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DAZN観戦 2021年ACL グループI第2節 北京国安足球倶楽部(北京FC)vs川崎フロンターレ

2021-07-01 16:13:50 | サッカー視聴記(2021年その他)

<北京スタメン> 4-2-3-1 (選手の表記はここに準拠しています)
GK グオチュエンボ
RSB シュードンドン CB ルアンキーロン CB リャンシャオウェン LSB ナイビジャンモヘマイティ
DH シーユーチョン DH フージャチー
RSH シエロンフェイ CH ドゥアンデジ LSH ジャンウェンハオ
FW リーボシ
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB 山村 CB 車屋 LSB 旗手
DH 谷口
IH 脇坂 IH 橘田
RWG 遠野 CF 小林 LWG 長谷川

前回のACLの記事 - 川崎vs大邱

前回書き忘れましたが、今大会に挑む直前に田中が海外移籍のためチームを離脱したという報が流れた川崎。
そして開催中に正式決定する運びとなり、ここに来て主力選手を一人失って(まだレンタルの身ですが)の戦いを余儀なくされる事に。

それでも動じる事無く戦い続ける川崎。
この日の相手である北京はというと、中国スーパーリーグが中断されていないという事情もあり、サブメンバー・ユースメンバーのオンパレードで大会に臨んでいるとの事。
そのためターンオーバーを敢行した川崎でも、戦力差は歴然とした試合となりました。

北京はボールを握っての攻撃をしたがるものの、川崎のプレスの前にフィニッシュどころか、敵陣にボールを運ぶ事すらままならないシーンが大多数。
選手間の距離を長く取り、長めのパスを繋がんとポジションも細かく動くなどその意識は強く見られましたが、川崎の強度の前にはレギュラー不在ではやはり厳しかった。

前半4分、川崎が右サイドに選手を集中させてパスワーク、山根のエリア内右へのスルーパスを受けた小林がヒールパス。
そして遠野がシュートを放ち、GKグオチュエンボがキャッチしたものの、ここから川崎のシュートラッシュが幕を開ける事に。
そして次のシュートは7分で、旗手の左からのロングパスを北京・ナイビジャンモヘマイティが目測を誤りクリアミス、右サイドで受けて遠野からクロス。
ファーサイドに上がったボールを長谷川がボレーで合わせ、ゴールネットに突き刺します。
強敵相手にミスは許されない、というメッセージ付きの先制点となりました。

直後の北京(8分)、ナイビジャンモヘマイティのロングパスが一気にエリア内を突くと、走り込んだドゥアンデジがシュートするも惜しくもゴール右へと外れ。
川崎ゴールを脅かしたものの、その直後の川崎の攻撃。
中央で谷口のスルーパスがエリア内左を突くと、走り込んだ小林がシュートするもGKグオチュエンボがセーブ、しかし小林が拾って攻撃継続。
そして右から小林のクロスが入り、クリアで跳ね返ったボールをエリア内で橘田がシュート。
必死に防戦するも防ぎきれず、短時間で2点目を許した北京。

14分の北京、シーユーチョンのパスカットから、ドゥアンデジのスルーパスで1トップのリーボシが抜け出す絶好機。
エリア内左からシュートを放ちましたが、GKチョンソンリョンのセーブに遭ってゴールならず。
押され気味の中好機を作っていった北京でしたが、公式記録では北京のシュートは2本との事で、前半早期にその2本を打ち尽くすという事態となりました。

つまり以降シュートシーンは川崎のみという事で、その記録通り、川崎の攻撃シーンばかりが目立つ試合展開となります。
ほぼハーフコートマッチという状況に持ち込み、ショートパス中心にサイドを揺さぶり、仕留めにいくスタイルを終始貫く川崎。
エリア内でのシュートあり、クロスと見せかけてカットインからのシュートあり、ブロックの外側からのミドルシュートありと多種多様に矢玉を浴びせていきます。

シュート10本を放った所で、センターフォワードの小林にアクシデントが発生。
30分にボールを拾いにいった際シーユーチョンと交錯してしまい(小林の反則)、足を痛めて倒れ込む事態に。
何とか起き上がりプレーを続けたものの、直後の32分に再度倒れ込み、交代となってしまいました。
同ポジションという事で、知念に白羽の矢が当たり。

これで川崎はペースダウンしたか、しばらくは北京も攻撃機会を得ます。
39分にはリーボシの左からのカットインが実り、初のコーナーキックも獲得しますが、結局シュートまでは辿り着けず。

そして川崎のターンへと移り変わった41分。
最終ライン~中盤での繋ぎから脇坂がスルーパスを通すと、受けた遠野がエリア内に進入、そしてシュート。
3点目をゲットし、その後も攻勢を続けるなど北京に僅かな希望すら残さず。
小林のアクシデントがあったにも拘らず、アディショナルタイムは1分のみとなったのは「お察しください」というメッセージだったのか。
最後に遠野が反則を受け、絶好の位置でのフリーキックにも拘わらず、それを行わせずに前半終了の笛が吹かれたのもそんな思想からだったでしょうか。

ハーフタイムが明け、双方とも選手交代。
川崎はこの日ボランチで出場していた谷口を退け、塚川が出場。
この違う環境の中で、45分ずつのテスト起用のような感じだったでしょうか。
北京はシエロンフェイ・ジャンウェンハオ→マーユジュン・チェンヤンプーへと2枚替え。
トップ下のドゥアンデジが左サイドハーフにシフトと、2列目の配置・選手を入れ替えてきました。(チェンヤンプーがトップ下?)

何とか反撃したいという意気込みの采配を採った北京でしたが、後半開始早々でその思考は挫かれる事に。
後半1分、右サイドから脇坂・遠野のワンツーなどで中央へと流れて左へ展開、長谷川のエリア内へのスルーパスに橘田が走り込み。
揺さぶられる格好となった北京ディフェンス、止めようとしたシュードンドンが橘田を後ろから倒す格好となってしまい、反則の笛が鳴り響きPKに。
このPKを知念がゴール右に蹴り込み、GKグオチュエンボは反応するも届かずゴールイン。
いきなり与PKという、ダメージが残る失点の仕方となってしまった北京。

何とか攻撃の糸口を作らんと、4分にはロングパスのこぼれを拾い、ナイビジャンモヘマイティが左サイド奥からクロスを上げる攻撃。(シュートまでは行けず)
サイドバックが奥深くに進入するシーンを作った北京でしたが、直後にまた失点を重ね。

6分に左CKを得た川崎、キッカー脇坂の中央へのクロスを、山村が合わせヘディングシュート。
これで5点目を挙げると、尚も勢い付く攻撃陣。
7分に脇坂のエリア内でのロングパスを、左SBの旗手が走り込んでシュート(枠外)と、誰もが前向きになっているかのような攻撃のベクトル。

9分に再度双方選手交代、川崎はまたもテスト起用の一環か、山根・旗手の両SBを交代。(イサカ・ゼインと神谷が出場)
北京は攻撃の橋頭堡となっていたドゥアンデジが退き、DFのリンジョンヤンを投入。
フォーメーションも3-4-2-1へと変更されました。
<後半10分からの北京> 3-4-2-1
GK グオチュエンボ
RCB ルアンキーロン CCB リンジョンヤン CB リャンシャオウェン

RWB シュードンドン DH シーユーチョン DH フージャチー LWB ナイビジャンモヘマイティ
RSH マーユジュン LSH チェンヤンプー
FW リーボシ
しかし流れを変えるどころか、常時5-4-1での凌ぎを強いられる事になり。

直後の10分、遠野が右からのカットインで、エリア内からシュートを放つもGKグオチュエンボがセーブ。
このシーンのような、押し込まれてからのパスワークやカットインを許しての、エリア内からのシュートは何とか防いでいた北京。(与PKの場面は除く)
しかし11分、遠野のポストプレイから脇坂のミドルシュートが炸裂し、6点目。
尚も14分に、イサカの右サイド手前からのクロスを知念がファーサイドで合わせヘディングシュート、これも決まって7点目。
川崎の第一手は防げても、他の攻撃によるシュートは防げずという結果に終わりました。

その後も、完全に5-4-1でのブロックで構える体勢の北京を尻目に、ショートパス攻勢からシュートに繋げていく川崎。
それでも集中力は切れる事無く、7点目以降は反省を見せたのかエリア手前で撃たせたり、サイドからクロスを入れさせたりという凌ぎを見せる北京。
それ以上のゴールを許さず、時間を進めていきます。

川崎は24分、中央での前進から右サイドに送り、イサカのダイレクトでの低いクロスに知念が合わせシュート。
しかしGKグオチュエンボがキャッチ。
28分にはアタッキングサードで右→中央→左という川崎のパスワーク、スルーパスに走り込んだ橘田からグラウンダーでクロスが入り、こぼれ球を脇坂がエリア内で拾いシュート。
これもリャンシャオウェンがブロックで防ぐなど、川崎の変化に対しても何とか対応して防ぎます。

守備陣の薄氷での奮闘に応えたい所でしたが、攻撃では全く良い所が無かった後半の北京。
3バックになってからも、互いに距離を取って後ろからボールを繋ぐ姿勢は変えなかったものの、川崎のプレッシャーの前に全くボールを運ぶ事は出来ず。
最終ライン付近で奪われる、というシーンこそ目立ちませんでしたが、前へのパスがどうにも乱れがちで攻撃に繋げられませんでした。
この辺はリザーブチーム故の悲しさだったでしょうか。

結局川崎の攻撃も7点で打ち止めとなり、放たれたシュートは33本という、圧倒的なゲームも終了となりました。
しかし別のカードを見ると、初戦で川崎に惜敗した大邱も、ユナイテッド・シテイ(フィリピン)に同スコアの7-0で勝利を挙げており。
1位突破には油断は出来ないという状況は変わらずで、この日のテスト的な起用を経た、3戦目のスタメンも気になる所です。


DAZN観戦 2021年ACL グループI第1節 川崎フロンターレvs大邱FC

2021-06-28 16:08:04 | サッカー視聴記(2021年その他)

<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 谷口 LSB 登里
DH ジョアン・シミッチ
IH 脇坂 IH 旗手
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG 三苫
<大邱スタメン> 3-4-2-1
GK チェヨンウン
RCB パクビョンヒョン CCB ホンチョンウン LCB キムウソク
RWB チャンソンウォン DH イジンヨン DH 西 LWB ファンスンミン
IH キムジンヒョク IH セシーニャ
FW エジガル

日本テレビが失った放映権が、DAZNの下へ移動する事となったACL。
おかげ様でこうして視聴出来る環境が整い、有り難い限り。

そのACLですが、集中開催となった予選で、東地区の舞台はタイとウズベキスタン。
このグループIはウズベキスタンの方であり、中立国。
日程的には中2日の連続で6試合を行うという過密日程で、そんな環境の下今年も日本クラブは戦いを繰り広げ。

さて、ACLは2年ぶりの登場となった川崎。
Jリーグでは絶対王者の地位を築き上げているものの、このACLという舞台では満足な結果を出せていないというイメージ。
2017・2018年とJリーグを連覇した事によって得た出場権で、2018・2019年と相次いで予選敗退の憂き目に遭ったという結果が、そんな印象を強烈に与えてしまう事となりました。

自分がACLの存在を知ったのは2017年で(遅過ぎ……)、その際の川崎は準決勝までコマを進め。
相対したのは同じ日本クラブの浦和であり、1戦目で2点リードを奪って優位に立ちながら、2戦目では退場者(車屋)を出してしまい怒涛の反撃を許した末の大逆転負け。
何かがズレてしまっていたようなあの対戦、勝ち上がって制覇していたら……と今でも思いますが、もしもの事を考えても仕方無く。

この日相対する大邱FCは、日本人選手の西翼が在籍しており。
大学卒業後ポーランドのクラブを渡り歩いたのちに2018年途中から加入と、Jクラブでの経験が無い選手なため、自分のような(Jリーグしか観ない)視聴者には斬新に映りました。
他にはJクラブで経験を持つ選手が数多在籍しており、安庸佑(アンヨンウ)・イグノ・ファンスンミン・パクキドン・ジョジヌ・ムンキョンゴン・イユノ・パクソンスと多種多様。(ややGKに偏っている感はありますが)

ボール保持・パスワークに長けた川崎相手に、常套手段ともいえるカウンターでの展開を仕掛ける立ち上がりの大邱。
早速の前半1分にロングボールを1トップのエジガルがポストプレイ、イジンヨンが拾った所に反則を貰い、そこからセットプレーで押し込み。(キッカーは大部分でセシーニャが担当)

流れを変えるべく川崎も5分、左サイドでパスを繋いでいるうちに、家長が逆サイドから加わって来る持ち味の攻撃を発揮。
そして家長がエリア内左からシュートを放ち、GKチェヨンウンがセーブするもコーナーキックに。
その二次攻撃で左サイド奥から三苫がカットイン、エリア内左に進入してシュート(ブロック)と、早くも得意の攻めで脅威を見せ付けました。

しかし先制したのは大邱でした。
8分西が加わっての中盤での組み立てから、ファンスンミンのスルーパスが左サイドへ送られ、走り込んだセシーニャからグラウンダーでクロス。
ニアでエジガルがポストプレイをするもこぼれ、そのボールを川崎・シミッチが先に触るも、小さくなった所をすかさずファンスンミンがシュートを放ちゴールネットに突き刺します。
シミッチがアシストしたかのような形になってしまい、川崎にとっては攻撃面の良い流れの反面、守備でバタバタしていたというような印象を残す失点となりました。

その後は守備に趣を置きつつ、ゆっくりとした立ち回り(ゴールキックで時間を掛ける等)の大邱相手に中々ペースを掴めなくなる川崎。
ボールを握っても、らしくないパスの乱れが目立ち始め、フィニッシュまで辿り着けない時間が長く続く事に。

そんな川崎の隙を突く大邱、23分には西が敵陣でカットし、セシーニャ→キムジンヒョクと渡ってシュート。(枠外)
最終ライン近辺でのバタつきは相変わらずという雰囲気を醸し出すと、迎えた28分。
自陣でエジガルがパスカットから持ち上がって右へスルーパス、走り込んで受けたセシーニャからクロスが入ると、合わせにいったエジガルが倒れて主審の笛が鳴り響き。
川崎・ジェジエウが裏を取られた末の、後ろから引っ張っての事であり、これでジェジエウに警告が出たうえにPKという絶体絶命の場面に。
あの王者がまさかの2点ビハインドか……という思いが過る中、キッカーを務めたのは反則を受けたエジガル。
これをゴール左隅へと蹴り込みましたが、立ちはだかったのはGKチョンソンリョン。
反応良く片手でセーブ(その後ポストに当たる)とチームの危機を防ぎ、辛うじて1点差をキープ。
その後もジェジエウの反則でフリーキックを与えてしまい、セシーニャに直接撃たれる(壁に当たる・37分)など最終ラインの乱れは相変わらずも、反撃の機運を持って前半の後半へ。(そういや飲水タイムが無かった)

31分には三苫が得意のドリブルで中央へと切り込み、エリアへ進入してすかさずシュート。(GKチェヨンウンセーブ)
フィニッシュに持ち込んでも相手GKの好セーブに阻まれるという状況で、変えるには何かスーパーな出来事が欲しい。
そんな縋る思いが過ってくる中、スーパープレーが生まれたのが40分でした。
最終ラインでパスを繋ぐ川崎、そこからジェジエウが前進したのちエリア内へロビング。
これを足下でトラップしたダミアン、次の瞬間バイシクルの体勢に移りボールを捉えてシュート。
見事左サイドネットを捉える、またも得意のバイシクルシュートを炸裂させ、ピッチ内に異次元空間を持ち込んだダミアン。

同点にした事によりペースを取り戻し、ボールを握って押し込む川崎。
大邱はアクシデントにも見舞われ、キムウソクが足を痛めて倒れ込むシーンが。
一度はピッチに戻ったものの、前半アディショナルタイムに選手交代が行われ、退く事となりました。(イグノが出場)
危機的雰囲気が大邱に漂うものの、川崎サイドもセシーニャに反則を犯した旗手が警告を貰うというミソも付けてしまい、前半を終える事となります。

さらにハーフタイムにも交代を行った大邱。(ファンスンミン→アンヨンウ(安))
CBの穴埋めはシャドーのキムジンヒョクが行い、イグノが左シャドーへ。

交代で入ったアンヨンウとイグノを中心に左サイドで組み立て、クロスを上げるという攻勢をパターンに加えた、大邱の後半立ち上がり。
その最中の後半2分でした。
FKからの二次攻撃で、イジンヨンのロビングをエジガルがエリア内右へと落とし、イグノが反応してクロス。
ファーサイドでセシーニャがフリーとなっており、そのままヘディングシュート。
GKチョンソンリョンが弾くもゴールネットを揺らし、勝ち越しに成功した大邱。

再度勝ち越されてしまった川崎でしたが、これまで無敗のリーグ戦でも、シーソーゲームは慣れたもの。(11節・セレッソ戦とか)
6分、旗手が左サイドへドリブルで持ち込んだのちパスを繋ぎ、旗手→三苫のホットラインから三苫のドリブルがエリア内左を抉り。
そしてマイナスのクロスが入り、ニアサイドにダミアンが走り込む所を、大邱・ホンチョンウンに当たりこぼれ。
そこをダミアンがシュートしてゴールゲットと、大邱の先制点のシーンの如くDFがアシストという絵図となりましたが、今度は川崎のゴール。
これで2-2と、点の取り合いの様相に。

それでも7分に登里がチャンソンウォンに反則・警告を受ける等、守備面では綻びが相変わらずだった川崎。
しかし今度は、そのドタバタしたような流れが川崎に味方します。
10分、再度三苫の切り込んでのクロスがブロックされて左CKを得ると、キッカーの脇坂はグラウンダーでのクロスを選択。
これを大邱ディフェンスはクリア出来ず中央への転がりを許し、パクビョンヒョンが足下で収められなかった所を、すかさずシミッチがシュートを放ちゴール。
前半の失点シーンの借りを返したシミッチ、立て続けのゴールという形で、川崎が初のリードを奪いました。

この直後にイジンヨン→イヨンネに交代と、さらにカードを切ってきた大邱。
イヨンネの背番号は74とやたら大きいものでした(のちに出場したジョジヌも66番)が、Kリーグ(韓国のサッカーリーグ)ではこうした大きな番号を貰う背景が何かあるのか。

その後もエジガルに当てるロングボール主体での攻撃が主の大邱。
しかしパワーはあり、単純な攻撃ながらも川崎相手に好機を作っていきます。
それでも川崎は13分に脇坂が、17分に旗手がエリア内からシュートと大邱ゴールに迫り。(両者とも枠外)
そして18分に最初のカードを切った川崎、脇坂→大島へと交代します。
大島はこれが故障から復帰して初の出場となり、それに伴いフォーメーションもシミッチ・大島をドイスボランチにした4-2-3-1気味にシフト。

しかし以降も送り込まれる大邱のロングボールに苦闘が続く川崎ディフェンス。
20分にはキムジンヒョクのエリア内へのロングパスがセシーニャに収まり、シュートが放たれましたがGKチョンソンリョンが至近距離でセーブしたのち抑え。
21分に登里(足を引きずりながら退場していったが大丈夫なのか)→車屋へと交代するも、尚も押し込まれるシーンが続き、30分以降は完全に大邱の好機が続く展開となります。

それでもフィニッシュには辿り着けずと、リードしたまま時間も進んできた事でやっと川崎最終ラインも落ち着きを取り戻せていたのか。
大邱サイドも、33分には西が足を攣らせるなど、攻め疲れの様相も表われ。
36分にその西が交代となり、パクハンビンが投入されます。(同時にチャンソンウォン→ジョジヌへ交代)
これで途中からCBに回っていたキムジンヒョクがシャドーに復帰し(イグノが右WBへシフト)、ターゲット役を増やしたのち最終局面へ。

38分にもキムジンヒョク狙いのロングボールからセシーニャのミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、変わらぬ攻撃の姿勢で押し込む大邱。
ATも近付いた事で川崎も最後のカードを切り、三苫→山村へと交代。(大島がボランチ→左SHへ)
高さのある山村が加わり、これでやっと相手のロングボール攻勢をケアする効果が表れました。
そして好機を作れていなかった攻撃も、43分に敵陣深めで旗手がカット、エリア内に切り込んですかさずシュート(枠外)と脅かす姿勢が復活。

結局残り時間は王者らしい川崎の試合運びで、逃げ切り体勢が築かれた末にタイムアップ。
3-2と、難しい内容ながらも勝利に辿り着いた川崎。
他グループで戦うJクラブ(名古屋・セレッソ・ガンバ)に後れを取らず、まずは何よりといった所でしょうか。


DAZN観戦 2021年J3リーグ第12節 ロアッソ熊本vsガイナーレ鳥取

2021-06-24 16:06:27 | サッカー視聴記(2021年その他)

<熊本スタメン> 3-3-2-2?
GK 佐藤
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB 酒井
RWB 上村 DH 河原 LWB 岩下
IH 杉山 IH ターレス
FW 高橋 FW 伊東
<鳥取スタメン> 4-2-3-1
GK 田尻
RSB 石田 CB 鈴木 CB 石井 LSB 杉井
DH 新井泰貴 DH 世瀬
RSH 秋山 CH 可児 LSH 田口
FW 石川

今季も相次いでいるシーズン途中での監督交代ですが、J3の舞台でも例外では無く。
開幕から2試合という超初期での辞任(上野山信行氏)を受けた讃岐では、前年岐阜の指揮を執っていたゼムノビッチ・ズドラウゴ氏が就任。
前年旋風を巻き起こしながら今季は序盤に低迷した今治は、リュイス・プラナグマ・ラモス氏を解任し、これまた前年J2松本で監督を務めていた布啓一郎氏が就任。
前年別のクラブの監督業を務めていた人物を招聘するという、監督側にとってはせわしなく働き場を移すという人事が目立っており。

さて鳥取ですが、前年の昇格争いから一転して低迷し、現在は最下位。
7節(八戸戦・0-2)終了後に高木理己氏が解任され、新たにその座に就いたのは金鍾成(キンジョンソン)氏。
彼も前年まで鹿児島の監督という具合に、J3全体の路線に沿った人事となりました。
しかしチーム状況は中々好転せず、前節・長野戦は1-8の大惨敗という有様で、立ち直りの切欠は何時作れるのか。

中々ポジションの判別が難しい試合となり。
鳥取はDAZNの予想フォーメーション(3-3-2-2、10節・YS横浜戦で採用)自体が間違っており、前節の4-2-3-1を継続。
一方の熊本も3-3-2-2の予想であり、その通りに最終ラインは3バック。
しかし右ウイングバック予想の上村が、中央寄りでプレーする事が目立ち、杉山が右サイドに開いてのプレーが多かった。
そのため「上村・河原がドイスボランチの3-4-2-1(杉山が右WB)」と誤解して時間の大半を過ごしていたのですが、右サイドを見ると、杉山同様にシャドー予想のターレスが左サイドに開いてプレー。
J2の甲府・泉澤が頻繁に行う動きでありそれ自体は見慣れたものでしたが、両サイドとも行っていた辺りがイレギュラーな可変に映り。
また左WBの岩下が、右でのパスワークの際に加わって来る事もあり、単なるWB以外の役割も果たしており。
以上を見るに基本は3-3-2-2で、攻撃時は3-3-4というような可変システムだったでしょうか。

そんな特異なシステムを利用し、序盤から熊本が攻勢。
前半2分に伊東・上村のパス交換での中央突破から左へ展開し、開いていたターレスがカットインからミドルシュート。(ブロック)
3分にも伊東と上村の繋ぎから、伊東の右へのパスを受けた杉山がエリア内に進入してシュート。(ミートせずに枠外)
左右の翼を活かしての攻撃が早速見られ、その後も鳥取の攻撃を凌いだ後のカウンターでターレスのスピードを活かす等、狙いは明らかでした。

一方の鳥取、金氏が監督に就いたという事で、後方からショートパスを繋ぐ事を重視したビルドアップを展開。
所謂ポゼッションスタイルのサッカーですが、要所でロングボールを1トップの石川に収めさせる手段も交えて攻め上がり。

立ち上がりは熊本に後れを取っていたものの、徐々に攻撃権を取り返していきます。
19分にはロングパスを石川が収めてからパスワーク、長らく繋いで最終ラインに戻されたのち石井が左へ展開、受けた杉井から中央へ。
そしてキャプテンの可児がエリア手前からミドルシュートを放つも、GK佐藤にセーブされてコーナーキックに。
そのCKでも、こぼれ球となったのちエリア内左からシュートする(ブロック)など、果敢に得点を狙いにいった可児。
その後22分に、熊本・岩下がミドルシュートを放った(枠外)所で、やや早めの飲水タイムが取られました。

ブレイク明けの最初に攻撃機会を得た(25分)鳥取、左CKから鈴木のヘディングシュートが生まれたものの、以降は熊本のペースに。
26分、ここも魅せたのはターレスで、左サイドでボールを持ちカットインの姿勢からクロス。
これが低い弾道でゴールに向かうものとなり、さらにニアサイドに高橋が走り込む難しい状況でしたがGK田尻が何とか抑え。
29分も左サイドでターレスがキープ、切り返しからのクロスが入ると中央で高橋がヘディングシュート。(枠外)
ターレスというストロングポイントを活かしつつ、可変させて圧を掛ける熊本の攻撃にタジタジとなる鳥取。(28分には杉山のドリブルを倒して止めた杉井に警告)

そして35分に左CKを得た熊本、キッカー河原のクロスが中央に上がると、GK田尻が跳び出してパンチングにいくも大きく弾けずエリア内右へと転がり。
待ってましたとばかりにそこに杉山が走り込み、左足を振り抜いて地を這うシュートを豪快にネットに突き刺します。
主導権を握っていた熊本が、綺麗に先制点に結び付けました。

先制された鳥取でしたが、すぐに主導権を奪い返し攻勢に。
ここからビルドアップの体制を最終ライン3枚に変え、ボランチの片割れが降りて来るスタイルを取ります。
ボールを握って主体的な攻撃を繰り広げ、迎えた終盤にフィニッシュ攻勢に持ち込み。
左サイドからのFKを得た41分、横パス→中央からロビングと変化を付けたのち、こぼれ球を拾った田口がシュート。(枠外)
43分には世瀬が左ハーフレーンをドリブルで進み、石川のポストプレイで右へ展開された所を石田がミドルシュート。(枠外)
45分には右サイドからの石田のロングパスを中央で田口が落とし、受けた石川のミドルシュート。(枠外)
立て続けに放たれたシュートはいずれもゴールを捉えられずも、前節の惨状を跳ね返すには十分な攻勢となり、前半を終えます。

しかし後半に入るとそんな鳥取ペースは一蹴され。
熊本監督・大木武氏も攻撃サッカーの志向が基本であり、受けに回っていた前半の終盤を踏まえて後半へと挑みました。

鳥取と同じくビルドアップに変化を加え、3バックの最終ラインに河原を降ろしてのパスワーク。
そして右CBの黒木がサイドに開き気味となる形を取り始めました。
前半のサイドでの個を活かした攻撃に、重厚なパスワークがプラスされた事で、一気に攻撃機会を独占する熊本の立ち上がり。
後半7分、右サイドで黒木のスルーパスから伊東→上村と渡り、右ハーフレーンから上村の無回転シュートが放たれるもGK田尻がセーブ。

それでも立ち上がりを何とか凌いだ鳥取は反撃体勢を取り始め。
12分にはCKから、こぼれ球を左から杉井を折り返して田口がシュート、ブロックされても尚杉井が詰めてシュート(枠外)と連撃を浴びせます。

お互い攻め合いの様相が匂い始める中、先にベンチが動いたのは熊本で、14分に伊東(この日が今季初スタメン)→樋口へと交代。
先に鳥取が攻撃機会を得た16分、中央で秋山ドリブルからパス→石川ポストプレイ→可児ミドルシュートと流れるように攻撃するも、GK佐藤のセーブに阻まれ。
その後奪った熊本のカウンターが炸裂し、杉山がドリブルから一気に裏へロングパスを通し、受けたターレスがシュートするもGK田尻がキャッチ。
フィニッシュからフィニッシュへと移り変わるシーンを描きました。

しかし右に杉山・左にターレスが降臨する熊本のサイドはやはり強力で、彼らにサイド奥に持ち込まれ、何とかCKに逃げるという守備面での凌ぎを強いられる鳥取。
押され気味という印象が拭えぬまま、最初の交代を用意した所で後半の飲水タイムに入り。
明ける際に可児→原田へ交代となりました。(24分)

この交代で4-4-2へとシフトしたのか、田口が前線の位置に入った事で躍動を魅せた鳥取。
27分に右サイドでの攻撃から、新井泰のスルーパスを受けてエリア内へと進入、そしてシュートを放つもゴール上へと外れ。
直後の29分、熊本・菅田のミスでエリアすぐ手前でボールを拾った田口、すかさずシュートしますがGK佐藤のセーブに阻まれ同点ならず。

熊本もあくまで追加点を狙う姿勢で、31分にCKからの二次攻撃。
右サイドでボールを繋ぎ、杉山の手前からのクロスを、ニアサイドで樋口がフリック気味にシュート。
しかしGK田尻が抑えて防ぎ、1-0のまま終盤へ。
(33分に熊本は高橋→浅川へ、鳥取は石田→小牧へ交代)

同点に追い付かんとさらにカードを切る鳥取、36分に石井・田口→藤原・谷尾へと2枚替え。
直後の37分、熊本に再びターレスの突破から際どいシーンを作られる(ターレス低いクロス→ニアで上村シュートも浅川に当たりゴールならず)も、その執念が実り終盤の攻勢へ持ち込みます。
42分にCKを得て、クリアされての二次攻撃から、原田のロビングをエリア内左で受けた杉井からクロス。
ファーサイドで石川がヘッドで合わせ、熊本ディフェンス2人に付かれながらもネットに突き刺しましたが、熊本・河原を倒したという事で反則となりノーゴール。

最も得点に近づいた瞬間だっただけに、その後萎えてしまっても仕方が無いような流れ。
しかしこの日の鳥取は諦めず、続く43分。
左ハーフレーンを杉井がドリブル、一旦止められるも新井泰の繋ぎでエリア内奥へと進入してクロス。
ブロックに当たりファーサイドへ高く上がり、GK佐藤が弾いたボールを石川が拾って再度クロスを入れると、中央で合わせたのは世瀬。
ヘディングシュートでネットを揺らし、今度こそゴールの判定となり同点に。
執念をとうとう結果に結び付けました。

その後熊本も2枚替えを敢行(酒井・杉山→小笠原・東出)し、圧を持って攻め上がったアディショナルタイム。
何度も奥深くに進入しては、CKを獲得して鳥取に攻撃をさせず。
AT3本目のCKから、左サイドでターレスの低いクロスをニアで樋口がスルー、岩下のポストプレイを受けた東出がシュート。
しかしブロックに阻まれて万事休すとなり、再度勝ち越す事は出来なかった熊本。
双方に勝ち点1を齎す、試合終了の笛が鳴り響きました。

J3も今年が8年目という事で、降格により元J2のクラブが大分膨れ上がってきたという印象。
この試合に勝てば首位(岐阜)に勝ち点で並ぶ事が出来た熊本からも、「何としてもJ2に戻る」という気概が感じられましたが、結果が出るとは限らないのが難しい所。
前年の秋田のような快進撃は中々起こらないだけに、この日のような勝ち点を逃す試合を量産してしまうのは避けなければなりません。


DAZN観戦 2021年J3リーグ第11節 FC岐阜vsテゲバジャーロ宮崎

2021-06-14 16:17:32 | サッカー視聴記(2021年その他)

<岐阜スタメン> 3-4-2-1
GK 桐畑
RCB 藤谷 CCB 甲斐 LCB 三ッ田
RWB 舩津 DH 大西 DH 中島 LWB 橋本和
IH 吉濱 IH 柏木
FW 川西
<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 植田
RSB 青山 DH 井原 DH 藤武 LSB 大熊
RSH 徳永 DH 千布 DH 前田 LSH 渡邊
FW 梅田 FW 藤岡

ホームが白基調という、珍しいカラーリングの体制を取っている宮崎。(この日のオレンジがアウェイ)
前年JFLでJリーグ入りを決め、厳しい戦いを勝ち抜いた末のJ参入となった今季。
しかし成績は快調の一言で、ここまで立派にJ3の上位争いを展開と、活きの良いクラブの典型として存在感を示しています。

「GKを絡めたビルドアップ」「相手にプレスをさせた上で長いパスをFWに送る」といったスタイル、と断片的に情報を得ていた(カンニングした)自分。
J1大分のような、疑似カウンターで決定機を生み出すのが持ち味なのか。
失点数がリーグ最少という要素もあり、ポゼッション力を「相手の攻撃機会を減らす」というような守備面でも発揮しているのか。
そんな考え(妄想)を脳裏に膨らませながら、この日(全カテゴリで)唯一の開催になった試合を楽しみました。

現在3位の宮崎ですが相手の岐阜も2位で、勝った方が暫定ながら首位に立つことが出来るという、コンセプトがハッキリとした試合。
前半が始まったその刹那、ロングボールを左サイドで収めにいった岐阜・橋本和が、宮崎・青山に反則を受け。
すると暫く立ち上がれない有様となり、「プレイ時間がたった7秒とは笑えないな……」という考えも過りましたが、何とか立ち上がり一旦ピッチ外→のちに復帰という流れになりました。

有名選手を多く揃えた岐阜に対し、後手に回る立ち上がりとなった宮崎。
前半4分に再度千布が反則を犯してしまうと、中央やや手前からのフリーキックを中島が直接狙い、低い弾道ながらゴール左へと外れ。

岐阜はてっきり柏木がキッカー担当かと思われましたが、吉濱が大部分を担い、前述のように直接狙う場面で中島が絡むという塩梅。
この柏木が、浦和を(半ば自業自得ですが)石もて追われる格好となり、J3へと活躍の場を移したというのが注目の動きの一つ。
放送席で試合前からこれでもかというぐらいに持ち上げられていたのが印象的でしたが、プレー自体も繋ぎ役に徹しており、しっかり機能を果たしていました。

劣勢を強いられた宮崎ですが、7分に中央での縦パス攻勢から徳永→藤岡と渡り右へ展開、藤岡がそのまま前進し自らシュート。
ブロックされて右コーナーキックとなり、キッカー大熊が低いクロス→ニアで藤岡フリック→藤武合わせるも枠外と脅かし。
これで相手からペースを剥がすのに成功すると、以降はビルドアップからの攻撃も出来るようになります。

GKが前に出てのビルドアップのスタイル通り、2センターバック+1を基本とし、ボランチも縦関係となるのが目立ち。
しかし序盤から相手のプレッシングが激しかった事もあったか、サイドバックは高い位置を取らず。
しばしば後方での繋ぎで、プレスをかわしに助成するシーンが目立ちました。
また持ち味であるGKのパスワークも序盤は影を潜め、14分頃からGK植田がエリア外でパスを繋ぐという本来のシーンをようやく見せる事となりました。

16分、藤武のロングパスを藤岡が落とし、拾った徳永が前進したのちミドルシュート。(GK桐畑キャッチ)
事前情報通りの攻撃を見せると、18分には千布のパスカットから、拾った藤岡が自らドリブルで運びエリア内からシュート。
ブロックされるも尚も繋がり、前田がミドルシュート(枠外)と、フィニッシュシーンを作っていきます。

しかしそれを遮断されると、岐阜の攻撃が容赦無く襲い掛かって来る結果に。
20分、ロングパスを舩津がカットして岐阜の攻撃、中央やや左で吉濱がリフティングしながらボールキープ。
そして左へスルーパスが送られ、奥で受けた橋本和の戻しから吉濱がクロスを上げると、ファーサイドで舩津が跳び込んでヘディングシュート。
ゴールに突き刺して先制点を挙げると、その余韻が冷めやらない23分。
吉濱ロングパス→川西落とす→柏木スルーパスという流れで再度左サイドへ展開され、橋本和が今度は自らクロス。
低いボールに対し、ニアサイドに走り込んだ川西が左足で合わせシュートと、先程と対称的なクロスの質でゴールゲット。
あっという間に岐阜が2点を挙げ、同時に飲水タイムへと突入します。

一気に2点ビハインドとなってしまった宮崎、ブレイク明け直後にコーナーキックを得て、キッカー大熊のクロスをファーサイドで渡邊が頭で合わせ。
後は触るだけという位置でのヘディングシュートでしたが、すれたような当たりになり左に外れてしまい、モノに出来ず。
その後はSBに高い位置を取らせつつ、GK植田のフィード(左サイドの大熊へのものが圧倒的)で組み立てるビルドアップに活路を見出して反撃します。
しかし先程までと違って容易にフィニッシュには辿り着けず。
逆に37分には大西のパスカットから、川西→柏木→吉濱と3人の前線が攻撃を彩り、最後は吉濱のループシュートが宮崎ゴールを襲い。
GK植田がセーブして辛くも逃れましたが、相手の堅守に難儀しているうちに、カウンター気味に追加点を奪われるという負けパターンが過る嫌な流れを強いられます。

その後もボールポゼッションを高めて攻める宮崎ですが、シュートまで辿り着けず。
(GK以外)全員敵陣に進入する場面も目立ちボールを繋ぐも、岐阜の守りを崩す事はままなりません。
45分には再度岐阜の攻撃、吉濱のエリア内へのスルーパスに橋本和が走り込むも、GK植田が抑えて何とか防ぎ。

このまま前半終了するかと思われたアディショナルタイム、右サイドで青山のドリブルが倒されてFKを得てから、セットプレー攻勢に入った宮崎。
その後の右CKでキッカー大熊はショートコーナー、戻しを経てグラウンダーでクロスと変化をつけると、ニアサイドに入り込んだ藤岡が合わせシュート。
岐阜ディフェンスの隙を突き、ネットを揺らし1点を返します。
反撃の狼煙を上げたと同時に前半が終了。

J3降格という汚泥を味わい、何とか這い上がらんという姿勢を見せている岐阜。
前年は成績的に惜しい所までいったものの、結局は中盤での空回りが響いて昇格を逃し。
終盤のレレウ・パウロン獲得もあり、「昇格を焦り、なりふり構わず戦力を搔き集める」という指向に駆られているのでは無いか。
そんな危惧の通り、今季もあらゆる所から有名選手を獲り、主力として起用。
前述の柏木はじめGK桐畑・吉濱・舩津・本田と、戦力を充実させての戦いを繰り広げています。

今季から監督を務めるのは安間貴義氏で、現在J3首位に居る富山での長期政権(2010年途中~2014年)で有名。
その際に採用した「3-3-3-1」や「3-1-4-1-1」という、独特過ぎるフォーメーションが話題を呼ぶも、最後は戦力不足を跳ね返せずJ3降格となってしまった富山時代。
紆余曲折を経て岐阜に働き場を代えた今季も、3-1-4-1-1のフォーメーションを取り入れて挑んでいましたが、柏木スタメン起用とともに微調整。
3-4-2-1のオーソドックスなものへと転換するなど、戦力を組み込みつつの現実路線ぶりも見せています。

曲がりなりにも長らくJ2に居たクラブだけに、J3から抜け出す事が出来るか、という思いを抱えながら戦う事となるのは仕方なく。
それだけで無く、仮に昇格出来たとしても、現在の戦力補強路線を維持しつつ定着出来るのか。
また戦力補強により、Jリーグ参入時に発生してしまった経営危機問題が再発しやしないか等々、未来を考えると不安な点が拭えない。
しかしまずは昇格しなければ始まらないのも事実でしょう。

共に選手交代は無かったハーフタイム、後半の入りも宮崎はポゼッションを維持して攻勢に出ます。
多彩なパスを繋ぎつつ前進し、後半5分にはワンツーから渡邊がシュート(ブロック)、11分には藤岡のドリブルから梅田がシュート。(ブロック)
エリア内でフィニッシュするシーンが増え、前半のうちに1点を挙げた勢いを持ち越しているような攻撃。

14分に最初の交代カードを切り、渡邊→三村へと交代。
主力に大卒の生え抜き選手が多い宮崎、新人もこの日はベンチに留まっていた橋本啓吾の他、センターバックに藤武を大抜擢。
そこに経験のある選手の投入で攻撃力を高めに掛かりました。

しかし物事は上手くいかないもので、16分には抜擢された藤武(この日初スタメン)が、足を攣らせてしまい続行不可能に。
代わって大畑が投入されたものの、直後にその動揺を岐阜に突かれてしまいます。
18分、敵陣での中島のパスカットから右CKに持ち込んだ岐阜、ここで柏木がこの日初のキッカーに。
ファーに高いクロスを上げると、跳んだ三ッ田の奥で川西が足で合わせ、ゴールネットを揺らし。
ピンポイントクロスが見事結果に繋がり、貴重な追加点を挙げた岐阜。

再び2点差となり、主導権も岐阜へと移り変わる事に。
26分には、三ッ田のカットから川西が自陣からロングシュートを狙い、ゴール上を襲うという好機を生み出し。(上に外れる)
やりたい放題の岐阜という絵図を描きつつ、後半の飲水タイムへ。

明けて最初の好機は宮崎で、ゴールキック→藤岡落としを経て三村のロビングを受けた梅田がエリア内右へと切り込み、そのままシュートを放つもゴール左へと外れ。
少ないタッチ数で崩した攻撃だけに、ここで決めればまだ解りませんでしたが……。
それでも以降押し込んでいく宮崎という流れを受け、岐阜も交代カードを切り。
30分に橋本和→松本へと交代(舩津が左ウイングバックにシフト)すると、その流れも止まり双方が攻撃権を得る展開となります。

34分に再度宮崎に千載一遇の好機、千布のスルーパスを右ハーフレーンで受けた梅田、エリア内に進入してグラウンダーでクロス。
中央に藤岡が走り込んでいたものの、ボールはその後方へ流れてしまい、合わずという結果に終わり。
その後CKとなるも、結局これで宮崎の勝ち筋はほぼ消える事となりました。
直後に岐阜は吉濱・柏木→三島・村田へと2枚替え。(35分)

尚も抵抗を続ける宮崎は、37分に藤岡・徳永・千布→橋本啓・儀保・内薗と3枚替えを敢行。(梅田が右サイドハーフへシフトし、橋本啓・儀保の2トップ)
その後は(直後に宮崎・儀保のヘディングシュートがあった後)攻撃権が激しく入れ替わりつつも、どちらも好機を作れず、そして選手が痛むシーンが目立つという流れ。
イライラが募り易い展開で、ビハインド側の宮崎には辛いの一言でしょうが、宮崎のFKを岐阜・舩津が妨害し警告を受けるといった副産物も齎され。

44分、左サイドから三村がドリブルからクロスを上げ、クリアボールに青山が走り込んでエリア内でシュート(GK桐畑キャッチ)したのが宮崎最後のシュート。
その後6分あったATでは、ひたすらロングボールを蹴り込む攻撃を強いられる事となり、有効打を放てず。
最後は岐阜が右コーナーでボールを持つ展開となり、そのままタイムアップ。
首位に立ったのは岐阜という結果になりました。

翌日に富山が勝てず終わった(vs熊本・1-1)ため、首位の座が入れ替わった11節。
それでもクラブ数が奇数なため、富山・宮崎より1試合多い岐阜という日程のあやもあり。
様々な不安要素を吹き飛ばす一歩となる、昇格という結果に結び付けられるでしょうか。


DAZN観戦 2021年J3リーグ第6節 アスルクラロ沼津vs藤枝MYFC

2021-04-29 18:20:31 | サッカー視聴記(2021年その他)

<沼津スタメン> 4-2-3-1
GK 大友
RSB 安在 CB 後藤 CB 藤嵜 LSB 濱
DH 菅井 DH 徳永
RSH 北 CH 鈴木拳士郎 LSH 高橋
FW 渡邊
<藤枝スタメン> 4-4-2
GK 杉本
RSB 久富 CB 川島 CB 秋山 LSB 稲積
RSH 枝村 DH 鈴木惇 DH 岩間 LSH 杉田
FW 押谷 FW 宮本

磐田がJ2で燻っている現在、静岡ダービーが観れるのはJ3だけ。

前年にJ2ライセンスを(特例で)取得した藤枝、その通りに昇格を目指す意気込みが感じられる選手編成となっています。
鈴木惇・岩間・押谷・金正也(キムジョンヤ)と、上位カテゴリで実績ある選手達をこぞって補強した今季。
前年からの枝村・久富とも併せ、初めて観たにも拘わらず知っているメンバーの多さに驚かされました。

藤枝にはかつて(Jリーグ誕生以前)、藤枝ブルックス(中央防犯サッカー部)というクラブが存在したものの、Jリーグ参入を目指すため福岡に移転。
それが現在のアビスパ福岡となり、Jリーグクラブとして在籍しているのは周知の通り。
一方で置いて行かれた感じとなった藤枝には、2009年になって新しくクラブが生まれ(といっても、藤枝ネルソンFCが母体)、以降Jリーグ参入を目指す事となりました。
それに伴うかのように、かつて中央防犯時代の監督であった菊川凱夫氏が、(総監督として)藤枝に帰ってきたのが2014年。
折りしもJ3に参入して初年度の事でありました。

そんな歴史はさて置き、沼津が2017年にJ3に参入してから、両クラブは激しい戦い(?)を繰り広げ。
遅れてJリーグ入りした沼津が勝ち越している(4勝2分2敗)という戦績で、藤枝サイドもこのまま燻る訳にはいかず。

立ち上がりは一進一退、沼津が1本・藤枝が2本シュートを放ったのち、前半7分に沼津が決定機を迎えます。
GK大友から中央で繋ぎ、縦パスを受けた鈴木拳が左に流れたのち左→右へとパスを繋ぎ、右サイド手前から安在がクロス。
そして渡邊が合わせヘディングシュート、GK杉本の跳び出しを受けるもループの軌道となってゴールに向かい、戻った藤枝・秋山が跳んでボレーでボールを掻き出し。
際どい所で得点にはなりませんでした。

その後10分に沼津が、左サイドで高橋のスルーパスで濱が抜け出すと、藤枝・川島がスライディングで濱を倒してしまい反則。
そして警告を貰う事となり、早くもガチンコ対決の様相を描く試合展開。

前年沼津のサッカーを観た際は、バリバリのポゼッションスタイルという感じでしたが、この日は様子が違い。
早めにボールを前線に送る攻撃を展開しており、どうやら今季はこのスタイルを敢行しているとの事でした。
ボールを繋ぐ能力を高めるためにポゼッション指向を落とし込み、それが果たされたのち、本来行いたいサッカーを行うといった手法でしょうか。

0-0のまま試合は進み、飲水タイムが挟まれた(23分)のちの27分の沼津の攻撃。
左サイドのスローインから、徳永が北とのワンツーでエリア内に進入してシュート。
ブロックされてこぼれ、その後エリア内で北シュート→安在シュートと波状攻撃を浴びせるもいずれもブロックに阻まれ。
さらに鈴木拳がシュートするも枠外と、4本続けたもののゴールは奪えません。

主導権を握っていた沼津でしたが、以降は藤枝ペースに試合は傾きます。
むしろ藤枝の方が後方からショートパスを繋ぐ傾向が顕著だったこの日、中盤に鈴木惇・岩間・枝村とネームバリューのある選手が揃って居た事も手伝い、パスワークで中央突破を図る攻撃を見せ付けます。
中央からスルーパスを最終ラインの裏に通し好機を作っていきますが、こちらもゴールを奪う事は出来ず。

ともに良い時間帯はあれど、一歩も譲らない試合展開。
35分に沼津・菅井が警告を受けるなどその副産物も目立つ中、無得点のまま前半を終えます。

後半が始まり、藤枝は前半同様に中央でのパスの連続で崩さんとする攻撃を見せます。
スルーパスがエリア内奥まで入りクロスを上げたり、逆にパスを入れられずどん詰まりになり手前からクロスを上げたりと、結果的にクロスで終わる事はあれど基本は中央からの展開。

そのクオリティを保つためか、ベンチも早めに動き。
後半11分に川島・枝村→那須川・谷澤へと2枚替えを敢行した藤枝。
さらに18分には宮本・杉田→大石・松村と再び2枚替えと、積極的にカードを切っていきました。

しかしその甲斐も無く、先に試合を動かしたのは沼津。
直後の19分、徳永の左へのロビングを濱が落とし、走り込んで受けた高橋が奥に進入してクロス。
スライディングで藤枝・那須川がブロックに入りましたが、これが腕に当たったとされてハンドとなり、エリア内だったためPKに。
ハンドを誘発した高橋がキッカーを務め、冷静に右へと蹴り込んでゴール。
ややラッキーながら、欲しかった先制点を挙げます。

その直後、縦パスを収めた沼津・渡邊が藤枝・鈴木惇にチャージを受けて倒れ込む場面も。(反則)
やはりプライドのぶつかり合いを感じさせる一幕で、前年まで福岡に居た鈴木惇も、見事にその色に染まっていたのでしょうか。

反撃に出たい藤枝は、一転してサイドでの攻撃に活路を見出し。
サイドでスルーパスを通して奥まで切り込み、クロスないしはコーナーキックを得る攻撃を押し出します。
スローインも、久富がロングスローを見せるなど、なりふり構わない姿勢を見せ始め。
30分には稲積→岩渕に交代と、早くも5枚全てのカードを切る前掛かりさを見せるベンチ。(同時に沼津も北→森に交代)

そしてその姿勢が報われる事となったのが33分。
右からのCKで、キッカー鈴木惇のクロスを中央で那須川がスルーし、ファーサイドの押谷が合わせシュート。
マイナスの位置ながらもやや強引に合わせた押谷、執念でゴールにねじ入れて同点となります。

そのキックオフ直後に再び反則が。
それも沼津・菅井が、最終ラインでボールを奪われる失態を演じてしまい、奪った押谷のドリブルをエリア手前で後ろから倒してしまうというもの。
決定機阻止の格好となり、一発レッドで退場となってしまった菅井。(まあ既に警告を受けていたので決定機で無くても退場だったでしょうが)
キャプテンマークを後藤に託し、ピッチを去る事となります。

中央やや左という位置からこのFKを蹴るのは、当然ながら名手・鈴木惇。
左足で狙いすましたシュートが壁を越え、ゴール右上を襲います。
しかし次の瞬間ゴールバーを叩く音が響き、惜しくも決まらず。

命拾いした沼津ですが、以降数的不利での戦いに突入。
36分に鈴木拳→瓜生へ交代と、中央を固めての4-4-1へとシフトしたでしょうか。
直後に右CKのチャンスを迎えると、キッカー瓜生のクロスがクリアされ、再度瓜生がクロス。
ファーサイドで濱がゴール方面へと折り返すと、渡邊がヘディングシュートをゴールに突き刺し。
不利を跳ね返す勝ち越し点、かと思われましたがオフサイドで無効となります。

ヒヤリとした藤枝、その後はやはり攻撃権を支配し押し込みます。
ロングパスも交えつつ、何度もクロスを上げる攻撃で勝ち越しを狙いますが、フィニッシュには繋がらず。

沼津は43分に渡邊→今村に交代。
その直後の44分、中盤右サイドから安在がドリブルで運び、エリア手前で中央へパス。
そして瓜生がペナルティアークがシュートするも、GK杉本がキャッチ。
押し込んでいた藤枝とは対称的に、数的不利の沼津がゴールを脅かすというねじれ現象が描かれます。

藤枝も直後の45分、幾度もエリア内にボールを送り込んだのち、落としを経て後方から那須川?がシュート。
ブロックでこぼれたボールを大石が拾ってシュートするも、GK大友がキャッチ。

互いに2点目を狙うスタイルを維持しつつ、アディショナルタイムへ。
そこでも沼津2本・藤枝1本とシュートが重ねられる白熱の様相で、最後に好機を得たのは沼津。
森のロングパスが跳ね返されるも、安在が拾ってエリア内右へと送り、走り込んだ徳永のクロスが中央へ。
そして高橋が捉えヘディングシュートを放ちましたが、ゴールバーを掠めてゴール上へと外れ。
そして試合終了の笛が吹かれ、一歩も譲らない試合内容に相応しく、1-1で引き分けという結果に終わりました。

今季のJ3はクラブ数が奇数という事で、試合の無いクラブが生まれるやや変則的なシーズンに。
またU-23の廃止もあり試合数も全体的に少なく、昇格を目指すには取りこぼしを続けるのは許されない。
5戦で3引き分け(1勝1敗)と出遅れた格好となった藤枝ですが、選手編成に相応しい結果を叩き出せる日は来るでしょうか。