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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会決勝 ガンバ大阪vsヴィッセル神戸

2024-11-25 16:00:55 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

前回の天皇杯の記事 -準決勝・神戸vs京都(2-1)

リーグ戦では、ともに上位に位置するクラブ同士の対決となった決勝戦。
最大の下克上といわれた2年前(甲府vs広島)、低迷期に入ったクラブ同士の前年(川崎vs柏)とは、一味も二味も違った内容になる。
そんな、タイトル以外の期待感を持っての視聴となりました。

それでも、自分たちの形に持っていくための、根底の部分で球際の争いが求められるのが真剣勝負の場であり。
前半2分、中盤でのボール争いから倉田が抜け出しドリブルに入った所、井出に倒されて反則。
この遠目からのフリーキックではや放り込みを選択するガンバ、早期に相手にプレッシャーを与える事を選択。
キッカー鈴木がエリア内へ送ったボールを、日差しを気にして帽子を着用するGK前川がパンチングで掻き出すも、尚も確保して再度山下が放り込み。
これを左ポケットで合わせて収めた福岡がそのままラフに高いクロスと、徹底してエリア内で浮き球勝負を挑み。(結局シュートは打てず)
対する神戸も、6分に左スローインで初瀬がロングスローと、たとえ上位同士でも原始的なぶつかり合いが目立つ運びとなった立ち上がり。

しかしこうした立ち回りも、オープンな展開を避け、かつスムーズに本来のスタイルへ移行するための布石の感があり。
9分のガンバ、敵陣でポゼッションに入ると右→中央→左と半円状にサイドを振る定型のパスワークを経て前進して左奥を取り。
神戸サイドも守備を固める中ここからのクロスにしても、奥からか戻して手前からかの選択肢がある場面で、後者を選択して上げられた山田康のクロス。
充分な溜めを経たため、これに合わせたのは後方からボックス内に上がったダワンと、神戸の裏を掻くフィニッシュとなります。
GK前川がこれを何とかセーブ、右にこぼれたボールを山下が折り返し、再度シュートに持っていきましたが(山下が)オフサイドで途切れ。

まず有効打を放ったガンバが、主導権を握るかのようにその後ボール保持の色を強め。
敵陣への進入から、先程と同様に後方に戻して半円状でのパスワークという流れでのサイドアタックを繰り広げ。
16分にその攻めで得た右コーナーキックから、クリアが小さくなった所を山田康のボレーシュートが襲い掛かるも、ゴール左へ際どく外れ。

一方神戸は後れを取った事で、そんなガンバの好循環を折る作業が求められ。
19分にGK前川からのボール保持で、前川がガンバ2トップの間を通すパスでいなす事に成功。
左サイドで溜めを作った大迫から、こちらも最後方で半円状に繋いでサイドを変えた末に、武藤のアーリークロス気味のスルーパスに足から跳び込む宮代。
GKの手前で掠るように合わせるという、際どいフィニッシュになりましたが一森が何とかセーブしてCKと、劣勢ななかで放った一撃。
これで勢いに乗った神戸は本来のハイプレスが冴え始め、21分にはガンバの最後方でのボール保持に詰め、GK一森のフィードを大迫がブロック。
こぼれ球を確保し、左ポケットへ切り込んだ宮代がクロス(シュートには繋がらず)と、チームの長所による好機も齎されました。

今度はガンバが我慢を強いられる時となりますが、ポゼッションが乱れ始めた事で落ち着く時間は無くなり。
神戸はロングボール主体の攻撃ながら、そのクリアボールを悉く確保されるため相手の攻撃機会の減少もままならずと、本来の姿から徐々にかけ離れた状態に。

狙い通りにペースを確保した神戸は、逆に1点が欲しい時間帯に。
32分にガンバの左スローインを酒井が跳ね返してからの繋ぎで好機を迎え、短い縦パス→レイオフの繰り返しでフィニッシュの隙を探し。
そして右ポケットから大迫が低いクロスを選択すると、中央の宮代の前でクリアされたボールをファーで武藤が拾いシュート。
半田がブロックするも尚も確保、左からクロス→クリアののち右サイド奥へと切り込んで酒井が今度は高いクロスを入れ、ヘッドで合わせたのはまたも武藤。(枠外)
リーグ戦で連覇を狙うクラブに相応しい、前線のクオリティが徐々に発揮されていき。
43分、ロングボールを回収したガンバに対するゲーゲンプレスで奪取に成功、右サイドで確保した武藤からのサイドチェンジで、左で受けた初瀬が奥へ切り込んでクロス。
ファーサイドで宮代が合わせる(ジャストミートせず枠外)という具合に、3トップの誰が絡んでもゴールの匂いが漂う状況に。

対するガンバは耐える時間帯ながら、45分に持ち込んだ(初瀬のクロスをブロックしたのちの)カウンターでは、山下の単騎突撃に賭けるという手段しか無く。
山下はその期待に応え自陣から一気に右ポケットまで切り込むも、結局トゥーレルのディフェンスで撃てずに終わるなど、やはり苦しさを拭い去れない攻めを余儀なくされます。

結局スコアレスのまま前半終了。
内容的には、ベストメンバーに近い神戸と、宇佐美を欠くガンバという差異が表れた感のある展開に。
駒落ちを余儀なくされたガンバが何処で仕掛けるか。
ないしはこのまま我慢を続けて延長戦を視野に入れた、粘り強い戦いを繰り広げるのかという点が注目される、後半戦の開始を迎え。

再び遠目からのFKで放り込みを選択(後半3分)と、前半のリプレイのような入りをするガンバ。
セーフティに努めていたものの、4分にそのロングボールを初瀬が跳ね返すと、これが最終ラインの裏ならびにボックス内を突くボールに。
そこに走り込む大迫の前で何とか中谷がヘッドでバックパスと、神戸の圧力の前に一手の間違いも許されないプレッシャーに苛まれます。

それ故にダニエル・ポヤトス監督も、流れを変えて仕掛ける選択を採ったでしょうか。
9分という早い段階で、アタッカーの色が強いウェルトンの投入に踏み切り。(倉田と交代)
つまりは我慢を続けるのは分が悪く、試合を動かして先制点に辿り着かんという采配。(個人の推測です)

11分に神戸のCKからカウンターに持ち込んだガンバ、そのウェルトンが左サイドを独力で突破。
それは酒井を猛スピードで追い抜き、さらにスライディングを振りきるほどであり、奥を突いたのちの中央への戻しを経てダワンのミドルシュート(GK前川セーブ)とやりきったガンバ。
この強烈な矛を軸とし、ベンチの思惑を果たさんとするピッチ上のイレブン。

13分、今度はGK一森のロングフィードに入れ替わる形で突破に入ったウェルトン。
しかし付いていった酒井が今度は防ぎ(こぼれてCKに)、二度はやらせないという名選手の面目を果たし。
これにより、新たな敵兵の存在に脅かされた格好の神戸もすぐさまファイティングポーズを取り直します。
直後の14分に井出→佐々木へと交代した神戸ベンチ。
宮代が井出の居たインサイドハーフにシフトと、采配でも手を打ち。

再び、ガンバの好循環を挫いて徐々にこちらのペースに持ち込む展開へ突入した神戸。
16分には敵陣深め右サイドでのボール争いで、ガンバが追い込まれるという形でゴールラインを割りCKを獲得。
その絵図はそんな流れ、並びに試合全体での優劣を決定付けるものでありました。

そして19分、後半は帽子を脱いだGK前川の佐々木を目掛けたロングフィードから、セカンドボールを確保するという定番の流れから好機。
跳ね返しに入った中谷の裏を素早く突き、大迫のスルーパスで左ポケットを取った末に入れられた武藤のクロス。
これが(GK一森が前に出たのもあり)シュートともとれる低く鋭い弾道で入ると、クリアに入った福岡は体に当てるのが精一杯となり、目の前にこぼれたボールをすかさず宮代が詰めてシュート。
最後は前線3人(佐々木も加えて4人か?)の連係という、神戸の象徴のようなフィニッシュでついに先制点に辿り着きました。

反撃に掛かりたいガンバですが、ウェルトンの能力も突破口とならない以上、手詰まり感が強くなり。
下手にボール保持の能力が高い故に、ボールを持たされる展開に陥り同点への機運は高まらず。
それを変えるべく、27分に再度ベンチが動き。
山下と山田康に代え、ファン・アラーノとイッサム・ジェバリを投入。
同時に助っ人2枚を入れ、神戸同様前線のクオリティでどうにかしたいとい布陣に。(坂本がトップ下に降り、ウェルトンが右に回る)

29分、左奥からのスローインで直接ポケットを取りにいくガンバ、こぼれ球を拾った坂本の切り込みでCKへ辿り着き。
ここから二次攻撃を仕掛け続け、クロス攻勢の末に右サイドから仕掛け、アラーノが右ポケットへ切り込んでのクロス。
これをニアでフリーになっていたダワンがヘディングシュートと、何度も仕掛けて出来た隙を綺麗に突けたものの、フィニッシュはゴール右へ僅かに外れ。
悔やまれる決定機逸に、ダワンもすぐさま頭を抱えてしまう程であり。

この直後に神戸も2枚替え、初瀬と宮代に代えて本多とジェアン・パトリッキを投入。
冷や汗を掻いたものの、以降は自身の流れを取り戻して冷静に時間を進めていけば良いという流れに。
すぐさまゴールキックでの再開からロングフィード→大迫フリックという定番の流れで好機を迎え、佐々木がパトリッキとの1タッチでのパス交換を経てシュートに持ち込み(半田がブロックしてCKに)、それが果たされます。
その後もガンバの攻撃を断ち切ったのち、GK前川ロングフィード→ターゲットがフリックorクリアボールを拾うという、準決勝でも存分に見られたロングボールの確保する力を見せ付け。
これだけ真価を発揮できれば、ガンバが掲げる「ポゼッションを攻撃・守備双方で有効利用」という基本方針も、何とも空虚に感じさせられてしまうものであり。

既に相手の手段ならびに心を折る事に成功と、勝利への条件は十中八九手にした感のある神戸。
しかし最後の交代を敢行するという所で、武藤が足を攣らせる仕草を見せ。
これにより大迫を退かせる選択をしていたベンチは一瞬迷い、武藤の続行可能というサインを受けて思い直し。
38分に大迫→山口へ交代と、若干の混乱もそれを最小限にせんとする立ち回り。
それでも諦めないガンバは隙を突きに掛かり、直後またも遠目でのFKによる放り込みから、中央で空中戦に持ち込んだ末にファールトラブルが。
アラーノとパトリッキが空中戦で交錯して両者倒れ込むと、パトリッキが腕を入れたという判定で反則並びに警告を受ける事態、さらに絶好の直接FKを与えてしまう状況に。
この中央からのキック、直接シュートを放ったのはジェバリで、空いた壁の間を通さんとするも掠めた末にGK前川がキャッチ。

折角貰った好機もモノに出来ずの格好に、落胆する暇も無いガンバ、最後は中谷を前線に上げるパワープレイ。
その姿勢を見せた直後の44分に最後の交代を敢行(黒川・鈴木→岸本・美藤、半田が左に回る)と、準決勝(マリノス戦、延長3-2)の再現を狙いにいきます。

パワープレイと言っても、例によって神戸のゴールキックの際は、センターバックとして跳ね返しに入り。
そしてマイボールになるや最前線に上がる、今季の中心である中谷の存在感を象徴するような攻守双方で中心として働くという姿勢。
突入したアディショナルタイム、FKとCKに1度ずつ持ち込み、中谷に向けてボールを放り込むガンバ。
しかし得点どころかフィニッシュにも辿り着けずと、やはり付け焼刃の感は拭えません。

そして最終盤、GK前川ロングフィード→武藤収めで右サイド深めでボール確保に成功した神戸。
佐々木が反則を受けて途切れた所で、決着を告げる試合終了の笛が鳴り響きました。

5年ぶりの天皇杯制覇を果たした神戸。
前回は低迷期の中で、今回はリーグ優勝を狙う道中でのタイトル獲得と、その様相はまさに黄金期に突入したと言っても良い流れ。
今後は一昔前の川崎のような、秩序を発揮する事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第37節 福島ユナイテッドFCvsアスルクラロ沼津

2024-11-21 16:01:45 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 福島ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島は勝利かつ、北九州が敗戦・八戸と相模原が引き分け以下という条件でプレーオフ圏が確定。

この記事でチラリと触れた通り、6位の座を争う直接対決。

その内訳は、ともに4-1-2-3の布陣をベースとするチーム同士。
そして今季のボール保持率も1位(沼津)・2位(福島)の争いと、同じコンセプトのチームのぶつかり合いという、どこから見ても熱い戦いは必至な一戦となりました。
そんなチーム設計での違いは、沼津が守備時は4-4-2になるのに対し、福島は4-3-3のまま前線の守備を行うという点。
これまでの福島の試合からも、それが積極性と前向きに捉えられる面もあれば、前掛かりも甚だしいそのシステムが脆さを生み出す事もあり。

試合が始まり、早くも前半1分に福島は鈴にコンタクトがズレるというアクシデントが発生。
直ぐにピッチ外で調整し、暫くして復帰したものの、波乱を予感させる入りとなりました。

沼津はその慌ただしい鈴の場所を突くように、マッチアップする鈴木が高い位置を取った所にロングボールを当てる攻撃で立ち回り。
従来の「偽サイドバック」戦術を押し出すスタイルとは打って変わって、右SBの安在は普通のSBのようにワイド中心に振舞います。
大事な試合かつ、目下下降線で今節を前にとうとうPO圏から転落してしまったというチーム状態もあり、オーソドックスかつセーフティな意識が強かったでしょうか。

その要因のもう一つとして、最終ラインに入っているマルティニリッシの存在。
30節(YS横浜戦、2-0)からセンターバックの一角を務める、初見の自分にとってはまさに「謎の助っ人」的な雰囲気であり。
助っ人らしく対人に特化したタイプなのか、ビルドアップに殆ど絡まずに、彼をパスが経由する場面は殆ど無く。
守備強化のための駒で、保持は彼抜きで行うというチーム方針が伺えるものであり、それ故に特徴の「偽SB」を封印せざるを得ない……などと邪推してしまい。

それでも、ホームに大観衆を迎えての大一番だけに、立ち上がり硬さが拭えなかったのは福島の方。
7分に針谷と城定の連係ミス(針谷が前に出たその後ろにパスを出してしまう城定)から沼津の速攻を浴びるも、ここは菅井→森夢の縦パスを遮断して防ぎ。
14分には沼津の最終ラインに対しハイプレスで向かうも、濱に対し鈴が食い付いた所を繋がれるという弱点を突かれ。
鈴木が左サイドを駆け上がってクロスに辿り着く(大森がブロック)という具合。
何とかその合間を縫って持ち前のショートパス攻勢を貫きますが、18分には森晃が左奥を伺う状況に持ち込むも、戻しを経て城定の縦パスで中央を突き。
これを大関のスルーと変化を付けるも、塩浜の手前で遮断されて沼津のカウンターに繋がり、持井スルーパス→和田ドリブルで一気にエリア内へ。
そして放たれたシュートは山田がブロックと、危ないシーンの方が目立つ、観衆の悲鳴が交錯する試合展開を強いられます。

一方沼津のプレッシングも、2トップを基本線としつつ、状況によっては相手SBを切りながらサイドハーフ(ウイング)が最前線に加わる3枚でのハイプレスの体勢を取り。
21分に大森が右へ流れながらの鈴へのパスで、前に出てきた鈴木の裏を取って前進に成功する福島。
そして中央から城定縦パス→大関スルーパスと、持ち前の間を通す素早い前進でエリア内を突いたものの、FWとの呼吸が合わずに繋がらず終わり。

沼津の方も弱点が露呈しかねない前線の体勢ですが、24分にはそれが奏功して中に絞った鈴木のパスカットから、拾った和田が左サイドでキープするところ(大森に)反則を受けて直接フリーキックの好機に。
キッカー森夢のクロスは、丁度中央のGKとDFの間にピンポイントに落ちるベストボールになり、そこへ飛び込んだ附木のボレーシュートがゴールに突き刺さります。
大事な一戦に相応しい、セットプレーでの綺麗なフィニッシュで先制に成功。

リードを得た沼津、以降前線の守備は2トップがアンカー(針谷)を切るというオーソドックスなものに。
そして、繋ぐ能力に難のある山田が持つ所を狙っていた節がありましたが、これは福島サイドも松長根や大関を下げ気味にする事で対処。
結局脇に降りるインサイドハーフにより、針谷のパス出しを防ぐ事はままならずとなりました。
34分、その針谷が大森とのパス交換の最中に、沼津が前に出てきた所を突いて(大森から)2トップの間で受けたのちスルーパス。
走り込んだ塩浜の前で遮断されるも、こぼれ球を樋口がダイレクトでシュート(GK武者キャッチ)と、その攻撃サッカーが真価を発揮し始め。

受けに回ると沼津も予断を許さないという状態で、試合を動かしたのはミス、それも攻めた側の福島の最終ラインからでした。
36分一旦最終ラインに戻した福島ですが、前を見ていた松長根が山田からパスを出されたのに気付かないという噴飯ものの絵図で、回収した森夢から沼津の攻撃に。
ここから安在のクロスが2本入り、2本目を防いだ福島がカウンターと、そのミスが沼津の前掛かりを誘ったかのような形で好機。
森晃のドリブルで左奥を伺う状況を迎えると、さらに切り込んで入れられたマイナスのクロスを、大関がニアに走り込んで合わせ。
シュートは見事に対角線を突いて右サイドネットに突き刺さり、怪我の功名感が強いながらも、貴重な同点弾を叩き出しました。

勢いを得た福島、尚も苛烈に攻め上がり。
守備を固める沼津ディフェンスの間を縦パスで悉く通し、ポケットをドリブルやスルーパスで突くという本来のスタイルを如何なく発揮。
しかしここで支えたのがマルティニリッシで、決定機を迎えんとする福島の攻撃をエリア内で好カバーの連続で防ぎ。
ディフェンス能力を買われてのスタメン定着に相応しい働きで、窮地を救います。

その中で40分にカウンターチャンスを迎えた沼津ですが、センターライン付近で森夢が山田のチャージを受けて反則で途切れ。
カウンター阻止に見えたもののカードは出ずに終わりと、(既に34分に森夢が警告を受けていたのと相成って)相手の猛攻を絶え凌いだ末に不満を溜めるような判定が絡んだ事で、後半の伏線となってしまったでしょうか。

1-1のまま前半終了となり、(ともにハーフタイムでの交代も無く)勝負の後半戦へ。
その入り、福島のキックオフからの攻めが途切れて沼津が最終ラインから攻撃、珍しくマルティニリッシを経由したのち右から徳永が裏へミドルパス。
このセカンドボールを拾った持井が(大森に)反則を受け、中央から直接FKのチャンスを迎えます。
そして入念に時間を掛けられ、満を持して放たれた森夢のシュート。
これが壁に当たって左にこぼれるも、頭部でのブロックという形になった松長根にチェックが入る形でブレイク。

前半の鈴に続き、後半も予期せぬトラブルに見舞われた福島の立ち上がり。
しかしその直後にさらなる事態が起き、ハイボールの競り合いで鈴と鈴木が頭部同士激突して両者倒れ込み。
これが、クリアした鈴の後ろからパッティングという形に映ったため鈴木の反則並びに警告という判定に。
そして警告付きとなったため、鈴はそのまま復帰するも、鈴木はピッチ外→復帰という手順となったのも沼津サイドに不満を溜める事に繋がったでしょうか。
直後の6分、またも鈴が鈴木に反則を受ける一幕が生まれると、塩浜がヒートアップするとともに一斉に警告(ならびに退場)をアピールする福島サイド。
そんな相手をさらに揺さぶりに掛かるという、醜悪ぶりも顔を出すのは重要な一戦である以上避けられません。

以降、9分にも裏に抜け出そうとした森晃を倒してしまったマルティニリッシが反則・警告。
福島サイドも11分、菅井をアフターチャージで削ってしまった鈴が反則・警告と、カードトラブルの色が濃くなる展開。

鈴木が警告付きとなったため、前半多用していた彼をターゲットとするロングボールに頼れなくなった沼津。(それもそのロングボールが生んだ反則・警告だったののもあり)
福島のハイプレスを受けながらも、地上での繋ぎでどうにかするしかない状況に。
13分、プレッシャーを受けた附木がGKへ戻し→武者ロングフィードでプレス回避すると、これを持井が収めて攻めに繋げ。
スルーパス→森夢・和田の連続レイオフから、徳永のミドルパスでエリア内を突き完遂させにいくも、走り込んだ森夢の前でGK吉丸に抑えられ。
17分には敵陣でポゼッションを続け、実らず途切れるもゲーゲンプレスを掛け、和田の反則気味の奪取で継続。
右ポケットで受けた安在が横パス、中央への持井にはズレるも、左で鈴木が拾ってシュート。(ブロック)
余計なシーンが目立っていただけに、ここまで後半フィニッシュを打ったのは沼津のみという展開に。(ただし2本)

カードの枚数は沼津の方が多いとはいえ、それによるブレイクも絡んでロクに攻撃できずという、悪い流れを強いられる福島。
ここから森晃が流動的なポジションにより、ビルドアップの出口を務めるという対処法の色を強め、それを変えに掛かり。
23分に最後方での繋ぎから、針谷縦パス→森晃スルーパスで左奥へ走り込んだのは松長根と、その体制から迎えた好機。
彼から上がった低いクロスがゴール前を突くも、中央の城定の前でクリアされ、こぼれ球を鈴がミドルシュート(鈴木がブロック)と鋭い攻めで後半の初フィニッシュを生み出します。
尚もこぼれ球を繋げてコーナーキックに持ち込んだという所で、ベンチが動き山田→野末へと交代。

このCKが実らなかった所で、沼津ベンチも動きを見せて一挙3枚替え。(25分)
濱・鈴木・和田→宮脇・齋藤学・中野へと交代します。
軸となっていた濱をこの局面で退かせるという具合に、これまでのチーム設計から何らかのモデルチェンジが図られた感があるのは、やはり重大な一戦だからなのか。

しかしその執念も実らず、以降福島へとペースの針が振れていき。
26分・28分と立て続けに塩浜にシュートを打たれ、特に後者は例によって城定縦パス→大関スルーパスと素早く縦に運ばれた末に右ポケットから撃たれたもので、サイドネット外と命拾い。
縦横無尽に崩される流れとなってきた所で、濱と交代で入った宮脇も警告を受ける(31分、鈴への反則)など傷だらけとなってきた沼津ディフェンス。

そして破綻の時が訪れ、32分に福島が裏へのロングボールを選択すると、附木がクリア出来ずに後方へ流れた所を城定が受けるビッグチャンスに。
そのまま右ポケット奥まで切り込む城定、入れられたマイナスのクロスを合わせたのは樋口でしたが、ジャストミート出来ず左へ逸れ。
痛い決定機逸というシーンでしたが、沼津は流れを変えられず、直後のゴールキックで再開後のビルドアップを詰まらされ。
安在の苦し紛れのバックパスがゴールラインを割り、福島にCKを献上してしまう形になると、キッカー針谷はニアへ低目のクロス。
クリアが入るも上空へ浮かんだ事で乱戦を呼び、野末の落としで右へこぼれた所を松長根がダイレクトでシュート。
ブロッカー3人を掻い潜った末にゴールに突き刺さり、超重要といえる勝ち越しゴールがついに齎されました。

押されっぱなしの沼津でしたが、これで反撃に出なければならなくなり。(キックオフ前に森夢→津久井へと交代)
しかし攻撃は形にならず、逆に35分に宮脇が塩浜のドリブルを反則で止め、再度福島サイドが警告ならびに2枚目による退場を猛アピールする絵図が生まれてしまい。
その後も福島の猛攻を反則で止めざるを得ないシーンを量産するなど、その機運は高まりません。(39分には大関を倒した津久井がアドバンテージで流されたのちに警告)

その間に交代カードを消費し、勝利への進軍を始める福島。
36分に針谷・城定→吉永・上畑、43分に森晃・樋口→清水・矢島へそれぞれ2枚替え。

試合も最終盤を迎え、窮地の沼津はマルティニリッシが最前線に上がるパワープレイの体勢に。
菅井が彼の穴を埋めながら、チャンスと見るや後方からゴールを狙う役割へと移り変わり。
そしてアディショナルタイム、GK武者ロングフィード→マルティニリッシフリックから敵陣でポゼッションに入る事に成功した沼津。
右からの津久井のクロスの跳ね返りを、後方から上がってきた菅井がミドルシュートと、その狙い通りのフィニッシュが。
しかしエリア内に居た中野に当たる形でゴール右へと逸れ、乾坤一擲といったこの好機もモノに出来ません。

結局チャンスらしいチャンスはこの一度のみで、その後もマルティニリッシへロングボールを送り続けたものの、形になる事は無く。
試合終了の時を迎え、2-1で勝利を得たのは福島。
大一番を制し、歓喜の輪を作る寺田周平監督はじめメンバー一同。

これにより沼津を昇格争いから振り落とし、6位をキープした福島。
7位には北九州が着けたものの、勝ち点差は3でかつ得失点差は11ものリード。
この局面で、貫いてきた攻撃サッカーが活きた形により、ほぼPO圏を確定させる運びとなりました。
この快挙ぶりにクラブ自体も興奮のるつぼと化したか、はや寺田監督の来季続投が発表される事となりましたが、当然ながらまずはPOでの戦いを第一に考えるのが大事でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第37節 松本山雅FCvsFC琉球

2024-11-20 18:01:16 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 松本は勝利かつ、北九州と八戸が引き分け以下の場合でプレーオフ出場が決定。

J3も佳境を迎え、続々と結末が決まっていくトップ並びにボトム。

残る1枠の自動昇格争いは、今治が制し初のJ2への切符をつかみ取り。
これで愛媛が落ちて来ずとも再度の伊予決戦への環境は整い、一時は徳島のみと化していた四国勢のJ2での熱狂は必至でしょう。

一方で最下層では、岩手が敷かれるレールから脱却できずに最下位が確定。
ほんの僅か前にJ2に居たクラブが、まさかのJFL降格という事態に蜂の巣をつついたような騒ぎはこちらも必至。
岩手はJ3設立(2014年)の際には唯一JFLに所属していないクラブであり、審査により参入が認められたという経歴。(とはいっても、前年の地域CLで優勝しているのでJ参入が無ければJFL昇格していただろう)
それにより初のJFL経験で、JFL→Jリーグ参入の際に壁となる観客動員数の条件も、今後再昇格の課題となるダブルパンチが襲い。
やはり地道なクラブの拡大に努めるのに越した事は無いという事を示す降格劇でしょうか。秋田豊氏の社長就任からも何処か道楽的な思考に憑りつかれていた感が

残るは上部ではPO圏、下部では入れ替え戦枠が決まるのみ。
既に2位争いに敗れた格好の富山が1枠を手中に収めており、残り3枠を何処が掴み取るかという、今季初めて開催されるJ2昇格PO。

それにより、不本意ながらもチャンスを得ているという立場の松本。
クラブ規模的にも、自動昇格を争う立場で無いのは可笑しいという他無く、敗者復活の感が否めないものの形振り構ってはいられず。
11位という切羽詰まった状態で迎えた34節(YS横浜戦、2-0)以降、基本布陣も3-4-2-1に変更と、確実な勝利に向けて安定化を図ると連勝街道に乗り。
そしてこの日勝てば、条件次第で6位以内が確定する所まで浮上を果たしました。
相手は、対照的に無念にも昇格の夢が潰える事となった琉球。

守備的なイメージの強い3-4-2-1という布陣の松本ですが、果敢にハイプレスを掛けるスタイルとの事(放送席の談)で、それに違わず琉球のボール保持に対しても積極的な前線の守備。
前半3分、縦パスを受けた武沢に対し果敢に宮部が前に出てボール奪取、こぼれ球をすかさず山本康がスルーパスとボールゲインからの速攻。
左奥へと持ち込み、菊井がファーへ上げたクロスを佐相が落とし、安藤がダイレクトでシュート(増谷がブロック)とフィニッシュにも繋げ。
しかし、攻守交替したその直後にも山本康がボール奪取からスルーパスと息もつかせず。
村越が右から入れたグラウンダーでのアーリークロスを、安藤が合わせシュートしますがGK東がキャッチ。

開始早々から果敢に仕掛ける松本。
しかし布陣変更して日が浅いためか、守備に回ると不安が顔を出し。
特にウイングバックの立ち位置にその傾向が見られ、前線につられるように前への意識が滲み出す局面がしばしば見られます。
15分に攻撃を切りボール確保した琉球、右ワイドの上原にゲーゲンプレスを掛ける松本をパスワークでいなし、逆の左へ展開。
すると岡澤に釣られた佐相がワイドを開けた事で、パスを受けた藤春が持ち運んでクロス(誰にも合わず)と、琉球のポゼッションに崩され屈するという負けパターンが過るような立ち回り。

しかしそれを杞憂にするべくの先制点が直後に齎され。
16分ゴールキックでのロングフィード(一応、センターバックが受ける体制を取ったまま蹴り出しと裏を掻き)を、目測を誤った増谷により安藤が収めてから持ち運んで好機を迎え。
そのまま右ポケットへ切り込んでシュートを放つと、GK東のセーブを掠めてゴール内へと転がるボール。
鈴木がクリアするも惜しくも間に合わず、ゴールという判定でリードを得た松本。

まさかのロングパス1本での得点と、パスサッカーを繰り広げる立場の琉球にとっては顎を外すようなリードの奪われ方。
しかしその後も、松本のロングボールに対しディフェンスは対応に難儀しクリア出来ずというシーンを量産するなど、こちらも守備面で欠陥を抱えているようであり。
つまりは必然という他無い失点だったでしょうか。

そのボール保持に徹する琉球のビルドアップは、ほぼミラーという布陣を避けるため、可変を軸にした組み立て。
3バックの左右の片方が前に出て、その逆サイドでWBが下がり目という、4バック気味となる最終ライン。(今季のJ2で言えば徳島のスタイルが近い)
しかしそれは失点前までで、ビハインドとなってからは松本1トップ・安藤がアンカーを消す意識を高めた事で、可変せずに繋ぐ色を強め。
パスワークの最中にハイプレスに出られても、GK東がその中に加わる事で数的優位を作って凌ぐ体制へと移ります。
これによりWBも高目となり、18分には最終ラインから左への展開を経て、エリア内へのロングパスの跳ね返りを上原がミドルシュート(高橋がブロック)とフィニッシュにも絡ませ。

しかし28分、松本はまたもゴールキックでのロングフィードから確保し、サイド奥へ運んでコーナーキックに持ち込み。
ここからCK攻勢に入り、相手を自陣へ釘付けにする事でペースを奪い。
琉球にとっては前述のロングボール対処の拙さで、攻撃の流れを失いさらにはスコアにも繋がる事となります。

31分、琉球は左サイドから前進を図るも、敵陣浅めでの重松のキープに対し野々村が前に出てボール奪取。
またも積極的な守備を嵌めてカウンターと、立ち上がりの流れそのままに攻め上がり。
中央を持ち運ぶ安藤に対し琉球は最終ラインしか残っておらずノープレッシャーという状況で、そのままその裏を突くスルーパスで村越が抜け出し。
そしてエリア内へ進入して放たれたシュートが、GK東の右を破ってゴールに突き刺さります。
PO進出を大いに手繰り寄せる追加点に、沸き上がる松本のホーム・サンプロアルウィン。

スコア的に苦しくなった琉球。
34分に最終ラインでの繋ぎから鈴木が一気にエリア内を突くロングパス、これにダイアゴナルで走り込んだ藤春がダイレクトで合わせ。
放たれたボレーシュートがネットを揺らしたものの、オフサイドとなり残念ながらノーゴール。
全体として前掛かりな松本の裏を突く姿勢を強めていたものの、その分オフサイドも量産されてしまう流れの象徴となりました。

停滞を強いられる相手に止めを刺したい松本は、44分にも決定機。
パスワークで左サイド奥を取った菊井のクロスが入ると、ニアで安藤がヘディングで合わせ。
しかしゴール左へ際どく外れ、3点目は奪えず。

結局2点差のまま前半終了。
琉球は良くない流れながら、終盤にカウンターからCKに繋げるなど、何とか巻き返しの姿勢は見せ。
しかしゴールが遠い状況故に、ハーフタイムでカードを切り武沢→富所へと交代。
白井の札幌移籍により、トップスコアラーの地位を得た(11得点)ベテランの存在で風穴を開けにいきます。

これにより後半はオリジナルの3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣から、岡澤・富所がそれぞれ一列下がる、3-4-2-1の色が強くなり。(特に守備時)
中盤中央を固める事でボール保持の安定性を高め、間を通す縦パスもやり易くなった印象を受け。

しかし、松本は前半同様ボールゲインから好機を量産。
後半3分に佐相のカットから、拾った菊井がミドルシュートを放つもGK東がキャッチ。
6分に最終ラインでのパスミスを誘発し、拾った安永がそのままミドルシュートを放つも、ゴール左へと外れ。
数多パスを繋ぐ琉球を尻目に、効率良くフィニッシュを放ち追加点を狙う松本。
9分には主体的な攻めでも、GK大内のパスを受けた高橋がそのまま裏へロングパス、走り込んだ村越の落としから展開されるアタッキングサードでの攻撃。
そして菊井がミドルシュート(GK東キャッチ)と、遠目からシュートを連発するその姿は、町田のアンチフットボールなスタイルとは違い正当にパスサッカーに宣戦布告を果たしているようであり。

それでも繋ぐスタイルを徹底する琉球、14分にはGKへと戻してハイプレスを呼び込み、右サイド→中央でのパスワークでいなしきるなどその真価を発揮。
しかし左へ展開ののち藤春へのパスがオフサイドとなり終了と、やはりフィニッシュを生み出せなければその意味は薄く。

そんな状況で、3枚替えが敢行されたのが16分。
増谷・岡澤・重松→高安・平松・庵原へと交代、高安が左WBに入る事で藤春が最終ライン(左CB)に回り。
このポジションチェンジにより、2CB化しての繋ぎの色が強まりましたが、上がるのは藤春ではなく鈴木の方が目立ち。

それでも琉球はフィニッシュが遠い状況に変わりは無く。
逆に松本の方も、琉球の可変により綺麗なボール奪取を見せる事は極端に減り、その分シュートに結び付けられず。
お互い停滞してきた所で、松本ベンチがこの日初めて動き安藤→高井へと交代します。(26分)

盤石な相手が動いた影響か、ここから巻き返しが図られる琉球の攻撃。
27分中央でのパスワークが遮断されるも、右で拾った上原のスルーパスに抜け出した庵原、右ポケットでの切り返しを経てグラウンダーでクロス。
ニアで富所が合わせシュート(GK大内キャッチ)と、状況を打ち破るフィニッシュがようやく生み出され。
30分には松本の攻撃を凌いだのち中央から素早く運び、富所・庵原での2人のパスワークが遮断されるも後方から佐藤がカバーして繋ぎ。
そして富所のスルーパスが右ポケットに入り、同じく後方から走り込んだ平松が受け、奥からシュート(クロスがDFに当たった?)を放つもGK大内のセーブに阻まれ。
(31分に岩渕→鍵山へと交代)

それでもシステム的には、鈴木が上がる効果を出したい琉球。
32分にその鈴木が右奥でロングパスを受けた事で、奥からスローインを得ると上原がロングスローを敢行。
ここからセカンドボールを拾い続けて押し込み、左サイドでのパスワークを経て高安がカットインからエリア内中央でシュート。
ブロックに跳ね返され、最終ラインから攻め直しとなりましたが、平松ロングパス→鈴木落としで再度エリア内を突き。
これを拾いにいった庵原が樋口と足同士で交錯する形で倒れると、反則を告げる笛が鳴り響きます。
お互い様のチャージに見えたため松本にとっては寝耳に水というPKとなりましたが、VARが無い以上判定は絶対であり。
このPKは富所がキッカーを務め、派手な動きこそ無いが確実にGKを釣り出しに掛かる助走で、キッチリ逆を突いてゴール右に蹴り込みます。
これで1点差と、まだ判らないという雰囲気を高める琉球。

思わぬ失点で緊張感が高まる松本。
それを払拭せんと、37分に3枚替えと大胆に動く霜田正浩監督。
高橋・山本康・村越→橋内・住田・浅川へと交代します。(高井がシャドーに回り、浅川の1トップ?)

落ち着きを取り戻し、左スローインの連続で相手からペースを奪い、かつ好機を生み出しに掛かり。
39分にその左スローインから安永が奥からカットインでゴール前を伺う所に、鈴木のスライディングが襲い倒され。
先程のPKの後でしたが、反則の笛は鳴らずに終わり。
不公平感を露わにする松本サイド、並びにスタンドのサポーター。

しかしその直後、琉球の保持に対しプレス回避させず、GK東の縦パスを樋口がカットする形でのショートカウンター。
たまらず鍵山が樋口を倒した事で反則となり、左ハーフレーンから直接フリーキックの好機に。
これを先程の鬱憤を晴らすかのように、安永が放った直接シュートがゴール左上を襲いましたが、GK東がセーブ。
3点目は奪えませんでしたが、嫌な流れを吹き飛ばすには十分な効果がありました。

以降琉球に攻撃機会を与えず、サイド深めに持ち込んではコーナー付近でのキープを繰り広げるなど、勝利への進軍を始める松本。(一度、完全フリーで放たれた菊井のシュートが枠外という決定機逸がありましたが)
目標に向けて徹底されたその姿勢に、琉球もお手上げ状態にならざるを得ず。
何とかその流れを断ち切ると、森・鈴木が前線に上がってパワープレイの体勢に入る事となり。

ロングボール攻勢に入るも、結局フィニッシュには繋がらなかった琉球の攻撃。
目安時間(+5分)が過ぎるという所で、残された最後のカードを使った松本(佐相→國分)、そのまま逃げ切る体制は崩れず。
2-1で試合終了の時を迎え、4連勝を達成して残り1試合を迎える運びとなりました。

この試合と同時刻で開催された、北九州の試合(長野戦)は引き分けに終わり。
そして翌日、もう一つの対象クラブである八戸(富山戦)は敗戦。
これによりPO進出が決定する事となった松本(とFC大阪)、無事にミッション達成を果たしたものの、その喜びは当然PO終了後にも分かち合いたい所でしょう。

尚、あと2つ松本を上回る可能性を残すクラブ(福島・今治)がありますが、それは今節直接対決となったためどちらかの脱落は必須となり。
そのサバイバルの様相にも注目が集まり、果たしてPOカードの行く末は。

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TV観戦 2024YBCルヴァンカップ プライムラウンド決勝 名古屋グランパスvsアルビレックス新潟

2024-11-04 16:01:07 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 今季は21歳以下の選手の出場義務は無しとの事。

レギュレーション変更を経て開催されたルヴァン杯。
これにより「ジャイアントキリング」の機会が膨らみ、楽しみに幅を持たせたものの、終盤になるとタイトルに向けた真剣勝負へと変貌するのは変わらず。

それでも決勝のカードは、2年連続で初タイトルの掛かった組み合わせと、「ジャイアントキリング」の感が保たれ。
初の決勝進出となった新潟、その地元の高揚感は言わずもながで、東京行の新幹線の席を全て埋める程の大軍勢を国立競技場に形成する運びとなり。
その結果、本大会において史上最大の観客数を更新(62,517人)したこの試合。

全国的に悪天候の週末となり、国立の場も例外では無く。
前年の昇格プレーオフと変わらぬ荒れたピッチ上に加え、滑りやすい状態と化した中で迎えた試合開始。

難しい環境面故に、新潟サイドもセーフティな入り(ロングボール多め)を繰り広げる中、名古屋はこの試合の軸となりそうな手法を早速見せ。
前半5分GKランゲラックが右へとロングフィードを送り、それを高めに位置する野上がフリックと、長身のワイドプレイヤーを利用した前進法。(あるいは、J2・徳島時代に何度も突かれていた橋本の高さの欠如狙い)
ここからポゼッションに入り、戻しを経て河面のロングパスを永井が収め、ボックス内でキープするも撃てずに終わり。
その後の6分に中盤でのフリーキックを得た名古屋、放り込みを選択して左ポケットで三國が折り返し。
クリアされたボールを稲垣がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、アバウトな立ち回りのぶつかり合いでは名古屋の方に分がある、という立ち上がりに。

当然新潟はその状況を覆しにかかり、即ち本来の持ち味である地上での繋ぎへと舵を振り。
10分にGK阿部を含めた最終ラインでの繋ぎに対し、名古屋も激しいプレッシングを仕掛け、奪いきれずも新潟も前進出来ずと痛み分けの状況に。
しかしGK阿部へと戻ったボールから、お互い乱れた陣形を突くかのように前進開始する新潟、中央に橋本が回ったのを受けてドイスボランチが左へと回って繋ぎ。
再度名古屋のプレッシングが襲うも秋山→宮本→舞行龍と経由して中央へ展開して脱出し、右サイドから前進成功(小野の手前からのクロスで終了)と、自陣でのボール保持により大観衆を大いに沸かせました。

これを切欠に攻める新潟、11分に敵陣で秋山の1タッチパスが主審に当たった事で、ドロップボールの再開から宮本がすかさず右へ展開。
藤原が持ち運びを経て中央へ(横パスと表現すべき)縦パスを打ち込むと、小野がダイレクトでシュートを放ちましたがGKランゲラックがセーブ。
しかし右コーナーキックで継続すると、ショートコーナーを経て後方からの放り込みを選択し、その結果エリア内で乱戦に。
こぼれた所を秋山がシュートを打ち込む事2度(いずれもブロックされる)と、フィニッシュでも上回りを見せる、攻撃サッカーの神髄を発揮しに掛かり。

それでも名古屋の修正力は早く、15分を境に新潟の勢いは消沈気味に。
ドイスボランチにはドイスボランチが付く、というお決まりの対応の色を強め、下がって組み立てに入らんとする新潟のボランチの片割れ(秋山か宮本かは流動的)に対し前に出て付き纏い。
そのスペースを突きにかかるパスに対しては、三國が前に出て流動的に対応するというスイーパーの色を強める事で対応。
こちらもリアクション型サッカーの神髄を発揮と、頂上対決に相応しい展開となりました。

次第に相手からペースを奪い、28分の名古屋のゴールキックでGKランゲラックはやはり右サイドへとフィード。
跳ね返りを森島が拾って攻撃開始し、椎橋の1タッチパスで永井を走らせるという手数の少ない攻めと、こちらの面も新潟とは対照的。
こうして入れられた右奥からのマイナスのクロスを、ニアで和泉が合わせましたがミートしきれずに終わり。

しかし流れは名古屋のもので、迎えた31分。
新潟はここも自分らしく、GKを含めた最後方からの繋ぎを選んだものの、迷いの無くなった名古屋の前に裏目に出る事に。
左サイドで詰まった結果再度GKへ戻されるも、中央のスペースへの1タッチパスを選択した阿部でしたが、完全に読まれてそこに走り込む永井。
そしてダイレクトで蹴り込まれたシュートがゴールネットを揺らし、繋ぎのミスという絵図で名古屋が先制点に辿り着きました。
しかしミスというよりは、阿部へ戻された瞬間に(和泉に付かれていた)秋山が「スペースへ送れ」と指示を送っていたので、手段を封じ込められて誘導されたという他無く。
逆の右サイドに舞行龍が開いていたものの、そこを見れていなかったため選択肢は中央しかなかった、という流れに持っていかれた結果だったでしょうか。

スコア的にも優位に立った名古屋。
34分に新潟の左サイドアタックから、バックパスを受けた宮本に対し永井がプレスバックしてボール奪取してからのカウンター。
新潟の裏を突くように右ワイドを前進していった森島、ポケットへと流れた末にクロス、並びに(ブロックされて)CKへと辿り着き。

これにより、早めに取り返さんとする新潟に対し、カウンターで後方を脅かす名古屋という絵図へと塗り込められ。
J1に上がってからの新潟の悪癖というべきか、縦パスを多用して何とか好機を作らんとする、焦りが顔を出す流れへと持ち込まれます。
その結果簡単にボールとともに攻撃機会を失い、そして名古屋の攻撃で自陣深めまで戻されるという、反撃どころでは無い状態に。

名古屋は41分、再びGKランゲラック右へフィード→野上収めという定石通りの流れから好機を迎え、右サイドでの細かな繋ぎを経て戻して作り直しを選択。
そして(GK以外)全員敵陣へ進入という新潟のお株を奪ったような状況に持ち込むと、中央から三國縦パス→和泉ポストプレイ→椎橋ミドルパスとシンプルな流れで突かれるボックス内。
走り込んだ稲垣の落としで、受けた和泉がシュートチャンスを迎えると、横パスを選択した末にフリーの永井から放たれるシュート。
これがゴールネットを揺らし、前半のうちに追加点を得ます。

完全に名古屋の流れという格好で、残り時間もそのまま展開。
アディショナルタイムにはまたも名古屋のカウンターで右サイドから前進と、新潟の左サイド狙いは明白という流れに。
ここは右奥まで持ち込むも遅攻を選択した末に奪われて終了と、成果は上げられなかったものの最後まで相手に流れを渡さず、前半終了まで持ち込みました。

何とか流れを変えたいという状態の新潟ですが、ハーフタイムでの交代は行わず。
そのままのメンバーで挑んだ後半、名古屋のキックオフからの攻撃を切るも、自陣深めからのスタートとなりそこに襲い掛かるゲーゲンプレス。
何とか秋山の左→右へのサイドチェンジで脱出し、スルーパスを受けた小野のキープで深さを取ると、ポケットへのミドルパスでさらに奥へと進み。
長谷川元→小野の繋ぎを経て上げられた最奥からのクロス、大外を突くボールとなりボレーで合わせたのは秋山と、高さ勝負の裏を掻いたもののこのシュートもGKランゲラックがキャッチ。

最初の好機をフィニッシュまで持ち込んだ新潟ですが、依然として名古屋ペースは継続され。
名古屋の右サイドへのフィードによる攻めに対しては、谷口が下がってハイボール処理を行う事で破綻を防いだものの、そうした守備的対応のみでは流れは変えられず。
以降自陣から中々脱出できない状況へと陥り、マイボールとなっても名古屋のプレッシングにより遮断されるシーンが続きます。
10分が過ぎた辺りで、ようやく左サイドからの繋ぎに一定の成果が表れ。
ボランチも左寄りとなってのパスワークで、前進する兆しを掴んで攻撃機会を重ねますが、それでも橋本のクロスの機会が増えるだけに留まり。
逆転勝利のために必須なフィニッシュ数は膨らみません。

18分、再び最終ラインから組み立てる新潟ですが、ここは秋山が最初から高い位置を取り。
名古屋のボランチの片割れをピン止めし、それにより生んだスペースが好機を齎し、右サイドでの前進からその穴を突いて中央へと展開。
名古屋ディフェンスの戻りもあり細かく前進していき左奥を突くも、やはり橋本のクロスをGKランゲラックがキャッチして終了と、際立った成果を上げられず。

こうして20分、とうとう最初の交代に手を付ける新潟。
しかも一挙3枚替えで、宮本・長谷川元・太田に代えて星と長倉、そしてダニーロ・ゴメスを投入します。
長倉の投入で4-4-2、あるいは4-4-1-1気味へと布陣もマイナーチェンジ。

ボランチ交代という手法(ないしはその前のポジショニングでの崩しからか)で隙が生まれたか、その直後の21分星が持ち運びからの縦パスを小野に通して中央からの崩し。
ポケットでスルーパスを受けたダニーロ、そのまま奥へ切り込んで左足アウトでのクロス(ブロックされCKに)と、流れを変えるには十分な立ち回りを見せる交代選手。
対する名古屋は23分に森島のボール奪取から、こぼれ球を拾った永井がそのまま遠目からシュート(枠外)と、相変わらずショートカウンターの機運を保ち。

このままだとリードしている名古屋が有利、という状態で、再び交代カードを用意する新潟。
その最中の26分に左から橋本のアーリークロスと早目に仕掛ける新潟、ファーで長倉が跳び込むも合わず、しかしクリアボールを拾って継続した結果逆の右からダニーロがボールキープを経てのクロス。
これを中央で完璧に合わせたのは谷口で、ヘディングシュートがゴールネットを揺らし、とうとう1点を返した新潟。
その直後に交代が行われた結果、ゴールした谷口が交代の運びとなり(小見と交代、同時に小野→奥村へと交代・再度4-2-3-1に)、最後にチームを蘇らせる働きを見せた格好となりました。

これにより新潟は水を得た魚のように、敵陣での展開を続け。
一転してひたすら押し込まれる名古屋、30分に交代カードに手を付けた(和泉→山岸、永井がシャドーに回る)ものの流れを変える事はままならず。

32分に稲村ロングパス→跳ね返りを小見が拾い中央から前進と、長いパスでも押し込めるようになった結果、小見を倒した椎橋により反則・直接FKの絶好機に。
エリアからすぐ手前で中央やや右寄りと、直接狙わない手は無いこのFKを、シュートしたのは橋本。
壁を越えたものの、その直ぐ後ろへと位置を変えた森島がヘッドでブロックと、専守を強いられる名古屋も絡め手で何とか凌ぎます。
(35分に野上・永井→中山・菊地へと2枚替え)

逃げきりの意識を高める相手に対し、新潟はダニーロの突破力を押し出す事で崩しを図り。
独特の細かなタッチが際立つダニーロのドリブルを利用し、後方のビルドアップも、何とかそこに届けるパスワークへと変化していきます。
40分に右へ開いた秋山を経由しダニーロへと届け、奥へと切り込んだのち切り返し、得意の左足でシュートと見間違うクロスを入れるダニーロ。(GKランゲラックがセーブ)
しかし5-4-1ブロックを崩す難度は周知の通りで、時間も押し迫り。

突入したAT、その目安は6分で、これを凌げば優勝に辿り着く名古屋。
新潟の焦りからか、徐々に散発的に攻撃機会を得る流れになってきたものの、それを最大限生かす意識があったかどうかは疑問符が付くものに。
AT突入後に最初に攻撃に持ち込み、ロングパスを山岸がフリックした事で左奥を取った徳元。
しかしキープでは無くクロスを入れ、跳ね返りをさらに左奥で繋ぐも、菊地スルーパス→森島クロスという選択。
会場の大熱狂か悪天候の影響か、時間稼ぎという手段が抜け落ちていたかのような振舞いが展開されます。

そして再び新潟の攻勢に持ち込まれ。
しかし時間が押している故に、ひたすら薄い所(サイド)を突いてどうにかするしか無いという不利な状況なのは変わらず。

5分台が目前という所で、後が無い新潟は右スローインを受けた秋山が即クロスを選択。
これがファーに高く上がり、長倉が競り合い左ポケットへこぼれた所に走り込む小見。
その姿が焦りを呼んだか、クリアを空振りした中山はそのままボールに触れた小見の脚を引っ掛けて倒してしまい。
笛はならずそのままラインアウトとなりますが、重大な局面という事で当然挟まれるVARチェックの絵図。
長らく時間を掛けた末に、運命を分けるOFRへと持ち込まれた結果、判定が覆り反則・PKへと移行します。

名古屋にとっては急転直下という流れですが、時間的に決めなければ後が無いのは新潟の方であり。
前年の昇格POを思い起こさせる、プレッシャーしか無いキックとなったこのPK、蹴るのは反則を受けた小見。
独特のステップから、満を持して放たれたシュートは、GKランゲラックの逆を突いて無事にゴール右へと突き刺さります。

その後名古屋が攻撃を仕掛けるも実らず、タイムアップの笛が鳴り。
土壇場で追い付いた新潟により、延長戦へ持ち越される事となりました。

振り出しに戻るという格好のスコアですが、90分を戦い抜いた状況故にとてもそんな事は言えず。
仕切り直しを図る名古屋、交代カードを残していた事もあり開始前に大胆にも2枚替え。
山中とキャスパー・ユンカーを投入(徳元・森島と交代)と、この期に及んで残していた攻撃のカードを切ってきました。
対する新潟は既に5枚使いきり、即6人目を投入というのは現実的では無く見送り。

その差が表れたような延長前半(以下延前)の立ち上がりとなったでしょうか。
開始1分、新潟のキックオフからの攻撃を三國が反則気味のアタックで切り、そこから右へと展開し1タッチでの繋ぎで素早く前進。
そして中山のグラウンダーのクロスをニアでユンカーが受け、トラップが浮いてしまいハンドで途切れるも、交代選手の活きの良さが目立つ攻撃となり。

そして3分、新潟が左サイドから攻めるも、橋本がデュエルに負けてのロストから名古屋のカウンターに。
中山がドリブルで一気に右ポケットまで持ち込んでクロスと、疲労感漂う橋本の居るサイドをぶち破る格好での好機。
このクロスはGK阿部に跳ね返されるも、逆の左サイドから山中のクロスが上がり、ユンカーが競り合ったこぼれ球を山岸が落とし。
そして右ポケットから放たれた中山のシュートが、橋本のブロックを掠めてゴールに突き刺さります。
物量作戦をまんまと制するというような、勝ち越し点が生まれました。

今度こそリードを守りたい名古屋。
そうはさせじと攻め上がる新潟に対し、6分に再度カウンターに持ち込む(左サイドをユンカー中心に前進もシュートは打てず)など、強者ぶりを発揮しに掛かり。

しかし既に延長戦、新潟がボールを持ち続ける事による疲労感が目立ち始め。
特に5バックにも拘わらず、ポケット(特に新潟から見て右)を開けてしまいそこにパスを通されるシーンを数多作り。
空いたスペースを突くのは決まって長倉と、ここに来て長所が発揮される新潟、まだ突破口はあるという流れに。
それによりATには猛攻を受けながら、クロスを跳ね返し続けて何とか凌いだ末にリードを保って延前終了の運びとなった名古屋。

破綻の気配も見られたため、延長後半(以下延後)開始の前に最後のカードを使う名古屋。(椎橋→吉田)
それでも確実性のためには追加点と言わんばかりに、入りから立て続けにユンカーがゴールを脅かし。
延後1分に右サイドでプレスを嵌めてのショートカウンターを経て、右ポケットからのシュート。
続く2分にも山岸のフリックからのこぼれ球を拾い、そのままミドルシュート。
しかしいずれもGK阿部に防がれ、勝利を確定はさせられず。

そのままユンカーに撃たせるような攻撃を続けた名古屋ですが、それが完全に裏目に出たのが6分。
中山→ユンカーへのパスがカットされると、こぼれ球を拾った舞行龍のややゆっくり目の持ち運びという一見「速攻を掛ける」とは遠く離れた絵図を観たのも拙かったでしょうか。
舞行龍→藤原→長倉と通される縦パス攻勢の前に戻りが遅れ、長倉からエリア内へ送られるスルーパスで完全に裏を取った小見。
そしてダイレクトで放ったシュートがGKランゲラックの脇を破り、再度同点に追い付くゴールが齎されます。

驚異的な新潟の粘りを受け、会場もどちらが勝っても可笑しくないという空気に。
それを象徴したのか、この辺りから雨も本降りになり始め、大団円は雨中となりました。

同点の起点となった舞行龍ですが、流石に疲労を隠せず足を攣らせてしまい。
執拗に危険なエリアを突く長倉に対する(稲垣の)反則によるFKというタイミングで、彼に対し最後のカードを切る新潟、トーマス・デンを投入します。
この左ハーフレーンのFKから、橋本のクロスを脚で折り返すデンから、長倉がシュートを放つもゴール前で山岸がブロック。
その後もこぼれ球を拾い、ひたすらクロスを入れ続ける新潟に対し、名古屋も粘り強く対応して凌ぎ。

そしてATへ突入し、最後の気力を振り絞り攻勢に入ったのは名古屋。
右スローインの連続で押し込み、中山がカットインでポケットを突いて中央へ横パス、これをシュートしたのは菊地。
しかし枠を捉えられずに終わり、その後も攻め続けたものの結局これが最後のフィニッシュに。

3-3のまま延後、ならびに120分間のフィナーレを迎え。
即ちPK戦と、最終局面までもつれ込んだ試合。
コイントスで先行が新潟、ゴール裏が名古屋サポーター側というアドバンテージとなりました。

その幕開け、新潟はストライカー不在(谷口が退き、鈴木孝司はベンチ外)かつ小野・舞行龍というリーダー格も交代したためか、1番手は秋山を選択。
右足で左側へシュートと、最もミスしにくい選択を経てしっかりと決め。
対する名古屋も、稲垣を選んだ事でボランチ同士の蹴り合いとなった1本目。
こちらも中央方面へのシュートで、GK阿部を反応させて確実に決めました。

この確実性が肝となったでしょうか。
2本目、新潟のキッカーは長倉。
前2人とは打って変わって、右足で利き足方向つまり右へのシュートを選択します。
しかしこれが微妙なズレを生んだか、GKランゲラックの反応もあり右へと外してしまう枠外となり失敗。
対する名古屋はここでランゲラックをキッカーに。
見せつけるかのように、右足で左へシュートと確実性を取り、かつGK阿部も届かない位置に決めて成功させました。

名古屋のリードで迎えた3本目、新潟はデンが、これまで同様に右足で左へと決め。
対する名古屋は山中と、ここで初めて左利きのキッカーが登場。
しかしその山中も流れに従い、右へと蹴り込んで成功。

失敗は許されない空気となってきた新潟、4本目は星。
ここも右足で左方向、GKランゲラックは反応するも届かずときついコースに決めきり。
そして名古屋は、これまた左利きのユンカー。
すると変節を見せ利き足方向の左へシュートし、これがGKの逆を突いて見事に決まります。
勝負所で裏を掻き、名古屋にリーチが掛かり。

運命の5本目、後の無い新潟は先程PKを決めた小見。
最も運気を持つ男を最後まで取っておいたこの選択、小見も期待に応えんと、先程と同様に細かく長い助走を経てシュート。
それは長倉と同様右足で右へのシュートでしたが、失敗無く決めきります。

勝負を分ける名古屋の5本目、キッカーに立ったのは山岸。
ストライカー2人を後まで取っておくという具合に、ここでも物量作戦を見せ付けた名古屋。
そして山岸も、右足で右へのシュートを選択すると、4本目同様にGKの逆を突き。
ゴールが決まり、並びに名古屋の勝利が確定となりました。

これにより、2年連続での初タイトルとはならず。
ほんの僅かの差で届かなかった新潟、総合して「リーグ戦を犠牲にしたものの……」と言われかねない戦績でしたが、何とか立ち直ってまずはJ1残留を決めたい所でしょう。

一方の名古屋は3年ぶりの同タイトル獲得と、周期の短いうちにタイトルを重ねる近況となり。
これを足掛かりにして来季はリーグ戦で……と、こちらも本来強さを発揮したいのはリーグ戦、という思いに駆られる事となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第34節 ガイナーレ鳥取vsカターレ富山

2024-11-01 16:52:59 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

J3の昇格争いも、大詰めである残り5戦。
それにも拘らず、プレーオフ圏を巡っては大混戦が続く状況でどうなるかは全く解らず。

それに急浮上して割って入ったのが鳥取で、3連勝を3度重ねる好調ぶりで肉薄。
最初の3連勝の前(22節時点)は、最下位と勝ち点差僅か5の17位であっただけに、追う者の強さを最も発揮しているクラブといえるでしょう。
ここに来てようやく新監督・林健太郎氏の理想が……という評価はシーズン終了後に下すとして、ここまで来れば是非とも出場を果たしたいプレーオフ。
しかしこの日の相手は富山で、ワンランク上の「自動昇格を目指すクラブ」という位置付けで苦戦は必至であり。

富山のキックオフで開始した試合、いきなり碓井狙いのロングパスのセカンドボールを井上が落とし、再度碓井を経由して松岡が中央からミドルシュート。
GK高麗がセーブしてコーナーキックと、開始1分も経たずに押し込まれているという絵図に追い込まれる鳥取。

そんな流れを何とか切った鳥取ですが、逆に攻撃の流れの構築から始めなければならなくなった試合。
5分、最終ラインから右へ展開ののち高柳が中央へ低いロングパス、跳ね返りを繋いで再度持った高柳がサイドチェンジ。
これにより薄くなった左サイドで、屈指のサイドアタッカーである小澤が持つという状況を作り上げ(その後奥まで切り込んでクロス、ニアで三木が合わせるもミート出来ず)、以降この形を目指すのが基本線となりました。

しかしそれを担うべくの最終ラインからの組み立てに対し、容赦無く襲い掛かる富山のプレッシング。
8分に二階堂の蹴り出しに詰めにいった碓井がブロック(そのままゴールラインを割る)と、一歩間違えればショートカウンターの危機という展開に。
富山がハイプレスに出てくる所を、空いたボランチに繋げれば前に運ぶ余地が生まれますが、左右のセンターバックに対して(2トップの片割れがボランチの1人に付きつつ)サイドハーフが果敢に詰めてくるのが重くのしかかります。

鳥取は打開すべく、富樫が降りての出口役や、プレッシャーをいなす1タッチパスなど工夫を凝らし。
しかし後者により繋ぎの正確性は落ち、結局フィニッシュにまで持ち込めずに時間を潰していきます。

優位に試合を進める富山、そのうちに得点に辿り着きたいのは言うまでも無く。
迎えた22分、中盤で松岡のボール奪取から左へ展開し、安光の持ち運びを経て(吉平の)クロスに辿り着き。
ファーに上がったボールをGK高麗がパンチングで逃れるも、右CKで継続するとここからそれが齎されます。
クロスの跳ね返りを拾った松岡、中央から左ポケットへの放り込みを選択すると、走り込んだ神山が折り返し。
きれいにエリア内中央へ送られたこのボールを、碓井がボレーシュートで仕上げてゴール。
ボールゲインで相手を押し込んだ末に、リードを奪う理想形となりました。

その後も鳥取は、どう富山のプレスを脱出するかに難儀。
26分例によって1タッチパスで繋ぐ曽我を、河井がアフターチャージで倒してしまい反則・警告となり、この被害により局面が変わるのが期待され。

しかし流れを得られず、逆に富山はボール保持の面でも上回りを図り。
28分、全員敵陣に入り込んでポゼッションという絵図に持ち込み、神山縦パス→松岡フリック→井上ポストプレイ→松岡と目まぐるしく変わる保持者。
そして松岡が先程と同様に左ポケットへミドルパスを送ると、吉平が丸山を振りきって収めに成功した末にマイナスのクロス。
これをニアで受けた末木が果敢にシュートを放つと、ニアサイドの狭い所を破ってゴール左へと突き刺さり。
1点目とほぼ同じ流れでのチャンスクリエイトで、追加点に辿り着いた富山。

力の差を痛感する事となった鳥取、それでもボール保持からの攻めという基本線は変わらず。
31分、敵陣右サイドでの細かな繋ぎを経て金浦がサイドチェンジ、小澤が受けるという基本に立ち返った攻撃。
ここで小澤は戻しを選択すると、富樫が左ハーフレーンから果敢にミドルシュート。
ブロックされるも尚も同サイドで繋ぎ、今度は曽我が中央からミドルシュートを放つと、無回転でゴールを襲ったこのボールをGK田川がセーブ。
その跳ね返りを松木がヘッドで合わせるも、ミート出来ず左へ逸れて終わりと、急接近したゴール。

これでファイティングポーズを取り直した鳥取、33分と36分にも、左サイドが薄くなった所を小澤に託すという同パターンの攻めを貫き。
小澤の推進力でひたすらプレッシャーを掛け続けると、続く37分にその成果が表れ、富山のパスミスを右サイドで拾って矢印を反転させての好機。
松木の推進を止めようと河井がチャージするも、倒れずアドバンテージで流れたのち左へ展開と、またも小澤に託されるボール。
左ポケットへ切り込んでクロスが上がると、中央で跳んだ富樫を越えてファーの三木に収まり。
そして放たれたシュートが、ゴールバー内側→左ポスト内側にそれぞれ当たった末にゴールイン。
やり続けた事が報われ、1点差に詰め寄りました。

ここからが本格的な勝負という感じで、以降富山は無理な速攻を狙わず保持を意識する立ち回り。
しかしモチベーションを上げた鳥取のプレッシングの前に、40分には戻りながらのパスワークで追い込まれた末に自陣深めでタッチに逃れる事を強いられ。

流れは変わったかに思われましたが、続く41分には鳥取の最終ラインでの保持、例によって1タッチパスでプレッシャーをかわさんとするもその金浦のパスが強すぎてズレるミスに。
拾った井上がすかさずミドルシュート(GK高麗セーブ)と、立ち上がりの悪い流れが蘇るに伴い、富山へとペースの針が振れてしまいます。
43分にGK田川のフィードのセカンドボールを確保し、左サイドでの繋ぎを経て河井の斜めの縦パスから中央を突き。
そして碓井のエリアライン寸前でのキープ→戻しから、末木のミドルシュートが放たれましたが金浦のブロックで何とか防ぎ。
その後も富山が攻撃権を支配したまま、前半終了の運びとなりました。

(ハーフタイムでの交代は無く)後半は鳥取のキックオフで始まるも、ロングボールを跳ね返した富山の攻撃に。
ひとしきり攻め続けた富山の流れを切り、鳥取が初めて好機を作ったのが後半5分と、前半と殆ど変わらない入りとなりました。
その5分には右サイドで攻撃を完結させにいき、スルーパスを奥で受けた松木の戻しを経て高柳がミドルシュート(GK田川キャッチ)と、前半からの変節を見せ。

しかし8分自陣で富山がパスワークで前進するところ、井上が曽我に倒されて反則になると、すぐ脇に居た吉平がヒートアップ。
曽我に詰め寄り、乱闘寸前という雰囲気になりましたが、ここは直後に曽我に警告が突き出されて手打ちとなり。
前半から何度か激しいチャージで倒れ込むシーンがあった吉平、キャプテンとして譲れない感情に襲われてしまったでしょうか。

そんな戦闘意欲を、正しい方へ向けんとする富山。
10分に左CKの好機を作ると、キッカー末木はライナー性のクロスをファーへ送り、河井の脚での折り返しを経て碓井がシュート。
GK高麗がセーブし、跳ね返りが中央の今瀬の上空へ上がるも、すかさず立ち直って弾き返す高麗。
その後クリアボールが先程折り返した河井の元に浮かぶと、今度はヘッドで折り返されましたがこれも高麗がキャッチと、守護神の奮闘で何とか防ぎきります。

決壊しかねない流れとなった鳥取は、最終ラインから温井→小澤への繋ぎを起点としての攻めと基本線へ切り替え。
それでも慣れを示す富山の対応も目立つようになってきた所で、17分にベンチが動き。
丸山・松木→田中恵太・田中翔太へ2枚替えと、W田中の投入によりワンパターン化を避けるという采配に。

これを受けて富山サイドも動き、20分に碓井と井上に代え、松本孝平とマテウス・レイリアを投入。
入った2人による2トップと、カウンターの橋頭保にさせるような起用で嫌なプレッシャーを掛けに来たでしょうか。

直後に富山がボール保持するも、松岡のタッチが大きくなった所を自慢のスピードで奪った小澤。
そのまま松岡に倒されて反則となり警告と、守備でも脅威を与える小澤の存在感は健在ですが、2点目が遠い状況を強いられる鳥取。
小澤の左サイドの推進というパターンも、しっかり右SHが付く体制を維持することで破綻を防ぎに掛かり。
また何度も使った事で、小澤自身も体力減による衰退が危惧される時間帯に。
これにより手詰まり感が膨らみ、23分には敵陣で長らく保持を続け、激しくサイドを振って揺さぶるも最後は戻しから金浦のロングシュート(GK田川キャッチ)に終わります。

すると25分に再び動く林監督、三木・富樫に代えて長谷川アーリアジャスールと東條を投入。
長谷川アーリアがボランチに入る事で、高柳が一列上がってシャドーに回ります。

ここから長谷川アーリアを中心としたパスワークで、保持の色を高める鳥取。
富山のファーストディフェンスをいなす事は容易となりましたが、その後なるべく小澤を使わずに右サイドでショートパスでの崩しの一辺倒で解決せんとする流れになります。
その結果パス数は膨らむも、フィニッシュ並びに得点に繋げるには後一歩足りないという絵図が続き。

一方守る富山サイドも、29分に松岡・吉平→高橋・伊藤へと2枚替え。
押し込みを受ける以上、サイドハーフの運動量確保は破綻を防ぐために必須であり。

しかしそんな意図を塗り替えてしまう事案が発生してしまい。
それは疲労による足の痙攣で、小澤の突破力に続き細かなパスワークと、鳥取の攻勢に奔走させられる影響がここに来て露わになり始め。
まず33分に襲われたのが右サイドバックの大山。
治療も入れられた事でピッチ外に出ると、そのまま交代の運びとなり脇本が投入され、神山が穴埋めに右SBに回ります。

すかさず打った弥縫策ですが、今度は末木が足を攣らせてしまう事態が起きたのが37分。
交代枠を使いきったすぐ後という、非常に拙いタイミングで発生してしまい。
ここも治療が入れられたためピッチ外に出た末木により、10人の凌ぎを強いられ。
たまらず高橋が穴埋めでボランチに回り、レイリアが右SHを埋める微調整。
そしてピッチに戻った末木は、負担を減らすべくFWに入りました。

これにより鳥取の攻勢は、猛攻と言っても良いものに切り替わり。
小澤の突破に対応するレイリアの姿一つのみで、既に富山に反撃の余力が無い事は明らかであり。
そんな苦し紛れの相手の布陣を見て、待っていたかのように再度小澤の突破の色を高める鳥取。

43分にその小澤がレイリアを剥がし、そのまま左ポケット奥へと切り込んでクロス。
これをスライディングでブロックしたのは河井ですが、この決死のディフェンスにより、河井まで足を攣らせてしまいます。
ボランチ2人ともが傷物となってしまう非常事態に、多少回復したであろう末木とポジションを入れ替える選択を採った富山。

必死の凌ぎを見せるも、ついに破綻する時が訪れます。
アディショナルタイムに差し掛からんとする所で、右から仕掛ける鳥取は田中恵のアーリークロスを選択。
中央で跳んだ田中翔を越えた先には高柳が走り込み、その前で神山がディフェンスに入るも、クリア出来ずにGK田川の前にこぼれた所を足を延ばして詰める高柳。
かろうじて触れられたボールは田川を掠め、ゴールへと吸い込まれました。
執念のぶつかり合いを制し、とうとう同点に追いついた鳥取。

奮闘虚しく追い付かれてしまった富山。
前日に2位の今治が敗れたため、どうしても勝ち点差を詰めたい試合ですが、3点目に向けた余力は無いに等しく。
鳥取のロングパスを跳ね返し、安光の前進を経て松本孝のミドルシュートに繋げたものの、以降やはり鳥取の猛攻を浴びる展開に。

あくまで地上からの崩しを図る鳥取に対し、両SHを極限まで下げて守りきるという富山。
それによる押し上げにより、逆に小澤が突破を見せるという状況では無くなり。
またこちらも金浦が足を攣らせてしまう被害を出すものの、気に留める余裕は無くショートパスで間を抜かんとします。
(残していた交代枠で、小泉を準備するもプレーが途切れなかったため実現せず終わり)

必死に作った富山の最後の好機(右ポケットから高橋がクロス)を跳ね返し、こちらも最後の攻撃に入る鳥取。
右サイドで運ぶ田中恵ですがここでも速攻は選ばず、ボランチ経由で逆サイドへ展開と地上から攻め。
小澤がカットインからミドルシュートと、フィニッシュで終わらせたもののボールはゴール右へと外れ。
そして次の瞬間試合終了の笛が鳴り響き、2-2で引き分けに終わりました。

最良の結果は出なかったものの、追う者の勢いは確かに感じる内容であった鳥取。
今後大宮・今治と、さらに上位相手のカードが続く厳しい日程ですが、乗り越えられれば6位以内が現実のものとなりそうです。

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