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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ロアッソ熊本vs横浜FC

2022-10-27 16:01:09 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(39節・秋田戦、1-2)
※前回の横浜FCの記事はこちら(38節・長崎戦、2-0)

<前節からの変更>

熊本=11人とも不動で、3試合継続で同一スタメン。高橋利樹の出場停止というイレギュラー(39節・その際は土信田がスタメン)を除けば実に5試合にも昇り、終盤の昇格争いの中で完全にメンバー固定化を果たしたようだ。

横浜FC=引退試合となった中村俊輔をスタメン起用する事となり、それに併せて5人変更。注目の中村俊はマルセロ・ヒアンと入れ替えで、シャドーに入ったうえ前節シャドーの小川が1トップに。その他GKがスベンド・ブローダーセン→市川、左センターバックが亀川→マテウス・モラエス(今季初出場)と将来を見据えた起用が目立つ。他は右CBが中村拓海→岩武・左ウイングバックが山根→山下。サブには伊藤が故障離脱から復帰、7試合ぶりのベンチ入り。

スタメン

シーズン最終盤という別れの時期が今季も訪れた訳ですが、とりわけ世間に衝撃を与えるのがビッグネームの引退であり。
現在横浜FC所属の中村俊がそれに該当してしまう事となりましたが、「公式リリースの前日に一般ニュースで報じられる」という事態も生まれるぐらいに、蜂の巣をつつく騒ぎとなったようで。
最終戦の舞台となった熊本のホーム・えがお健康スタジアムにも波及し、大観衆(21508人)を迎えての一戦となりました。しかしこの場においてセルティックや日本代表のユニを着て観戦というのは個人的に好きでは無い

前半2分、GK市川ロングフィード→小川フリックという流れでその中村俊の足下に収まると、彼の浮き球パスから敵陣で細かく繋ぐ攻撃。
そして齋藤がエリア内を突くミドルパスを送り、走り込んだ小川がボレーシュートを狙う(ミートせず)と、中村俊効果で先制を狙っていく横浜FC。

しかしその運気は、熊本の果敢かつ組織的なプレッシングの前に萎む事となり。
上記のようなGK市川のフィードからの組み立てを、4分には高橋利がその市川にプレッシャーを掛けてフィードをブロック。
好機には繋がらなかったものの、これが文字通り横浜FCの流れを遮断するに至ります。
直後の5分、再びGK市川から組み立てを図った横浜FCでしたが、今度は縦パスを杉山がカット。
そしてそのまま中央へと流れ、ミドルシュートをネットに突き刺すという文字通りのショートカウンターを完遂します。
今季再三他チームに脅威を与えた杉山のミドルシュートはこの日も健在で、早々に先制点を挙げた熊本。

その後も7分にパスミスで熊本に攻撃権を与える(シュートには繋がらず)など、この失点でビルドアップはすっかり崩壊状態に陥った横浜FC。
唯一中村俊が長いパスを見せた際はキッチリ好機に繋げていました(11分の右→左へのサイドチェンジ、16分の右サイド奥へのミドルパス)が、それ以外はほぼ熊本の一方的な展開という状態に。
それを打開せんと長谷川が降りて来てボールを受けにいくも、熊本はそこにも黒木がしっかり付いていきプレスを嵌めて(高橋利が)奪う結末となり。(19分)

昇格に向けて勢い盛んな熊本相手に絶望的な状況といった横浜FCですが、既に昇格を決めているクラブがそのような醜態を晒し続けている訳にいかず。
20分、その熊本の前掛かりな意識を逆手に取るように、岩武のロングパスでイサカ・ゼインを走り込ませてエリア内右を突き。
そして奥から彼のマイナスのクロスが入り、ゴールゲッターの小川が中央で合わせシュート。
綺麗にひっくり返すといった攻撃で、劣勢を跳ね返して同点に追い付きます。

その後熊本サイドにミスが目立ち始め、中村俊のフリーキックからのクロスも披露され(23分・モラエスが合わせるもシュートにはならず)ながら試合は進んでいき。(25分に飲水タイム)
失点後も熊本のプレッシングは旺盛ですが、30分にはその前への意識が仇となり、黒木が横浜FC・山下に対し足裏でチャージしてしまい反則・警告。
黒木はその後も39分に、強引なスライディングを敢行するも、ここは反則にはならず逆に好機を生み出し。(イヨハ理ヘンリーがスルーパスも繋がらず)
知らず知らずのうちに粗っぽさが前面に表れていたようで、一方の攻撃スタイルもこの時間帯は裏へのロングパス一本というものが目立ち。
そして横浜FCがボールを握っての攻撃を試みるも巧くいかず、中々ボールを受けられない中村俊が降りて来るというシーンも膨れ上がっていきます。

攻撃ではプレスに悩まされ、守備ではプレスを掛けられずといった横浜FC、終盤は再び攻撃権を支配され。
前線は、中村俊がスタメンというイレギュラーな布陣とも相成って、3バックに1トップ・2シャドーが付くというシンプルな考えだったでしょうか。
熊本がイヨハを上がり目にする事で中村俊をほぼピン止め状態にし、そのうえで河原が降りるという可変をしてのビルドアップに対処する事はままならず。
結局たまのカウンターとセットプレーという、昇格クラブらしからぬ内容に終始する事となった前半戦。

熊本は終盤攻め立ててシュートを量産するも、横浜FCの守備陣の粘りの前に2点目を挙げられず前半を終え。
それ故に、まだまだ攻め足りないという前向きな意欲を持って後半に臨めたでしょうか。

早速の後半1分にそれは形となって表れます。
菅田のロングパスが一気にエリア内左を突き、奥で受けた坂本が戻りながらのボールキープを経て中央へとパス。
受けたのは先制点を挙げた杉山で、エリア内でチャンスを迎えたこの場面も躊躇わずにシュートを放ち、ゴール右へと突き刺します。
後半も早々に得点を挙げた熊本、それだけには留まらず続く3分。
プレッシングで横浜FCにロングボールを蹴らせて回収、杉山が今度は右サイドで溜めを作って戻したのち、河原のエリア内右へのスルーパス。
そして走り込んだ高橋利からダイレクトで放たれたループシュート、前に出ようとしていたGK市川の頭上を越えてゴール。
あっという間に2点差となった立ち上がり。

そのままの流れで攻撃権を支配する熊本、前半のデジャヴといった展開となります。
3バックを左肩上がりにする基本形そのままに、イヨハがアタッキングサードにまで攻撃に絡んでくるなどまさにイケイケ状態に。
対する横浜FC、ビルドアップではひたすらプレッシングに遭ってのロングボールを蹴るだけに留まり、ロクに敵陣まで運べず。
8分には降りて来た小川が縦パスを受けるも、コントロールミスで収まらず奪われるという具合に窮余の策も実らず、悪循環一直線といった流れ。

しかしそんな状態から目の覚める一撃を放ったのが9分。
熊本の人数を掛けての攻撃を跳ね返し、クリアボールが長谷川に収まった事でカウンターを仕掛け、彼のスルーパスに小川が抜け出して一気にGKと一対一に。
そしてエリア内に入ってすぐに放たれたシュートがゴール左に突き刺さり、1点差に詰め寄った横浜FC。
熊本にとっては押し気味の流れの中での失点、という所まで前半戦のデジャヴを描いてしまいました。

それでもめげない熊本は12分、右サイドでのパスワークから一旦戻され、再び右に送られたのち杉山が低いボールでアーリークロス。
これにニアサイドで高橋利が合わせにいき、ディフェンスに遭いゴール方向へこぼれた所をGK市川が弾くも、さらに上がっていたイヨハが詰め。
しかしGK市川に抑えられて4点目はならず。
前述の失点シーンでは、細かい繋ぎを長く敢行するも、中央からエリア内へ小さく入れた浮き球がクリアされて横浜FCのカウンターを招き。
出来ればこの場面のように繋ぎながらも一発鋭いボールで、カウンターを受け辛いような攻撃を創出したい、といった所が来たるプレーオフに向けての課題でしょうか。

そんな熊本の二面性が現れながら、時間も後半15分が経過するという所で主役の中村俊がお役御免となり。
前年の新潟・田中達也のような、両選手・スタッフ総出での送り出しこそ見られなかったものの、チームメイト全員と抱き合いながら暖かい空気とともに退き最後の試合を終えた中村俊。(伊藤と交代・同時に山下→山根に交代)

そんなほっこりとした空気も束の間の16分、横浜FC・和田がボールカットした所熊本・坂本のチャージを受けて反則。
これに坂本が警告を受けた事でピッチサイドの大木武監督がヒートアップ、審判団に対し異議を連発する事となり。
その後前線が入れ替わった事で、横浜FCサイドもプレッシングの速度が上がり容易に熊本に繋がせない等、真剣勝負の色が強まった感がありました。
試合の流れもどちらともならないものとなり、互いに好機を作るもフィニッシュを生み出せず。

そしてそんな展開の締めは、浮き球を受けた熊本・高橋利が横浜FC・ガブリエウに激しくチャージされ、倒れ込んだ所で飲水タイムによるブレイクといったものになりました。
ブレイクも終わり際となった所でようやく起き上がり、ピッチ外からのスタートを強いられた高橋利。

そろそろスタミナ面で衰えが見られてくる時間帯。
熊本のプレッシングも勢いが失われ、ボール支配による攻撃も可能となってきた横浜FC。
しかしこちらも、27分に齋藤が、33分にモラエスが足を攣らせるという事態を招くなど一筋縄ではいかず。
それを踏まえてカードを切っていく横浜FCベンチ、29分に齋藤と和田に代えてハイネルとマルセロを投入。(長谷川がボランチに、小川がシャドーに降りる)
35分にモラエス→武田へと交代し、5人の枠を使いきりました。
一方の熊本も30分、竹本・三島・高橋利→田辺・藤田・土信田へと3枚替え。

相変わらず攻撃時は人数を掛け、イヨハも前線に顔を出しつつという姿勢の熊本。
35分を過ぎ、そろそろ逃げ切りの姿勢も見せるべきという時間帯でしたが、さらにターレスを投入する準備を行うなどペースを保つ方を優先。
しかしその刹那に田辺の(イサカに対する)反則で、横浜FCのFKの好機。
このタイミングで坂本→ターレスへと交代した熊本(杉山が左ウイングへ回る)でしたが、結局このFKでリードを失う事となります。
右サイド遠目からという位置で、キッカー・ハイネルのクロスがファーサイドに上がり、跳んだ小川の頭を越えDFに当たってバウンド。
そしてガブリエウがボレーシュートを放つと、強烈なライナーのボールがネットに突き刺さる同点弾となります。
イレギュラーなクロスの結末に、対応が曖昧になってしまった熊本サイド。

これで勝利のためには4点目が必須となった試合。
熊本は尚もそれを狙いにいき、38分には中央で平川エリア内へパス→杉山ポストプレイ→藤田走り込んでシュートと流れるような攻撃も枠を捉えられず。

時間も押し迫り前への意識を強めた熊本でしたが、再びそれが仇となり。
43分自陣からマルセロのポストプレイを挟みつつ前進、伊藤のスルーパスで一気に敵陣左サイドへ送ると、受けた山根もすぐさまアーリークロス。
この速く長い攻撃で一気に崩された熊本、最後はファーサイドに猛烈に走り込んだマルセロのシュートが右ゴールポストを叩いた末にネットに突き刺さり。
興奮したマルセロがユニフォームを脱ぐ(当然警告)程の、点の取り合いを締める劇的なゴールとなりました。

しかし諦めない熊本、アディショナル突入後も攻撃の手は衰えず。
ロングパス→フリックという流れで、エリア内で受けたターレスのシュートがブロックされてコーナーキックとなると、GK佐藤も前線に上がり何としてでも4点目を取る姿勢は不変。
その後左サイドでのスローインからの攻めで、杉山のクロスがファーサイドに上がると、菅田がヘディングで折り返し。
土信田が中央で合わせにいった手前で、ガブリエウのクリアがあろう事かシュートの軌道でゴールに向かいましたが、これをGK市川がビッグセーブと紙一重で防いだ横浜FC。
直後のCKでは、再び上がっていたGK佐藤がニアサイドでヘディングシュート(枠外)と、その姿勢を形に表したもののゴールという結果は得られません。

結局3-4のまま試合終了の笛が鳴り、ホーム最終戦は惜しくも敗戦で終わってしまった熊本。
既に昇格を決めていた横浜FCの一方で、プレーオフの戦いに向かう事となりますが、そこで待ち受けている結果は如何に。


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