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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2025年J2リーグ第5節 ジュビロ磐田vsヴァンフォーレ甲府

2025-03-17 16:01:19 | サッカー視聴記(J2)

※前回の磐田の記事はこちら(3節・長崎戦、0-1)
※前回の甲府の記事はこちら(2節・大宮戦、0-1)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ユース所属の甲斐・石塚が2種登録選手となり、今節から登録される。

<甲府スタメン>

  • 基本であった3-4-2-1から微調整し、土屋・荒木をハッキリサイドバックとした4-2-3-1で挑む。
  • 前節(藤枝戦、3-3)出場停止だった井上はリザーブに留まる。
  • GKイミンギ(韓国・漢陽大)が加入し、3節(富山戦、0-2)から登録される。
  • GK石川の負傷が発表され、2/23に発生して全治約4~6週間との事。
  • 松山(日本体育大)が来季夏から加入内定し、同時に特別指定選手となり前節から登録される。

思わぬ連敗を喫してしまった磐田。
新監督(ジョン・ハッチンソン氏)の下、組織立ったサッカーを繰り広げて昇格を目指すなかで、序盤における警笛となり。
それが本当に警笛なのか、はたまたその目論見自体が壊れているかは今後ハッキリしてくるでしょう。
いずれにせよチームがまだ発展途上の段階なのは、この日も貫いている割には、印象的にはイマイチであったハイプレスに表れ。

この日は本拠地(ヤマハスタジアム)では無く、サブであるエコパスタジアムを利用して臨んだ一戦。
様子見のロングボールの蹴り合いもそこそこに、最初にボール保持に入ったのは相手の甲府。

甲府は前節までの3-4-2-1から布陣を弄ったものの、ビルドアップ時は4バックへの可変を主としていたので保持の際には不変なシステム。
しかし前半3分、ボールを持つセンターバックの孫に対してクルークスが絞ってプレッシャーを掛けた結果、左への展開を経て荒木に対しSBの植村が前に出て対処。
これが仇となり、荒木→中山→熊倉と繋がれあっさりその背後を取られるという、早くもハイプレスの危うさを露呈する一幕が見られます。(その後左ポケットを取った鳥海がマイナスのクロス→クリアされコーナーに)

その後守備の脆さを攻撃、つまり自身のボール保持で隠すという立ち回りに入る磐田。
しかしそのビルドアップも、8分にはパスミスを宮崎縦パス→三平ポストプレイと甲府の素早い攻めで危機に変えられる(その後スルーパスを受けた熊倉が左ポケットへ切り込むも撃てず)という具合にミスが付いて回り。

甲府にとっては、そんな足並み揃わない相手の隙を突きたい一戦となり。
しかしこちらも6分に、GK河田のロングフィードが江﨑に跳ね返されるとそのままペイショットフリック→クルークス右ポケットへ進入と、縦ポン一つで被決定機に。
そのままワイド奥でのパスワークを経て、スルーパスに走り込んだ植村のマイナスのクロスを松原が合わせシュート(土屋ブロック)と、立ち回りを間違えれば強烈な個の力に晒されるのは明白な一戦。

こうして中々落ち着かない立ち上がりを描くと、磐田はビルドアップを微調整。
サイド奥へとロングパスを届け、クルークス・倍井のアタッカーを活かしに掛かり。
そのうえで地上での繋ぎに入る、冷静さを取り戻す立ち回りを描きます。

ビルドアップは前回観た際と同様、SBの上がりは抑制しながら、「偽SB」気味に3枚の最終ラインへと可変。
それでもこの日は、残る側と逆のSBは、最後方で保持する段階で上がっているシーンが心なしか増えていた印象であり。
GKを阿部に代えた事で、最後方での安定度が増したのが影響したでしょうか。
それに対して甲府は前線で規制を掛けるも、奪えずに結局リトリートを強いられ。
最終ラインで磐田の攻撃を断ち切っても、クリアボールを拾われて二次攻撃……と押し込みを受ける、一重に劣勢と言う他無い状態に陥ります。

しかし23分、磐田の左サイドからの前進に対し、土屋が(広大なスペースがあるなかで)読みを利かせて縦パスをカット。
そしてすかさず裏へミドルパスを送り、三平が走り込むという決定機になりかけましたがGK阿部が前に出てヘッドでクリア。
26分には磐田の攻撃を切ったのち、ゲーゲンプレスを受けながらの最終ラインでの繋ぎという局面。
しかし左サイドで小出→孫→平塚→荒木と繋ぎきり、平塚のスルーパスで三平が抜け出したもののオフサイド。
磐田の強者めいた立ち回りにも、徐々に慣れを示し始め。

そんな中、ビルドアップの循環だけは失いたくない磐田。
27分、ここはどちらのSBも上がらず横並びのままの繋ぎに入ると、左へ展開ののち松原の縦パスを受けたのはトップ下の角。
可変を示さない際は、角が広範に動き回る事で出口を作っていた感があったこの日。
ここは結局好機にならずも、再び前進のための燃料を得たような磐田。
30分台に入ると攻撃権を独占し、再度甲府をリトリートに追い込み押し込み続け。

一見盤石な磐田ですが、それでも前線の守備の未整理な感は残り、40分GK河田から繋ぐ甲府に対し平塚にロングパスを許した結果裏を取られ。
左奥を取った熊倉からポケットで受けた鳥海、切り返しからシュートを放ったものの惜しくもゴール右へと外れ。
ここからにわかに甲府が巻き返し、磐田のビルドアップをパスカットで阻むなど良い流れに。

好循環をモノに出来なかった事で、不穏ぶりが漂い始めた磐田ですが一歩先は誰にも判らず。
43分、上夷のミドルパスで甲府の前線を突破すると、倍井の持ち運びで敵陣左サイドでパスワークの状況に持ち込み。
細かな繋ぎのなか、上原のフリックがディフェンスに阻まれた所をすかさず中村がスルーパスし、反応し直した上原が左奥からクロス。
そしてニアに入り込んだペイショットのヘディングシュートが炸裂し、フリック気味に合わせた軌道とも相成って流れるようにネットに突き刺します。
相手に光明が見えた所で、それを掻き消すような先制点となりました。

そしてそのまま前半終了。
共に交代無く迎えた後半、やはり大きすぎる先制点だったようで、立ち上がりから磐田の好機が続く展開に。
甲府にとっては痛すぎる失点とともに、40分台の攻防を制していれば逆に……との思いも過るような防戦を強いられます。

磐田のキックオフからの攻めは、戻しから右サイドで地上での前進に入るというもので、植村が躊躇なく甲府の前線の間をパスで通した事が契機。
ワンツーを経てクルークスのスルーパス、そして奥で受けた角がクロスに辿り着く(CKに)という具合に、その流れを象徴する初手となり。
甲府は必死で規制を掛けに行くものの、磐田はその後も躊躇わずにその間を通すパスを連発する事でそれを無効化。
ボランチ経由での前進を難なくこなし、前半同様甲府にリトリートを強いる状況を作り上げます。

フィニッシュシーンは後半5分で、右サイドに降りて受けた角がロングパスで裏を突くと、奥で受けたクルークスが溜めたのちクロス。
その跳ね返りを上がって来た上原がミドルシュート、土屋のブロックによる跳ね返りをさらに中村がミドルシュート(枠外)と、ドイスボランチによる連撃を見せましたが決められず。
長短交えた攻勢に、完全にゲームを支配したかのようにも見えましたが落とし穴は何処にでもあるものであり。

一方振り回され続け、退潮著しいといった甲府。
追い付くためには前に出なければならないものの、迷いが見えている状態では闇雲に出ればドツボに嵌まるのみ。
そんな心理的状況も伺えましたが、ベンチワークでは早めに手を打ち、12分に荒木・宮崎→小林・レイリアへと2枚替え。
レイリアが左サイドハーフに入る事で、熊倉が右へと移りました。

その交代が行われている際、ペイショットが(土屋に)チャージを受けて倒れ込んでいたというちょっとしたブレイクに。
ペイショットはピッチ外→復帰となったものの、それが拙かったか、はたまた仮にも支配していたが故のふとした緩みか。
14分、敵陣でパスワークを続けていた磐田ですが、ペイショットのタッチが大きくなった所を鳥海に奪われ。
そして拾った三平から受け直した鳥海、スルーパスでレイリアが裏抜けとカウンターに結び付ける甲府。(その後右ポケットへ進入したレイリアがシュート、GK阿部キャッチ)

予兆が露わになった磐田ですが、それでも気丈に攻勢を続け。
16分にも全員敵陣に入り込んでのパスワークで、倍井がクロスフェイントから左奥へ切り込みと、多彩な選択を見せ付けた末に満を持してクロス。
ニアのペイショットには合わずも繋ぎ続け、今度は右からの攻めでポケットを取った植村がマイナスのクロス。
そして中央で松原が合わせシュートと決定機に繋げるも、土屋がブロックして防ぐ甲府。
「攻撃は最大の防御」を地でいく磐田の振る舞いですが、際どい凌ぎの連続である甲府も「動かざる事山の如し」といった雰囲気を醸し出してきたでしょうか。

そんな戦国時代めいた雰囲気のなか、甲府は19分その機運を一気に爆発させ。
それは自陣での右スローインからで、磐田のプレッシングも細かな繋ぎでかわした末に平塚の中央への縦パスで脱出。
レイリアのポストプレイを経て逆の左へ展開し、中山のエリア内中央へ落ちるアーリークロスを受けたのは猛烈に駆け込んできた鳥海。
その勢いのまま切り込んだ所、防がんとした江﨑に引っかかる形で倒れた結果、主審の笛が鳴り響きます。
反則ならびにPK(江﨑に警告)となり、ビッグチャンスが訪れた甲府。
そしてキッカー鳥海は落ち着いてゴール右へと蹴り込み、我慢を最大級の結果に結び付けました。

振り出しに戻り、甲府も磐田の攻めに対し振り回されず、という落ち着きを得たでしょうか。
ミドルブロックで磐田のボール保持に対抗姿勢を取り。
23分にそれが奏功し、中央で上原→中村のパスを鳥海がカットするも、そのボールを収められずペイショットにミドルパスを許す(その後右からクルークスが切り込み→クロス)という具合にあと一歩。
直後に前線の燃料を保つべく、三平→内藤へと交代します。

一方追い付かれた磐田。
そんな甲府のミドルブロックを見て、あまりプレッシャーを受けなくなった最終ラインは裏狙いへと切り替え。
相手守備の立ち回りを見ての変化が取れる辺り、少なくとも攻撃面においては昇格を狙うに相応しいクラブであるのは疑いようは無く。(26分に角→佐藤凌へと交代)
甲府も29分に深めでゲーゲンプレスを受けるなか、レイリアのキープから小林のロングパスでそれを脱出。
そのセカンドボールを拾って前進に持ち込み、内藤がペナルティアークからシュートに持ち込む(ミートせず枠外)という具合に、奮戦するも地力の差は如何ともし難く。

そして30分、ここも植村のロングパスで裏を取る磐田、一気に右ポケットを突くボールとなり受けた佐藤凌の溜めを経てクルークスがクロス。
仕留めたのはまたもペイショットで、今度は強烈に叩いてのヘディングシュートでゴールに突き刺します。
再度勝ち越した磐田ですが、ここで植村が足を痛めて(攣らせて?)交代となり、同時に3枚替えを選択したキックオフ前。(植村・上原・倍井→為田・金子・川﨑)

一方苦労を重ねるも、結局またも追い掛ける展開を強いられた甲府。
同時に最後の交代も敢行します(平塚・熊倉→遠藤・田中)が、カンフル剤とはならず苦戦は続き。
38分に小林のアーリークロスを中央で鳥海が足下で受けるという、PKゲットのシーンを彷彿とさせる好機が訪れるも、今度は鳥海も収められずにモノに出来ず。
逆に39分、ビルドアップの最中に犯したパスミスにより、拾った川﨑がすかさずスルーパス(クルークスが走り込むも繋がらず)と焦りも顔を出すその姿に「動かざる事……」も雲散霧消気味となります。

リードを最大限活かすべく、保持の際は前進よりも支配という意識を高める磐田。
時間も押し迫り、構えるだけでは埒が明かない甲府も前に出るしか無く。
何とか奪わなければ……という終盤戦となり。

しかし43分、1分以上繋ぎ続けた磐田に対し、小林が前に出てカットに成功するとすかさず佐藤凌に倒されて反則。
これで磐田の流れを断ち切り、かつセットプレー攻勢と最後の望みを得る格好に。
スローインからの攻めも重ね、何とかフィニッシュに辿り着かんと攻める甲府。
方や逃げきりたい磐田は、アディショナルタイムに最後のカードを使いペイショット→ゴメス。(佐藤凌がFWに回る)

セットプレーの流れも途切れ、万事休す感が強まりながらも甲府はボール保持からの攻めに全てを賭け。(ここでこれを許す辺り、磐田の前線の守備はまだまだという感が強い)
孫から左へ展開し、(中山の)縦パスを受けたレイリアが前進開始、ボールキープから逆の右へ展開してついに好機に持ち込みます。
そして土屋のスルーパスに走り込んでクロスを入れたのはCBの小出と、総員前掛かりな姿勢の末に、ニアに走り込んだレイリアによりこぼれた所を鳥海がシュート。
しかしゴール右に外してしまい、最後の結晶はモノに出来ずに終わってしまいました。

試合はそのまま2-1で終了となり、無事に連敗を止めた磐田。
弱点は未だ健在ながらも、1年での昇格を果たすためにその歩みを止める事は許されず。
何とかエレベータークラブからの脱出を……というのはまだ先の話ですが、その願いが叶う日は訪れるでしょうか。

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