持ち込む鹿島、カイキ→ピトゥカと経由してエリア内左へのスルーパスに走り込んだ安西がマイナスのクロス。
これを合わせにいったのは大外からポジションを移していたカイキで、放たれたシュートは右ゴールポストを直撃するも、跳ね返りがGK永井の後方に当たってゴールに吸い込まれ。
遅過ぎの感があったものの、追加点を挙げて無事大団円を果たした鹿島。

その後今度は左サイドで「鹿島る」体勢を作る鹿島、安西が最前線に上がってボールキープに絡み、横浜FCの脱出を阻みにいきます。
結局横浜FCは攻撃機会を得れないまま、試合終了の笛を聴く事となりました。
1-3で鹿島が勝利と、チーム力の差異は一朝一夕では埋められずという事を示す試合だったでしょうか。


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