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DAZN観戦 2022年J2リーグ第35節 大分トリニータvsベガルタ仙台

2022-09-13 16:01:24 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の大分の記事はこちら(31節・徳島戦、2-2)
※前回の仙台の記事はこちら(31節・大宮戦、2-3)
※前回の両クラブの対戦はこちら(7節・仙台 0-2 大分)

<前節からの変更>

大分=3人を変更、ボランチの片割れが保田→下田・左ウイングバックが増山→高畑・右シャドーが中川→町田。外れた3人はいずれもベンチ外と、水曜の試合への備えか。代わりにエドゥアルド・ネットや香川がベンチ入り。

仙台=指揮官交代のうえに、2人が出場停止(フォギーニョ・吉野)といった状況で3人入れ替え。ドイスボランチを双方代えてフォギーニョ・梁勇基(リャンヨンギ)→中島松下。前節左サイドハーフの中島の所には氣田が入り、右SHが加藤→名倉。ちなみに松下は長期離脱から復帰、これが今季初出場である。

スタメン

リーグも終盤に来ての昇格組同士の対決は、明暗が分かれるといった格好となりがちですが、それに反して複雑な様相となっている両クラブ。
前回の対戦以降盛り返し、3強と持て囃される程突っ走っていた仙台でしたが、ここに来て4連敗と失速。
逆に停滞を強いられていた大分が、昇り調子でプレーオフ圏内に浮上と、勢いの差は逆転してこの日の対戦を迎えました。
いわば、逃げ切り馬と追い込み馬の特性がハッキリ表れた格好でしょうか。

順位こそ仙台がまだ上ですが、チーム状態は歴然といった状況。
最早自動昇格圏を伺う状態では無く、このままではプレーオフ圏にすら入れず「カレーは飲み物」の商標登録以外何も残らないという危惧も生まれ。
それ故に監督交代が断行されたのは当然といえば当然で、折りしも先月にフリーとなっていた伊藤彰氏の招聘に成功した仙台フロント。
といっても残り試合が少なく、かつ過密日程も待っている中では出来る事は限られており。
何とか規律によって現在の順位を維持せんとするか、あるいは伊藤氏のサッカー構築が敢行される(予定の)来季以降への布石を立てたのか、といった動きでしょうか。

試合が始まり、大分は長期間掛けて構築したと思われるサッカーを貫き。
前節(新潟戦・1-0)はボールポゼッションに長けた強豪チームが相手で、しかも長時間リードしていたという事で守勢を強いられましたが、この日は無事に自分達がボールを握る展開に持ち込みました。
ドイスボランチから、片割れの弓場が一列前に上がり、前線の選手を多くするボール保持時の大分。
3バック+下田の4人にGK吉田が加わる事で、仙台が前線4人でプレスを掛けに来ても、それをいなすだけの地力が付いているからこその布陣なのでしょう。

その前に出た弓場を含め、2列目への縦パスを通す事で揺さぶりを掛けるというスタイル。
よって不利を承知で、そのパスの出所を潰すために前からの守備を頑張らなければいけないといった仙台サイド。
前半12分に右サイドで中島がボール奪取に成功し、そこから真瀬・名倉の2人でサイドを突破して真瀬からクロス。
ブロックされるもこぼれ球を遠藤(この日は4-2-3-1のトップ下)が繋ぎ、中央で受けた中山が反転シュート(ブロック)と、敵陣で奪って好機に繋げる場面を作り。
また大分GKは高木が不在なのもあり、吉田に対して果敢に詰めにいき後一歩という場面もありました。

しかし次第に息切れし、20分過ぎから大分の独壇場となり。
両シャドー(町田・梅崎)はじめ、多彩な選手が居りて出口を作るという大分のビルドアップの前に翻弄され続け、高い位置を取るウイングバックの跳梁を許し押し込まれる仙台。
左センターバックの三竿の攻撃参加もあり、仙台は相対するように右SHの名倉が前目に位置して彼をチェックする体勢を築くも、簡単にかわされて焼け石に水となり。
現状のサッカーの質の差が露わになった格好となり、先制点を狙いにいく大分。
28分には対角線のロングパスが右サイドの井上に渡り、そこからのパスワークで中央→左へと移動し、高畑がクロス。
そしてファーサイドでサムエルがヘディングシュートを放ちますが、ゴールバーに当たり枠外に。
両サイドをくまなく使う攻撃で、大分の前線の人数の多さに対し必死のスライドで守る体勢を強いられる仙台。
クリアやロングパスに対し、セカンドボールを支配されるという状況を強いられても、専守を貫くというだけの状況に追い込まれました。

相手のフィニッシュ数を減らす事に努めていた仙台ですが、42分にもコーナーキックからの二次攻撃で、大分・サムエルのヘディングシュートが炸裂。(GK小畑キャッチ)
苦しさが滲み出る中、その後何とかボール保持の体勢に入り。
中々攻撃の形を作れずにいた仙台は、43分にトップ下の遠藤が左サイドでかなり降りた位置を取り、サイドバックの内田を前に上げたうえで左サイドから前進。
氣田のクロスまで繋げる(シュートは撃てず)とともに、何とか一糸を繋げるといった格好に。
この遠藤が降りたうえでの組み立ては後半も続けられる事となりました。

結局大分はゴールを奪う事が出来ず、仙台にとっては僥倖というべきスコアレスとなった前半。
巻き直しを図りたい後半立ち上がりでしたが、後半1分にいきなり大分の好機。
浮き球の蹴り合いからボールを持った大分、右サイドで町田のスルーパスに走り込んだ井上からのクロスで、弓場が走り込んで合わせてのヘディングシュート。
威力は十分だったものの、GK小畑の正面に飛んでしまいキャッチされ。
3分にはサイドチェンジも絡めての長い攻撃を、右サイド手前から坂クロス→ファーサイドで三竿跳び込んでヘディングシュートで完結するも、これもGK小畑が跳び付いてのセーブで阻まれます。

現実に引き戻された格好となった仙台でしたが、自身からも攻撃を組み立て、前述の通り遠藤が下がり目となったうえで前進する攻め。
5分には右サイドから名倉がドリブルで中央へ向かい(遠藤はボランチの位置で構える)、中山と被ってしまうもその中山が後方へ叩き、受けた中島がミドルシュートをループで狙いましたがゴール上へと外れ。

攻撃機会を得た事でファイティングポーズを保つ仙台。
ベンチも先んじて動き10分に名倉→富樫へと交代、これにより中山・名倉の2トップとなり遠藤が右SHへシフトし、明確な4-4-2の布陣となります。
13分には大分GK吉田のパスミスで、逸れたボールを遠藤がダイレクトでエリア内で送ったものの、中央の富樫には合わずモノに出来ません。
高木不在という弱点が随所で露わになっていたこの日の大分でしたが、仙台もそれを巧く突けずに終わります。

仙台ベンチは矢継早に動き、18分に今度は2枚替え、松下・氣田→梁・加藤へと交代。
すると大分も同じタイミングで動き、こちらも梅崎・サムエル→呉屋・金崎へと2枚替え。
投入された2人が2トップの位置取りをする事で、3-3-2-2(3-1-4-2)の形へとシフトした大分。

早めに動き、攻め上がりの意識が高まっていた仙台でしたが、大分はターゲット2人を置いた利点を活かす攻撃でその気概を逸らし。
21分に浮き球での縦パスを金崎フリック→呉屋ポストプレイで、収めた金崎が前へ運んでから右へ展開、受けた井上のクロスを呉屋が足で折り返す(繋がらず)という2人を活かしての素早い攻めを見せます。

すると23分ここも井上のクロスが決め手となり、そこまでの経緯は右サイドで金崎が前進に絡み、金崎のエリア内右でのキープからの叩きで右奥の井上に。
ニアサイドに上がったボールを、弓場の潰れの一列奥に入り込んだ呉屋が合わせヘディングシュート。
勢い良くゴールネットを揺らし、待望の先制点を獲得しました。

一方、とうとうリードを奪われた事で仙台の後方は揺らぎが露わとなり。
大分のプレッシングに屈してボールロストする場面が目立っていき、反撃の機運は一向に高まらない状況に。
26分に三竿のロングシュートでゴールを脅かされる(枠外)と、28分にはプレスを掛けるもペレイラのミドルパスでかわされたのち、呉屋のスルーパスで金崎がGKと一対一となる決定機に。
放たれたシュートはGK小畑がセーブして何とか防ぐも、以降も大分の流れは中々切れません。
31分に最後の交代を敢行(中島・内田→皆川・蜂須賀)、富樫が右SH・遠藤がボランチというレアな布陣を採るも、手繰り寄せる事は叶わず。

一方の大分、仙台が最後のカードを切ったすぐ後に、高畑・町田→香川・小林成豪へと2枚替え。
さらに36分には足を攣らせた井上に代え宇津元を投入、と残されたカードを使いきり。
層が厚い分、誰が出ても一定の能力は保たれるといった感じであり、その通りに38分にも決定機を迎えます。
ここも浮き球を左サイドで金崎が収め、香川を経由してエリア内の呉屋に渡るという2トップの働きで、呉屋が奥へ切り込んでのシュート。
GK小畑を抜いたものの、ゴール前で仙台・蜂須賀が戻りながら足でブロックして辛うじて防ぎ。

このプレーでようやく流れが変わったか、終盤を迎えて仙台がボールを握る展開へと移行します。
大分は坂が足を攣らせてしまったのもあり、積極的な姿勢は影を潜め破綻を防がんとする意識へと針が振れ。
以降呉屋が下がり気味となり、左シャドーに降りての5-4-1ブロックを作る守備時の大分。

対する仙台は、ほぼフィールダー全員が敵陣に進入してのパスワークから、ボランチに位置した遠藤のパス出しで急所を突きチャンスを作らんとし。
43分には遠藤のエリア内左へのロングパスが加藤に渡る好機を迎えましたが、シュートは枠を捉えられず。

このままの勢いでアディショナルタイムも展開したい所でしたが、中央を固める大分の前に、ATではパスを繋ぐだけの時間が長くなり。
ロングボール攻勢も無難に対処され、結局1-0のまま試合終了を告げる笛が吹かれました。
明暗分かれるといった試合となり、ついに勝ち点55で仙台に並ぶ事となった大分。
「追う方が有利」という状態を如実に示す結果となりましたが、仙台にそれを覆す術は残っているでしょうか。


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