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DAZN観戦 2022年J1リーグ第23節 ヴィッセル神戸vs柏レイソル

2022-08-04 16:02:17 | サッカー視聴記(2022年J1)

<神戸スタメン> 4-1-2-3
GK 飯倉
RSB 酒井 CB 山川 CB 小林友希 LSB 初瀬
DH 大﨑
IH 山口 IH 中坂
RWG 飯野 CF ムゴシャ LWG 汰木
<柏スタメン> 3-3-2-2
GK 佐々木雅士
RCB 高橋 CCB 上島 LCB 田中隼人
RWB 大南 DH 椎橋 LWB 三丸
IH ドッジ IH マテウス・サヴィオ
FW 小屋松 FW 細谷

この記事で挙げた8クラブの中では、比較的J2暮らしが短いand少ないクラブ同士の戦い。
それでも今季その数を積み上げてしまう確率は、現状神戸の方が圧倒的に高く。

再びの監督交代が行われ、吉田孝行氏が3度目の就任(しかも5年間でという短い間に)という神戸の人事には失笑せざるを得ないものですが、同時に「形振り構ってはいられない」という意識をクラブに植え付ける効果はあったようで。
自身のサッカーの構築は脇に置き、とにかく勝ち点を積み重ねると言わんばかりに、吉田氏就任以降は好成績(3勝1分)を残しています。
それが「解任ブースト」という普遍的な現象で、決して長続きするものではないと解っていながらも、手を出さざるを得ない。
そういった心境に陥らせるものである、残留争いの恐怖。
そんな見通し暗い状況に陥ったクラブを、かつて率いていた相手の柏・ネルシーニョ監督はどう観ているのか気になる所ですが、それはさて置きキックオフ。

2週間のインターバル明けという事で、どんなフォーメーションを採用するかに焦点が集まる神戸でしたが、前節(鹿島戦、1-1)と同様の4-1-2-3の形に。
しかし橋本を海外移籍で失ったとあり、アンカーには大﨑が起用されるという台所事情の苦しさが滲み出るスタメン。
アンドレス・イニエスタが不在な状況もあり、中盤の展開力を欠く中で敢行される最終ラインからのビルドアップ。
前に出るGK飯倉を中心としながら左右にボールを回していくも、フィニッシュに結び付く好機は生み出せずに時間を浪費していきます。

柏の守備はしっかりと5バック(5-3-2)で構え、左右のウイングバックは神戸の両ウイングを抑えるポジションを常時取り。
そしてCFのムゴシャには上島がマンマークで、中間ポジションに出される所には左右のセンターバックが対応。
こうしたディフェンスを基調とし、積極性を欠く神戸を封じ込めに掛かりました。

上記のようにイニエスタ不在の影響か、パスの出し手がハーフレーンを突く意識に欠けており硬直化する神戸の攻撃。
サイドから攻め込まんとしても、WGが抑えられている状況では突破する手段に乏しく。
時折左サイドで初瀬がドリブル突破を見せるのみに留まります。

そうした状態で迎えた17分、自陣でボールカットしたサヴィオからカウンター気味に仕掛ける柏。
サヴィオがドリブルを経てエリア内右へスルーパスを送るとともに自身もエリア内へ駆け込み、小屋松の横パスをポストプレイで後方へ繋ぎ、椎橋のリターンを受けてシュート。
神戸はそれを小林友がブロックするも、跳ね返りを椎橋が詰めて連続シュート、さらに大﨑がブロックで防ぎましたがそこまででした。
こぼれ球を細谷が拾って三度のシュート、GK飯倉が弾くも及ばずゴールに突き刺さり。
執拗な連撃で、必死のディフェンスを打ち破った柏が先制します。

こうなると典型的な「ボールを持たされる展開」を描いてしまう神戸。
裏狙いのロングパスでWGを走り込ませるも、やはり柏の組織立ったディフェンスに阻まれてさしたる効果は得られず。
やはり後ろでボールを繋ぐしかない状況で、そのボールポゼッションも、柏のリトリートからのプレッシングに四苦八苦する場面が目立つ悪循環。

そんな堅固な柏ディフェンスですが、今季初スタメンの左センターバック・田中隼からやや綻びが見られ始め。
35分に彼のクリアミスを拾った山口がそのままミドルシュート(枠外)と、神戸にファーストシュートを与えてしまい。
続く36分にもトラップミスを深めの位置で飯野に拾われてクロスに繋げられるなど、穴となりかねないプレーを連発してしまった田中隼。

39分の神戸、敵陣での奪い合いの流れで、トランジションの隙で柏・大南の上がりによって空いた左サイドを突いて汰木が奥へ進入。
ここから敵陣でポゼッションする流れが出来始め、続く40分にも右サイドでのパスワークからのサイドチェンジで空いた左サイドを突き、初瀬の奥からのクロスをムゴシャが折り返すという好機が生まれ。(中央で中坂が待ち構えるもクリアされる)
柏の5バックを能動的に崩していく流れへと移りつつあり、3分あったアディショナルタイムでも攻撃権を独占。
ボール支配率(一時は70%超えの時間帯もあった)どおりのサッカーを展開しますが、結局ゴールは奪えずに前半を終えます。

そんな徐々に表れた勢いに乗らんと、ハーフタイムで一気に3枚替えを敢行した吉田監督。
ムゴシャ・汰木・中坂→大迫・小田・小林祐希と一気に前線を代え、後半に臨んだ神戸。

今季初スタメンの影響か、硬さが見られたCFムゴシャに代わって投入された大迫。
いきなりの後半1分、相手のクリアボールを初瀬がラフにエリア内に跳ね返すと、そこに猛烈に走り込んであわよくばというシーンを演出。
歴戦の選手らしい、どうムードを高めていくかを熟知しているかの振る舞いを見せます。
4分にその大迫の下に決定機が舞い降り、再び初瀬のエリア内へのロングパス(今度は狙ってのパス)を小田が収め、キープののち託された大迫。
ループ気味に放たれたシュートがゴールを襲うも、惜しくも右へと外れてしまい。

硬直性が取れつつある神戸の攻撃に対し、劣勢に陥る前に早めの追加点が欲しい状況となった柏。
6分にそのチャンスが訪れ、左サイドで三丸のロングパスを受けた細谷が奥を突いてマイナスのクロス、ニアで受けたサヴィオのポストプレイを経てシュートにいったのは小屋松。
しかし神戸・大﨑のブロックに阻まれ(腕に当たるもハンドは取られず)実らず、以降危惧した通り神戸の猛攻に晒される流れとなり。
最小リードを守るという厳しい戦いを強いられます。

5-3-2の柏の守備の弱点である、2列目のサイドを支配する事により攻撃リズムを掴む神戸。
新戦力の小林祐を含めた選手交代の効果もあり、前半とは打って変わってのスムーズな繋ぎに対し柏ディフェンスのスライドも遅れがちになり。
14分、山川のロングパスがクリアされるもセカンドボールを拾い、左サイドへ展開して初瀬がクロス。
大迫が合わせにいき、こぼれ球を落ち着かせた酒井がエリア手前右からシュート。
ループ気味にゴール上部を襲ったものの、バーを掠める結果となり惜しくもモノに出来ず。

直後に柏はサヴィオ→武藤へ交代(小屋松が一列下がり左シャドーに)するも、流れを変える事は出来ず。
何度もサイド奥を突いてクロスを上げていく神戸に対し、プレッシャーに押されつつあり。
20分という早い段階で、神戸のオフサイド後のフリーキックの際にGK佐々木雅が遅延行為とされて警告を受ける始末となりました。

その後神戸が飯野→佐々木大樹への交代を準備した所で、それが果たされる前に飲水タイムが挟まれ。(23分)
明ける際に交代すると共に、大崎・山口がドイスボランチ気味に位置取りつまり4-2-3-1のような布陣を取り始め。
この日良い働きを見せる小林祐をトップ下に置く事で、イニエスタの代わりを務めさせるという意図でしょうか。

ブレイク明け最初の攻め(26分)で、右サイドでの前進から酒井の戻しを受けたその小林祐がミドルシュートを放って(GK佐々木雅セーブ)柏ゴールを脅かし。
尚も右コーナーキックを得て、キッカー初瀬のゴールへ向かうクロスをGK佐々木雅がパンチングで弾くも、ファーサイドで大迫が折り返したのち佐々木大がボレーシュート。
ノーマークで放たれた決定的なフィニッシュでしたが、ゴール左へと外してしまった佐々木大。

寸での所で凌ぐ柏ですが、直後にドッジが足を攣らせてしまい。(一旦ピッチに出たのち復帰、その後交代)
30分に細谷と共にピッチを去る事となり、アンジェロッティ・加藤が投入され。
補填したのも束の間、34分に今度は大南も足を攣らせてしまうなど、守勢故のダメージが深刻となります。
その大南もドッジ同様、一旦ピッチ外に出たのち復帰し時間を作ったのち、交代の措置が取られます。(川口を投入・35分)
以降5-3-2を改め、武藤を1トップにした5-4-1で守備ブロックを作るようになる柏。

これにより神戸は容易にサイド奥への侵入は果たせなくなるも、40分には左サイドで一瞬の隙を突いて初瀬がスルーパス、裏を取った小田が奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで受けた大迫からさらにクロスが上がるも、シュートは撃てずCKに。
するとベンチは最後の一手とばかりに、(キッカーを務めようとした)初瀬に代わって槙野を投入。
DFの槙野を完全なパワープレイ要員とし、終盤戦を迎えます。

その直後の左CK、初瀬に代わるキッカー小林祐のクロスを、中央で大迫が合わせヘディングシュートを放つもゴール右へと際どく外れ。
以降、大迫・槙野の2トップとした4-4-2へとシフトし、小林祐がボランチに・大﨑がCBに・山川が右SBに・酒井が左SBにと選手も玉突き的にシフト。

しかしパワープレイという言葉の通りに、放り込み主体の姿勢となった神戸の攻撃。
それまでのような攻撃権を独占する流れを自ら失う事となり、それに伴い柏がカウンターを展開する下地が出来。
45分にクリアボールをアンジェロッティが落とし、拾った武藤がドリブルで単騎突撃するカウンターに持ち込み。
それでも放たれたミドルシュートがゴール右へ外れると、小屋松までもが足を攣らせる事態が発生してしまいます。
既に交代枠は無いため、急遽小屋松を1トップとして2列目に武藤が降り、ブロックを整える方を優先した柏。
以降神戸DFの裏へのスルーパスは、誰も走り込まずに単なるクリアと化し、カウンターの芽は無くなり。

それでもターゲット目掛けてのロングボールに頼るしかない神戸。
山口ロングパス→槙野エリア内へ落とし→大迫脚から跳び込んでシュート(枠外)と好機は生まれる事は生まれたものの、最後まで得点は生まれず。
ウノゼロでの勝利を過去2試合続けている柏、その自信と集中力は伊達ではありませんでした。
結局0-1のまま動かず、試合終了の笛が鳴り響き。
最後まで折れない守備とともに、決して折れないチームの軸を相手に見せ付けた格好となりました。


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