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DAZN観戦 2024年J3リーグ第29節 FC大阪vs福島ユナイテッドFC

2024-09-28 16:04:45 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • FC大阪ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島は、大関がU-19代表に参加のため離脱中。

試合消化が最も遅いJ3リーグも、佳境に突入したと言える残り10試合。(福島は試合中止で1試合多いですが)

注目は当然ながら激しい昇格争いですが、自動昇格争いはというと既に大宮はほぼ確定として今治・富山の2クラブに絞られた感があり。
反面今季からJ3でも生まれた、プレーオフ争いにおいては数多のクラブが絡む状況。
そしてその枠に大外から食い込まんとする2クラブの対戦となったこのカード。
日程的にも、今節はこの試合のみが月曜開催で、既に試合を終えた他クラブを追うには格好のロケーションとなったでしょうか。

しかし、その分次節の間隔が短くなる事を憂慮してか、アウェイの福島はターンオーバーが図られ。
大関が代表参加という事象に合わせるように、前線のメンバーを中心に5人入れ替えてこの試合に臨み。
当然ながら、普段のパスサッカーを保つのか否かに焦点が集まる事となりました。
かつピッチ上は、元ラグビー場というFC大阪のホーム・花園ラグビー場で、風もやや強めと難しい環境でのサッカーとなったので尚更であり。

そして始まった試合。
前半は福島が追い風という要素もあり、それを活かすべく裏へ浮き球を送り込む立ち回りが中心に。
他方FC大阪サイドも、元からそうした志向の強いスタイル故に、ボールが落ち着かない立ち上がりとなるのはある意味必然でありました。

そんな中、前半5分にFC大阪は右から久保がロングスロー、クリアボールを美馬がダイレクトでミドルシュート(枠外)とファーストシュート。
福島のゴールキックで再開となり、本来のポゼッションで落ち着けに掛かるという大方の予想でしたが、それを覆し。
短く繋いだ刹那ロングパスを送るその裏を掻く行動で、これを清水がフリックした事で一気に裏を取りボールを持った長野。
そのまま右ポケットへ切り込みシュートを放つと、ゴールネットが揺れて電光石火の先制点となります。
まさかの福島サイドの行動に成す術無かったというFC大阪サイド。

試合環境を活かし、イニシアティブを握る事に成功した福島。
その後も、大関も針谷も居ない中盤を省略する攻撃を目立たせる、普段とは逆のスタイル。
8分には中盤からのフリーキックで放り込みを選択、左ワイド奥へ上がったボールを清水が折り返し、受けた矢島がデイフェンスに遭うも左コーナーで継続。
ここからも、クロスの跳ね返りを上畑がヘッドでエリア内へ送り、収めた清水が反転シュートにいく(舘野がブロック)という具合に浮き球での勝負。

しかしボールを握らないその立ち回りは、当然ながら相手に攻撃権を渡すという事でもあり。
FC大阪のアバウトかつダイレクトな攻撃に何度も晒される事となります。
それを危惧し、その後地上から繋ぐ姿勢を見せたものの、15分には増田のプレッシャーを受けた山田将のフィードが遅れてしまい。
そして先に触った増田を思いきり蹴ってしまう形で反則、直接FKを献上する事に。
横軸は右ハーフレーンで、キッカー舘野が当然の如く直接シュートを放ち、ゴール右を襲ったこのフィニッシュをGK山本海がセーブ。
尚も右サイドで繋ぎ、澤崎の手前からのクロスを古川が合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、失点の危機を招き。

結局福島の地上からの攻めは、何度かアタッキングサードに切り込んだものの不発となり。
20分過ぎ辺りから、FC大阪の方がビハインドのチームらしく、最終ラインから繋ぐ攻撃へと舵を切り始めます。
こちらは福島のファーストディフェンスをいなしたのち、主にサイドからダイレクトプレイで奥を突くというシンプルなスタイル。
しかし度々クロスに繋げたりポケットへの切り込みに成功と、一定の成果を挙げ。
焦る福島は、29分にFC大阪の攻撃を切ったのち保持を図るも、縦パスを入れ替わって前を向いた城定の動きが読まれて夏川に奪われ。
そして再度後方に戻して攻めるFC大阪(澤崎エリア内へロングパス→古川走り込むもGK山本海がキャッチ)という具合に、攻撃機会で後れを取る事で、自慢の攻撃サッカーを見せられない展開。

それでも、ポゼッションを高めるFC大阪に対し、前線のプレッシングが機能する状況が齎され。
34分敵陣右サイドで奪った長野から、持ち前のショートパス攻勢に持ち込んでエリア内を突く攻めに入り。
小さい浮き球パス→フリックや、ヒールパスを駆使して進入を果たし、こぼれ球を松長根がボレーシュート。
ジャストミートせずも、こぼれ球を矢島がさらにボレーシュート(右サイドネット外)と分厚い攻めを見せましたが決められず。

一呼吸付くような好機が生まれるも、依然として大阪の圧を受ける展開は続き。
36分にはFC大阪の左CKという場面で、クロスの跳ね返りから夏川がミドルシュートを放ち、GK山本海がセーブ。
しかしこの跳ね返りを繋いでカウンターに持ち込む福島、長野が右サイドをドリブルで疾走、奥でキープという状況を作った末に(美馬に)反則を受けてFKに。(美馬に警告)
ここからはフィニッシュを放てずも、じっくり守れば必ずチャンスは訪れるという事を暗示したシーンだったでしょうか。

それでもその後はFC大阪にカウンターを受ける(40分)など、無理に攻撃を仕掛けては形にならず逆に危機を招く絵図が散見されるのは、今季貫いて来たスタイルの性か。
そんなギャップを突きたいFC大阪は、アディショナルタイムに左スローインから保持に入り、舘野のスルーパスで奥を突いて夏川のクロス。
跳ね返りを武井がすかさずエリア内へ送り返すと、古川がこれをバイシクルで合わせましたが惜しくもゴール左へ外れ。
良い攻撃を繰り広げたFC大阪ですが、同点にする事は出来ず前半終了となりました。

共にハーフタイムでの交代は無かったものの、福島サイドはポジションチェンジを敢行。
ウイングの位置を入れ替え、清水が右・長野が左となって後半に臨みました。

しかし後半は向かい風となる福島、その通りアゲンストを強いられる入りに。
FC大阪のラフなロングボールを駆使する立ち回りに苦戦し、守勢の流れを変えられません。
後半5分に右から久保がロングスローを投げ入れると、こぼれ球をエリア内で拾った武井がシュート(ブロック)とファーストシュート。

しかしこれが防がれた直後、カウンターを阻止せんとした久保が長野に対する反則で警告を受け。
これで勢いが止まったFC大阪、一転して攻撃が形にならない時間に突入し、アバウトな姿勢の報いを受ける事となり。

福島は9分、中盤でのプレッシャーで吉永がロングパスをブロックし、こぼれ球を拾って攻撃開始。
左サイドでの前進から溜めを作り、上畑のアーリークロスがファーに入ると、合わせにいく矢島の前でGK永井が跳び出してこぼれ。
これを拾った清水が後は無人のゴールに蹴り込むだけとなりましたが、放ったシュートはふかしてしまい決められません。

中々攻撃が形にならない展開で、福島は自陣でのミスからの危機が増え始め。
それを何とか凌ぎつつ、16分にゴールキックから短く繋ぐという本来のスタイルを見せ、松長根ミドルパス→収めた清水のポストワークでプレス回避。
左への展開を受けた長野が自ら持ち運び、左ポケットへ進入してシュートを放つも、美馬のブロックで左CK。
ここからキッカー鈴のクロスを、ファーで合わせにいった山田将の前でGK永井が跳び出して弾き、それを拾う清水という先程のデジャブのような場面が。
しかし今度も、放たれたシュートは水口のブロックに遭い決められず終わります。

GK永井の跳び出しが、キャッチにもパンチングにもならず危なっかしいといった、FC大阪のディフェンス。(前半は同サイドでの福島のGK山本の跳び出してのパンチングが見事だっただけに)
それを見たベンチも采配で流れを変えに掛かったでしょうか、19分に夏川・古川→島田・西村へと2枚替えを敢行。
入った2人による2トップとなり、増田が左サイドハーフへ回りました。

これで流れを取り戻したFC大阪、鋭い前進で敵陣を突き、そこからロングスローなどを駆使してゴールを狙うという基本姿勢に立ち返り。
そして21分、福島の攻撃を切ったのちクリアボールを繋ぎ、左サイドで確保に成功。
そしてここも舘野のアーリークロスで素早くエリア内を突くと、中央で合わせたのは西村。
ヘディングシュートがゴール右に突き刺さり、狙い通りに同点に追い付く事に成功しました。

これで形勢逆転となり、以降も押し込まれる福島も采配で流れを変える局面に。
24分、ベンチに留めていた本来のレギュラーである針谷と森晃太を投入します。(吉永・矢島と交代、森晃が左WGに入り長野がCFに)
しかしそのすぐ後の26分、さらに野末→大森へと交代した福島。
センターバックの入れ替えで、アクシデントの疑いも頭を過ります(詳細は不明)が試合は継続。

レギュラー陣の投入、かつ最終ラインの入れ替えで、何とかポゼッションの流れを作りたかったと思われる福島サイド。
それでもその後FC大阪が敵陣でのボールゲインを頻発させるなど、一向にそれを果たせず試合が進んでいきます。

攻撃権を握るFC大阪、30分には最終ラインからのロングパスが一気にエリア内を突くと、走り込み左ポケットで受けた島田がカットインシュート。
大森にブロックされてCK、というタイミングでベンチが動き、澤崎→國領へ交代。
そしてキッカーはその國領が務めるという具合に、勝負を賭けるカードを投入してきました。

前半同様、あるいはそれ以上にFC大阪の圧に屈する状態に陥った福島。
なんとか振り払わんと、36分に最後の交代を敢行、清水・長野→塩浜・澤上へと2枚替え。
更なるレギュラー陣の投入に託す事となり。

しかし直後の38分、最終ラインでの繋ぎで大森が左からのパスに入れ替わった所を突かれ、まさかのエリア内で奪われる事態に。
奪った島田は右ポケット奥からマイナスのクロスを選択すると、中央で受けた西村がシュート。
上畑がブロックするも、拾った西村はすかさず再度シュートを放ち、これも松長根がブロックと辛うじて凌ぎ。

目も当てられないビルドアップのミスに、いよいよ決壊間近といった福島の流れ。
その後もひとしきりFC大阪のセットプレー攻勢を浴びると、試合も終盤という事で開き直りを見せ。
41分ゴールキックでロングフィードを選択し、澤上の落としから攻撃開始、松長根のスルーパスで右奥を突き。
まずはアタッキングサードへの進入を第一とし、パスワークは副次的に使うという姿勢で打開を図りにいきます。

それでも逆にお互いアバウトな姿勢による乱戦はお手の物、と言わんばかりにペースを離さず攻めるFC大阪。
45分に最後の交代を敢行し、舘野・久保→林田・利根へと2枚替え。(美馬が左サイドバック・増田が右SHに回る)
しかし舘野と久保という攻撃面を支える人材が退いた事で、ただ押し込むのみとなってフィニッシュは生まれず。

相手が停滞感を露わにした所で、福島は降りてパスを受けた針谷が最前線へ一気にロングパス。
それは時間も押し迫った状況での中盤省略、という後ろ向きな思考に見えましたが、これが綺麗に奏功する事となり。
クリアされるもFC大阪を間延びさせて敵陣でボールを確保すると、右からの松長根のクロスの跳ね返りを拾って中央で繋ぎを展開。
そして塩浜のポストプレイで左に叩かれたボールを、森晃が1タッチで果敢にシュートを放つと、美しい弧を描いて(右ポスト内側を叩いた末に)ゴール内に吸い込まれる事となります。
苦境をゴラッソで跳ね返すという、理想とは真逆ながらも最高の絵図により、土壇場で勝ち越しを果たしました。

その後FC大阪の最後の意地というべき、CKからの攻撃(GK永井も前線に加わる)も凌ぎ。
無事に逃げきり、1-2で勝利に辿り着いた福島。
「目標のためには理想を捨てるのも大事」といった展開の末、プレーオフ圏に肉薄する勝ち点3を挙げた試合となりました。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第29節 ヴァンラーレ八戸vs大宮アルディージャ

2024-09-25 16:00:44 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 八戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 大宮は、市原がU-19代表参加のためチーム離脱中。

最後の敗戦が20節(沼津戦、1-3)で、それ以降再度盤石な流れを築いている大宮。
8戦無敗(6勝2分)の最中、失点ゼロという驚異的な数字を残しており。
まさに横綱相撲で、優勝ならびに昇格するのに相応しいクラブと化していますが、同時に「突如J3に襲来した強大な異物」と思わなくも無く。
その首位快走ぶりと、前年におけるJ2からの脱落は、資本主義の大事さを身体を張って示しているかのようであり。

この日の相手は八戸で、夏の移籍期間で獲得したサンデーがそれまで在籍していたクラブ。
相手側にとってはエースを突如引き抜かれる格好となったその移籍劇(言うまでも無いが、J2・徳島からレンタル中だったので八戸サイドがどうこう出来る立場では無く)に、改めてそんな事を強く考えさせられるものでありました。
そんなJ3では相対的な強者の大宮も……というのは最後に述べる事とします。

試合が始まり、早々に大宮のゴールキックになると、左サイドへ密集を作ったうえでGK笠原は右へフィードと変化を付け。
バウンドしたこのボールを茂木フリック→サンデー胸で落としと繋ぐ(その後左から前進もシュートには繋がらず)という具合に、強者が胡坐をかく事無く一ひねり加えるその姿勢は脅威となり得。

それでも序盤は、八戸に見せ付けるかの如く、サンデー狙いのロングボール中心の立ち回りを貫いた大宮。
徐々に慣れを示し、前半7分にそのロングパスを跳ね返して矢印を反転させ、左から前進して鏑木のアーリークロス(繋がらず)とその隙を突きに掛かります。
ペースを掴んだ八戸、11分には自陣でパスカットした山内が、拾った佐藤から受け直してドリブルで推進。
(右から)カットインで中央へ入り、濱田に倒されるも鏑木が拾い継続し、左から安藤のクロスをファーサイド奥で音泉が合わせる(ジャストミートせず)という素早い攻めを繰り広げ。

しかし13分、濱田から送られたロングパスはサンデーでは無く杉本の落としから攻撃開始され。
そして右サイドを前進し、スルーパスに走り込んだ茂木のクロスがニアのサンデーの足下に渡る好機。
八戸サイドは当然ながらサンデーへの警戒が強かったものの、それを物ともせずブロックの外側からシュートを放つサンデー。
強烈にニアサイドをぶち抜くそのフィニッシュにより、ゴールネットが揺れる事となりました。
早々に古巣相手へのゴールが叩き出され、先制を果たした大宮。

マークしていたはずの元チームメイトに、守備網を破られる格好となった八戸。
気を取り直し、自身もボール保持から主体的に攻める事で反撃開始。
大宮は当然前線から規制を掛けるも、シルバの前に出たがる姿勢が強く、最終ラインにまでチェイスしにいく事がしばしばあり。
この辺り、即ち中央バイタルに隙が見受けられそうな守備陣。
20分には右サイドでボール確保し溜めを作り、前澤が中央やや右寄りからミドルシュートを放つも、惜しくもゴール左へと外れ。

そして22分、ロングパスの跳ね返りを拾うと、中央からの前進を選択。
山内縦パス→ポストプレイという流れを2度繰り返したのち、ライン間の佐藤が1タッチでシュート。
ゴール右へと突き刺さり、バイタルの間隙を突いたフィニッシュで仕留め。
大宮の無失点記録(15分の時点でJ3新記録更新したとの事)を止める同点弾を齎します。

大宮は記録が途切れた事で、肩の荷が下りるのか、ないしは傷口をさらに突かれるかという一戦と化し。
前者の姿勢を示すべく攻め上がりますが、やはりGK笠原からのフィードを起点とした攻撃が中心となり。
しかし杉本・石川をターゲットとし、サンデーをフィニッシャーに近い位置に専念させる立ち回り。

34分そのサンデーに決定機が訪れ、自陣での空中戦を経て確保した大宮、石川のロングパスで左サイド裏を突き。
走り込んだサンデーが、前に出て来たGK谷口をワントラップで置き去りにする事に成功し、そのまま遠目からシュート。
無人のゴールに決まったかと思われましたが、近石がエリア内でスライディングでブロックし防がれます。
1点ものの場面を逃した大宮、尚も血気盛んに攻め上がり。
37分には右サイド遠目からのフリーキックで、クロスがエリア内にこぼれた所を浦上がシュートと、ゴールに近い位置でフィニッシュを放つもこれもブロックに阻まれ。

しかしその姿勢が仇となり、39分には小島の左ポケットからのクロスを茂木が合わせるも打ちきれず。
そのこぼれ球を拾われて八戸のカウンターになると、左奥を突いた佐々木からの戻しを経て、蓑田が後方からミドルシュート。
ゴール左へ逸れる軌道でしたが、ブロックした茂木により方向が変わり、ゴール左へと突き刺さります。
前半のうちに逆転と、強豪相手に全く物怖じしない試合を展開する八戸。

これで全体の流れも八戸に傾き。
43分に細かいパスワークを経て山内が右からドリブルで推進、小島を剥がした末に中央へ繋げ。
そして佐藤がミドルシュートを放ちましたが、今度はゴール左へ外れ決められず。
45分には柳下のパスカットからショートカウンター、またも山内が右ポケットへ切り込んでカットインの姿勢からシュート。
ジャストミートせずクロスのようになったそのフィニッシュに、鏑木が跳び込んで合わせにいきましたが惜しくも届かず。

逆転された事で、一気に苦境に陥ったという大宮。
やはり失点を記録した事による動揺は隠せず仕舞いとなってしまったか。
何とか2-1のまま凌ぐ格好で前半終了となります。

やや単調という感があった前半の大宮の攻撃。
そのため交代は行わず、現状のメンバーでの方針転換により打開を図りにいったでしょうか。

後半2分に最初の好機が訪れ、左サイドでボール確保したシルバが素早くサイドチェンジ。
受けた茂木がパス交換を経て、入れ替わって抜け出さんとした所を安藤に倒されて反則、そしてワイドからのFK。
キッカー泉のニアへのクロスに、入り込んだ杉本がフリック気味に合わせてのヘディングシュート。
しかし左ゴールポストを直撃し、この電光石火という攻撃でも決められません。

その後、守備を固める姿勢の八戸に対し、ボール保持により活路を見出さんとする大宮。
これが後半の基本姿勢となり、左右のセンターバックも果敢に前に出て攻めに加わるシーンを増やし。
11分に右から中央→左へとサイドを移し、泉のポケットへの縦パスを受けた杉本から狭い局面と化す攻撃。
小じゃれたプレーを好む印象の杉本がヒールパスとここでも例に漏れず、しかし前に出ていた泉に繋がると、小島とのパス交換を経て突破した末にシュート。
八戸ディフェンスを掻い潜ったものの、GK谷口にキャッチされて同点ならず。

こうしたポケットを突かんとする大宮の攻撃も、集中力を切らさず容易に開ける事の無い八戸ディフェンス。
そのため、泉を中心に左から前進する事に成功しても、単純に「先んじてポケットに位置する選手の足下へパス」という攻撃を強いられていた感のあった大宮。
当然ながら単調ぶりは隠せず、何度も敵陣深めで左スローインを繰り返して打ち破らんとするも果たせず、というシーンも膨らみます。
18分に小島がアーリークロスを選択すると、その跳ね返りを浦上が落としたことで、左ポケットで杉本が受ける好機が生まれ。
するとここでも、裏へ小さい浮き球パスと変化を付けた杉本により、小島が抜け出し。
しかし柳下のアタックで倒され、笛も鳴らずとやはりフィニッシュには届きません。

ジリ貧状態となってきた大宮、23分にベンチが動き石川→和田へと交代。
これにより小島がシャドーに上がるポジションチェンジを絡め。
さらに前に出たがるシルバにより、石川のアンカーシステムと錯覚させるに至ったでしょうか。

しかし直ぐに流れは変わらず。
逆に自陣でボールを失い、石川の脇を突かれかねない状況が増えるなど失点の予感も膨らみ始めます。
(八戸は27分に佐藤→永田へと交代)

それでも、こうした乱戦模様こそ試合を動かすに格好の種となったか。
28分、再びボール保持から攻めきれずとなった所で、左サイドで杉本がボール奪取し継続させる大宮。
和田が左ポケットへ縦パスを入れると、受けたサンデーがディフェンスを引き付けバックパスし、フィニッシュに持ち込む和田。
放たれたミドルシュートは永田にブロックされるも、その跳ね返りをすかさず小島が再度ミドルシュートに持ち込むと、ゴール右上へと突き刺さり。
堅守を破るミドルレンジでのフィニッシュが炸裂し、ついに同点に追い付きました。

リードを失った八戸、追い打ちを掛けるように、上記のシーンでサンデーに引き付けられた柳下が足を痛めてしまい。(接触では無く自ら足を捻ってしまったっぽい)
交代を余儀なくされる事となり。(加藤慎太郎を投入)
代わって入った加藤慎、柳下と同様に前に推進する姿勢(31分にはスルーパスに走り込んで右奥からクロス)で勢いを齎さんとしますが、それでも流れは変えられず。

強豪の誇りを取り戻した大宮、その力をスコアに反映させるのも早かった。
36分、最終ラインで八戸のプレッシングをいなしての前進を果たすと、流動性溢れる攻めで止めを刺しに掛かり。
杉本の左へのポストプレイを受けたのは小島で、彼から入れられたグラウンダーのクロスを、中央ファー寄りで合わせたのは小島に伴いポジションを移していた泉。
ループ気味の軌道で向かったこのフィニッシュが、左ポストに当たるもそのまま逆の右ポスト内側を叩いた末にゴールに吸い込まれます。
最後は再三左ワイドで働いていた泉による逆転劇と、激しく動いたこの試合を締めるのに相応しい得点だったでしょうか。

キックオフ前に両ベンチが動き。
大宮がサンデーと杉本からファビアン・ゴンザレスと大澤へ2枚替え、一方八戸は鏑木・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
ともに前線の選手の交代ながら、サンデーが抜けてもゴンザレスが出て来るという、大宮の格を感じてしまう采配。

しかし意地を見せる八戸。
38分茂木のクロスをシルバが落とすも、繋がらずに八戸のカウンターとなり、妹尾がドリブルで推進。
そしてスルーパスに雪江が抜け出すという、交代選手2人による決定機が生まれかかりましたが、触れられる前にGK笠原が判断良く飛び出してクリア。
純正J3選手の意地が炸裂、と思われましたが、守護神によりそのドラマは生まれず仕舞いとなりました。
その後も右サイドでのFKから、キッカー妹尾クロス→雪江ヘディングシュートとホットラインが続くも、これもGK笠原がキャッチ。

一方思わぬ守勢となった大宮、40分に泉→関口へと交代。(茂木が左サイドに回る)
最後の交代により運動量を担保し、番狂わせを防ぎに掛かり。

そしてしたたかに時計を進め、かつ追加点を狙いにいく大宮。
アディショナルタイムに突入すると、投入された関口が右ワイドを抉って奥からクロス。
クリアされるも右スローインで継続し、直接ポケットへ送られたボールをゴンザレスが受け、こぼれた所をシルバがシュート。
GK谷口がセーブして防いだ八戸ですが、これによりコーナーキックで継続すると、一転してコーナーでキープという姿勢に切り替えられ。

フィジカル溢れるゴンザレスにより掻き出すのも一苦労という八戸。
結局時間を使われ、一度も好機を生み出す事が出来なかったAT。
2-3のまま試合終了を迎え、大宮が競り勝ち依然として盤石ぶりを維持した試合となりました。

1年での昇格は揺るぎ無い、といったその大宮ですが、翌週にとうとう懸案が正式決定される事となり。
即ちレッドブルへの株式譲渡で、その時期は10月頭との事。
つまりは次節(相模原戦)が現体制の最終試合となり、譲渡までに昇格を決定させる事は残念ながら叶わず。
恐らく本気で介入するのは来季からとなりそうですが、新生・大宮は果たしてどんな姿となるでしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会準々決勝 京都サンガFCvsジェフユナイテッド千葉

2024-09-20 16:14:46 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 京都ホームという扱いだが、フクダ電子アリーナで開催とどう見ても千葉ホームな試合なのでそれに準じて表記。(前半のサイドも↓に同じ)

クラブの歴史上、天皇杯に強いというイメージの京都。
優勝は2002年の一度のみですが、エレベータークラブな立ち位置の2000年代な状況でそれは快挙に他ならず。
J2定着の流れに突入した2010年代でも、2011年に準優勝をマークするなど躍進ぶりが目立ち。
近年も、2年前の2022年にベスト4まで残り、今季もそれと同位置に上り詰める事が出来るかどうかという一戦となり。

目下リーグ戦絶好調と昇り調子で迎える事が出来た京都に対し、千葉はリーグ戦・31節(秋田戦、0-1)から中2日であり、スタメン11人総入れ替えという起用を余儀なくされ。
この辺りに、「ズッ友」と揶揄されたクラブ同士の対戦ながら、先んじてJ2の沼から脱出した京都という差異が表れる格好となり。
そして試合展開もその通りのものとなりました。

入りの、ロングボールを活用してのボール争いから、偶発的に最初に好機を作る千葉。
前半2分に全体ボールサイド(左)に寄っていたのを利用し、右サイドでスペースを得た高木が持ち運び。
しかしアーリークロスを選択した結果精度を欠く結果に終わると、以降京都のクオリティ高い攻撃が終始繰り広げられる事となります。

立ち上がりは京都サイドも、手前からのクロスや(福田の)ロングスローなどアバウトな手法を絡める攻めが先行する形に。
しかし千葉ディフェンスはそれに対しても押し込まれ、エリア内で必死の掻き出しを余儀なくされては自陣から脱出できないという流れが早くも形成され。
8分、その千葉がキープできずこぼれたボールを、福田が1タッチで縦パスを送り京都の攻撃開始。
右サイドで溜めを作ったトゥーリオが逆サイドへとロングパス、これが左ポケットを突くボールとなり、走り込んだ三竿のポストプレイを経て米本がミドルシュート。
枠外に終わるも、長短のパスで振り回される流れもこの時に作り上げられ。

そして11分、自陣右サイドでボール奪取した川崎が福田とワンツーを挟んで斜めの縦パスと、勢いを持ってボールを前進させ。
これをスルーしたトゥーリオが、奥での豊川のポストプレイで前を向いた状態で持つと、前進を経てエリア内へスルーパス。
そこに走り込んだ豊川がシュートと、2人のパス交換で完結されたフィニッシュがゴールネットを揺らします。
「ズッ友」との決別宣言、といった先制点を早々に得た京都。

下位カテゴリのクラブが、こうして一度も良い流れを築けずにリードを許してしまえば、巻き返すのは至難の業となり。
13分にも縦パスをトゥーリオフリック→豊川ポストプレイと2人の関係性から好機を作る京都に対し、千葉は持ち運ぶ川﨑にメンデスが反則を犯してしまい。
これで中央やや右寄りからの直接フリーキックになると、キッカー・トゥーリオが放った直接シュートがゴール上部に突き刺さる際どいフィニッシュに。

「ズッ友」ならぬずっと押し込まれる展開を嫌がったか、千葉は17分のゴールキックでGK藤田が素早くリスタート、直接京都エリア内へと低いロングフィードを届け。
そして走り込んだ呉屋が左ポケットからクロスを入れんとしましたが、不意を突かれた格好の京都サイドも戻ってブロックと隙に付け込ませません。
21分に京都のコーナーキックから、クロスをキャッチしたGK藤田がまたも素早くスローした事でカウンターに持ち込み。
ドゥドゥのドリブルが金子に倒された事で反則、これにより千葉も直接FKの好機に。
右ハーフレーンからという位置で、キッカー高木が放った直接シュートはグラウンダーで壁の左を通すものとなりましたが、ゴール左へと外れ実らず。

京都はリードを得た事で保持の色を強め、主に右サイドを細かいパスワークで繋ぎ続け。
それにより、千葉ディフェンスに対し前に出て奪いたい・構えてフィニッシュを防ぎたいという対極の意思の狭間で揺らぎを生み出します。
つまりは一層優位性が高まる事となる試合展開。

飲水タイムが挟まる(23分)と、トゥーリオ・コスタの両ウイングが一層流動性を高め、それにより翻弄される千葉ディフェンス。(第1クォーターは、セットプレーの流れでコスタが右でプレーという局面止まり)
以降も続く京都ペースに、千葉はブレイクを挟んだ事で最後方でのプレス回避に活路を見出さんとしましたが、それはハイプレスに定評がある京都の思うツボであり。
自陣でのパスミスにより、更なる京都の好機を生み出すのみに終わります。
35分、そのパスミスを拾った川﨑から素早く前進し、コスタがエリア内でGKと一対一に。
そして藤田を左にかわしシュートしたコスタですが、何とか伸ばした腕により防いだ藤田。
しかし左CKで継続し、その二次攻撃で右から福田が切り込んでクロスを上げると、ブロックを掠めてニアに入ったボールをトゥーリオがフリック。
ここから中央で豊川が合わせられず→ファーでオリヴェイラ折り返し→トゥーリオ落としと、慌ただしく動いた末に豊川のヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
しかしオフサイドを取られ(恐らくオリヴェイラの折り返しの時点で)、2点目とはならず。

その後も広範囲で動くウイング2人を軸にし、それにより出来たスペースへサイドバックの福田・三竿が跳梁と、千葉のようなJ2クラブにとって垂涎の的といった攻撃を繰り広げる京都。
それに対し見てるだけ……では無く、必死に凌ぐだけとなっていた千葉。
実に26分以来の好機(高木が右サイドを突破しグラウンダーでクロス)が訪れたのがアディショナルタイムと、すっかり専守ぶりを定着させられ。
ここも高木が右サイドを突破したのちカットイン、中央近くまで流れてミドルシュートを放つと、GKクソンユンが何とかCKへ逃れるセーブで防ぎ。
唯一躍動するのが高木のみといった前半の内容で、1点差で凌いだのは暁光という展開だったでしょうか。

1-0のまま前半が終了するも、京都最後の好機で、エリア内へ走り込む豊川に対して蓋をしたメンデスが足を痛めてしまい。
これにより交代を余儀なくされ、同ポジションで松田陸を起用し後半に臨んだ千葉。

後半も、頭から最終ラインから組み立てる姿勢を取り。
開始直後の後半1分に、GK藤田が左への低いフィード(というよりは縦パス)でプレスをいなしたのち前進。
ここも矢口のスルーパス一本という強引な前進しかできずでしたが、走り込む椿の前でクリアされたボールが逆に流れた事でCKに。
これが唯一の千葉のCKと、押し込む事も押し込まれる事の改善も出来ず。

このGK藤田からの組み立てで流れを作れればまだ良かったですが、逆の結果を生み出してしまい。
即ち4分、京都がその藤田のフィードをカットし、保持を選択して最終ラインに戻してからの攻撃。
センターバックのオリヴェイラから縦に速い運びを開始し、縦パスを受けた川崎がエリア内へスルーパスにより、完全に裏を取ったトゥーリオ。
前に出たGK藤田を嘲笑うかのように、ループシュートでゴールを奪います。
力の差が如実に示される、追加点が後半早々に生まれました。

反撃に出たい千葉の気勢を逸らすように、直後の6分にも決定機を作る京都、ロングパスをフリックしたトゥーリオが自ら走り込んで右奥で拾い直し。
戻しを経て川﨑がパス&ゴーで右ポケットへ走り込み、コスタのスルーパスからシュート(GK藤田セーブ)と、やりたい放題の様相も表れ始めます。

こうなっては、千葉はポゼッション云々では無くまずペースを掴む事から始めなければならず。
量産されるCKを含め、再三京都の攻めを受けたのちの10分、久保庭のロングパスの跳ね返りを拾ってからの攻撃。
そのまま椿がドリブルで左サイドを抉る絵図に持ち込み、左ポケットから低く鋭いクロスが入りましたが、GKクソンユンが足を延ばしてこれを遮断。
たまに訪れる良い形でもフィニッシュは生まれず……というよりは決定的に数が足りない好機。

結局12分に京都にカウンターを浴びた(米本が持ち運び、金子の左からのクロスをトゥーリオが収めるも撃てず)事で、にわかに流れた好循環も無に帰す結果に。
そして追い撃ちを掛けるように14分京都ベンチが動き、ポイントゲッターのラファエル・エリアスを投入します。(豊川と交代、同時にコスタ→原へと交代)
7試合で7ゴールというJ1での成績を誇る彼を盾にされる事で、ますます反撃どころでは無くなる千葉。

投入されて早速の16分、エリアスが山越のディフェンスを受けながらも強引に中央を突破した末にエリア内からシュート。
GK藤田が足で何とかセーブし、上空へこぼれた球をバイシクルにいった原がオフサイドを取られる事で何とか防がれ。
千葉がホッとしたのも束の間の17分、トゥーリオが右奥を取ってのキープから、戻したのち(米本の)ポケットへのスルーパスに走り込んでマイナスのクロス。
ニアで合わせたエリアス、このシュートをまたもGK藤田が足でセーブし、跳ね返りに詰めたエリアスは合わせきれずと大忙しの藤田。
早々に力の差を見せ付けたエリアス、20分にも自らのポストプレイからの前進で、トゥーリオのラストパスをエリア内で受ける状況に。
ディフェンスに遭い縺れるも、そのまま倒れながらシュートに持っていく(枠外)という具合に、体勢を崩しても尚止めるのは困難といった千葉ディフェンス。

こうして京都が誇るゴールゲッターに掻き回され続けた末に、飲水タイムが挟まれ(23分)第4クォーターを迎えた千葉。
明ける際に久保庭→岡庭へ交代と、リーグ戦の主力の投入(といっても半レギュラーですが)で何とか反転の切欠を掴まんとします。

しかしそれもままならず、29分に京都のFKとなった所で、京都ベンチは米本→平戸へと交代。
そしてこのFKを投入された平戸が蹴り(右ワイドからクロス)、エリアスがヘディングシュートを放つもGK藤田がセーブと、依然として同じ流れを保ち。

その後千葉が反撃に転じ、何度かポケットを突く状況にまで持ち込むも、流れを変えるフィニッシュは放てず。
その最中に矢口・ドゥドゥ→新明・林へ2枚替え(34分、岡庭が左SBへ回る)と、いかにドゥドゥを以てしても……といった展開を強いられた格好に。(単にドゥドゥに風間のようなセカンドトップの役割を求めた結果ともいう)

何とか1点を……といったその千葉の姿勢も、崩された時は脆かった。
40分、中盤で中盤3人のパスワークから川﨑が突如として左奥へロングパスを送ると、走り込んで折り返したのは三竿。
これを左ポケットで受けた平戸がシュートを放つと、角度が小さい所ながらもゴール上へと決めきり。
これで3点目と、勝負を決定付けるに至ります。
なお、防ぎに戻った高木が足を攣らせてしまった事で、千葉はキックオフ前に彼に代えて田中を投入。(準備自体は失点前に行っていたが)

放送席(NHKBS)ではJ2屈指の得点力と持ち上げられていた千葉ですが、その実態は1試合に8得点・7得点といった、悪く言えば馬鹿試合により水増しされたものであり。
やはり最近好調の上位カテゴリの相手とぶつかれば、上回るのは至難の業であり。
そして追い詰められ方も、自身がやった大量得点という試合では無く、力の差を見せ付けられながら徐々に……といったこの試合の方が傍らから観ていてダメージは大きそうに思えました。
(但し完全ターンオーバーですが)

3点差もあり、一層保持の姿勢を強める京都により、結局その後も殆ど攻撃機会を掴めない千葉。
京都は試合を支配しつつ交代カードを使う、盤石の流れを貫きます。
43分に三竿・トゥーリオ→佐藤・福岡へと2枚替え、アンカーに入った福岡により川﨑が右WGに回り。

アディショナルタイム突入後も、敵陣で冴え渡る京都のパスワーク。
サイドを移しながら繋いでいき、最後は福岡のミドルシュートで締める(GK藤田)という具合に、フィニッシュで終える事でカウンターも許さず。

そして3-0のまま試合終了と、まさに横綱相撲で勝ち進みを果たした京都。
この優位性は今後失われかねないものの、目下絶好調なチーム状態故にこのまま制覇まで昇り詰めたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第27節 ガイナーレ鳥取vsアスルクラロ沼津

2024-09-11 16:12:08 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 鳥取は、大城が前節(琉球戦、1-3)退場となったため出場停止。

守備強化のために3バックへ……と、定番と化しつつあるシステム変更をシーズン途中で敢行した鳥取。(yahooスポーツナビによると、19節・奈良戦から)
それが奏功する形で白星を重ねている近況で、とりあえず泥沼の残留争いを強いられるのは避けられそう、という立ち位置であり。

一方昇格が現実的な位置をキープしている沼津。
しかしここに来て2連敗かつ守備崩壊で4位転落と、こちらはこちらで厳しい状況に差し掛かっており。
そのためスタメンを6人変更、元日本代表の齋藤・川又を揃ってスタメン起用と、流れを変えるべくの策を採って来た中山雅史監督。
(なおyahooスポーツナビでは、布陣もドイスボランチの4-2-3-1へと変わっているが実際は従来通りのシステムっぽい)

沼津のキックオフで始まった試合、いきなりその代表コンビを利用する、後方からロングフィード→川又フリック(実際にはスルー)→齋藤という流れで前線へ届け。
これで左奥を突く事に成功すると、齋藤が溜めたのちクロスを入れ、そこに川又が合わせに跳び込み。
電撃作戦成功かと思われましたが、パンチングで掻き出したGK高麗と激突してしまい、反則のみならず警告を受けてしまった川又。

得たのは得点では無く被害といった川又、更に前半3分に鳥取陣内で、こぼれ球の争いのなか高柳を削ってしまい反則。
これも一歩間違えれば警告対象になりかねない絵図で、個の力を利用してゴールを狙うはずが、早々の退場の危機を膨らませるのみに終わってしまいました。

気を取り直して攻め込む沼津、5分に津久井が中央をドリブルで運び、右へのスルーパスに走り込むのは川又と両者ポジションが入れ替わっての好機。
右奥から上がった川又のクロスをニアサイドで持井が合わせ、放たれたヘディングシュートはループの軌道でゴール上部を襲い、GK高麗が辛うじてセーブしコーナーへ逃れ。
その後も、深めでボールキープする普光院をラインアウトに追い込みCKを得るなど、入りの川又の醜態を払拭せんと押し込みを掛けた沼津。

しかしボール保持により試合を落ち着かせた鳥取、8分にパスワークの末敵陣→最終ラインへと戻しての攻め直しの体勢になると、二階堂右へロングパス→伊川右ポケットへスルーパスと急襲。
これでラインを上げた沼津の裏を突くと、走り込んだ松木がグラウンダーのクロスを入れ、中央で走り込むのは普光院。
その手前で菅井に遮断されるも、クリアしきれずこぼれた所を曽我が詰めてシュート、ゴールネットを揺らす事に成功します。
連敗脱出を図る相手を逆手に取ったゴールで、リードした鳥取。

一転追う立場となった沼津は、一層敵陣でのプレッシャーを強めに掛かり。
鳥取は11分にバックパスのミスで、再びCKを献上してしまうと、以降ひたすら受けに回る事となり。

つまりは沼津がポゼッションを高める展開に。
この日は濱がスタメン落ちのため、最終ラインはどんな形を採るのか注目でしたが、遠山が高目に位置取る左肩上がりの体勢。
遠山がボランチの位置に留まる「偽サイドバック」の立ち回りも混ぜるという、左右逆ながら従来通りといえるスタイルの下、パスを繋ぎます。

それによりスペースを得たのが左ワイドに張る齋藤で、全盛期よろしくサイド奥へ切り込んでの仕掛けを駆使して好機を齎さんとし。
18分には持井の中央での持ち運びからのパスを受け、カットインで左ポケットを取ったのち尚も中央方面へ切り込み。
しかし鳥取の堅守を崩せず、エリア外へ出て遠山とのパス交換を強いられた末に、遠山のバックパスに当たってしまう形でのボールロストで終了。
結局この時間帯ではフィニッシュに繋げられずと、かつての雄姿を取り戻すのは困難に思えました。

22分に飲水タイムが挟まれ第2クォーター。
ブレイクが挟まれると、鳥取の圧力が増した事で自陣で奪われたり、GK渡辺のパスが直接タッチを割ったりでポゼッションに乱れが生じる沼津。
それを打破せんと、29分に再びキックオフ時のような、GK渡辺ロングフィード→川又スルー→齋藤という流れを築き。
そして齋藤が左ハーフレーンからミドルシュートを放つも、威力に欠けGK高麗がキャッチ。
32分には敵陣でパスカットしてのショートカウンター、菅井のパスを左奥で受けた齋藤がポケットを突く定例の流れ。
そしてクロス気味にシュートを放つ(GK高麗キャッチ)という具合に、徐々にリズムが出てきてフィニッシュに繋げるものの、その威力は相手を脅かすには今一歩足りず。

攻勢を維持したい沼津でしたが、鳥取はバックパスした時のみプレッシングにいき、後は中盤~自陣で5-4-1のブロックを形成し構える守備体勢。
ある程度攻撃機会が生まれるのは必然なその状態で、どれだけ決定機を作れるかという事が試されたものの、上記の齋藤の見せ場以外はパッとせずに時間を浪費していきます。

そんな流れ故に、緩みがあったでしょうか。
39分、後方からのスルーパスが金浦にカットされ、鳥取が逆襲に。
逆に高柳のスルーパスで抜け出して受けた普光院、エリアすぐ手前で溜めを作ってのパスを出すと見せかけ、ノーモーションに近い振りでシュートを狙います。
これが弧を描いてGK渡辺を越えた末に吸い込まれる、芸術点溢れるゴールとなり。
前半のうちに貴重な追加点を挙げた鳥取。

痛すぎる失点となった沼津。
尚も攻め上がりますが、やはり左サイド偏重が続き、鳥取の守備陣を崩すには至らず。
44分には齋藤がエリア内へ入り、左からクロスを上げたのは遠山と変節を見せましたが、その齋藤と被り気味となりつつも川又が放ったヘディングシュートは枠を捉えられません。

そんな沼津の前掛かりな姿勢を突く鳥取、アディショナルタイムにさらに決定機。
自陣でのスローインからの運びに成功し、右から伊川スルーパス→富樫クロスでニアサイドに低く入ると、松木が脚で合わせシュート。
ゴール上を襲うも、惜しくもバーを掠めてラインアウトとなり終了間際の追加点は生まれず。
しかし2点差のまま前半終了と、上々の展開を描きました。

ハーフタイムでの交代は無く、そのまま後半開始を迎え。
早めに得点したい沼津は、遠山が左ワイドで攻撃参加するシーンを膨らませ。
齋藤の単騎突撃に味を加えるべくの立ち回りで、それを果たさんとします。
後半5分、ゲーゲンプレスで前に出た中村がボール奪取すると、すかさず左から前進して齋藤が切り込んでクロス。
これは逆サイドへ流れるも、戻しを経て最終ラインから再び左へ展開して仕掛ける状況に持ち込み、今度は奥へ切り込むと見せかけ持井のアーリークロス。
これをファーで津久井が折り返すも、中央の徳永の手前で遮断されて撃てず。

多くの選手が係わる好機でリズムも生まれたか、7分には逆の右からの切り込みで津久井がポケットを突いてシュート。(小澤がブロック)
11分にも右サイドから津久井の前進で、ポケット奥まで進入してのグラウンダーのクロスを、中央で合わせたのは齋藤。
しかし枠外に終わり、後一歩の所まで迫るも得点は果たせません。

すると直後の12分、中盤でボール確保した鳥取は、沼津よろしく左から小澤がドリブルで運ぶ体勢に。
そしてパスを受けた普光院が(エリアからは大分手前で)カットインで中央へ流れた末に右へ展開し、受けた富樫もドリブルを選択し右ポケットへ切り込み。
3人の持ち運びの末に放たれたシュート、GK渡辺がセーブするも跳ね返りをすかさず松木が詰め、ゴールに突き刺します。
沼津攻勢の流れに、冷水を浴びせるような3点目をもぎ取りました。

大幅なメンバー変更が拙かったのか、この日も敗戦へのレールに乗ってしまった沼津。
14分に改めるように、遠山・齋藤→濱・鈴木へ2枚替えと、左サイドを揃って交代。
従来のレギュラー2人が投入されました。
これにより、ボランチの位置に可変する役は安在へと変わり。

しかし流れはスコアが示す通り鳥取にあり、沼津のお株を奪うようにドリブルが冴え渡り。
18分に曽我の持ち運びを経て、左奥で受けた小澤がポケットへカットインの末にクロス。
ファー奥で富樫が走り込むも僅かに合わずと、更なる追加点を予感させます。
しかしこの際に富樫が勢い余り、右ゴールポストと交錯する形で足を痛めてしまった(無事にプレー続行)事で失速気味に。

再度攻勢に入った沼津は従来通り、左サイドは濱・鈴木が入れ替わりながら奥を突きに掛かるという攻撃へと切り替わり。
しかし十分なリードを得た鳥取守備陣を崩すのは至難の業であり。
折角ポケットを突けても、クロスの精度に欠ける(特に27分の左ポケットからの持井のクロスは……)という具合に生かせません。
逆に鳥取も、自陣でパスカットに遭いターンが巡って来ない事で落ち着く時間を作れず。

それでも3-0のまま飲水タイムが挟まれ。
明ける際に両チーム交代を敢行し、追い掛ける沼津は徳永・川又→森・和田へと2枚替え。
逃げる鳥取も、富樫・松木→三木・田中翔太へと2枚替え。

森の投入により、中央から仕掛けての好機が膨らむ毛色の違う攻勢に。
31分に菅井の縦パスを受けた森が右ポケットへスルーパス、走り込んだ津久井がシュートするも威力に欠け。
続く32分には敵陣でパスカットした森がそのままミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、直線的にゴールを狙う姿勢でムードを高める沼津。

一方鳥取は、押し込まれ続ける展開を良しとせずか、交代を機に若干システムを弄った風であり。
守備時は5-4-1で変わらずも、攻撃時は温井がサイドバック化し、小澤が一列上がるという可変気味のフォーメーションに。
元々攻撃性の高い小澤を槍とする事で、何度かアタッキングサードを突くものの好機には繋がらず。
(37分に普光院→玉城へと交代)

結局沼津攻勢という流れは引き継がれ、迎えた39分。
一旦攻撃が途切れるも、脱出せんとした鳥取のパスを篠﨑が前に出てカット、こぼれ球を拾った鈴木が前進の末にミドルシュート。
これが豪快にゴールネットを揺らし、ようやくゴールに辿り着けた沼津。

それでも2点差あり、試合は終盤へ。
沼津最後の交代は41分で菅井→沼田と、この局面で不動のアンカー(前節はHTで退いたようでしたが)を代える事で最後の変化を付けに掛かり。

しかし時間帯が時間帯故に、基本全員が敵陣に切り込む勢いで攻めるというのは変わらず。
43分にスルーパスに走り込む形で右奥を取ったのは安在で、入れられた低いクロスをニアで合わせにいった和田ですが、撃ちきれずにこぼれ左CKに。
キッカーは投入された沼田が務め、ニアに入れた低いクロスがエリア外まで流れた所、森がダイレクトでミドルシュート。
これを金浦がゴール前で、ヘッドによるブロックで防ぐという具合に鳥取も必死の防戦。
時間経過とともに、可変システムも取りやめられて終盤はスタートと同じ3-4-2-1(5-4-1)という通常型に落ち着きを見せ。

尚も攻撃する沼津ですが、やはり3点差を跳ね返すにはパワーが足りず。
アディショナルタイム突入後も、次第にクロス攻勢へと傾倒した結果、フィニッシュに繋げられずに時間を浪費していきます。

するとその最中に、途中投入された玉城のボール奪取から、田中翔のドリブルでカウンターを展開する鳥取。
そしてクロス攻勢に入った末に、戻しを経ての攻め直しから田中翔がペナルティアーク付近でシュート(ブロック)と、フィニッシュに繋げた末にCK。
そしてコーナー付近で時間稼ぎと、逃げきりの立ち回りを繰り広げ。

その後沼津は敵陣で保持するも、チャンスボールを上げられないまま試合終了の笛を聴く事となり。
これで3連敗と、勝負の終盤戦に向けて最悪の流れとなってしまったものの、何とか巻き返すしか無いでしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第26節 テゲバジャーロ宮崎vsヴァンラーレ八戸

2024-09-06 18:11:40 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

Jリーグに参入してから歴史が浅いクラブ同士の対決。

参入してすぐに瞬間的にJ3の頂点付近を経験した宮崎(2021年)ですが、以降失速を余儀なくされ。
そして今季は、JFLへの逆戻りが現実問題として襲い掛かるという状態に陥っています。
幸い前節に「裏天王山」こと岩手との直接対決を制し(3-0)、最下位による自動降格は免れそうな状況ですが、早いところ安全圏を確保したいのは変わらず。
そのためのレンタル選手も夏の補強期間で膨らませ、その総数は実に15人もの大集団と、異様な編成と化しているものの気にしている余裕は既に無く。

そんな急転直下的な宮崎を尻目に、八戸は2019年の参入以降の5年間で堅実なステップアップ傾向にあり。
前年の初の一桁順位を盾に、今季は上位ならびにJ2昇格を目指す戦いを繰り広げ。
稀に見る2位以下の混戦によりそのライバルも多種多様で、自身はクラブのポテンシャルで見劣りする中、存在感を示す事が出来るかどうか。
昇格云々の結果よりも、この緩やかな上昇ペースを保つかがカギとなりそうです。無理に今季昇格しても岩手の二の舞になりそうなので……

ホーム(いちご宮崎新富サッカー場)の声援を背に受け、文字通り後には退けないという戦いのような宮崎。
それは早速の前半1分に、センターライン付近からのフリーキックでも放り込みを選択する攻撃にも色濃く表れ。(キッカー井上のロビングをエリア手前で安田がフリックも繋がらず)
直後の2分には阿野が(稲積に)アフターチャージを受けての反則で、今度は右ワイドながら近めの位置でのFK。
キッカーは阿野で当然クロスを選択し、中央に上がったボールを武が合わせヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)
5分にもゴールキックからターゲットの橋本目掛けたロングフィードから、こぼれ球を拾った井上がミドルシュート(枠外)と、手数を掛けずにかつハイテンションでゴールを狙います。

まさしく背水の陣のようなその戦いぶりに、立ち上がりは後手に回った八戸も徐々に反撃。
こちらは最終ラインからグラウンダーで繋ぐ事がメインとなり、3バックが広く距離を取ってのパスワーク。
これにより、守備時もテンション高くハイプレスを敢行する宮崎は、前線が長いチェイスを余儀なくされる状態に。
如何にも百戦錬磨の石崎信弘監督が率いるチームらしい、相手の出方に合わせるサッカーという立ち回り。
最終ライン中央の近石から1つ飛ばしでウイングバックに長いパスを送る、左右のセンターバック同士でサイドチェンジを行うというパスワークも駆使し、宮崎ディフェンスを走らせる事を徹底します。

そうして徐々に勢いが失われつつあった宮崎。
しかし17分再びゴールキックで橋本目掛けたロングフィードから、こぼれ球の八戸のクリアが逆方向へ流れてしまい、左サイド奥で井上が拾って宮崎の好機に。
マイナスのクロス気味に中央へ戻したボールを、橋本がダイレクトでシュートを放ちましたが、エリア内の阿野に当たってしまい先制ならず。
それでも勢いを得た宮崎は続く18分、(上記の好機ののちボール確保して最終ラインに戻してから)右サイド後方から安田がスルーパスを送ると、蓋をする蓑田を猛スピードで追い越した松本が奥で受け。
その後阿野のクロスに繋げる(GK大西キャッチ)という具合に、個々の頑張り特に走力を駆使し、老練な相手を押し込みに掛かります。

再びその意気に押される格好となった八戸は、以降最終ラインの距離感が狭くなって繋ぎの姿勢を取り(23分)落ち着けに掛かり。
その直後、蓑田が前に出ての反則気味のボール奪取で、待望のショートカウンターのシーンが訪れ。
中央を最短距離で進んだ末に、エリア内から佐々木のシュートが放たれましたがGK青木がこれをナイスセーブ。
結局ゴールは生まれないまま飲水タイムが挟まれ(24分)、第2クォーターに突入します。

そのハイテンションぶりで、後半の失速が懸念されるといったここまでの宮崎の立ち回り。
しかしブレイクを挟むと、右肩上がりでの布陣から地上でのビルドアップを重視するようになり。
また松本の推進力を駆使した右サイドからに偏っていたサイドアタックも、パスワークにより左も使うようになるなど若干の修正が施されたようでした。

一方八戸も、ブレイクが挟まれた事で再び距離感を長くしたパスワークの体勢を取り戻し。
宮崎が橋本をターゲットにするのと同様に、こちらもGK大西のロングフィードからのセカンドボールを確保する攻撃も使いながら、ペースを維持せんとします。
32分にはそのロングフィードから左サイドでボール保持に入り、安藤がカットインから逆サイドへ戻した末に、柳下のアーリークロス。
このゴールに向かうボールに佐々木が跳び込むという、際どいシーンになりましたがGK青木は惑わされずキャッチ。

一進一退という流れの中、38分に宮崎は再び中盤付近でのFKで、遠目から放り込み。
クリアボールを確保したのち、安田がエリア内へ強引に切り込んだ末にシュート(ブロック)とフィニッシュに繋げ。
すると直後に八戸も、佐藤のパスカットから素早く右ポケットを突いた事でコーナーキックと、セットプレーに持ち込んでの好機。
キッカー安藤のクロスをクリアしきれず、大外に流れた所を佐藤が足で折り返し、これがファーサイド奥に上がり。
そこに佐々木が脚から跳び込むも惜しくも合わせられず。

お互いセットプレーでの好機が交わった事で、終盤の流れは読めないものとなり。
すると宮崎は42分、そのセットプレーの空気感を引き継ぐかのように、右サイドから前進と見せかけてかなり手前の位置から(武が)アーリークロスを選択します。
すると中央で橋本が、柳下との競り合いを制してこのボールを収めきり、すかさずシュートを放ってゴールに突き刺し。
放り込みの意識が文字通り一刺しとなり、宮崎に先制点を齎しました。

その後宮崎がCKを獲得したのみという好機と、セットプレーの流れが継続された残り時間。
八戸が思うように攻め込めないまま、前半終了の運びとなりました。

そしてハーフタイムでの交代も無く、始められた後半。
前半終盤の空気感をまともに引き継いでしまった事が、運命の分かれ道となったでしょうか。

その後半1分に、右サイド中盤でFKを得た宮崎が放り込みの体勢と、前半同様の入りを演じ。
阿野の放り込みはエリアまで届かずも、江川のフリックからヘッドの連続でゴール前に迫り、クリアされるも右CKで継続となり。
そしてショートコーナーで戻しという変化から、松本が奥へ切り込んでのクロスで揺さぶり。
しかもこのクロスが直接ゴールへ向かい、GK大西は弾くのが精一杯という絵図になると、エリア内中央へこぼれたボールを黒木が追撃しシュート。
これも蓑田のブロックに跳ね返されますが、更に阿野が反応して横パスの末に、武がダイレクトシュート。
前澤のブロックも及ばずゴールに突き刺さり、フィニッシュの嵐で堅守を崩壊させた末の追加点に。
加入後初ゴールを挙げてゴール裏スタンドで祝福を受けた武により、勝利への気運を高めに高めます。

尚も、反撃の道筋即ち攻撃機会を作れない八戸を尻目に押し込み続ける宮崎。
7分に松本のクリア気味のロングパスを橋本がポストプレイ、受けた阿野がスペースを持ち運んだ末にカットインシュート。
GK大西のセーブに遭うも、依然としてペースを維持する宮崎は続く8分、相手のロングパスを黒木がヘッドで跳ね返し。
これが直接エリア目前まで届くボールとなり、橋本のフリックを受けた武がエリア内へ持ち込み、柳下のスライディングを冷静にいなした末にシュート。
ゴール左に突き刺さり、息もつかせぬ連続ゴールを挙げる形となった武。
これで3点差と、安全圏を確保するに至りました。

一方まさかの開始からの連続失点となった八戸、こうなると主体的な攻めで何とか打開するしか無く。
ベンチも早々に手を打ち、10分に稲積・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
妹尾がシャドーに入る事により安藤が左WBにシフトと、ポジションチェンジも絡めた采配を敢行します。
それでも、11分に宮崎のカウンターを受けてしまう(右から橋本がクロスもGK大西が抑える)など、相変わらず劣勢に映る試合絵図。
しかし余裕が出来た宮崎から、後が無いという空気を引き継いだ事で展開は変わり。

15分、アンカー前澤から左へ展開すると、ポジションを移した安藤が一気にアーリークロス。
それは宮崎の先制点を彷彿とさせる一手で、一瞬無謀に思えたものの、これがエリア内へ走り込んだ佐藤の脚にピタリと合い。
放たれたシュートがゴールネットを揺らし、1点を返した八戸。
これによりようやく反撃の機運を高めるに至りました。

しかし宮崎も、残留へ向けての勝ち点3が見えている状況とあり弱気な姿勢は見せられず。
19分に敵陣右サイド・ライン際で音泉が突破を図らんとした所、対峙する田中誠が制してボール奪取に成功。
そこからスルーパスが橋本に渡り、一気に左ポケットまで推進した橋本でしたが蓑田のスライディングに遭いシュートは撃てず。
異彩を放つ特別指定の田中誠の存在感もあり、八戸に攻勢に持ち込ませません。
23分に右スローインからボール確保ののち、阿野がカットインを経てミドルシュート。
ゴール左を襲い、GK大西の際どいセーブに阻まれますが、ここからCK攻勢と依然としてペースを掴んだままとなり。

この2本目のCKからの二次攻撃が途切れた所で、挟まれる後半の飲水タイム。
どうしても流れを変えたい八戸、明ける際に再度2枚替え。
山内・佐藤→鏑木・藤㟢へと交代し、最終ライン(左CB)に入った藤㟢により、柳下が押し出されるように最前線へ。(蓑田は右CB)
攻撃的な柳下をそれに相応しい位置にシフトするという絡め手で、反撃体制に入ります。
一方宮崎もその後の28分に、江川→辻岡へと交代。

これ以降、ボール保持の色を高める八戸は、攻撃時鏑木がアンカー的に中盤の底に回り。
そして本来アンカーである前澤が積極的に動き回り、時にはエリア内でフィニッシャーとも化する変節を見せます。
30分に左サイドをドリブルした前澤から横パスの連続でエリア手前中央へ、柳下→妹尾のパスは遮断されるも拾い直した柳下がエリア内へ進入。
狭い局面での攻防に入ると、左ポケット奥から安藤がマイナスのクロス、ジャストミートせずもニアで前澤が拾ってバックパスもカットされて終了となり。
どうにかして相手の堅守を上回りたいというその姿勢で、ポジションチェンジ・システム変更も絡んだ事で対応に追われる宮崎を守勢に押し込みます。

試合開始時から飛ばしてきた事とも相成り、運動量を確保したい宮崎。
36分に2度目の交代を行うと、故障明け(放送席の談)である青山を投入。(松本と交代、同時に阿野→魚里へと交代)
八戸の策により右サイドを脅かされる局面も増えたためか、2人を揃って入れ替えました。
一方八戸も、37分に最後の交代を敢行し音泉→國分。

その直後に、宮崎は殊勲者である武が足を痛めてしまい(攣らせたのかどうかは不明)倒れ込み。
最後の交代を余儀なくされるも、準備が間に合わず数的不利になると、その間に八戸が好機に持ち込み。(39分)
ここも前澤が左サイド最前線まで上がり、スルーパスを受けての戻しを経て鏑木のクロスが上がると、ファーで柳下がヘディングシュートを放つも枠外に。
何とか凌いだ宮崎、武・力安→吉澤・坂井へと2枚替えを果たして交代枠を使いきります。

八戸攻勢の一瞬の隙を突き、41分に宮崎は坂井の左→右への対角線のロングパスが魚里に通って好機。
右ポケットに侵入した魚里のグラウンダーのクロスを、最後はストライカーの橋本が合わせましたが枠を捉えられずに終わり。
決定的な追加点は挙げられずになると、以降その前向きな姿勢が混迷を齎し。

直後に空中戦で青山と安藤が交錯して両者倒れ込む事態が発生する(共に無事に継続)と、以降反則絡みで何かあるのでは……という雰囲気も生まれてしまったでしょうか。
そして44分、八戸陣内で宮崎の反則となると、FKの位置に立っていた橋本をどかせるように蓑田が押し倒し。
これにより井上がヒートアップし蓑田に迫った事で、乱闘寸前の絵図を誘発させてしまいます。
何とか落ち着かせた末に、蓑田・井上の両名に警告が付き出されて試合再開となり。

そんな不穏混じりの空気故に、八戸サイドも最早放り込むしかないという終盤戦。
しかしアディショナルタイムに入るかどうかという所で、GK大西のロングフィードを雪江が落とした事でアタッキングサードへ持ち込み、右サイド手前から鏑木がクロス。
これを前澤が合わせにいき、GK青木が跳び出して撃てずも両者接触した事でこぼれ球となり、そこにすかさず雪江が詰めてシュート。
ゴールに突き刺さり、反則も取られずに土壇場で1点差に迫った八戸。
なおゴールしたボールを抑えた田中誠により、直ぐにボールを戻したい八戸サイドがヒートアップの絵図を見せるも、更なる混沌は生まれず何とか収まり。

尚も向かってくる八戸のベクトルを逸らしたい宮崎、橋本が足を攣らせてしまうものの前線でサッカーを展開。
巧くコーナー付近で時間稼ぎの体勢に入る事2度、時計を進めて逃げきりを図ります。
しかしそのATの目安は8分と長く、盤石に見えたその体勢もずっと続ける事は出来ず。

次々とエリア内にボールを放り込む八戸、どうにかして同点に追いつかんと押し上がり。
雪江がロングスローを入れるという場面で、GK大西も上がってくるなど総動員体制に。
その形相を受け、宮崎サイドもGK青木が遅延行為で警告を受けるものの、何とか凌ぎ続けます。

そして試合終了の時を迎え、3-2で勝利を挙げた宮崎。
這う這うの体という印象は拭えない終盤戦ながら、第一である勝ち点の積み上げを果たせた事が何よりの良薬でしょう。

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