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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 ヴァンフォーレ甲府vsファジアーノ岡山

2020-12-29 17:08:56 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(順延34節・愛媛戦)
※前回の岡山の記事はこちら(37節・北九州戦)

既に昇格クラブも決まっている最終節、各クラブ最後に残された目標は、勝って順位を幾ばくか上げるぐらいでしょう。
岡山も例外では無く、勝利すれば最高で13位を目指せる立ち位置。

しかし戦績は下降の一途を描いている現状、目下9戦未勝利(4分5敗)とあり、そんな事を考える余裕は無く。
最後の勝利(32節町田戦・1-0)の時点では11位だっただけに、戻ってやり直したい、なんて事を考えていたりしていないかどうか。

選手レベルでは、既にベテラン・上田が契約満了となっており、この日が最後のスタメンとなりました。
今季の過密日程はベテラン選手にとってはキツイ以外の何物でも無く、ボランチの中心が白井に移り変わりつつあった今季。
岡山はベテラン選手を大事にするというイメージのクラブですが、一つの時代が終わった……と感傷に浸りがちな最終節、となったでしょうか。(ちなみに赤嶺も契約満了)

前半2分、その上田が果敢にゴールを狙うシーンが。
右サイドから椋原のクロスがクリアされ、こぼれ球を齊藤がシュートにいくもミートせず、さらにこぼれたボールでミドルシュートを放ちました。(枠外)

一方の甲府。
最近はドゥドゥの1トップで通しており(4試合連続)、この日は山本英臣もベンチスタートなため安易なロングボールに頼る事は出来ず。
じっくりとボールポゼッションを行い好機を伺い、ドゥドゥや荒木・橋爪を走らせるスルーパスを中心に攻撃していきます。

一進一退ながら、早い攻撃を繰り広げる岡山に迫力を感じた序盤戦。
それでも18分の甲府の攻撃、右サイドで橋爪のドリブルから、松田のクロスが入るとニアサイドで中村がヘディングシュート。
しかしGK金山がセーブし辛うじて防ぎます。
前節からスタメンに入っている金山、今季は新加入のポープ・ウィリアムがそれまで全試合に出場と、第2GKから抜け出せず。
前年も一森(現ガンバ)との争いに敗れており、ようやく巡ってきたチャンスとなり、迎えたこの日の最終節。

スコアレスのまま早めの飲水タイムを迎え(22分)、29分に再び甲府のチャンス。
中塩が左サイド裏へロングパスを送り、走り込んだ荒木からグラウンダーのクロスが入ると、ファーサイドに松田が走り来み。
合わせる所にGK金山が飛び出して松田は撃つ事が出来ず、ここも決定機を防いだ金山。

ピンチの後に……の法則の如く、32分の岡山。
左サイドで下口がキープしたのち上門がドリブルで前進、エリア手前で中央へとパス。
受けた白井がエリア内へと進入、そのままシュートを放つと強烈にゴール右へと突き刺さり。
10戦ぶりの勝利が欲しい岡山、先制に成功します。

リードを奪い、尚も勢いを持って岡山は攻め上がります。
34分にはコーナーキックから、2度目のクロスがクリアされたのち上門がミドルシュート。
ブロックされたのちも攻撃を続け、左サイドから下口のクロスが上がり、山本大貴が合わせにいきましたがオフサイドに。
この時間帯の甲府は、先制されたショックもあったのか岡山の圧力にひたすら押される事となります。

そして岡山の攻撃が結実したのがアディショナルタイム。
奥からのスローインでロングスローから攻撃、一旦クリアされたのち、上田がエリア内へロングパス。
そして山本大が手前へ落とした所を、前残りしていたセンターバック・濱田がエリア手前からシュートしてゴールゲット。
貴重な追加点をもぎ取りました。

残り少ない時間で反撃したい甲府でしたが、得たのはドゥドゥの(上門への)バックチャージによる警告のみとなり、上手くいかないイライラ感を漂わせつつ前半を終える事となりました。

岡山とは対称的に4位という好位置にいる甲府ですが、引き分けが膨れ上がった成績とともに、下位チーム相手の敗戦が目立った後半戦。
この日もその流れを汲むかの如き試合展開を描き、昇格に足りなかったものが露わになってきているのでしょうか。単純に故障者続出という事だと思われますが

今季は(現広島監督・城福浩氏からの)伝統の堅守に加え、ボールポゼッションを高めて攻撃サッカーを展開しようという試みを敢行した伊藤彰監督。
パスワークは確実に向上を見せたものの、得点力が伸びずに勝ち切れない試合を量産する破目になりました。
それでも来季に向けて下地を作った期間だと思えば、サッカーの質的には悪くなく。
ポゼッションの土壌は定着を果たしたはずなので、ここから来季はどのように成長を果たしていくのか。
タイプ的にはJ1・セレッソのような「堅守遅攻」が最も近そうですが、上積みにより変化していく事も考えられ、既に続投が決まっている伊藤監督の腕の見せ所となるでしょうか。

後半がキックオフ、岡山は濱田ロングパス→クリアボールを上田ヘッド→エリア内へ山本大走り込んでシュート(GK岡西キャッチ)と、いきなりフィニッシュに持ち込みます。
対して、反撃に出たい甲府はサイド裏へのロングボールを配給していくも、フィニッシュの場面は作れず。

その後も追加点を狙いに行く岡山、後半7分には赤嶺が敵陣深めでボール奪取、左サイドで拾った山本大のグラウンダーのクロスに白井が合わせるも撃ち切れず。
12分は中盤からのフリーキックで、上田のロビングを直接山本大がループ気味にヘディングシュートしますが、GK岡西がセーブ。
何とか防ぐも反撃どころでは無い状況の甲府、14分に3枚替えを敢行します。
橋爪・小柳・中塩に代え、ラファエル・今津・山本英が投入されました。
新井・山本英という中央CBを務める選手の競演は以前も見られた形で、ビルドアップの際は主に山本英が一列上がり、正確無比のロングパスを出さんと窺う姿勢を取ります。
また、ドゥドゥがシャドーに下がり、松田が右WBへシフト。

ラファエルのポストプレイを織り交ぜて攻撃していく甲府ですが、それでも流れは中々掴めず。
23分に中村のエリア内へのパスから、こぼれ球をラファエルが拾い、戻しを受けたドゥドゥがミドルシュート(枠外)という形がようやく見られます。
そして直後に飲水タイムへ。

一方岡山サイドはこれを重く見たのか、明けた後は形を変えます。
既に22分に赤嶺→阿部へと交代、阿部が右サイドバック・椋原が右サイドハーフへと変更していた岡山。
そして飲水タイムを挟んだ後は、守備時に5バックの形を採る動きへとシフト。
椋原がWB・阿部が右CBという並びでブロックを作り、甲府の流れを断ち切らんとします。
対する甲府も、26分に荒木→藤田へと交代。(松田が再びシャドーへシフト)

それでも岡山が守勢に入った影響か、甲府が押し込むシーンが続く直後の時間帯。
29分には左サイドのFK、キッカー内田のクロスがエリア内にこぼれた所を、拾った松田がシュート。(ブロック)
32分は相手のミスから松田が拾いドリブル、エリア内右へと切り込んでクロスを送るもGK金山がキャッチ。
シャドーに戻った松田が奮闘するも、ゴールに結び付けられず。
34分には両サイドとも選手交代、岡山は山本大→福元へと交代。
甲府は山田→入間川へと交代、入間川はこれが初出場となります。

中々入間川にファーストタッチが来ない中、41分に松田のミドルシュートがブロックされたのち、拾った中村のパスを受けた入間川。
その後藤田へと繋ぎ、藤田からラストパスを受けたドゥドゥがエリア内右からシュートするも右サイドネット外側へ。

反撃の匂いが漂い始めた甲府ですが、それに水を差してしまうシーンが。
42分、ロングボールを収めようとした岡山・福元に対し、後方から甲府・藤田が抱え込むようにチャージ。
福元が倒れ反則の笛が鳴ると、さらに藤田の足が福元の頭部に入ったようで、両チームの選手ならびに岡山・有馬賢二監督がヒートアップ。
さらにその直後、左サイド奥でボールキープする福元に対し、再び藤田が足を削ってしまい反則。
流石に警告が与えられ、既に引退が決まっていた藤田、ほろ苦い最後の試合となってしまった感があり。

ラフプレー絡みでもたつく甲府を尻目に、岡山は時間を潰してATへ。
試合終了が押し迫り、山本英のロングボールを中心に最後の攻勢に出る甲府。
松田はミドルシュートを2本放つなど相変わらず奮戦、入間川も繋ぎ役として機能しつつありましたが、最後までゴールは生まれる事は無く。
0-2で岡山が勝利し、一つ順位を上げて17位でシーズンを終える事となりました。

来季も昇格は2枠で行われる事がほぼ決まりかけているJ2リーグ。
甲府は前年5位・今年が4位と上位を維持しているものの、「プレーオフ圏内に入れば……」という思いは木っ端微塵に打ち砕かれつつある近況。
果たしてオフを経て、昇格圏を目指せるクラブへと変貌は果たせるでしょうか。


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