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DAZN観戦 2022年J2リーグ第29節 ツエーゲン金沢vsブラウブリッツ秋田

2022-08-03 16:00:53 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(27節・新潟戦、0-3)
※前回の秋田の記事はこちら(26節・甲府戦、1-3)

<前節からの変更>

金沢=センターバックの一角を庄司から、プロ初先発となる黒木へと代える。右サイドバックも松田から今季初先発となる高安、ボランチの一角が小野原→力安、2トップの一角が丹羽→と計4人入れ替え。ディフェンスラインが大幅に変わったので、ウィルス禍の影響か完敗続きの成績を受けての事かは不明だが、外れた4人がいずれもベンチ外になったので前者のウェイトが大きいか。そのベンチに片倉・稲葉・波本と、今季未出場の選手が名を連ねているので……

秋田=2人を入れ替え。出場停止明けの千田がCBの一角に収まり、小柳がボランチに上がって井上が外れ。もう一方は右サイドハーフが中村→小暮。ベンチメンバーは、藤田が7試合ぶりに入る。

スタメン

0-3のスコアでの敗戦を2戦も続けてしまっている金沢。
CBが黒木・孫大河という若きコンビとなるなど、守備の建て直しを図ったかに見えますが、ウィルス禍による影響の方が甚大のようで。
成績的にも内面的にも厳しい状況を強いられている中、巻き返す術はあるのか。
対戦相手の秋田も、後半戦は依然として勝利が無い泥沼状態で、未勝利が続く事12戦。
ともにやっているサッカーはハッキリしているだけに、その内容自体に限界を感じてしまいそうな状態といえますが、そこから抜け出したいという意味でも「6ポイントマッチ」に近い試合でしょうか。

ともにロングボールを蹴り合う入りを経て、攻撃の流れを掴んだのは金沢。
夏場の試合という事もあり、秋田のプレッシングは控えめといった感じで、2トップ(青木・齋藤)は金沢のドイスボランチ(藤村・力安)を切る位置で構えるのが中心となり。
そうなると金沢は、ロングボールを送っても秋田の強靭なフィジカルに跳ね返されるだけなので、必然的にボール支配の時間が多くなる事に。

しかしバックパス・パスミスなどでちょっとでも最終ラインが下がれば、そこを狙ってプレスを掛けに来る秋田の2トップ。
それを剥がせる程のボール保持の力は金沢には無く、そうなるとロングパスを送るしか無くなり。
そのボールを相手に拾われた所を豊田が奪い返して好機に繋げる場面(前半12分)もありましたが、大まかには「ポゼッションに長けている訳でも無いチームがポゼッションを強いられる」といった流れで推移する試合展開。
金沢は盛んにサイドからクロスを入れるも、5分に放たれた嶋田のミドルシュート(GK田中キャッチ)以外にはフィニッシュに繋げられずに時間は進んでいきます。

すると曲がりなりにも攻勢に入っていた隙を突かれる事となり。
18分の秋田の自陣左サイドからのスローイン、ターゲットの齊藤・そのフリックを拾う青木を潰しにいったものの、完全に防ぎきれなかった事で茂に拾われ抜け出される危機に。
そしてサイド奥からエリア内左へと進入する茂、切り返しから放たれたグラウンダーでのシュートを、GK白井はキャッチにいくも弾いてしまい。
そして眼前で拾った小暮に蹴り込まれ、攻勢故の緩みが露わになっての失点を献上してしまいました。

リードを奪った秋田は流れも剥ぎ取る事となり、19分の金沢のパスミスを奪っての好機(シュートには繋がらず)をはじめ、浮足立つ相手を押し込み。
この日は以前の秋田の印象と比べ、SBも盛んに上がって攻撃に加わり、数的優位を作ってのサイド突破が目立ち。

そんな変節が結果に繋がったのが25分。
藤山の前進で右サイドから攻める姿勢を見せつつ、最終ラインに戻されたのち千田ロングパス→青木落としから再攻撃、エリア手前でパスを繋ぎサイドを変えつつ、奥で受けた輪笠からクロス。
これをファーサイドで合わせたのは同じSBの藤山で、ターゲットのFW2人+小暮を越えた所で放たれたヘディングシュートがゴールに突き刺さり。
SBからSBへのラストパスという、秋田らしからぬ(失礼)重厚な攻撃を見せての追加点を奪い、同時に飲水タイムが挟まれます。

リードが広がった事で、金沢はすっかり「ボールを持たされる展開」を強いられる状況となり。
最終ライン中心にボールを握る時間は長くなるも、前に運ぼうとすれば防がれるか手前からのクロスを入れるしか無く、後ろに下げれば秋田のプレッシングを受けるという板挟みの状態となります。
そんな迷いを見逃してくれるほど秋田は甘くなく、その合間にフィニッシュを浴びるという、完全な負けパターンをなぞりつつある金沢。
試合序盤は裏抜けを狙っていた松本大弥(この日は左SH)も、そんな展開を受けては降りてビルドアップの出口を務める役回りへと変えざるを得なくなり。
結局ブレイク明けは殆ど好機を作れなかった金沢、0-2のまま前半を終える事となります。

何とか反撃の機運を高めたい金沢は、ハーフタイムに高安→長峰へと交代。
長峰が左SBに入る事で毛利が右SBへと回り、サイド攻撃の質を高めに掛かりました。

秋田のディフェンスを必死に掻い潜り、ゴールに迫らんとする金沢。
後半5分、右サイドでのスローインから嶋田→藤村とダイレクトパスの連続でエリア内へ繋ぎ、受けた林の戻しを経て松本大弥がシュート。
秋田・千田のブロックしたこぼれ球をさらに再度シュートした松本大弥でしたが、枠外に終わりモノに出来ず。

この連撃で流れを掴みたい所でしたが、以降秋田もやり返し。
9分、右サイドのスローインからの繋ぎに左SBの輪笠も加わり、藤山のクロスの跳ね返りを拾った輪笠が右からのカットインを経てミドルシュート。
これがゴールバーを直撃する際どいシュートとなります。
10分に齋藤→吉田伊吹へと交代し(金沢も11分に豊田→杉浦恭平へと交代)、14分の秋田は左サイドで好機を作り、小柳のクロスの跳ね返りを再び輪笠がミドルシュート。
GK白井にセーブされるも、果敢に金沢ゴールを脅かしに掛かる輪笠。
やはりこの日の秋田はSBの盛んな攻撃参加がテーマとなっていたようで、金沢サイドはそれを事前の分析で抑えられていなかったようでもありました。(もっとも、この日が初のお披露目というならば映像では抑えようが無いというのもありますが)

そうして相手を上回り押し込む流れを得た秋田。
迎えた16分、藤山の右サイドでのロングスローから、クリアされたボールを拾って二次攻撃。
右サイド奥へ稲葉から送られたロングパスを池田がトラップ、そのままエリア内右を突いてマイナスのクロスを入れると、ニアで青木が合わせ。
GK白井の股を抜いてゴールを奪い、今度はCB池田のアタッカーの働きで崩しに成功、これで3点差とします。

反撃どころかさらに点差を広げられてしまった金沢。
以降秋田のプレッシングも影を潜めるようになり、ボールポゼッションは出来るようになるも、シュートまでは遠く。
20分に力安→平松に交代し、松本大弥はボランチには回らずそのまま左SHで平松がボランチと、一見してのポジションのギャップで目線を変えようとします。
それでも21分の秋田は稲葉が敵陣でボールカットしてそのままドリブルでエリア内に切り込む(クロスがブロックされてコーナーキックに)など、苦しい状況は変わらず。

23分に飲水タイムが挟まれても大まかな展開は変わらず。
それでも金沢は中央へ絞ってビルドアップに加わる松本大弥の存在を活かし、2-3ないしは(平松が最終ラインに降りて)3-2でのボックスという形からボールを運ぶ流れは出来上がり。
最終ラインから右へと展開、サイドに寄せたのちに逆の左へと渡してのパスワークを基本として好機を作っていきます。
31分・32分と立て続けに杉浦恭がヘディングシュートを放つも、モノに出来ず。(前者はGK田中キャッチ・後者はゴール左へ外れ)

防戦一方となるも、それでも失点しなければ良いという状況の秋田。
26分に小暮・青木→中村・井上へ、35分には小柳・茂→江口・高瀬へそれぞれ2枚替えと、着実に勝利へ向けてカードを切っていきます。

一方金沢も36分に最後の交代を敢行、嶋田→片倉。
今季初出場となった片倉が本職では無い右SHに入るも、気負いは見せずその働き場から盛んに攻め上がりを見せ。
41分には右CKから、クロスがクリアされたボールをダイレクトでシュートした片倉。(ブロック)

時間が進むにつれてますます堅固になる秋田ディフェンスを受け、金沢は手前からクロスやロビングを入れるだけの攻撃に傾倒する事となり。
CBもサイド攻撃に拘わる場面も見られましたが、崩しの切り札とはなり得ず時間が経過していきます。
そして44分に左から長峰がロングスローを投げ入れ、エリア内でこぼれた所を松本大弥が拾うも、シュートは撃てず奪われて秋田がカウンターに持ち込み。
稲葉の裏へのパスに走り込んだ井上、そのままドリブルで持ち込んで右サイドで溜めを作り、彼から受けた輪笠のクロスをファーサイドで吉田伊がヘディングシュート。
4点目かと思われたこのシュートを、ゴールラインぎりぎりでGK白井が片手でセーブ。
辛うじて凌いだ金沢でしたが、既に試合の優劣を覆す事はならず。

その後セットプレー攻勢に持ち込む金沢、その流れのままアディショナルタイムに突入し、何とか1点をもぎ取らんとします。
しかし秋田ディフェンスに良く防がれると、最後は藤山がドリブルで右サイド奥まで持ち込んだ末にコーナー付近でボールキープ。
掻き出さんとする金沢を嘲笑うかのように、稲葉→井上とキープ役を変える秋田、最後は井上が金沢・平松に反則を受けて悠々逃げ切りに成功。
直後に試合終了の笛が鳴り、完勝でとうとう久々の勝利の味を噛み締めました。

一方3試合連続で同一スコアでの完敗となった金沢。
FWへのロングボール一辺倒と思い込んだ節のある秋田の攻撃へのスカウティング失敗も窺わせるなど、今後への不安は止む事無く。
自信が貫いているはずのサッカーの、アップデートが必要な時かもしれません。


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