ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2020年J1リーグ第6節 浦和レッズvs柏レイソル

2020-07-24 18:28:10 | サッカー視聴記(2020年以前)

前半13分に、浦和・橋岡が反則を犯した後、そのまま相手のフリーキックを妨害する位置に陣取り。
そして柏・大谷がボールを蹴り橋岡にぶち当てるという一触即発になりかねないシーンを観て、今季の浦和の状況を良く表していると思いました。
とにかく激しくファイトして相手を上回る。
このシーンを演出した橋岡、球際での激しさはチーム1と言ってもいいぐらい、序盤から相手に食らいついては柏の攻撃を遮断していました。

激しいファイトは、中断明け直前のフロントの姿勢にも表れ。
無観客試合開催に則して、横断幕掲出の可否についてJリーグ側に対し意思を表明するなど、賛否分かれる態度を示していました。
勢い余って失言などもしていましたが

そしてリーグ再開後、決して内容は良くないながらも勝ち点を重ね上位に喰らい付いている浦和。
前年の残留争いから一転したこの序盤戦の結果、要因を挙げれば「変化」だと思います。
それも見た目上の「監督交代」「大型補強」といった要素では無く、内面の変化。
決してファブリシオの髪型が、という事ではない

フォーメーションを前年の基本形である3-4-2-1から4-4-2へと変更し、縦に速い攻撃・前線からのプレスという極力シンプルな戦術を採用した今季の大槻毅監督。
それは現在札幌で監督を務めているミハイロ・ペトロヴィッチ氏の指導の影響が、未だ根幹にこびり付いていた浦和というチームを改革せんという表れか。
戦術的にはあまり見るべきものは無いながらも、リフレッシュという点では重要な役割を果たしたこの「変化」が、選手達に激しいファイトを行える下地を齎したのでしょう。
そしてそれが結果にも繋がっている。

試合開始直前から大雨が降り注いだこの日の試合、序盤から浦和は持ち味の縦に速い攻撃で、何度も柏ゴールを脅かします。
3分、パスカットに成功したセンターバック岩波がすかさず縦パスを送り、これをレオナルドが受ける好機。
レオナルドは左に流れつつヒールパスを出し、受け取った武藤がエリア内に持ち込み、GK中村の飛び出しを受けながらシュート。
がら空きのゴールに決まったか?と思わされたシュートは、僅かにゴール右に外れ。

いきなり決定機を逃したものの、その後6分・8分にともに柴戸の縦パスから、レオナルド・武藤がそれぞれシュート。(前者は柏・高橋祐治が、後者は大南がブロック)
相手の柏の散発的な攻撃も、撃たれる前に凌ぐ事に成功しペースを握ります。(それでも18分にはオルンガの遠目からの強烈なシュートに脅かされましたが)
そして22分、右からのスローインを中央で武藤が受け、レオナルド→ファブリシオと渡ってエリア内で絶好機。
当然ファブリシオはシュートを放ちますが、GK中村が足でセーブして得点ならず。
前節から復帰した中村、流石日本代表GKというセーブをこの後も披露する事となります。

開始直後こそ凄い雨だったものの、次第に回復していく天候。
この天候の「変化」に伴い、浦和にとって厳しい試合展開になっていきます。

ブロックを敷く柏に対し、速い攻撃は敢行できなくなり、それに伴ってパス回しに終始していく浦和の攻撃。
そんな内容による緩みを突かれたのが32分。
ゴールキックから繋ぐ事を選択した浦和、GK西川の柴戸へのパスをヒシャルジソンに奪われると、エリア内で一対一となってしまいそのままシュートを決められてしまいます。
思わぬ形で柏が先制。

優勢な中に冷水を浴びせられた浦和、その後はペースを取り戻し何度も柏ゴールに迫ります。
35分レオナルドが右へ展開、橋岡のクロスにファブリシオが足で合わせると、ブロックに遭いこぼれ球に。
GK中村が抑えようと飛び出した所パスを繋ぎ、レオナルドがシュートするも、寸前で柏・大南にクリアされゴールならず。
44分にはエヴェルトンのスルーパスをレオナルドが受け、山中→関根と渡り、関根が決定的なシュートを放つもGK中村が横っ飛びでセーブ(これも足で防いでいた)。
中村の好守の前にゴールを奪えず、嫌な流れで前半終了。

後半頭から、柏はヒシャルジソン→三原へと交代。
ボランチで替えの利かない存在であるヒシャルジソンが(故障もあったらしい)ここで交代。
2節に彼が退場となった事も影響し3連敗を喫していた柏ですが(前節・湘南戦は3-2で勝利)、この日はヒシャルジソン不在を感じさせない結果を叩き出します。

後半もブロックを固める柏の守備に対し、浦和は何とかショートパスの連続で崩さんとします。
しかし崩しきれずにいると、6分に柏が反撃。
左サイドでのパス交換の後江坂が右へサイドチェンジし、受けた古賀がクロス。
そしてほぼフリー状態のオルンガが自慢の打点の高いディングシュート、これがループの軌道でGK西川の頭を超えてゴールに吸い込まれます。

この時間帯の柏の攻撃は明らかに左右への揺さぶりを意識しており、8分にも右サイドから江坂が中へパス、受けた大谷は左に流れつつボールキープ。
そして江坂に戻すと、またも右へサイドチェンジして古賀が受け、古賀がクロスという攻撃。(クロスは流れてゴールキックに)
前半は浦和のプレス・デュエルで流れを失う場面が目立っただけに、それをかわしたうえで形を作っていくという意思が伺えました。
そうして浦和守備陣を揺さぶりつつ迎えた11分。
三丸のボール奪取から左サイドを突破、三丸のクロスがファーサイドに上がると、神谷ヘッドで折り返し→仲間ヘディングシュートという完璧な流れで右サイドネットを揺らして追加点。
神谷・仲間という、前年J2だった選手のヘッドの競演で奪ったゴールでした。

既に9分、ファブリシオ→汰木への交代を行っていた浦和。
さらに14分には3枚替えを決断し、レオナルド・武藤・関根を、興梠・杉本・伊藤へ交代。
アタッカーをガラリと変えて勝負を賭けます。
その直後(15分)に、山中の縦パスを杉本スルー→興梠→杉本受けてシュート(GK中村キャッチ)という2トップの連携によるチャンスが。
しかしその後も得点はどうしても奪えず。
最も惜しかったのは33分、左サイドでパス回しののち山中がカットインから縦パスを出すと、今季初出場を果たした伊藤がポストプレイの形で前方へ。
これを受けた興梠がエリア内に浮き球で送ると、そこに伊藤が走り込んでいるという絶好のシュートチャンスを迎えましたが、放たれたシュートはまたもやGK中村が阻み得点出来ず。

攻めなければならない試合展開に、橋岡は次第に消え気味に。
この橋岡、2年前に抜擢を受けてからは、フィジカルの強さを生かしてあっという間にレギュラーに定着した強者です。
それでも本職では無い右ウイングバックでの出場が主で、4バックになった今季も右SB。
本職のSBが極端に少なく、逆にCBは槙野・鈴木大輔があぶれる程に人材豊富と、橋岡にとってはSBとして働く他無いという選手編成である浦和の現状。

そんな歪さを正すためなのか、オフに「3年計画」という構想を発表するに至ったフロント。
橋岡の他に汰木・柴戸と若手重視の選手起用をしている辺りは、現場の大槻監督もその意図を汲んでの事なのでしょう。
しかしこの日は初めて途中出場となった汰木の出来が芳しくなく、橋岡も尻すぼみの末途中交代(長澤と交代・43分)。
連戦の末に疲労感は隠せなくなりつつあるようで、無理使いによるコンディション低下だけは避けてほしい所です。

一方、中3日にも拘らず前節と全く同じスタメンだった柏。
それでも2~4節の連敗を受けて、前節にメンバーを弄った(中村・高橋祐・仲間・三丸・大南の5人が前節からレギュラーに)のもあり試合終盤でも衰えを見せず。
44分、三原のボール奪取から、神谷が中盤からドリブルを開始し一気にチャンスエリアへ前進。
そしてエリア手前右から果敢にシュートを放つと、リフレクションもあって綺麗にネットに突き刺さり4点目。
内容的に浦和が押していたものの、結果は大差が付く事となり試合終了を迎えました。

ちなみに浦和の「3年計画」の中には、1年目である今季の目標としてACL出場権獲得・得失点差+2桁というものがあるらしいです。
しかしここまで勝ち越しているにも拘わらず、勝つ時は1点差・敗戦は複数得点差というのが祟り、早くもマイナスに振れ気味な得失点差。
目標達成は厳しくなってきた、と意地悪めいた事を言ってみましたが、やはり前年までの負の遺産の払拭にはまだ時間が掛かりそうです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2020年J2リーグ第6... | トップ | DAZN観戦 2020年J2リーグ第7... »

コメントを投稿