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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2025年J2リーグ第3節 V・ファーレン長崎vsジュビロ磐田

2025-03-04 16:01:12 | サッカー視聴記(J2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 開幕前の負傷者の発表は、中村慶太(前年の負傷の再手術)・安部(1/27に手術、全治約3ヶ月)の2人。

<磐田スタメン>

  • ベンチメンバーは1人削られて8人に。アクシデントで無いのなら、遠征ならではの経費節減か?
  • 松本がJ1・岡山へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 来季加入内定の吉村(関西大)が特別指定選手となり、開幕から登録される。

前評判で優勝候補と謳われるクラブ同士の、序盤でのぶつかり合い。
好ゲームにならない訳が無い対戦で、それを彩るのが前年完成した長崎の新ホーム・PEACE STADIUM Connected by SoftBank。

もう一つが、月並みですが審判団のジャッジだったでしょうか。
この日は今季から取り入れられた「世界基準の判定」が、変に持ち込まれる事は殆ど無く。
腕を使ったチャージにはきちんと反則の笛が鳴り、アフターチャージ・カウンター阻止にはしっかりとイエローカードが出る。
VARが無い故にストレスが溜まりやすいといわれるJ2以下でのゲームでしたが、そんな姿勢が奏功してほぼ清涼なものと成り得ていました。(主審は高崎航地氏)
こうした試合が量産される事で改まれば良いが……と余計な思想を考えさせられる程に。

それはさておき、開幕前の評判に相応しく、無敗同士でぶつかった長崎と磐田。
ともに3トップの布陣で挑んでいるという具合にあらゆる点で似通っており。(ただし磐田の4-2-1-3は4-2-3-1と見られる事もあり)

先制攻撃は長崎で前半2分、左から高畑が(笠柳との)ワンツーで前進ののちのクロスがファーサイドの増山に収まり。
ディフェンスに遭いこぼれた所を山口がシュート、これをGK川島がキャッチ。
試合前の好試合の予感を現実にさせるような、元代表選手同士のせめぎ合いが発生します。

その後は磐田の最終ラインでのボール保持と、長崎の前線の守備のぶつかり合いの時間が長くなり。
磐田はマイボールになっても、サイドバックが殆ど高い位置を取らずに4バック+ドイスボランチの立ち位置を保つビルドアップ。
クルークス・倍井と強力なサイドハーフが控えているだけに、奪われない事を重視して後ろに人数を掛けるような立ち回り。
それに対する長崎の守備も、2トップ(守備時、名倉が一列前に上がる)とウイングの4人が磐田最終ラインに立ちふさがるも、積極的にボールには詰めず。
ボランチを切りながらプレッシャーを与えるという、下平隆宏監督曰く「ハイプレスでは無くハイブロック」の意味を十分理解させるに至ります。

そんな守備組織に対抗する磐田、7分に川口が裏へのロングパスを選択し、受けたクルークスが溜めたのちマイナスのカットインからのクロス。
これを上がってきた松原がファーサイドで収め、シュートを放つも関口のブロックに阻まれ、網を掻い潜った末のゴールは生まれません。
またSBの上がりの抑制をカバーするかのように、センターバックのグラッサが前に出てのパスカットから、自ら上がるシーンを膨らませ。
12分には相手クリアを拾ったのち、そのまま上がってミドルシュートに持ち込む(枠外)など攻撃性を発揮します。

個の力はどちらも盤石で、どちらが優れているかを示す勝負。
13分、長崎はゴールキックでロングフィードを送る際、ジェズスが降りてターゲットになるかと見せかけてその頭を越えるボール。
これを増山が抜け出して受けるというトリックプレーで、搦め手を使うのも厭わずで決定機になりかけたものの、松原のディフェンスで倒されて(反則無し)実りません。
15分に長崎は笠柳が左からカットインシュート(GK川島キャッチ)、磐田も直後の16分に倍井が左からカットインシュート(枠外)、同じ両翼の武器もぶつけ合い。
長崎のコーナーキックの際、キッカーを務める高畑に対し古巣の磐田サポーターのブーイングが発生するなど、場外でもその節が見られ。

長崎のボール保持に対する磐田は、長崎とは違い時にはGKまで詰めにいくハイプレスを敢行。
21分の長崎、GK後藤から右へ展開し関口縦パス→ジェズスポストプレイで剥がさんとするも、執拗に球際に付いてくる磐田ディフェンス。
こぼれ球を繋いで左の高畑に展開した事で脱し、敵陣に持ち込んだもののジェズスのボールキープが奪われて攻撃終了。
ここからクルークスの持ち運びでカウンターになりかけましたが、クルークスはキープで遅攻に切り替えた所を奪われると、今度は長崎のカウンター(増山がエリア内で決定機を迎えるも撃てず)と慌ただしい展開。
激しい主導権の入れ替わりのなか、23分にペイショットのポストプレイを後ろから倒してしまった照山が反則・警告となり、「ラフなプレーは許さない」この日のジャッジの基本姿勢が示されます。

磐田の保持時の意識としては、長崎の「ハイブロック」により、ドイスボランチが2トップ+相手ボランチにサンドされ易い状況に。
それを飛ばすべくペイショットへの縦パスを多用し、彼のポストプレイを利用して強力なSHへ展開する手法で好機に持ち込まんとします。
これにより30分以降、攻撃機会を重ねていくものの決定機は生まれずに推移。

43分、敵陣深めでの(ペイショットの)ボール奪取が切欠となり、エリア手前でサイドを移しつつのパスワークを経てクルークスが右からクロス。
ファーで跳んだ佐藤の手前でGK後藤がパンチング、こぼれ球を拾った倍井が左ポケットでのキープを経てカットインシュート(関口がブロック)と、エリア内での攻防に持ち込み。
やはりボールゲインからのショートカウンターの方が効率良い、という印象を残して前半は打ち止めに。

長崎サイドも、磐田の押し込みを受けるにつれ、全体ラインを下げてジェズス中心のカウンターに持ち込む意識が強まったでしょうか。
アディショナルタイムには、GK後藤のロングフィードの跳ね返りを名倉が落としてジェズスに繋げるという、こちらも効率重視の形で好機。
スルーパスを受けた笠柳が(左から)カットインを経てチャンスを迎えるも、戻った江﨑のカバーで撃つ前に防がれ。
結局スコアレスのまま前半終了となります。

緊迫した展開が示すように、ともにハーフタイムでの交代無しとベンチも辛抱を重ね。
それ故に後半の入りも変わらず、最初の磐田の好機はグラッサ縦パス→ペイショットポストプレイと同様の手段を経て、(佐藤を経由し)倍井が左サイドを推進。
ここはキープを選択し、上原とのパス交換ののちサイドチェンジでクルークスに託すと、カットインからクロスと見せかけてのシュートを放つクルークス。
これをキャッチしたGK後藤から、素早くジェズスへとパスを繋ぐ長崎とこちらも前半と意識は同じ。
単騎突撃を経てシュートを放ったジェズスですが江﨑がブロックと、意地の張り合いが尚も続く予感を孕ませ。

ボール保持の面では上回る磐田。
それが示す通りに攻撃機会を重ねていくも、アタッキングサードでのパスが乱れて終了というシーンが目立ち始め。
長崎はそれを突くかのように、5分に中盤でパスカットした山田が中央突破を経てスルーパス、受けた笠柳が左ポケットへ切り込みシュート。(GK川島セーブ)
カウンター中心に優勢ぶりをアピールすると、7分にも照山のラフなロングパスでジェズスが抜け出すというカウンター。
そしてそのままエリア内へ進入し、後追いを強いられたグラッサに押されながらもシュートしましたが、これもGK川島のセーブに阻まれます。
グラッサの反則をアピールするジェズスですが変わる事は無く、「倒れてないから反則では無い」という解釈の下、これがこの試合で最も納得できないジャッジとなったでしょうか。

こぼれ球を尚も繋いだ長崎ですが、グラッサのパスカットを切欠に今度は磐田のカウンター。
倍井の持ち運びからペイショット経由で右のクルークスに渡し、そのまま右ポケットへ切り込みグラウンダーでクロスを入れるクルークス。
ニアで走り込んだ佐藤はディフェンスに遭い撃てずも、さらに倍井が詰めにいく絶好機となりましたが、抑えにいったGK後藤と交錯し結局撃てずに終わり。(反則も無し)
そんな激しい攻防が原因となったか、直後に川口がボールと無関係な位置で倒れ込んでしまい。
筋肉系トラブルも疑われる痛み方で、やはり続行不能で先に動く事を強いられる磐田。

同ポジションで植村を投入すると、ここから磐田はやり口をマイナーチェンジ。
即ち、クルークスを追い越す動きをしばしば見せる植村により、抑制していたSBの上がりを絡め始めます。
このシステム変更?で、度々サイド奥を取る植村によって再度磐田の好機が膨らむ展開に。

しかし好循環が止まったのはやはりパスミスからで、15分に後方から繋ぎ直しを図った所グラッサが増山に奪われ、抜け出さんとした所を反則で止めた江﨑が警告を受け。
ここから長崎の反撃にタジタジとなり、17分にはまたもパスミスを高畑に拾われてショートカウンター、名倉のスルーパスが中央へ走り込む増山に。
そして放たれたシュートをGK川島がセーブと、ベテラン守護神の好守に何とか救われ続ける嫌な展開。

それを切る事が出来ず、迎えた18分。
果敢に攻め続ける長崎、途切れるも照山のボール奪取で二次攻撃に入ると、右ワイドからエリア内をパスワークで伺い。
これは遮断されるも山口が拾うと、中央でパスを受けた笠柳は切り込まずそのままエリア外から果敢にシュート。
GK川島を掠めてゴール右へと突き刺さり、手を緩めぬまま待望の先制点に辿り着いた長崎。
既に交代準備が行われており、キックオフ前にそのまま退く運びとなった笠柳、大仕事を達成した形でお役御免となりました。(笠柳・増山→松澤・ギリェルメへと2枚替え)

これで余裕が生まれた長崎。
21分にギリェルメのドリブルにより持ち込んだカウンターでは、サイドチェンジを経て戻して作り直しを選択するという具合に、無理攻めはしない立ち回りに。
守備意識を高めながら、24分のCKでのエドゥアルドのヘディングシュート(ゴール上へ外れる)など、あわよくばの追加点を狙いに掛かります。

対照的に余裕の無い磐田、27分にさらにベンチが動き佐藤・倍井→渡邉・川﨑へと2枚替え。
攻撃法も、ひたすらクルークスに仕掛けさせる色が強まり。
それにより得た右CKではクルークスがキッカーとなりますが、これもニアに走り込む川﨑のフリックを狙う手法を多用。
33分には低いボールを足下でフリックした川﨑、右奥へこぼれたボールを江﨑が折り返し(GK後藤がブロック)と紛れが生まれるも、苦しさは拭えません。
(長崎は30分に高畑→米田へと交代)

焦りも見られる相手の、隙を突く流れを徹底する長崎。
36分に左サイドでの攻防から山田が奪取、こぼれ球を山口落とし→ジェズスポストプレイで素早く運び。
そして名倉が左ポケットへ切り込んでシュート、またもGK川島のセーブに阻まれたものの跳ね返りをギリェルメが詰め。
ゴールネットを揺らしその目論見通りに追加点、と思われた刹那オフサイドを告げる笛が鳴り、無念のノーゴールとなりました。
直後に磐田は最後の交代、松原・中村駿→為田・金子へと2枚替え。

依然として「ハイブロック」を保つ長崎により、磐田はどうにかして第1ラインを突破しに掛かる展開に。
金子の投入でアンカーの色がやや強まるものの、基本部分は変えない中で相手のプレッシングにどう立ち向かうかが、この試合のみでなく今後上位維持のカギともなり得るでしょうか。
38分にギリェルメが中央寄りとなったのを見るや、GK川島が左の為田へフィードを通して突破。
そしてペイショットのスルーパスで一気に裏を突きに掛かりましたが、走り込む渡邉には惜しくも繋がらず終わり。

それでも裏狙いは一定の効果を齎し、40分にはロングパスに抜け出さんとしたクルークスを倒した米田が反則・警告。
これで得たFKからの二次攻撃で、川﨑が左からカットインでエリア内中央まで切り込んでシュート(エドゥアルドがブロック)と、ゴールの匂いは感じられた磐田。
意地を貫くものの、長崎はそれを跳ね除けるように44分に最後の交代。
名倉・ジェズス→澤田・エジガルへ2枚替えと、最後の締めには勿体無いという層の厚さを見せるカード。

そして目安7分のATに突入後は、その入れ替わった長崎の前線がひたすら時間を使う展開に持ち込み。
磐田は生命線の最後方からのビルドアップも乱れ始め、簡単に長崎にボールを渡してしまいノーチャンスに陥る破目となります。
その隙を突いて、左ワイドからエジガルが強引なカットインを見せ、果敢にシュートを放つ(GK川島キャッチ)など最後まで攻撃力を見せる長崎。
先制点の笠柳然り、激しく入れ替わる序列により個々のモチベーションも盤石ぶりを感じさせて試合を締め。

そして1-0のまま笛が鳴り、無敗を保った長崎。
まだ3試合消化ながら、その前評判に違わぬ実力と成績を見せ付け。
このまま突っ走るのか、はたまたこれを止めるクラブが現れるのか。

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