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DAZN観戦 2022年J2リーグ第36節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2022-09-16 16:08:47 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の徳島の記事はこちら(順延27節・ヴェルディ戦、1-0)
※前回の岡山の記事はこちら(再開試合8節・山形戦、2-0)

<前節からの変更>

徳島=4日前から2人変更、一美→児玉に代えると同時に、前節の4-4-2から本来の4-1-2-3へとシフト。もう一人は右サイドバックで新井に代わりエウシーニョが右サイドハーフから回り、空いた所には杉森(右ウイング)。序盤戦は入れ替えが顕著だったセンターバックコンビも、この4試合は内田とカカで固定。

岡山=出場停止明けの本山が復帰するため中盤中央を大きく入れ換え。前節シャドーの河井・田中に代えて、輪笠がアンカーから回ると共に仙波が初スタメンで入る。そして復帰の本山がアンカーを務める。こちらも合計2人の変更。

スタメン

4連勝で、プレーオフ圏内の座を固めている岡山。
好調ぶりが示す通り、8月のMVP(ヨルディ・バイス)と最優秀監督(木山隆之監督)を総ナメ。
さらに山形との異例の再開試合を制すという具合に話題性も尽きずと、岡山のためにあったような8月となりました。
そこに最後の連戦(ここから試合中止が無ければ)が立ち塞がる格好となりましたが、それは相手も条件は同じという事で負けられず。
相手の徳島には白井・安部と、前年岡山所属の選手が在籍しており、これがどう作用していくか。

岡山の前線はミッチェル・デュークとチアゴ・アウベスの2トップで、彼らを先頭にして徳島のビルドアップを遮断にいく(と思われる)ゲームプラン。
思えば3トップの頃は、デュークが幅広く動き回るものの、逆にそれにより誰を・何処を担当するのかが曖昧といった感じであった岡山のプレッシング。
そんな時期と比べれば組織立っている印象であり、デュークも下手に動き回らず、相手のアンカーを切る事を第一としつつ最終ラインにプレッシャーを与える体勢を維持します。

しかし徳島のビルドアップの洗練ぶりは際立っており。
岡山サイドは、西谷の突破力を常時警戒しているのか、右ウイングバックの河野が前に出ずに彼のチェックを担当。
しかし左サイドは成瀬が前に出て、エウシーニョ(徳島右SB)に詰めにいくため、左右非対称のシステムとなり。(右ウイング・杉森は徳元が担当)
そのため主に徳島のインサイドハーフ(右=杉本・左=児玉)へのチェックが曖昧となっていたでしょうか。
特に徳島のグラウンダーでの前進に対し、濱田が誰にもマークにいけず浮いてしまうというシーンが印象的でありました。

そのIHを利用しつつ、5レーンをふんだんに使って攻め込む徳島。
前半2分、エウシーニョの児玉へのパスはカットされるもこぼれ球を田向が縦パスで繋ぎ、左サイドを抉ったのち西谷の戻しを受けた児玉がミドルシュート。(エリア内で岡山・濱田がブロック)
先制攻撃を仕掛けたのちも、WGとIHのコンビによる崩しを徹底し、MVP男・バイス率いる岡山の強固な砦の攻略が続けられました。

そのバイスのもう一つの武器である正確なロングフィードも、前線からのプレッシングで封殺を図る徳島。
それによりボールの出所は主に濱田が務める事となった岡山ですが、おかげでターゲットを活かしてのロングボール攻勢も威力半減といった感じ。

攻守ともに徳島の跳梁が続いたものの、ゴールを割らせなかった岡山も30分辺りから徐々に流れを掴み始めます。
それまでフィニッシュが無かった岡山が、30分にチアゴが自陣から思い切ったロングシュートを放った(ゴール上へ外れる)のがその始まり。
32分には最終ラインでの繋ぎで揺さぶり、スペースが出来た事でバイスが得意のロングフィードを右サイドの河野へ送る攻撃。(受けた河野がクロスもシュートには繋がらず)
いくら対策が完璧とはいえ、90分間全対応は至難の業である事を如実に示し。
その後は守備の際にプレスにいった仙波が主審(田中玲匡氏)と激突した事でドロップボールとなる珍事(38分)が生まれながらも、押し込んでコーナーキックを得るなど反撃体制を築きます。

そして41分、中盤でパスカットしたチアゴがそのままドリブルで持ち運び、右サイドから対角線で運んだ末にエリア手前で徳島・内田に倒され反則。(内田に警告)
これで左ハーフレーンからの直接FKを得た岡山、キッカーはバイスが務めたものの、放たれた直接シュートは惜しくもゴール上へと外れ。
マンパワーを活かして相手にダメージを与え、セットプレーで仕留めるという得意の形が出来つつありました。
徳島サイドも45分に決定機を迎え、右サイドから攻勢を掛け、2本クロスがクリアされたのちにワイドでボールを持った杉森からの崩しが炸裂。
ハーフレーンへのパスを杉本がダイレクトでエリア内へ送り、そこへ走り込んだ杉森がシュートを放ちましたが、GK堀田が身体でセーブして防ぎ。
お互い厳しい攻撃に晒されながらも、破綻する事の無い集中力も光ったという内容で、前半を終えました。

ともにハーフタイムの交代は無かったものの、勝ち越しを狙わんと後半立ち上がりから果敢に攻勢に入ったのは岡山。
中盤からのFKでも、ターゲットを活かさんと放り込みを選択。
それだけで無く、ロングスローが武器の徳元が、持ち場とは逆の右サイドからもスロワーを務めて長いボールをエリア内へ投げ入れる体制へ早くも入ります。
形振り構わずといったスタイルで、強引にでも試合を動かしに掛かったのは明白であり。

その圧力を凌いだ徳島は、前半同様に岡山ディフェンスを崩しに掛かり。
エウシーニョを中心に右サイドで仕掛け、彼がワイドでクロスを上げにいくか、ハーフレーンから楔を打ち込むかという狙いの二択から始められるといった攻撃。
そして結果に繋がったのは後者でした。

8分エウシーニョ縦パス→児玉ポストプレイ→カカ左へ長いパスという流れで、左ワイドで西谷がボールを持ち、カットインを匂わせてハーフレーンの児玉に戻すという得意の形に。
そして児玉も中央へのパスを選択し、杉森→白井と経由して右ハーフレーンからのクロスが上がると、ファーで西谷折り返し→藤尾ヘディングシュートという流れるような攻撃でゴールネットが揺れ。
レーンチェンジ・ポジションチェンジをふんだんに使った崩しに、岡山守備陣もどうする事も出来なかったという先制点となりました。

ビハインドを許した岡山、前節はここから逆転勝利を挙げただけに、再現が望まれる展開に。
11分に早くも動き、輪笠・仙波・成瀬→田中・河井・ハンイヴォンへ交代と、3枚替えを敢行します。

これにより徳元を左SBとした4バックへシフトし、中盤の形を確認すると……ハンイヴォンがトップ下のような位置取りをして、残り3人がその後ろに。
4-3-1-2、つまりはダイヤモンド型の4-4-2のような形を採った岡山。
しかしイレギュラーな形故にプレッシングが嵌らず。
12分には右サイドをエウシーニョのドリブルからのパスワークで崩され、クロスの跳ね返りを児玉がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、尚も徳島にゴールを脅かされます。
それを受け、その後はハンイヴォンを左SHとした、オーソドックスな4-4-2へとシフトしました。(ドイスボランチは本山・河井)

何とか同点にせんと攻め上がる岡山ですが、依然として状況は厳しく。
一旦徳島のボールとなると、中々奪い返せずにパスワークで翻弄される時間が長くなります。
そしてアフターチャージを犯すシーンも増えてしまい、17分には徳島・西谷に対しアフターで反則してしまった河野に警告。
流れを変えんと、ベンチはさらに22分にデューク→永井へと交代したものの、徒労に終わり。

停滞する岡山に対し、追加点を狙わんと牙を向く徳島の攻撃。
変わらぬ崩しの体制から、24分には西谷がワイドからカットインを見せたのちエリア内へのスルーパスを選択。
藤尾が走り込んで受けるも岡山・バイスに倒されて撃てず、反則も無し。
続く25分に今度は後方から裏へのロングパスで、受けた藤尾がエリア内でGKと一対一という好機を迎えるも、シュートはふかしてしまい枠外に。
その後も28分に杉森がエリア内右からシュート、ブロックされてのCKから藤尾がヘディングシュート(枠外)とフィニッシュを重ねていきます。

そんな勢い盛んな徳島でしたが、31分に最初のカードを切り田向・藤尾→安部・佐藤へと2枚替え。(同時に岡山もチアゴ→宮崎幾笑へと交代)
これが燃料切れの合図だったか、綺麗に岡山へと流れが移り変わる事となりました。

32分久々に好機到来した岡山、永井が右サイド奥を突いてクロスを入れ、跳ね返りを河井がヘッドで繋いだボールを中央で宮崎幾がシュート体勢に。
しかし同時に撃ちにいったハンイヴォンにブロックされる形となってしまい、モノに出来ません。
それでも押し込み続ける岡山、徳元がロングスローを供給する場面も激増しましたが、ゴールには遠く。
この辺りは柳不在が響いた格好となったでしょうか。

押し込まれていた徳島でしたが、39分に敵陣でボールを持つと、エウシーニョが一瞬の隙を突いてドリブル突破を図り。
最後尾から一気にエリア内まで運ぶ姿にホーム(ポカリスエットスタジアム)も沸き上がり、岡山・徳元のスライディングでこぼれたボールを、佐藤がボレーシュートに持っていき。(枠外)
しかしスライディングを受けた事で倒れ込むエウシーニョ(足が攣ったか?)、ここでお役御免の運びとなります。(新井と交代)

リードを保ったまま終盤を迎えた徳島、45分に児玉・杉森→一美・浜下へと2枚替え。
これで浜下を右WBとした3-4-2-1へとシフトし、守備固めの体制へと入りました。
それに貢献せんと最前線で大ベテラン・佐藤が奮起し、スライディングでのパスカットや、岡山・バイスに競り勝つポストワークなどで観衆を沸かせ。

何とか同点に追い付きたい岡山でしたが、デューク・チアゴが退き、柳も居ないためパワープレイも仕掛け辛く。
結局アディショナルタイムではロクにチャンスシーンを作れず、全体通して観ても、徳島GKホセ・アウレリオ・スアレスが(シュートを)セーブしたシーンは皆無に終わりました。

1-0で逃げ切り、勝ち点3を得た徳島。
先日の記事で同じ降格組の大分の事を「追い込み馬」と表現しましたが、それよりさらに激しい追い込みを掛けられれば……といった位置でしょうか。


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