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ぶらりドリブルの旅

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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会準決勝 ヴィッセル神戸vs京都サンガFC

2024-10-29 16:00:19 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 神戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前回の天皇杯の記事 -準々決勝・千葉vs京都(0-3)

カップ戦も終盤と、タイトルを賭ける時期。
特にリーグ戦では不本意なクラブが、それを手にする好機を得たとあれば血眼になって獲得を目指すのは当然であり。

ルヴァン杯では新潟、そして天皇杯では京都がそんなクラブに該当し。
相手の神戸が、ACLとの並行によるターンオーバーを強いられるなか、躊躇わずにベストに近いメンバー(34節・鳥栖戦と同じスタメン)を並べて挑みました。

しかしサイドを制圧し、序盤から主導権を握ったのは神戸。
ウイングにもサイドバックが本業の選手を起用する、ターゲットタイプをWGに置きたがる京都と対をなすような布陣を存分に活かしに掛かり。
特に右サイドでは、飯野の推進をその後方で支える酒井という関係性が巧であり。
速攻に持ち込まずとも、アタッキングサードで形成されるトライアングルでのパスワークで京都ディフェンスを翻弄した末に、何度もクロスに辿り着いてはコーナーキックに持ち込みます。

対抗する手段を持ちたい京都ですが、前線へロングボールを当てるだけの一辺倒を強いられ。
豊川が中央に寄ってエリアスとWターゲットとなるも、そのセカンドボールを拾う環境が整っておらず攻撃機会を得られません。
そして神戸の攻めを防ぐべく、しゃかりきになって寄せる結果反則も膨らむ事に。
主審(西村雄一氏)の中々笛を吹かない傾向に助けられるも、前半7分に鈴木義のチャージを受けた飯野の、痛々しく膝から出血する絵図を見せられてはこの試合と同様の感想を抱かざるを得ず。
高レベルの攻めに対し、負傷も厭わずのプレーで止める事はそれに対し「激しいプレー」と称賛混じりで語る地上波の実況・解説とともに「禁止されていないのだから何でもやっていい」という精神に拍車が掛かりかねません。
憚らずも、準々決勝で相手(J2・千葉)にレベルの違いを見せ付けた京都が、真逆の立場での戦いを強いられ続ける一戦と化しました。

攻守に圧倒する神戸の先制点は、17分にやはり京都の(宮本の佐々木に対する)反則によるフリーキックから。
位置は中盤からで、センターバックの岩波がキッカーになる繋ぐ姿勢というフェイクを仕込み、エリア内へ放り込み。
右ポケットで収めた佐々木から深めで攻撃開始という状況になり、最初のクロスは跳ね返されるも、拾ったのち例によって持ち込まれるトライアングル(酒井・飯野・佐々木の3人)でのパスワーク。
そして佐々木のクロスが上がると、ディフェンスもその繋ぎに目を奪われていたのか、(マーカー宮本が剥がされた末に)宮代が悠々と頭で合わせヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、上位クラブの貫禄を見せるリードを奪いました。

遅れを取った京都、ギアを上げに掛かるものの、それにより一層膨らんでしまう反則のシーン。
20分に初瀬が豊川に反則を受けると、側にいたトゥーレルがヒートアップし詰め寄るという具合に、神戸サイドも冷静さを保つのは難しい展開となり。
その後もCKを得る神戸に対し、マンツーマン重視で守る京都(3人ほどニアでゾーン守備を取る)は神戸選手と激しい揉み合いを繰り返し。
蹴られる前にほぼ一悶着起こすのが茶飯事となっていたこの試合。(38分には、それにより岩波が福岡を倒してしまい警告を受ける)

おまけにこのタイミングで京都は戦術を調整し、川﨑・福岡をドイスボランチとした4-4-2(4-4-1-1?)へと布陣変更。
トゥーリオがエリアスの衛星的に立ち振る舞い、頭に血が昇る状態に陥った(かのような)相手の目線を変えに掛かります。
これによりロングボールが合わずとも、エリアス・トゥーリオ・豊川の誰かに渡る(便宜上右サイドハーフとなった豊川は相変わらず中央寄り)ようになり、不確実ながら好機を作れる状態に。
28分GKクソンユンがエリアスを狙ってのロングフィード、セカンドボールを平戸が繋いで豊川に渡るという具合。
その後左からクロスを入れるも流れ、奪い合いを経て逆サイドからトゥーリオがクロスを入れ直し、左ポケットの豊川に収まる絶好機に。
しかしマイナスのクロスを選択するも、これが裏目となってクリアボールを繋がれ神戸のカウンター。
飯野が溜めを作ったのちアーリークロスを送ると、宮代がワントラップからバイシクルシュート(枠外)と、未だ流れは神戸にあるといった攻防となります。

打開にはもう一つ何かが欲しい京都。
それは地上でのビルドアップで、ドイスボランチとなった影響か、福岡が降りる3枚での最終ラインによる繋ぎを試み始め。
すると直ぐに結果に繋がり32分、右に開いた宮本がそのドイスボランチとのパス交換で漸進して福田→平戸と経由し中央へ繋げたのち、エリアスへ縦パスを打ち込む平戸。
これをポストプレイで繋ぐエリアス、飯野のカットに遭うもこぼれ球が逆にエリア内へのスルーパスのようになり、拾ったトゥーリオがシュート。
ゴールネットに突き刺さり、解決したのはボール保持、と言わんばかりの同点弾となりました。

その後も、戦力差を前掛かりな姿勢と球際でカバーせんとする京都。
しかし追い付かれた神戸も、それを見て酒井が冷静に裏へのミドルパスを供給しCKに繋げる(35分)という具合に、あくまで立場を固めに掛かります。

1-1のまま迎えたアディショナルタイムは、選手が痛む+セットプレーでの揉み合いが絡んで目安6分という長丁場に。
その+3分に神戸はプレスを嵌めて井手口のボール奪取から好機、右からのクロスが跳ね返されるも、鍬先が左へと切り替える浮き球パスを送ったのち初瀬から受け直して自らポケット奥へと切り込み。
そして上がったクロスからまたも宮代がヘディングシュートを放ちましたが、ゴール上へ外れて惜しくも決められません。
そして京都が押し返すも、福田のロングスロー(この助走の際にも、アップする神戸リザーブ選手と一悶着……)が跳ね返されたのち繰り出される神戸のカウンター。
しかも初瀬のラフなロングボールが繋がる、京都が総員前掛かりという情けなく裏を突かれる格好での好機で、拾った佐々木が左ハーフレーンからミドルシュート。(枠外)
フィニッシュで終わらせ、どう転んでも神戸優勢という印象を植え付けた末に前半終了となりました。

同点にはしたものの、このまま続けば(神戸ベンチに大迫や武藤が控えているのもあり)ジリ貧に陥るのは明らかな京都。
早めにリードを奪うべく、後半は入りから果敢に仕掛けます。
後半3分、鈴木義のミドルパスをトゥーリオが(足での)ポストプレイで繋ぎ、そのまま前へ走ってエリアスのスルーパスを受け。
そして右奥へ切り込みカットインからクロス、ブロックに当たり中央へこぼれた所をエリアスがボレーシュート(ブロック)と、リーグ戦さながらに助っ人2人でやりきる攻め。
やはり頼りになるのはこの2人、という思考を押し出すとともに、再び彼らを狙ったロングボール重視へと偏りを見せる京都の攻撃。

5分に神戸の右サイドでのキープに対し、豊川が鍬先から反則気味に奪ってトゥーリオに託すと、すかさず裏へ送られたロングパスにエリアスが抜け出し。
これを神戸は同じ助っ人のトゥーレルがカバーして防ぐも、徹底したエリアス・トゥーリオを活かす姿勢で、あわよくばを狙う展開に持ち込みつつあった京都。

しかし、その反則を厭わずという姿勢が直後に仇となり。
防いだトゥーレルのロングパスを酒井が収めて攻撃スタートとなる神戸、その後中央→左へとサイドを移した末に初瀬が奥へ切り込んでクロス。
ブロックに当たるもニアサイドにこぼれ、拾った佐々木に対しディフェンスに入った福岡が倒してしまい。
完全に足に入った福岡のアタックでしたが、反則の笛はならず。
そんな主審・西村氏の姿勢に対し待ったを掛けたのがVARで、チェックの結果OFRへと持ち込まれる緊迫の瞬間に。
そしてさしもの西村氏も判定を変えざるを得ず、といった反則・PKへの移り変わりとなりました。

このPKを蹴るのは、反則を受けた佐々木。
気負いを見せずに中央やや左寄りに蹴り込まれたシュートですが、GKクソンユンは右へ跳びつつも足を残してこれをセーブ。
しかしその跳ね返りは無情にも佐々木の下へ流れ、結果1タッチで放たれた再度のシュートがゴールネットを揺らします。
一瞬ヒヤリとしたものの無事に決め、再びリードを奪った神戸。

京都は巻き返すべく、キックオフの前に豊川→原へと交代。
しかしその原も、投入直後に酒井に反則を犯す(11分)という、京都全体のラフプレーへの傾倒に乗るかのような絵図を早速作る始末。
倒れ込んだ酒井は1分程で起き上がりピッチ外→復帰と無事だったものの、やはり納得し難いそのチーム方針。

神戸は盤石を期すべく、14分に大迫・武藤の投入に踏みきります。(広瀬・飯野と交代し、佐々木が左WGに回る)
それに対抗せんと京都も17分に3枚替え、佐藤・福岡・平戸→アピアタウィア久・金子・米本を投入。(宮本が左SBに回る)

双方采配が交錯するも、やはり見所は投入された神戸の2人の出来。
18分に岩波ミドルパス→武藤落とし→大迫右へスルーパス→酒井クロスと好機に持ち込むと、ブロックを掠めてニアに入ったボールを収めた大迫がボレーシュートの体勢と、少ない手数で魅せに掛かり。
これはミートせずも、クリアボールを繋ぎ再度右から攻め込み、今度は武藤が強引な突破からのカットインという力強い推進。
ポケットに切り込んでのクロスはシュートに繋がらずも、早速その実力で脅威を植え付けます。

京都はその恐怖と戦いながら、攻撃により振り払わんとするもののゴールには辿り着けず。
すると23分、宮代の反則気味のボール奪取から素早く攻める神戸、大迫がボールキープで中継役となって右ポケットへ送られたパスを酒井が受け。
そしてカットインから中央で放たれたシュート、GKクソンユンがセーブして防ぐものの、CK攻勢へと突入。
3本続いたその2本目での二次攻撃、右ワイドから佐々木の切り込み、トゥーレルのポストプレイも交えエリア内中央へ切り込んでシュート。
鈴木義がブロックと何とか防いだ京都ですが、防戦一方の色が強まればそれだけゴールから遠ざかり。

尚も敵陣でサッカーを展開する神戸は、その最中の27分に佐々木→パトリッキへと交代。
再開は酒井のロングスロー(CBは上がらない)からで、こぼれ球を繋いでCKに持ち込みと、セットプレー攻勢は途切れず。
右CKからキッカー初瀬クロス→中央のパトリッキを越える→奥で大迫が拾いシュート(アピアタウィアがブロック)と、途絶える事の無いフィニッシュ。
投入されたパトリッキも当然それに便乗し31分、左奥からのカットインで福田を剥がしてシュート(GKクソンユンセーブ)と、痛烈に個の力を発揮します。

そして32分、汲々としながらの守備を強いられる京都に止めを刺すかのように、左から初瀬のミドルパスを受けた武藤がカットインの姿勢からアーリークロス。
裏へ綺麗に抜け出す格好で合わせたのは宮代で、ヘディングシュートをゴールに突き刺します。
大攻勢を締める追加点という絵図に、ひとしきり歓喜に渦巻く神戸サイドでしたが、ここはVARチェックが逆に立ちはだかり。
オフサイド判定に引っ掛かってノーゴールとなり、ぬか喜びと化してしまいました。

何とか救われた京都ですが、依然として攻撃シーンは散発。
35分に川崎→平賀へと交代し、直後にその平賀が空中戦からのこぼれ球で浮き球を上げ、中央チャンスエリアで受けたトゥーリオがシュート。(ブロック)
偶発的な好機から、何とか得点を狙いにいくという依然として苦しい状況。
42分に得た左CKがこの日初という点も、攻勢に入りたいがままならず……な展開を証明するに至り。(ここでは、エリアスがニアでヘディングシュートも枠外)

神戸最後の交代は45分で、岩波・鍬先→菊池・扇原へと2枚替え。
守備強度を保たんとする交代ながら、直後にまたも左から初瀬クロス→宮代合わせるもミートせず→大迫と京都ゴール前での展開となり、撃ち切れずこぼれた所を尚も繋ぎ。
武藤のバックパスから扇原のミドルシュートが放たれゴールバーを直撃と、投入直後にあわや追加点というシーンを演出する結果に。

しかし京都も、AT突入後は圧力を掛け。
パワープレイ気味に前線へ運び、何とかCKを獲得すると、GKクソンユンも前線に上がり最後のチャンスに賭けるという体制に。
この右CKから、キッカー・トゥーリオはニアにクロスを入れ、平賀のフリックで中央へ流れたボールを鈴木義が足でシュート。
しかしライン寸前で武藤がブロックし、こぼれ球を拾ったエリアスも追撃しますが、またも同位置で武藤がブロック。
訪れた決定機もモノに出来ずに終わると、再度の右CKからの攻めは神戸のカウンターに繋がり。
井手口のクリアを拾った宮代、GKクソンユンが不在のゴールへ自陣からロングシュート。
ゴールマウスを捉えるも、ハーフラインから戻って拾う格好となっていたため、オフサイドで残念ながら無効となり。

あわやという危機はあったものの、最後までリードを保った神戸。
2-1で試合終了の時を迎え、無事に決勝進出の運びとなりました。
相手は延長戦の末に勝ち上がったガンバで、関西勢同士の対決。
一瞬わざわざ国立まで出向く意味は……と思わされるそのカードですが、勝負の行方は如何に。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 大宮アルディージャvs福島ユナイテッドFC

2024-10-15 16:00:32 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 大宮は前節から昇格リーチで、今節はさらに条件が緩くなり自身の勝利or富山敗戦で決定。前日富山が引き分けたため、勝ち点1以上を積めば(=引き分け以上ならば)昇格が確定する。
  • 福島は、試合当初は右サイドバック=松長根・左SB=鈴だったが、数分後に両者入れ替わり逆の配置に。

長い戦いを経て、とうとうあと一つという所まで辿り着いた大宮。

それを見計らうかのように、新たに筆頭株主となったレッドブルの(マリオ・ゴメスTDの)挨拶めいたコメントが発表される事となったのが試合の前日。
これまでクラブを支えてきたサポーターにとっては(買収劇全体も含め)釈然としない思いが残る事でしょうが、既存の体制でJ3にまで沈んだ経歴を考えれば致し方ない事象でもあり。
今後過酷な生き残りのためのパートナーとして、共存を図る他無い。
そんな前向き思考になるためにも、彼らの眼前で昇格を決める事には意義がある、といったこの試合。

前半2分に左サイドから前進する大宮、ストロングポイントの泉の前進を絡めてのパスワーク。
そして敵陣中央でシルバが受けるも、トラップミスを大関に拾われた所で反則を犯してしまい警告を受ける破目となり。

早くも被害を受ける運びとなった大宮ですが、同時に福島もその左サイドアタックを脅威と感じたでしょうか。
両SBは右が松長根・左が鈴でスタートした試合ですが、その後両者を入れ替えて鈴が右へと回り。
左利きの鈴を配置する事で泉の右足を切りに来るその変節に、「攻撃サッカー」の福島でも、終盤の昇格争いという局面で相手に合わせての采配を敢行するに至ります。

そうして本格的に両クラブの戦いへと突入。
福島の最後方からのビルドアップに対し、容赦なく大宮のプレッシングが襲い掛かるというのが基本の絵面となり。
1トップのサンデーがアンカーの加藤匠に付き、その他のメンバー(主に2シャドー)で最終ラインにプレッシャーを掛けるのが最前線の基本的なディフェンス。

そんな体勢+大宮選手の強度に散々苦しめられる福島。
5分に縦パスをシルバにカットされてショートカウンターに持ち込まれる(杉本とシルバのパス交換で前進もシュートは撃てず)と、7分にもシルバのパスカットに遭い。
すると今度はパスを出さず自ら撃ってくるシルバ、このミドルシュートはGK吉丸がセーブするも右コーナーキックで継続となり。
キッカー小島のニアへのクロスを杉本が合わせヘディングシュート、これもゴール上部を襲いGK吉丸が何とかセーブしますが、再度右CKに。
するとキッカーを泉へ切り替える大宮、ショートコーナーでの戻しから浮き球で右ポケットを突きに掛かるという具合に、徹底的に変化を付けた末に走り込んだ茂木のクロス。
低く鋭いボールが中央へ入り、杉本の手前で塩浜が(あわやオウンゴールの軌道で)何とかクリアと、際どい凌ぎの連続となります。

9分にも、プレッシングでGK吉丸にフィードを蹴らせて回収したのち好機を迎えた大宮。(茂木が右ハーフレーンからカットインしてミドルシュート、松長根がブロック)
何とかこの矢印を反転させたい福島は、10分逆に大宮の保持に対するプレッシングで、GK笠原に蹴らせたフィードを城定がカットしての好機。
右サイドで細かい繋ぎを経ての塩浜のクロスは跳ね返されるも、拾ったのち再度右から仕掛け、右ポケットで加藤匠のパスを受ける大関が入れ替わりから奥へ切り込み。
そして先程の茂木と同様に低く鋭いクロスを入れ、合わせにいった樋口はディフェンスと縺れ、こぼれ球に城定が詰めにいくも結局撃てずに終わり。

福島は一つ相手ゴール前まで迫った事で、肩の荷が下りたでしょうか。
しかしこの日も中盤のトライアングルは、3人(上畑・大関・針谷)のうち大関1人のみという構成に。
そのためパスワークというよりは、大関や城定が純粋な突破力を見せる場面が目立ちました。
15分にミドルパスの跳ね返りを拾った城定がドリブルからミドルシュートを放つも、エリア内で浦上のブロックに阻まれ。
17分にも中盤での繋ぎを経て城定がドリブルで敵陣を突き進み、パスを受けた大関がさらにエリア内へ切り込み、左ポケットを突いたものの茂木のディフェンスで倒れて反則も無しに終わり。

お互いに好機が乱れ飛ぶという、昇格争いによる堅さは微塵も感じさせない展開となり。
大宮は20分、後方からのミドルパス主体で組み立て、右奥で溜めを作ったのちに茂木の手前からのクロス。
跳ね返りを逆サイドで繋ぎ、泉のグラウンダーのクロスがこぼれた所を拾った小島、ゴール眼前まで迫ってシュートを放つも大森のブロックで防がれ。
23分の福島、縦パスを受けた大関のドリブルで中央を素早く運んだのち、左サイドを抉る姿勢からカットインシュートを放つ森晃。
浦上がブロックするも、エリア内中央にこぼれた所を樋口が拾い決定機になりかけますが、ディフェンスに阻まれ撃てずにGK笠原が抑え。

小気味良く交錯する好機とシュートに、傍らからでも気分が高揚するような試合となりましたが、やはり有利なのは大宮。
28分に福島が最終ラインでの繋ぎをミス、左サイド深めでのスタートとなった大宮のショートカウンター(その後パス交換からの杉本のクロスを中央で泉が合わせるもGK吉丸キャッチ)という具合に、巨大な個の力が織り成すプレッシャーを中々かわせない状況は継続され。

そして31分、縦パスを前に出て奪った浦上がその勢いのまま攻撃参加、パスワークを経て左サイドを窺う体勢となる浦上。
戻しから泉のクロス→大外で杉本折り返しが流れ、また左サイドに戻ったボールを繋いだ末に浦上のクロスが上がり、クリアされて左CKに。
このセットプレーから、キッカー小島ファーにクロス→村上折り返しという完璧な流れを、ボレーシュートで仕留めた浦上。
最後まで一連の流れに絡み続けた末に、得点まで挙げる運びとなりました。

こうして先制した大宮でしたが、福島はキックオフからの攻撃で、ロングパスの跳ね返りを確保したのち再び大関がドリブルの体勢に。
そして左ポケットへのスルーパスを選択すると、走り込んだ松長根のマイナスのクロスをニアサイドで森晃が合わせ。
ポケットを突く攻めの定型というようなフィニッシュでネットを揺らし、あっという間に振り出しに戻しました。

これで勢いを得た福島は、最終ラインからの繋ぎに冴えが戻り。
40分、相変わらずの大宮のプレッシングを、松長根ミドルパス→森晃ドリブルで敵陣に運んで第1ライン突破したのち保持に入り。
中盤~敵陣での細かい繋ぎから大関が間を通す縦パス、受けた樋口が右奥へとスルーパスを送り、受けた城定が泉を股抜きで剥がしてのカットイン。
そしてポケットから放たれたシュートがブロックされるも、こぼれ球をすかさず塩浜が詰めてシュート。
これがジャストミートせずも、ループの軌道になってGKを越えるかと思われましたが、GK笠原が腕を伸ばしてのセーブで防ぎ追加点はならず。
42分にも左ポケットでスルーパスを受けた塩浜が、カットインの姿勢からシュート(GK笠原セーブ)と、再三ポケットからのフィニッシュで脅かします。

しかしそんなハイテンションぶりも、45分に大関のミドルシュートがブロックされ、跳ね返りが直接サンデーに渡ってのカウンター(ドリブルから左へ展開、小島がクロスも繋がらず)となった事で途切れたでしょうか。
守護神を中心に冷静に失点を防いだ大宮、アディショナルタイムの攻撃で、ロングパスで右奥を取り。
まずは深さを取る事で自身のペースに持ち込むと、戻しながらのパスワークを経て、市原の1タッチでの縦パスでプレッシャーをいなした末に茂木がクロス。
中央での石川のボレーシュートはミートせずも、ファーに流れた所を(鈴が杉本についていたのもあり)ノーマークとなった泉がシュート。
GK吉丸が弾くも及ばずゴールに突き刺さり、前半も終わり際という局面で勝ち越しを果たします。

これで良い気分、ならびに昇格決定への高揚感を抱えながら前半終了となったでしょうか。
ハーフタイムでの交代は共に無く、自力で流れを掴む事となった後半戦。

その立ち上がり、早めに追い付かんと攻勢を掛ける福島。
樋口のポストプレイを軸に、空いたスペースを森晃がドリブルで突くという攻めでアタッキングサードへの侵入を繰り返し。

しかしフィニッシュを撃たせずに防ぐ大宮、再度シンプルに深さを取る立ち回りで矢印を反転させます。
サイド奥へのロングパスは勿論、距離の長いスローイン→サンデーフリックという手法も冴え渡り、攻撃機会を重ね。

福島の前へのベクトルを折る事に成功すると、再びハイプレスが脅威となる展開に。
9分にパスがズレた所をエリアからすぐ手前という位置で石川がカット、拾ったサンデーがそのまま細かいタッチでドリブルに入り、エリア内へ進入。
そしてシュートが放たれ、ブロックを掠めてゴール右へと向かったボールをGK吉丸が辛うじてセーブ(そしてCKで継続)と、戦力差に押しやられる絵図となってきた福島。

何とかそれを剥がさんとしましたが、12分に後方からの縦パスを小島にカットされてまたも大宮が中盤からカウンター。
そして杉本のスルーパスを受けた泉が左ポケットを突いた末に、放たれたシュートはGK吉丸がこれも何とかセーブ。
しかし走り込んで詰めた石川のシュートを防ぐ手立ては無く、大宮の3点目が齎されます。
福島にとっては焦って前に送らんとした所を突かれるという、悪循環にも近い形でリードを広げられる格好となりました。

2点差を跳ね返さなければならなくなった福島。
その後も中央で狭い所を縦パスで通し、そののちに森晃を中心にドリブルで運ぶ姿勢を徹底し。
17分にその森晃のドリブルから、パスを受けた樋口がエリア内中央を突いてシュートを放つ決定機が生まれましたが、フィニッシュは浮いてしまい決められず。

その後再び大宮に矢印を反転され、CKという局面でベンチが動き。(18分)
加藤匠→針谷へと交代し、中盤の強化を図りに掛かります。

しかしまずは大宮のセットプレー含めた攻勢を止めなければならず。
直後のCKは防ぐも、その後も大宮の攻めは続き押し込まれ、20分のCKではファーへのクロスを収めたシルバがコースを探した末にシュート。(ブロック)
その直後も、ゲーゲンプレスを掛けた大宮が縦パスを(茂木が)カットしてショートカウンター、中央からサンデーがシュートするもGK吉丸がセーブ。

再三ゴールを脅かされた末に、何とかアンカーに入った針谷を軸としたパスワークに持ち込み。
縦パスの精度が格段に良くなり、後方のみならず敵陣でもエリア内を突くボールで好機を生みかける場面を膨らませます。
さらに動く福島ベンチ、26分に塩浜・樋口→澤上・矢島へと2枚替え。
一方大宮も28分、シルバ・杉本→和田・藤井へと2枚替え。

狭い所を抜かれる大宮は一層中央を固めるようになり、それにより大きく空くサイドをどう有効活用するかという流れに。
30分、大宮が藤井のボール奪取でこの日何度目かというショートカウンターとなり、そのままエリア内までドリブルで運ぶも奪われ。
そして反転して福島の速攻、大関がドリブルに持ち込むと、左へと開きながらの前進でサイド奥を突きに掛かり。
その奥で村上のチャージを受けて反則・警告と、薄いサイドを突く姿勢を見せ始めます。
しかしこのタイミングで、その一翼を担うはずの鈴が足を攣らせてしまい、交代の運びとなり。
折りしも得たFKでの好機という状況で、更に大宮も交代の選択をした事で長いブレイクとなってしまいます。
結局福島は鈴・野末→粟野・吉永へと2枚替え(松長根がセンターバックに回る)、大宮は石川とサンデーに代えて大澤とファビアン・ゴンザレスを投入とこちらも2枚替え。

熱気が冷めた影響か、このFKはニアで投入されたゴンザレスが跳ね返して終わり。
35分にまたも大宮は泉のパスカットで中盤からカウンターとなり、ゴンザレスが推進力を発揮。(左ポケットへ進入してスルーパスも繋がらず)
直後に茂木→関口へ交代してカードを使いきりと、着実に逃げきりかつ昇格への足を踏みしめます。

その後、福島は鈴に代わって右SBに入った粟野に右ポケットを取らせ、クロスを入れての好機を連続で作るも決められず。
大宮も前線のその圧力は落ちず、右奥を突いてのこぼれ球を拾ったゴンザレスが、シュートをゴールに入れる場面を作った(40分)もののその前にラインアウトという事で無効となり。

43分、大宮のスローインを跳ね返す事でベクトルの逆を突き、左から吉永のクロスが決定機に結び付き。
中央で収めた森晃がシュートにいき、ミートせず前方へこぼれたボールをさらに矢島が追撃のシュート。
完全に決まったと思われたこのフィニッシュも、ゴールバーを直撃して跳ね返ってしまいます。
運も味方に付いた大宮、その昇格への歩みは誰も止められない……という事を実感させるに至り。

2点差のままATへ突入。
しかし大宮は「昇格は通過点」と言わんばかりに、守りきる素振りは見せません。
左奥での細かいパスワークから、ポケットへ侵入して徐々に中央へという漸進を見せ、こぼれた所を大澤がシュート(GK吉丸セーブ)と全員がゴールに絡まんとする攻めを見せ。
それでも、道中泉が足を攣らせたのを受けて藤井とポジションを入れ替えるなど、ダメージの蓄積は隠せないようでしたが。

そんな大宮の攻撃を切り、残り時間で攻め上がる福島。
右奥でのスローインを取ると、クロスは選択せず戻しからポケットへの縦パスと、こちらも福島らしい姿勢を貫き。
そこから森晃が奥へ切り込みグラウンダーでクロスを入れると、ニアで澤上がGKとDFに挟まれながらも合わせ、ゴールにねじ入れます。
土壇場で1点を返し、攻め合いに恥じない結果を出し。

しかし福島の奮闘もここまでで、大宮のキックオフからの攻撃を断ち切り、最後方から組み立て……という所で試合終了を告げる笛が鳴り。
3-2で勝利した大宮、富山の結果を抜きにして文句のつけ所が無い昇格となりました。
悲願達成という結果も、目標は優勝のみといわんばかりに、試合後の熱狂はそこそこに留まり。
そんな上昇指向が、レッドブルとの化学反応でどうなるかと考えると末恐ろしい限りですが、今後綺麗にV字型回復を描く事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 テゲバジャーロ宮崎vsカターレ富山

2024-10-14 16:01:26 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 富山は、瀬良が累積警告により出場停止。
  • 富山が敗戦した時点で、翌日試合を控える首位・大宮の昇格が決定。

首位を快走する大宮に、昇格リーチが掛かった今節。
丁度代表ウィークで上位カテゴリが休養の時期と、運の良さを感じる巡り合わせとなりましたが、一方でそれを左右する対象クラブにとっては悪い意味で注目の的となり。

それが目下3位の富山ですが、自身の状況としては、自動昇格圏に入り込む事あるのみでしょう。
前節で2位・今治との直接対決で勝利出来なかった(0-0)直後とあっては尚更であり。

その富山の頼れる助っ人であるレイリアですが、今季は一貫して最前線でのプレーとなっており。
それも1トップという基本布陣が多いので、本来の姿である推進力を中々活かせない感じであり。
この日もロングボールのターゲットを主たる役割としながら、時折サイドに開いて奥へ切り込むという、他選手を活かす事に徹しているようでした。

そのレイリア狙いのロングボールから、右スローインでの攻めの中で(布施谷が遠藤に)反則を受けて直接フリーキックを得たのが前半2分。
横位置は右ハーフレーンで、キッカー・エンリケは当然直接シュートを狙ったものの、壁を直撃して実らず。
その後もロングボール中心での押し込みから、何度もコーナーキックを得るなど一定の成果を上げるものの、ゴールに辿り着くには今一歩物足りないという流れになります。

一方の宮崎、富山よりも露骨にターゲット(橋本)へのロングボールを送る立ち振る舞いが中心。
それでも、セカンドボールを確保しても、守備時4-4-2となる富山に対してミラーとなる状況故に繋ぐのに四苦八苦。
そうした状況で迎えた10分、宮崎はGKから地上での繋ぎを選択し、グラウンダーの長いパスでプレッシングをいなしながら左から前進。
スルーパスに走り込んだ橋本がヒールでポストプレイしたボールを、武が1タッチでラフに右へ送ったスルーパスで、スペースを突く事に成功するも流石に距離が長すぎて走り込んだ松本雄は間に合わず。
ミラーマッチの状態で、どれだけスペースを突くかの攻撃が肝となる予感を孕ませます。

16分、宮崎は例によって橋本へのロングボールからの攻め、井上が収めたのち阿野が中央からミドルシュート。
サイドハーフを中央に寄せて生み出したこのフィニッシュも、ブロックされると富山のカウンターを齎す事に繋がってしまい。
しかしこれを敵陣浅めで遮断し逆カウンターに持ち込むという激しい動きを経て、保持に移って作り直しを選択、最後方から辻岡が左→右へ対角線のロングパス。
そして松本雄折り返し→橋本足でフリックで中央に上がったボールを、武がボレーシュートにいったもののミートせずに終わり。
長短を組み合わせる攻めに移行した、宮崎のペースとなりかけます。

その後富山もボール保持での攻撃に移り変わり。
こちらは最終ラインで幅を広く取っての長いパスで、ハイテンションな宮崎を走らせる事に注力しての繋ぎとなります。
こうしてお互い攻撃においてハイブリッドな立ち回りとなるも、相手ディフェンスを打ち崩す決定的な威力に欠けたまま時間を過ごし。
下手に攻め込むと、強力なSHの突破力からのカウンターが待っている(24分に富山が、29分に宮崎がカウンターから攻めるもフィニッシュには繋がらず)ため、敵陣へ切り込んでも浅い位置でのクロスも多くなり。

ここから動く気配は、33~34分にプレッシングを受ける→GKへ戻してロングフィード→相手が回収、という応酬を見せてから。
続く局面では、地上から繋がんとした宮崎に対し、右サイドで高橋がパスカットして富山がショートカウンターに持ち込みます。
しかしそのまま自ら切り込まんとした高橋でしたが直ぐに奪われて実らず。
すると続く35分に今度は宮崎が、敵陣右サイドで武がカットしてそのまま裏へスルーパス。
中央で橋本が走り込む所、前に出たGK田川がこれを遮断して窮地を凌ぐと、そのままエリア外でのキープで井上怜のプレッシャーをいなすという余裕も見せ。

今度はショートカウンターの応酬といった絵図も、この田川の技術により個人技で上回る事が憚らずも証明されたか、以降攻撃権を支配する富山。
冒頭で述べた通り、レイリアがサイドに開く事で、人数を掛けて奥を取る事も容易になり宮崎を押し込む時間が長くなります。
ここから単調にはなりたくない所でしたが、細かい繋ぎでポケットを突く姿勢は見せるものの、宮崎ディフェンスも堅さを見せてフィニッシュには辿り着けず。
立ち上がりから、一貫してCKを量産する流れは保っているのが救いなものの、逆に宮崎ディフェンスもボックス内は「セーフティで良い」という姿勢に徹して余裕を生んでいた感があり。

結局スコアレスのまま前半が終了。
すると富山はハーフタイムで動き、レイリアを退かせる選択を採り碓井と交代、同時に佐々木→古川へ交代も加えての2枚替え。
どうしても負けられない試合故に、フィニッシュが膨らまない事を気に病んでの采配だったでしょうか。
後半は、投入された2人による2トップ気味な布陣へとシフト。

この采配により勢いも加わり、立ち上がりから相変わらず攻撃権を支配する富山。
反撃を試みる宮崎の繋ぎも遮断する事で連続攻撃に入るという具合に、相手に何もやらせないという時間も作ります。
後半5分に攻めが途切れたのち、右サイド(宮崎から見て左サイド)深めに追い込んで縦パスを西矢がカットしてからの二次攻撃。
右ポケットを窺いながらの細かい繋ぎを経て、高橋のスルーパスに走り込んだ西矢が奥からマイナスのクロス、ニアに古川が走り込む絶好機となるも手前でクリア。
尚もCKを2本続け、ひたすらゴール前での好機を生むもフィニッシュだけは放てずという流れに。

しかし8分の宮崎のゴールキックから、ロングフィードに対しクリアにいった鍋田が、エンリケと被ってしまったか触れず橋本の収めを許し。
そして井上怜が左サイドを抉って奥からクロス(GK田川がキャッチ)と、この試合(24節・北九州戦、0-2)でも見られたロングボールの対応力の課題が浮き彫りとなる富山。

そんな格上クラブの隙を突きたい宮崎は、11分にもGK青木が(高橋の右からの)クロスをキャッチしたのち、素早いスローからカウンターに。
武→阿野と経由し、エリア内へのスルーパスが送られましたが走り込む橋本には合わず。
同じフィニッシュ数は膨らまずも、宮崎の側は攻撃機会自体が少ない事で意味合いは異なり。

つまりはカウンターに活路を……という流れが過るものの、意外にもGKからの組み立てで仕留めに掛かります。
既に4分に自陣左サイドでの繋ぎで、ボランチの安田や遠藤がパウサを見せたのちパスワークで前進、という場面を作るなど保持の姿勢は失われておらず。
迎えた13分、GK青木への戻しで富山のプレッシングを引き込んでからショートパスでの前進を果たし。
右サイドで橋本のポストワークを軸に前進も、松本優へのパスが遮断された所をすかさず安田が拾い、薄くなった中央からに切り替え。
そして武が果敢にミドルシュートを放つと、ゴール右へ豪快に突き刺さります。
劣勢のなかでの一刺し……の一言では言い表せないような、最後方からの組み立てによる攻めでの先制点を挙げました。

キックオフの前に宮崎サイドが動き、井上怜→五月田へと交代。
直後にも宮崎は、GK青木のロングフィードのセカンドボールを確保して敵陣でポゼッション。
先制点を挙げた武が、左奥へ切り込む姿勢からのマイナスのカットインと、再度撃たんとする姿勢を見せましたがここは外回りのパスワークから辻岡のクロスに終わり。

一方思わぬ失点という感の強い富山、目の色を変えて攻め上がる他無く。
宮崎がカウンターの姿勢を強めた事もあり、簡単にボールを確保する事は出来るもののそこからどうするか。

前半から続けている、左サイドでの安光の偽サイドバック的な動きによる崩しに活路を見出す事に。
ワイドに布施谷を張らせ、その内側に走り込む安光がポケットを突くのが狙いなものの、依然ボックス内の堅い宮崎に対してそこからの崩しは厳しく。
よって布施谷がそのまま奥へ切り込んでクロス、という姿勢へと傾倒するのも止むを得ず。

それでも立ち上がりと同様、攻撃が途切れても宮崎のカウンター狙いのロングボールは(精度を欠く事もあり)その殆どを遮断に成功、そして二次攻撃という流れを継続させ。
23分ここもクリア気味のミドルパスをエンリケが跳ね返して継続と、分厚い攻めを見せるものの、結局は左ワイドの布施谷に託してクロスという立ち回り。
しかもこのクロスが思わぬアクシデントを呼び、ファーで合わせにいった碓井の前で(江川に)クリアされると、後方の辻岡と頭部同士激突する事態が生まれてしまいます。
大したダメージ無く起き上がる辻岡を余所に、起き上がれずにそのまま交代の運びとなってしまう碓井。(脳震盪による交代)
不測の事態によるインアウトで、緊急的に吉平を投入、そのままFWで起用します。

長いブレイクののち、CKから再開と攻勢を継続させる富山。
2本目の右CKで、キッカー高橋のクロスに対しGK青木のパンチングが小さくなり、こぼれ球をダイレクトで安光がシュートしますが惜しくも左サイドネット外に終わり。

この後富山は、クロス攻勢が招いた思わぬ被害による負い目からか、以降再びクロス以外の攻め手を探り。
しかし自陣で守備を固める宮崎の前に、どうしても外回しでの運びを押し付けられる展開が続きます。
32分、敵陣での左→右へのサイドチェンジが辻岡にカットされると、拾った五月田のドリブル突破によるカウンターに。
一気に奥まで切り込んだ五月田のマイナスのクロスを、ニアで武が受けるという具合に、この日は魅入られたように武へと集まる宮崎のフィニッシュ。(その後キープからシュートもブロックされる)

それでも守勢の宮崎、30分に遠藤が足を攣らせるなどそのダメージは隠せません。
勝負所がやって来たという感じで、富山は33分にカードを切りエンリケ→松岡へと交代し、その松岡が右SHに入る事で高橋がボランチにシフト。

34分、中盤からショートパスを経てその松岡が切り込むという絵図を作ると、辻岡がたまらず倒してしまい反則。
これにより右ハーフレーンから良い位置での直接FKと、左からのクロスとは毛色の違う好機が生まれ。
攻守ともに入念な調整を経て、キッカー高橋から放たれたシュートは壁を直撃するも、そのままゴールラインを割り右CKへ移行。
富山のセットプレー攻勢も極まれりという状況で、ここからキッカー高橋のクロスをニアサイドで古川が合わせ。
フリック気味に合わせたヘディングシュートで対角を突いたものの、左ポストを直撃(跳ね返りをGK青木がキャッチ)と、これでも決められません。

その後も37分に高橋がミドルシュート、ブロックされての繋ぎから西矢が右ポケットへのカットインからクロス(精度欠く)と、左からの攻めは意図的に避けていた感があった富山。
40分に双方選手交代で、宮崎が遠藤→坂井。(それ以前の38分に阿野→魚里へと交代)
そして富山は西矢・末木→神山・河井と、脳震盪により追加された1枠も使いきって最終局面に入ります。

怒涛の攻撃を仕掛ける富山の前に、宮崎の攻撃機会は僅か一度(42分)と、すっかり専守あるのみで「1点を守りきる」モードを強いられ。
その富山の攻撃も、時間が押し迫った事で再び左から布施谷がひたすら仕掛けるモードに入るなど、両者とも既に余裕の無い立ち回りを隠せません。
それでも44分、例によって左奥を布施谷・安光の2人で崩すと、ポケットへのパスを河井が中央へ小さい浮き球を送り。
これがディフェンスに当たりこぼれるも、拾った吉平を経由し神山がシュート(辻岡がブロック)と、クロス以外の手段を模索。

そして突入したアディショナルタイムは、アクシデントもあり9分という長さに。
しかし宮崎ディフェンスの集中力は切れず、時間経過で富山の焦りが拭えないという展開に。
左スローインで直接左奥を突き、布施谷のカットインは防がれるも、拾った河井のマイナスのクロスがポケットの古川へ。
そしてブロックをかわしてシュートするも、枠を捉えられず。

1点が遠いなかで、今瀬を前線に上げるパワープレイへと舵を切り。
それでも最終ラインから組み立てる姿勢と、左から切り込む攻め手は変わらず。
しかし布施谷は自らの突破に賭ける意識へと傾倒し、奥へ切り込んでもクロスを入れずマイナスのカットイン。
堅守の前に戻し→河井の手前からのクロスという手段になるも、ここから乱戦となり、今瀬の折り返しがこぼれた所を安光が拾い。
そして戻しから再度河井がクロス、クリアボールが高く上がった所を空中戦に持ち込み、今瀬が落として右ポケットへこぼれた所を松岡が走り込んでシュート。
江川のブロックを掠めてゴールに突き刺さり、まさに「こじ開ける」という表現が相応しい同点弾となります。

一方最後の最後で……という状態に陥った宮崎、キックオフの前に武→吉澤へと交代。(富山サイドの脳震盪のため4度目の交代に)
尚も富山の攻撃を浴びるなか、ゴールキックのロングフィード→吉澤フリックと、細い線を繋いで久々の好機。
右サイドでボールを確保したのち、橋本が奥に切り込まんとしましたが、コントロールミスでゴールラインを割り。
最後まで出続けた橋本でしたが、既に体力切れを示すのみに終わってしまいました。

結局1-1のまま試合終了の笛が鳴り。
死力を振り絞っての戦いでしたが、内容的には攻め続けた富山の方が手痛い引き分けであり。
しかし宮崎も残留を確実にする勝ち点3が欲しかった所で、順位的には同程度の痛み分けだったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第31節 SC相模原vsギラヴァンツ北九州

2024-10-11 18:14:57 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 相模原は、田代が累積警告により出場停止。

日に日に少なくなる残り試合。
思うように成績が伸びないクラブのサポーターは、「あの時勝ち点を得られていれば……」という後悔の念に駆られる時期でしょうか。

昇格争いのなか、ともに下降線に入りつつある2クラブの対戦。
相模原はシーズン途中で、シュタルフ悠紀リヒャルト氏を監督に招聘したものの、以降黒星の方が先行してしまう歩みとなり。(4勝3分5敗)
こうなると監督交代した意味、ならびにクラブのアイデンティティが失われかねない瀬戸際という、何としても巻き返したい残り8試合と化す事に。(この日から、そのシュタルフ氏の発案でユニフォームのデザインを一新したそうな)
一方の北九州も、無敗記録が途絶えてから4敗を喫する足踏みを強いられている最中で、プレーオフ圏を死守しなければならない状況に。
29節(岐阜戦、2-0)には、正GKだった田中が負傷そして離脱というアクシデントにも見舞われ、苦境は続きそうな予感ですがどうなるか。

早々の前半1分、北九州は高が(高吉に)反則を受けた事で中盤からのフリーキック、遠目ながらも放り込みを選択。(ロビングを杉山がフリックもGK三浦に抑えられる)
無理矢理にでも好機を作る事でリズムを齎したかったですが、3分にはボールと無関係な所で永井が長谷川雄に倒されるも、反則の笛は鳴らず。

これで逆にリズムを失ったか、相模原の攻勢に入り。
しかしこちらも、ロングボールやアーリークロス中心の立ち回りで、FKも中盤から放り込みと似たような攻撃。
5分に得たコーナーキックでは、福井・植田の2人がキッカーに位置するなど、セットプレーを強く意識させる事に割いた感がありました。

勝ち点差が近いチーム同士の対戦で、それが北九州サイドにも伝染したか。
14分に工藤の左→右への対角線のロングパスから、セカンドボールを拾ってパスワークに入り、スルーパスでポケットを突いて右CKに持ち込み。
するとキッカー矢田はストレート性のクロスをファーに送り、工藤が合わせボレーシュート(ブロック)とこちらもこだわりを見せ。
引き続き2本目の左CKで今度は岡野がキッカーとなるも、ゾーン+マンツーマンの併用で守る相模原サイドが難儀。
ポジション取りの中で伊藤恵が倒され、その後取り直すものの北九州選手に挟まれる格好となり紛糾、主審に注意を受ける事態となりました。(結局ここからはフィニッシュに繋がらず)

前回観た際(18節・松本戦、3-2)は、監督代行時なのもあり伊藤恵頼みの攻撃といった印象が残る相模原。
しかし今回は最終ラインから地上で繋ぐのを根底とし、シュタルフ監督が率いるチームらしい姿を見せていきます。
それでも北九州のプレッシャー、特に中盤に付けた際にタイトに寄せる高吉の強度に難儀する形で、際立った好機は生まれず。
そのため彼を避けるように左サイドでの組み立て、特に長谷川雄が後方から送るロングパスを、高野に届けてからどうにか攻撃を展開させるという立ち回りへと変化を見せ。

相模原の理想を曲げる事に成功し、「良い守備から…」という格言の下、徐々に主導権を握っていく北九州。
立ち上がりは、ロングボールを送り続けて巧く繋がれば……という攻撃でしたが、次第に後方での繋ぎで相模原のプレッシングを呼び込んでからのロングボールという立ち回りにこちらも変節。
守備でも攻撃的にバックパスに激しく寄せる相模原に、別の意味で(激情派の)シュタルフ氏らしいチームだと思わざるを得ませんが、そんな相手の特性を突く攻めでペースを掴みます。

そうしたお互いの攻撃面がぶつかり合う試合展開。
24分の相模原は例によって長谷川雄のロングパスを高野が受け、そのまま左ポケットへ進入してグラウンダーでクロス。
クリアされるも尚も左ポケットで拾い直すと、今度は逆のポケットへ小さくサイドチェンジのパスを送り、受けた綿引がカットインからシュート。
乾のブロックでエリア外へこぼれた所を、拾った植田がミドルシュートで追撃(杉山がブロック)と厚みのある攻めを繰り広げ。
北九州も直後の25分、最終ラインでの繋ぎで、相模原を引き込んだのち工藤が縦パスを通し。
岡野は収められずも、こぼれ球を矢田が1タッチでスルーパス、左ワイドで受けた永井が単騎で持ち運んでカットインからシュート(加藤がブロック)とこちらもらしさを発揮。

その直後の27分、北九州が右からのFKで好機。(ここもバックパスに喰い付いた高野の反則・警告)
手前からのクロスが中央に上がり、GK三浦が乾と縺れながらパンチングで掻き出しますが、後方から走り込んだ高吉がダイレクトでミドルシュート。
強烈なフィニッシュに、交錯で倒れていたGK三浦は反応できずにゴールに突き刺さり。
緊迫の展開での先制点に、ひとしきり北九州サイドが歓喜に沸いたものの、GK三浦の抗議により協議に入る審判団。
当然乾の反則を要求してのもので、その結果判定が覆りゴールが取り消される運びとなり、ぬか喜びと化してしまいました。

失点せずに済んだ相模原、北九州のプレッシャーにも慣れ、改めて後方からの組み立てに入り。
それでも基本は長谷川雄の居る左からで、その姿勢からサイドチェンジを混ぜる事で左右をフルに使いに掛かります。
34分に敵陣でそのサイドチェンジを綿引が受け、スルーパスでポケットを突いて福井がマイナスのクロス。
ニアで合わせにいった伊藤恵はミート出来ずも、こぼれ球を植田がシュート(高吉がブロック)と、何人も係わる厚い攻めはこちらサイドでも変わらず。

しかし35分、今度は直に右から運ばんとしましたが、綿引のドリブルが囲まれて北九州が奪取に成功。
そして高が中央からミドルシュート(長谷川雄がブロック)と、その後方からのビルドアップは万全で無い事が示され。
一方北九州も43分、後方からの縦パスが高吉にぶち当たる格好でロスト、伊藤恵が拾い相模原のショートカウンターになるも大事故には繋がらず。

お互いミスも絡みながら、睨み合いを続けた末に前半はスコアレスで終了となり。
敗戦による昇格争いからの脱落は許されない、という思いが強く出た前半だったでしょうか。

共にハーフタイムでの交代は無く、始まった後半。
前半同様北九州は永井狙いのロングボールという立ち回りで、様子見兼ペース確保を図り。

しかしその攻撃に相模原サイドは対応ミスを見せ。
いきなりの後半1分に、エリア内でそのロングパスを永井が受ける(クリアされ撃てず)という絵図を作られた影響か、続く2分にはその受けにいく永井に対し長谷川雄がチャージ。
永井は倒され受けられずも、流れた所を拾った高が、そのまま頭で浮き球をコントロールした末にエリア内を突き。
そして切り返しから右足でシュートを放ち、右サイドネットを揺らす事に成功します。
今度は正真正銘のゴールで、手荒い祝福を受ける高により先制点の実感を得た北九州。

入りに失敗、という格好でビハインドとなってしまった相模原。
その後もそれを引き摺るかのように攻撃を成り立たせられず、5分にはまたも浮き球を収めた永井に対し小笠原が倒してしまい、今度は反則の笛が鳴り警告まで付く事に。

6分、プレッシャーを掛けにいった矢田が主審(堀善仁氏)と激突し倒してしまうという北九州サイドのハプニングを尻目に攻めに入り。
左ワイドでドリブルに入る高野ですが、そのまま奥へと切り込むと見せかけて遠目からロングシュートを狙い。
GK大谷がキャッチして終わると、その高野が足を痛めて倒れ込んでしまう、こちらもアクシデントに見舞われ。
しかし主審は無事だったものの、高野は一度起き上がるも再度倒れて続行不能と、こちらには実害が生まれてしまう事となります。
すかさず橋本と交代する運びとなった相模原ですが、ブツ切りの流れも強いられ一向に反撃機運は高まりません。

最終ラインでボールを持っても、永井を中心とした北九州のプレッシングの勢いが勝り繋げられず。
また高野→橋本となった影響か、前半のように裏抜けでロングパスを受ける事も無くなってしまい、八方塞がりの状態を強いられます。

こうなるとベンチワークで流れを変える他無く、16分に3枚替えを敢行したシュタルフ監督。
岩上・福井・伊藤恵→西山・徳永・高木へと交代(いずれも同ポジション)し、駒の変更で新たな攻めを模索します。

その効果が出る……というようりは、効果を出すべく矢印を前に向けるといった攻撃。
20分中盤で瀬沼のボール奪取からショートカウンターに持ち込み、中央を素早く前進した末に綿引が右からカットインシュート。
ブロックを掠めながらゴールに向かうも、GK大谷のセーブに阻まれて右CKに。
しかしそのCKでは、高木の落としが繋がらずにカウンターに持ち込まれ、高のドリブルを西山が反則で阻止して警告を受ける始末。
依然として流れは良くありません。

そして25分、相模原の後方からのミドルパスを高吉がカットにいったところ、瀬沼のチャージで倒れて反則に。
北九州の中盤からのFKとなり、前半同様に遠目でも放り込みを選択する流れに従い、キッカー矢田のロビングを乾が落とし。
そしてトラップにいった工藤が、綿引に削られて倒れてしまうと、再度反則を告げる笛が鳴り響きます。
今度はエリア内であり当然ながらPKで、ガッツリ足が入ってしまう絵図により綿引に警告というおまけも付き。
思わぬ追加点のチャンスを得た北九州、キッカーはエース永井が務め、殆ど間を取らず勢いを持ってシュート。
グラウンダーのボールがゴール左へ突き刺さり(GK三浦は反応するも届かず)、しっかりと決めリードを広げました。
直後にその永井が退き、牛之濱を投入。(同時に矢田→藤原に交代、高がFWに・岡野が右サイドハーフに回る)

その後、相模原も瀬沼狙いのロングボールの色を高め、何とか糸口を掴まんとする立ち回り。
(主審の)PK判定を下した負い目が加わったか、跳ぶ瀬沼に対しての反則が膨らむ事で、そこからのFKに活路を見出し。
30分の右ワイドからのFK、距離はあったもののキッカー植田は直接狙い、手前でバウンドする難しい軌道となりましたがGK大谷は両手で何とかセーブ。
更に33分、中央ながらも中盤付近と先程より遠い距離でのFK。
再び植田は直接シュート、無回転のボールで一気に狙ったものの大きく外れて結局実らずとなります。

35分に最後のカードを使う相模原、長谷川雄→栗原イブラヒムジュニアへと交代。
DFを削った事で4バックとなったようですが、それ以前の布陣は不透明に見え。
恐らく西山アンカーの4-1-3-2ないしは4-3-1-2となり、高木がトップ下で瀬沼・栗原の2トップ、というものとなったでしょうか。(あくまで推測)

しかし明確な判別の前に、更なる激震に見舞われる相模原。
直後にボール確保からの作り直しに入るも、縦パスがズレた所を井澤に縦パスを送り返され、北九州のショートカウンター。
そしてそのままエリア内へ入り込んだ井澤、牛之濱→乾と経由したのち左から上がった低いクロスを、ボレーシュートで叩き込み。
コントロール重視で合わせたボールがゴール左へと吸い込まれ、勝利を決定付ける3点目を奪います。

これだけでは終わらない激震。
39分再び北九州の攻撃で左から前進を図り、高とのワンツーで抜け出さんとする牛之濱。
そこを綿引が倒してしまい反則となると、好機阻止のオブストラクションと判定され警告対象に。
そして2度目という事で退場処分となってしまった綿引。
布陣変更による混乱から抜け出せないといった流れの末、窮地に追い込まれてしまいます。

悔やんでも仕方無く、以降は綿引を抜いた格好でそのまま3バックとなる最終ライン。
数的不利ながらも、既に3点差で失うものが無いと言わんばかりに、全員が人一倍走る事で何とかカバーせんとする相模原。
43分に西山のパスカットからの攻めでそれが実りかけ、右からの植田のクロスを栗原が合わせましたが、工藤のブロックに阻まれ。

その後は北九州が余裕を持ってボールを回し、前に出る相模原をいなした末に好機を作るという繰り返しに。(43分に高→渡邉へと交代)
45分左サイドでの細かい繋ぎから、藤原のサイドチェンジで密集を脱出し、坂本が右からクロス。
ファーサイド奥に上がったこのボールを、渡邉が足から跳び込んで合わせましたが、GK三浦のセーブに阻まれ4点目はならず。

アディショナルタイム経過後も、冷静にボールとペースを握り続ける北九州。
ベンチも最後の交代を準備(若谷と喜山)したものの、それが実現される無くボールを回し続ける事に成功しました。

そして試合終了となり、0-3で勝利した北九州が4位へと浮上。
J2時代は、いくら好成績を残しても不運(J1ライセンス未所持・ウィルス禍で)により参加できなかったプレーオフ。
J3での導入でようやく初の経験という、喜劇的な結末を迎える事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第30節 松本山雅FCvs奈良クラブ

2024-10-04 18:27:52 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本ホームで、前半キックオフは↓と逆のコート…だったが、コイントスでコートチェンジされて結局↓の通りにスタート。
  • 奈良は、下川が前節退場となった(警告2度)ため出場停止。

J3の中では、相対的な強者というクラブ規模の松本。
しかしそれが有効活用されているとはいえない、2022年からのJ3生活を余儀なくされている状態であり。
高性能のエンジンがひたすら空回りを続けるようなその姿は、傍らから観ている分には可笑しくもありますが、待っているのは無駄な浪費という厳しい評価。
今季も昇格争いのなか後方から追い掛ける立ち位置と、周囲満足させるにはまだ不十分といった所でしょうか。
この日は、監督交代で降格危機を凌ぐという立場の奈良との一戦。

その奈良の新監督は、5年ぶりの監督業となった中田一三氏。
京都監督を辞してからJリーグとは距離を置き、前年にJ2・清水のコーチに就いていただけに、今回もサプライズ気味な就任となり。
前回同様に外野から独特な視点をクラブに齎してくれるでしょうか。
なおこの日はピッチサイドでの声出しをコーチにほぼ任せるなど、京都時代同様コーチに多大な権限を渡しているようであり。

松本ボールのキックオフ、初手はいきなり菊井のセンターサークルからのドリブルと意表を突いたもの。
ロングパス・奈良のディフェンスが挟まれ、拾った菊井が右奥に切り込む所までいきましたがタッチが長くゴールラインを割って終了となり。

松本サイドは周知の通り、村越や菊井が降りる事による可変で、サイドバックを高い位置に押し上げてのビルドアップが中心。
一方の奈良は、その可変を殆ど行わなずの繋ぎの姿勢。
監督交代から間も無い為難しい事はしないという判断か、ないしは「可変せずともポゼッションを高める事は可能」という思惑の下か。
中田氏就任以降、これまではロングボール中心のサッカーを徹底していたとの事で、そうなるとやはり前者の意識が強いものだったでしょうか。

開始10分間は、お互い良い時間帯を持った一進一退の攻防。
試合の天秤が動いたのが前半11分、奈良のビルドアップに対し、ボランチ(堀内)に対し同じボランチである安永が詰めてボール奪取に成功した松本。
そして自ら切り込んでのショートカウンターになり、右ポケット奥に切り込む絶好機を迎えましたが、追走してきた堀内に倒されて撃てず。
反則の笛も鳴らずと、ホーム・サンプロアルウィンのスタンドに多大な不満を与えるに至ります。

これでややもすると逆上気味となった松本ですが、空回りさせる事無く攻勢に入り。
13分に右サイドからの前進、菊井のスルーパスに走り込んだ安藤のクロスがブロックされ、コーナーを得ての攻撃。
ショートコーナーからの繋ぎを経て、角度を付けての低いクロスを選択したキッカー山本龍。
これをニアに走り込んだ安藤が合わせにいき、澤田と縺れながらもこぼれたボールがそのままゴール内へ転がり込みます。
最初は安藤が掠らせてのゴールゲットと思われましたが、澤田にしか当たっていなかったため(そしてクロスが直接枠を捉えていたため)山本龍のゴールとなり。
いずれにせよ、無事に攻勢をスコアに繋げた松本がリードを奪いました。

この日も、強敵相手とあり一筋縄ではいかない展開を強いられる事となった奈良。
しかし17分、左サイドを西田・岡田優の連係で突破してビルドアップを成功させると、ポケット奥からの岡田優のクロスをニアでケンチザンガが合わせ。
これが中央へと浮き上がる絶妙なフリックになると、大外から入り込んできた生駒がボレーシュートを放ち、ゴールに突き刺します。
ファーストシュートでの得点で、すぐさま同点に追い付き。

これで視界良好といった奈良ですが、直ぐにアクシデントに襲われ。
19分に堀内が足を痛めて倒れ込み、さらに松本サイドが攻撃を止めなかったため、数的不利での守備を強いられ。
何とか撃たせずに切ったものの、堀内は続行不可能となり交代を余儀なくされる事に。
同じボランチに、森田が投入され急場を凌ぎに掛かります。

得点により、この日の地上で繋ぐ姿勢をさらに固定化させる奈良。
しかし松本も、サイドハーフが前に出てしっかりと3バックに対し嵌めにいくプレッシングが基本姿勢のため、この局面での勝負を制さなければ前進はままならず。
25分、右から前進と見せかけてGKまで戻し、相手を引き込んだ所でGKヴィトが逆の左へフィードを送って脱出。
そして西田のドリブルで敵陣中盤まで持ち込み、パスワークで右へ展開ののちエリア内を突きに掛かる(生駒の浮き球パスで國武が裏を突くもクリア)という具合に、あくまで逃げずに挑み続けます。

しかしまともにぶつかり合う結果、個の力で勝る松本が攻撃機会で上回る流れに。
流動性の高い松本のビルドアップに対し、ハイプレスを掛けるのは分が悪く、自陣で構える意識を高めるというこちらの面では下手に勝負を挑まない立ち回り。

それにより松本も、パスを繋ぐもののセットプレー以外では中々フィニッシュワークに入れず時間を浪費していき。
しかし40分、奈良の最終ラインに対しプレスを嵌め、パスミスを誘って敵陣深めでの左スローインと矢印が反転。
安永・山本龍との細かな繋ぎから、安藤がカットインを経てハーフレーンからミドルシュート、これが左ポストを直撃。
跳ね返りをすかさず村越が詰めましたが、鈴木のブロックに阻まれて惜しくも決められません。
奈良の立ち回りから、やはりハイプレスによるショートカウンターが、最も可能性が高いといったこの日の松本。

しかしその後も松本のボールポゼッションによる攻撃は続き、菊井が降りるのに伴い、ボランチが前に出てチャンスエリアを突く絵図が増えるなど流動性は加速。
アディショナルタイム、佐相が右サイド奥を取るも、戻しから菊井のミドルパスで右ポケットを突く攻撃。
走り込んだ安永のポストプレイを経て、山本康が1タッチでシュートを放ちましたがふかしてしまい。
流れるようなパスワークも、詰めの部分が今一つといった松本サイド。

結局1-1のまま前半が終了。
早い段階で共に得点するも、その後動かなかった事で、後半は我慢の時間が長くなる事を暗示していたでしょうか。

迎えた後半開始、固定ポジションでのボール保持というスタイルはあくまで変えない奈良。
しかしパススピードを速くしたり、一つ飛ばしのパスを多用する変化を付けて松本のプレッシングを無効化するシーンを目立たせます。
前に出て来る松本SHに対し、鈴木→澤田への速く長いパスで小谷を飛ばす事で、プレッシャーのタイミングをずらして繋ぐのを容易にするという具合。

対する松本も、後半3分にケンチザンガへの縦パスを常田が前に出て潰しボール奪取。
そして拾った安永が前進し右ポケットへパスとショートカウンター、受けた佐相が奥へ切り込んでシュート。
対してGKヴィトが距離を詰めてブロックのような形でセーブと、決定機を防ぎます。

一方松本の主体的な攻撃は、要所での1タッチパスで崩す意識が高まったでしょうか。
しかし8分に野々村の縦パスから村越が1タッチで出されたスルーパスに菊井が反応できずと、精度と意図を欠く格好で中々繋がらず。

奈良の繋ぎの変節により、松本もプレスが機能しない事でリトリートの意識が強まり。
それを見るや鈴木や澤田が持ち運びでスペースを突き始め。
相手の姿勢に対して適切な手段を取る事で、ペースを奪いに掛かり。

11分に森田のロングパスで裏を突き、岡田優がトラップで抜け出しに成功しかかりますが、前に出たGK大内がクリア。
しかしセカンドボールを拾っての繋ぎから、神垣縦パス→國武フリックで再度岡田優が裏を突き、エリア内からシュートを放ったもののゴール右へ惜しくも外れ。
回数は少ないながら、先制点のような鋭い攻めも何度か見られるようになる奈良。

対する松本は攻撃機会は相変わらず上回るも、アタッキングサードでのパスミスが目立つなど精度の面で劣り。
先んじて動く事を強いられるのはある意味当然で、17分に山本龍・安藤→馬渡・山口へと2枚替え。
馬渡が右SBに入る事で、樋口が左に回るというポジションチェンジも絡めます。

さらにこれにより、SBがひたすら高い位置を取る攻撃の一辺倒を改め。
馬渡が後方に残り、バランスを取りながら自らも「偽SB」の動きで前線に絡むなど、経験豊富らしく一味違った攻めを加える馬渡。

その交代策の効果が出る前に、奈良は19分に生駒右ポケットからグラウンダーでクロス→ケンチザンガシュート。(ブロック)
直後にも後方から間を通す縦パスを経て、右サイド奥を取った生駒のクロスの跳ね返りを拾った神垣がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、ペースを保ちゴールを狙い。
しかし決められずに終わると、松本ペースへと針が傾くのを止められず。
馬渡を軸とし、佐相をはじめとした前の選手が躍動する右サイドアタックに難儀する時間が続きます。

26分にさらに松本ベンチが動き、山本康→國分へと交代。
対する奈良も28分に動き、ケンチザンガ→パトリック・グスタフソンへと交代。
しかし依然として松本の流れは続き、29分に再度佐相・菊井により右サイド奥を窺い、菊井が右ポケットへのカットインを経てシュート。
GKヴィトがセーブし、跳ね返りを佐相がさらに折り返すもこれもヴィトが抑え。
守護神の奮闘による凌ぎ、という展開が避けられなくなってきた奈良。
以降は守勢を貫き、松本にブロックの外側でのパス回しを押し付ける事で、何とか破綻を防ぎます。
容易な崩しは出来なくなった松本ですが、これにより(GK以外)全員敵陣に入り込んでのパスワークの機会も増え、「後は無駄にカウンターを喰らわなければ……」という流れにもなり。

奈良は投入されたグスタフソンを使ってのカウンターを何度か試みるも、彼にスルーパスを送っても単騎のみではやはり厳しく。
松本ディフェンスも適切に対処し、シュートチャンスが生まれる事はありません。
その間に勝ち越しを果たしたい松本も、奈良の堅守を崩しきるまでには至らず、フィニッシュも激減します。

そんな流れで終盤を迎える、といった所で、松本は最後の交代を準備。
しかしその最中に安永が足を痛める事態が発生(37分)し、一旦取りやめて微調整を強いられる事に。
憚らずもそれによるブレイクで、まるで飲水タイムのように両陣営ピッチサイドで過ごす時間が生まれる事となりました。
そして松本の交代(40分)に合わせ、奈良も最後のカードを切る事に。
安永・佐相→住田・滝へと2枚替えした松本に対し、西田・國武→都並・嫁阪とこちらも2枚替えを敢行した奈良。

依然として、攻め込むもシュートを撃てない松本・攻める機会が殆どない奈良という展開は変わらず。
44分、奈良は自陣での奪い合いから、神垣がボールを確保してドリブルに入り。
カウンター突入かと思われましたが、あろう事かドリブルのコースがグスタフソンと被ってしまいボールロスト、村越が拾い逆に松本の好機に。
そして左サイドへ展開ののち、住田のファーへのクロスを奈良がセーフティにクリアした事でCKになると、2度目の馬渡のクロスから常田がヘディングシュート。
ようやく放たれたこのフィニッシュをGKヴィトがセーブと、再び得点の匂いが高まって来ます。

そして奈良を完全に守勢に追い込んだ松本が、尚も攻め上がりを見せるAT。
再び、CKから常田のヘディングシュートが放たれるも今度は枠を捉えられず。
奈良のゴールキックからのロングフィードも、跳ね返す事で矢印を反転させ相手の攻めを許しません。

しかし肝心のゴールには後一歩届かず。
最後は右から馬渡がロングスロー、野々村がフリックするも繋がらず、という所で試合終了を告げる笛が鳴り響きました。
どうしてもプレーオフ圏に入りたかった松本と、監督交代後の初勝利が欲しかった奈良が織り成した痛み分け。
リーグも終盤故に劇的な変化は難しい状況ですが、共に目標達成を果たせるかどうか。

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