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DAZN観戦 2020年J3リーグ第32節 SC相模原vsアスルクラロ沼津

2020-12-11 18:42:21 | サッカー視聴記(2020年以前)

J3も残り3試合、熾烈さを増している2位争い。
長野が3位集団に巻き込まれた間隙を突き、相模原が2位浮上を果たしたのが前々節ですが、前節再び入れ替わり現在に至ります。
その相模原、イメージ的には「望月重良(代表)のチーム」でしょうか。
現役引退(2007年)から1年後に、私財を投げうってチーム設立という大胆な行動を起こした望月氏。
2014年にJ3参入を果たし、今季は念願のJ2ライセンス承認と共に、昇格を目指さんとしている立ち位置。

その選手編成を見ると、J3のクラブとは思えないほど顔ぶれは豪華。
稲本・藤本・富澤・水野といった超ベテランの名手だけで無く、GKビクトルをはじめ清原・三島・梅鉢ら、少し前までJ2でプレーしていた選手の名前も多数見られます。
助っ人外国人も4人在籍しているなど、戦力は上々。
これに監督の力が加われば……とは誰もが考える事でしょう。

しかしその監督人事は非常に疑問。
2016年以降、薩川了洋(現ヘッドコーチ)→安永聡太郎(横浜FC・安永玲央の父親)→西ヶ谷隆之→三浦文丈(現職)という顔ぶれですが、4人とも共通点が。
いずれも静岡県立清水商業高校出身の人物であり、それは望月氏の母校という側面もあり。
これ程綺麗に自身のOBで揃えているのはある意味清々しいですが、逆に言えば望月氏の人脈の脆弱ぶりが露わになっていないか。

現役時代の望月氏は司令塔タイプのMFでしたが、ボランチとしては守備力・走力に欠け、監督から見ると扱いづらい選手だったとの事。
「王様」というニックネームも頂戴していたらしく、監督と対立し契約解除されるなんて事もあったそうで。
チームを運営する財力はあっても、こうした現役生活故に人との繋がりという面で弱点を露呈している、と考えれば納得出来なくもありません。

長野・岐阜と激しい2位争いの真っ只中である相模原。
この日の相手は沼津で、既に優勝を決めている秋田で現在指揮を執っている吉田謙氏が前年まで監督を務めていたというクラブ。
何処と無く「監督は大事」と相模原に訴えかけているようであり、試合内容もそんな感じの展開となりました。

相模原は後方からのロングボールを、才藤を目掛けて送るという攻撃がメイン。
前半7分には敵陣での鹿沼のパスカットから、自らファーストシュートを放ちました(GK長沢キャッチ)が、次第に沼津の攻撃が目立ち始めます。
同じ7分に、菅井が左サイドへパスを出してから、藤嵜→大迫→菅井→鈴木→渡邊→染矢とダイレクトパスを連続して繋いでチャンス。
そして染矢から受けた渡邊がドリブルからミドルシュート(枠外)と、流れるような攻撃を魅せました。

入りを経てすっかり試合に馴染んだ沼津、以降はしっかり最後方からショートパスを繋ぐビルドアップを展開。
菅井・普光院のドイスボランチを軸にパスを散らす中に、縦パスからのポストプレイを交えるというパスワークでボール支配率を高めていきます。
こうしたセンターバック+ドイスボランチ中心のポゼッションは、得てして何かの工夫が無いとどん詰まりになり易いもの。(現在のJ2で言えば町田がそんな感じか)
しかし左サイドハーフの佐藤が様々な場所に降りて来て、ビルドアップの出口を作り解決に導く動きを採っていたのも見逃せず。
かなり組織立ったサッカーを見せており、そのビルドアップにしばし釘付けになっていました。

しかし先制点は相模原に入ります。
20分、ミルトンのロングパスを受けた藤本からパス回しを展開、その中に加わっていた1トップのホムロがエリア内へとスルーパス。
これが綺麗に才藤の抜け出しに繋がり、エリア内からシュートを放った才藤。
見事にゴールゲットしリードを奪いました。

直後に飲水タイムが挟まれ、明けた直後の23分にも相模原のチャンス。
梅鉢のスルーパスを藤本が走り込んで受け、エリア内に入ってシュート、ループ気味に狙ったもののゴール右へと外れ。
選手のクオリティの高さを見せ付けるかのように、スルーパスを通して決定機を演出していきました。
組織で攻め上がる沼津と、単純ながら個人技を炸裂させんとする相模原という攻撃の図式が出来上がり。

パスは繋がるも中々決定機に結び付けられない沼津でしたが、40分にビッグチャンス。
普光院が敵陣でボールを持ち右へ展開、尾崎から中央へ浮き球で戻され、佐藤の落としを受けた渡邊がエリア内へ進入。
ディフェンスに遭いこぼされるも、大迫が走り込んでシュート、しかし至近距離でGKビクトルがセーブ。
尚もエリア内でこぼれたボールを、佐藤がシュートしますがゴールバーを直撃して跳ね返り、決定的なチャンスを逃してしまいました。
さらに染矢が拾った所に相模原・ミルトンが反則気味にチャージし倒れ込む一幕も作られ、ヒートアップする両サイド。
前半は1-0で折り返す事となります。

後半の入りは、セットプレーから相模原が追加点を狙いにいく様相に。
後半1分に右サイドでのスローイン、才藤がロングスローと見せかけて近くの夛田へ投げ、その夛田のクロスから藤本がミドルシュートを放つも枠外に。
3分には中盤遠目からのフリーキックでしたが、キッカー星が直接ロングボールをエリア内右へと送り、ミルトンがヘディングシュート。(枠外)
その後ポゼッションに勝る沼津に攻撃権を支配されますが、13分には再びFK。
右サイド奥からという位置で、キッカー藤本のクロスを中央で才藤が擦らすヘディングシュート。(枠外)
J2昇格に向け、どんな形でも勝ち点3を得るという意気込みが現れた攻撃でしたが、それも長くは続かず。

パスワークで押し込んでいく沼津、CB2人(谷口・藤嵜)までもが敵陣に入るハーフコートマッチのような図式になる事も珍しくなく。
19分には相手のクリアを谷口が拾って二次攻撃、菅井のエリア内へのロビングを渡邊が落とし、エリア内右から鈴木がシュートを放ちますがGKビクトルのセーブに阻まれます。
シュートまで持っていけても、最後にはビクトルに阻まれるシーンが目立った沼津。

飲水タイムを挟み(22分)、尚も圧を強める沼津の攻撃。
24分には菅井の縦パスを受けようとした鈴木が、後ろから相模原・梅井に倒され反則・直接FKに。(梅井に警告)
ゴール中央・エリアからやや手前という絶好の位置から、キッカー尾崎の直接シュートがゴール上部を襲いますが、これもGKビクトルがナイスセーブで防ぎます。
27分には再び尾崎がミドルシュートを狙いますが、ゴール左へと外れ。

完全に防戦一方となった相模原、28分にホムロ→清原へと交代。
その後もカウンターを繰り出す事すらままなりませんが、次第に沼津のシュートシーンも見られなくなり、逃げ切り勝ちが現実的になる展開に。
37分にはミルトン・才藤→富澤・三島へと交代し、運動量を補填していきます。
そのカウンターのシーンが、遅まきながら44分に見られます。
鹿沼のスルーパスが和田(藤本と交代で出場・15分)に繋がり、ドリブルでエリア内へと進入してボールキープ。
こぼされたボールを、上がってきた鹿沼がエリア内へと送り、清原が跳び込んで足で合わせますが惜しくもゴール右へと逸れ追加点はなりません。

パスサッカーを展開し良い攻撃を繰り広げた沼津でしたが、最後の段階で阻まれ続け、得点を奪えぬままアディショナルタイムへ。
最大のチャンスは、右サイドで普光院からクロスが上がり、クリアボールを拾い左へ展開し大迫から再度クロス。
これを今村(渡邊と交代で出場・33分)がヘディングシュート、ループ気味の軌道にGKビクトルも反応できずでしたが、ゴールポストに当たりゴールならず。
運も味方とはなってくれず、万事休すとなった沼津。

結局1-0のまま試合終了、勝ち点3を得た相模原。
長野も勝利したため順位は3位のまま、残り2試合を迎えます。

しかし次節は首位・秋田との対戦という最大の試練。
17戦無敗と聞こえは良い相模原の成績ですが、守備重視で引き分け数が膨らんだ結果、2位集団から抜け出す事が出来ず。
しかもこの日の沼津のような「組織力はあるがタレント不足で……」というチームとは逆をいっている内容であり、選手の能力を発揮させる力に欠けている節が見受けられました。(まあJ2ライセンスが無くサッカーの質の向上に邁進できる沼津と比べるのはどうかという感じでしょうが)
果たして秋田とぶつかる事で、どんな結果が齎されるのか。


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