ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J3リーグ第28節 AC長野パルセイロvsガイナーレ鳥取

2020-11-19 16:38:48 | サッカー視聴記(2020年以前)

J2は丁度5連戦の合間なので、J3に目を転じてみると、今節が大きな節目となるカードとなっていました。
無敗で首位を走る秋田が、J2昇格はたまたJ3優勝が決定となる可能性を秘めた今節。
勝てば無条件で昇格決定し、なおかつ長野の敗戦で優勝も決まる、という事です。

今節含めて残り7戦もあるので秋田の優勝は決まったようなものではありますが、2位争いは未だ混迷。
秋田の優勝阻止だけで無く、2位の座を守るためにも長野は落としたくない試合で、相手は5位に着けている鳥取。
長野のホームである長野Uスタジアムの、J1にあっても可笑しくない程のサッカー専用スタジアムの雄大さに見とれつつ視聴しました。

オール日本人という編成で今季を戦っている長野、立ち上がりは攻勢に出ます。
ボールの蹴り合いとも思いたくなるような入りを経た後、前半5分に右サイドから吉村のグラウンダーのクロスを、佐相が合わせシュート。(GK田尻キャッチ)
その後はスローインから好機を作る場面を量産し、8分には右サイドからのスローインからパスワークを経て、エリア内右で受けた東からグラウンダーのクロス。
これに水谷が走り込んでシュートしますが、DFに当たってゴール左へと逸れてしまいました。
4-3-3(4-1-2-3)というフォーメーションで、上記の佐相(左ウイング)や水谷(左サイドバック)のように、逆サイドの選手が中央でフィニッシュに絡んでくるシーンが目立ちました。
また13分には、センターバック・浦上がドリブルで持ち上がり、ロングパスが跳ね返された後敵陣で組み立てに参加。
長くパスを繋いだのち1アンカーの岩沼がエリア手前からシュート、ブロックされてエリア内にこぼれたボールを、センターフォワードの吉田が詰めにいきますがこれはオフサイドに。
人数を掛けて敵陣に押し込んで組み立てるという狙いが垣間見えた長野のサッカー。

そんな長野に押し込まれ続け、攻撃の形すらままならない鳥取の序盤の戦い。
落ち着きを取り戻さんと、19分には最終ラインからのビルドアップで攻撃を組み立てにいきます。
3-4-2-1のフォーメーションと紹介されていましたが、攻撃時にはボランチ・可児が1アンカーの3-1-5-1のような形に見え、新井泰貴と坂井のどちらが降りて来るかはその時次第というビルドアップ。
それでも長野の守備を崩せず、シュートは皆無・クロスは手前からという攻撃に終始し、頼みはロングボールをFW・大久保(どうでもいいが、大久保という姓は例外なくFWのような気がする……)に当てるという感じ。

飲水タイム(26分・一度主審が間違えて18分頃に採ろうとしたのが微笑ましかった)を挟み、ようやく鳥取が初シュート。
それでもスローインを直接大久保に当て、繋いだのちに大久保が遠目からシュート(GK小澤キャッチ・30分)という大久保頼みのような感じでしたが。
案の定再び長野のペースになり、押し込まれる時間帯が長くなる鳥取でしたが、ここでは相手にシュートを許さず。

何とか40分過ぎまで長野の攻撃を凌ぐ鳥取。
41分ついに好機を得、相手のミスを敵陣で拾った三沢がそのままシュート、ブロックされたボールを右ウイングバック・安藤が拾いドリブル。
エリア内右へと切り込み、切り返しからシュートを放ちましたがGK小澤がキャッチ。
カウンター一閃とはならず、以降は双方シュートは無く前半を終えます。

鳥取がかつてJ2を経験したクラブ、というのも遠い記憶になってきたような近年。
2010年にJリーグ参入を果たし、J2入りを果たしたものの、上昇機運に乗る事無く低迷。
そして2013年に降格が決定し、翌年新たに作られたJ3リーグに初年度から参加する事となって以降、一度も昇格出来ずに現在に至ります。

選手生活の晩年を鳥取で過ごした岡野雅行氏が、引退後もフロント入りし(現職は代表取締役GMとの事)、その悪戦苦闘ぶりが目を惹くクラブ。
今も在籍する助っ人・フェルナンジーニョ(今季限りで引退との事)の存在しかり、義理人情による人事が横柄しているのも、クラブの地盤の不安定さ故仕方が無いでしょう。
最も惜しかったのは2018年シーズンで、昇格まで後一歩という3位。
しかしそのシーズンも監督交代があったり(森岡隆三氏→須藤大輔氏)、レオナルド(現浦和)の得点王に輝く活躍があったりと安定性には疑問符が付くようでした。
現在の監督はユースで監督を務めていた高木理己氏との事で、継続性ある人事でクラブの基礎を固めようとしている節が窺えます。
前年の成績(7位)を経て、今季はその成果の結集である昇格を掴む事はなるでしょうか。

前半攻めながらも得点出来なかった長野、ハーフタイムに東→藤森へと交代。
フォーメーションもオーソドックスな4-4-2へと移行したようで、後半に勝負を挑みます。
その意気込みを示したのか、開始のキックオフではいきなり藤山がドリブルで前進して攻撃という、現代ではレア物のようなシーンが。
しかもその攻撃(おまけにドリブルの最中に味方の三田と交錯)が、右サイドから吉村クロス→ファーで吉田折り返す→藤森ポストプレイ→藤山シュート(ブロック)とフィニッシュまで繋がりました。

意表を突くのに成功したかと思えば、敵陣深めでスローインを得ると、投入された藤森によるロングスローを加えての攻撃。
しかも藤森のスローはエリア内中央まで伸びる力量で、4分には誰も触れず中央でバウンドしたボールを浦上が合わせにいく(触れず)という場面も見られました。

いきなり度肝を抜かされるような入りとなった鳥取ですが、6分に敵陣で新井泰がボール奪取してショートカウンター。
吉村から受けた大久保が持ち上がり、エリアライン上辺りからシュートしましたが、ゴール上へと外れ。
以前として戦局が長野有利な中、このショートカウンターに活路を見出している節がありました。(11分にも敵陣で吉村カットから攻撃もシュートまではいけず)

9分の長野、コーナーキックからの二次攻撃で右サイドから喜岡がグラウンダーでクロス、ニアサイドで三田が合わせてシュートしますがGK田尻がセーブ。
依然として好機は作るも点は生まれない流れで、それを打開せんとベンチも相手より早めに動きます。
16分には佐相→遠藤に交代すると、遠藤は左SBなので、水谷左SB→左サイドハーフ・藤森左SH→FWと配置転換。
以降はイーブンの戦局となり、双方チャンスを作る展開に。
そのまま飲水タイムへと入り(23分)、明ける際の25分に鳥取は大久保→田口へと交代。
その後長野も再度交代し、今度は三田・吉村→岡・妹尾と2枚替え。(28分)
再び配置も大きく変わり、遠藤左SB→右SB・水谷左SH→左SB・藤森FW→右SHとシフトし、岡がFW・妹尾が左SHとなります。

双方交代を経て、妹尾が積極的に仕掛けるシーンが目立った、長野にペースの針が振れます。
33分には妹尾の左からのクロスからCKを得ると、キッカー岩沼のニアサイドへのクロスを吉田が頭で合わせますが枠外に。
34分には吉田が左サイドを抜け出し、エリア内左からマイナスのクロス。
クリアされたボールが繋がり、妹尾がミドルシュートを放ちますがブロックに阻まれます。

そして35分、長野が最後のカードを切り喜岡→広瀬へ交代。
すると堰を切った鳥取サイドは36分に3枚替えを敢行します。
小牧・坂井・新井泰→上松・フェルナンジーニョ・新井光へと交代。

試合も終盤に突入し、最後は精神力、という感じで双方好機を作ります。
40分の長野は藤山のパスカットから、左サイド手前から上がった遠藤のクロスがクリアされたのち、妹尾がシュートしますがゴール右へと外れ。
42分の鳥取は相手のロングボールを跳ね返したのち敵陣でパスワーク、新井光の左サイドへ流れてからのパスを受けた魚里からクロス、これを田口がヘディングシュートしますがゴール上へと外れ。

そしてスコアレスのままアディショナルタイムへ入り、再び藤森のロングスローで攻める長野。
エリア内へと投げられたボールに吉田が跳ぶもクリアされ、藤山が右へと繋いで再び藤森がクロスを入れます。
そしてファーサイドで広瀬が倒れながらも足で折り返し、岡が体勢を崩しながらシュート。
ボールはゴールへ転がるものの力無く、寸前で鳥取・石井がクリアしてゴールならず。

そして最後は決定機を間一髪防いだ鳥取に運気が。
魚里が左サイドを突破したのちもパスを繋ぎ、最初のクロスこそクリアされますが可児が繋ぎ、再び左で魚里が受け今度は奥まで切り込んでからクロス。
これを中央で新井光がヘディングシュート、長野・妹尾がブロックしたものの、跳ね返りを新井光が拾って再びシュート。
ドラマティックなゴールとなり、鳥取にとっては苦しかった試合をモノにする先制点。

ラストワンプレーで長野はロングボールを前線へ送るも、クリアされて試合終了の笛が。
鳥取が大きな勝利を得ると共に、他会場(吹田スタジアム)で勝利を挙げた秋田のJ2昇格・J3優勝も確定する事となりました。

そして尚も混沌とする残る一枠の昇格争い。
長野の2位は変わらずも、勝ち点は49のまま。
勝ち点47に鳥取と相模原、46に岐阜・熊本・今治が位置するというカオスな状況となりました。
残り6試合で何処が滑り込むのか、行方は誰にも分らなくなってきました。


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