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DAZN観戦 2021年J2リーグ第39節 水戸ホーリーホックvsジュビロ磐田

2021-11-15 18:16:28 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(34節・山口戦、2-2)
※前回の磐田の記事はこちら(35節・愛媛戦、2-2)

並み居るクラブの挑戦を払いのけ、昇格へと迫る首位の磐田。
前節は2位・京都との直接対決、まさに最後の障害というカードでしたが、ハイテンションの好試合を演じた末に勝利。(1-0)
これであと勝ち点1で昇格決定と、目前まで上り詰める事となりました。
そして前日に3位の長崎が勝利し、自力で決めるのみとなった今節。

対するのは水戸で、かつてこういうシチュエーションで昇格クラブと対戦しては、悉く昇格決定を観る破目になったという実績のある(?)クラブ。
前年も後に昇格する徳島をホームに迎えましたが、見事勝利して眼前での歓喜の輪を見届けるのを免れ。
果たして今年はどうなるか。

前節(千葉戦、2-2)から、3バックへと移行した水戸のスタメン。
鈴木喜丈をセンターにして、フィジカルの強いタビナス・ジェファーソンと三國スティビアエブスを左右に置くという形を採り。
また前節は新里が1アンカーの3-3-2-2でしたが、この日は新里・平塚のドイスボランチで3-4-2-1の形でスタート。
磐田の猛攻をミラーゲーム風にして抑えにかかったようですが、仮にその狙いだとすれば、目下得点王のルキアンに主に対応するのは鈴木喜というギャップが生まれる事となり。
移行した初戦は、スコア的に守備面で振るわない試合のようであり、そんな状況で磐田相手にぶつかれば……という不安は拭えず。

それを水戸サイドも承知していたのか、立ち上がりからハイプレスを敢行し磐田の攻撃を遮断。
前半3分と4分に立て続けに敵陣深めでカットして(いずれもシュートまではいけず)主導権を握り、6分から立て続けに3本コーナーキックを得るなど押し込みます。
9分には右サイドで平塚のボール奪取から、今掛縦パス→中山仁斗ポストプレイ→新里ダイレクトで裏へミドルパスという流れで中山仁がエリア内でシュートチャンス。
エリア内右からグラウンダーでファーサイドを狙ったものの、惜しくもゴール左へと外れ。

ここまでは水戸の流れでしたが、10分を経過した事で磐田は相手の出方をインプットしたようで。
その後はルキアン狙いのロングボールで水戸のプレッシングをいなす立ち回りを選択し、これが見事に結果に繋がります。
11分、GK三浦のロングフィードをルキアンが収めて左へ展開し、そこから磐田らしい細かなパスワークで前進。
そして山田のクロスをニアでルキアンがポストプレイ、受けた鈴木雄斗がシュート。
ブロックに阻まれるも続く右CK、キッカー遠藤のショートコーナーから山本康裕が手前からクロスを入れると、中央ややニア寄りで大井がヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、相手の弱点を突いた攻撃で早くも先手を取った磐田。

反撃に出たい水戸でしたが、これを境にペースを完全に失ってしまい。
磐田は13分にも山本康の裏狙いのロングパスでルキアンを走らせる攻撃(GK牡川が抑える)を敢行するなど、尚もロングボールを交えての姿勢を採る事で水戸はプレッシングを嵌められなくなります。

攻撃権を握り、何度も水戸エリア内を突く攻撃を展開した磐田は、迎えた15分。
今度は右サイドからの攻撃で、遠藤のパスを受けた山田がスルーパス、受けてエリア内右へと進入した小川大貴が倒れながらも中央へ繋ぎ。
これを大森がゴール左隅へとグラウンダーのシュートを突き刺し、昇格をグイと手繰り寄せる追加点を挙げました。

尚もペースを掴んだままの磐田、20分にルキアンのシュート(ブロック)、21分にCKから鈴木雄のシュート(枠外)とフィニッシュを重ね。
すっかり守勢に回る事となった水戸、何とか変化を付けようと、24分の攻撃では鈴木喜が最終ラインの一列前に陣取り。
甲府が基本形としている「中央CBが一列前に出てのビルドアップ」を見せ、変化を付けにいった所で飲水タイムが挟まれます。

ブレイク明けもその形を貫く水戸ですが、磐田もルキアン狙いのロングパスを貫き、その度にGK牡川がエリアを跳び出してのクリアを見せ。
ロングパスでひっくり返されるように、試合の流れも掴めそうで掴めずという展開を強いられます。
水戸がビルドアップを展開して攻めるシーンでは、伊藤涼太郎が降りて来てパスを受けるシーンが目立ち。
鈴木喜の脇で受けて出口を作らんという意図ですが、これは正直伊藤涼が担当しなくても、(甲府がそうであるように)本来のボランチ2人が行えば良いのではと思いました。

後方でパスを繋いだのち、エリア内へとスルーパス(浮き球・グラウンダー問わず)を入れる攻撃を見せるも、中々磐田ディフェンスを破れない水戸。
そんな展開を受け、秋葉忠宏監督は早くも交代を敢行し、38分にタビナス・平塚→藤尾・奥田へと2枚替え。
CBを1枚削る交代の通り、4バック(4-4-2)へとシフトします。
流れを変えられないのならば、強引にメンバーを変えるという策を地でいくようでした。

そのベンチの思惑通り、以降水戸の攻撃はスムーズとなります。
39分には大崎のロングパスがエリア内の中山仁へと収まり、そのまま中山仁がループ気味にシュート。(ゴール左へ僅かに外れる)
41分には右サイドでの繋ぎから、新里のエリア内への縦パスを受けた奥田が中央に流れてシュート。(GK三浦キャッチ)
44分にも伊藤涼のミドルシュートが放たれ(GK三浦キャッチ)るなど、以前の攻めあぐねが嘘のようにフィニッシュを重ねていきます。
しかし肝心のゴールは奪えず、2点差のまま前半終了。

ハーフタイムで水戸はさらに選手を代え、今掛→黒石へと交代。
水戸の流れは続き、後半2分にはパスワークを経て松崎が右からカットインでチャンスエリアを突く所を磐田・大森に倒され反則。
右ハーフレーン・エリアからやや手前の位置での直接フリーキックとなり、キッカー伊藤涼が直接シュート、右から巻くボールでゴールを狙うも惜しくもサイドネット。
守備面でも、ルキアンに対して三國が激しいチェックで抑えにかかり、ペースを握ったまま反撃に掛かります。

しかし一瞬の隙も許してくれないのが首位のチーム。
6分、磐田のGK三浦からショートパスを繋ぐビルドアップを、一旦は遮断するも奥田のコントロールミスで山田に拾われ。
そしてスルーパスがルキアンに渡ると、エリア内右へと進入してそのままシュートを放つルキアン。
ゴールハンターらしいシュートがネットに突き刺さり、決定的な3点目を与えてしまった水戸。

前半の交代以降、本来は攻撃的な奥田がボランチに回っており。
まさに点を奪うべくの布陣といった感じで、既に勝利は絶望的という展開でしたが、その姿勢は緩めるわけにはいかない水戸。
13分、新里のロングパスをエリア内左で中山仁が胸で落とし、そこに走り込んだ藤尾がシュート。
磐田・伊藤槙人のブロックに阻まれますが、尚もその直後に攻撃。
右サイドで黒石のスルーパスが奥田に渡り、そのままエリア内右を抉ってクロス。
磐田・山本義道がブロックに入るも、ゴール方向へ跳ね返ってしまいゴールへと吸い込まれ。
オウンゴールという形(最初は奥田のゴールとなるも後に修正)ながら、水戸が1点を返します。

尚も圧力を強める水戸ですが、14分には藤尾のポストプレイから撃ちにいった松崎、しかしシュートはミート出来ず。
前半にもシュートミスで好機を逸した場面があった松崎(アディショナルタイム)、この日はあまり調子が良くなさそうに見えました。
17分に水戸が決定機を迎え、右サイドで松崎を追い越してスルーパスを受けた黒石からのクロス、これを藤尾がジャンピングボレーでシュート。
しかし水戸・山本義に肩でブロックされ、ゴールは奪えません。
22分にも、奥田のエリア内右からのシュートが山本康にブロックされるなど、磐田ディフェンスの壁に阻まれるシーンが目立ち。

一方の磐田、後3点取られなければ大丈夫という状況に従うように、以降の攻撃はボール保持を重視。(11分に大森→大津へ交代)
水戸にボールを握られるも、ブロックの外側で半円状に回させる守備体制で凌ぎを見せます。
26分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に水戸は大崎→山根へ、磐田は遠藤→今野へと交代。

ブレイクが挟まれた事で、磐田サイドが攻勢に出る時間が長くなるも、33分に今野が右からシュート気味にクロスを入れた(ブロックされCKに)場面ぐらいでやはり保持重視の体制。
一方の水戸は34分に最後の交代カードを切り、伊藤涼→安藤へと交代。
4バックへのシフト以降、様々な手段でチャンスを作っていた伊藤涼ですがここで交代となります。
サイドに突破力溢れる選手を置き、そこから文字通りに突破口を図らんとする水戸ですが、以降尻すぼみとなり。
44分に安藤が強引にロングシュートを放った(ブロックに当たりCKに)ぐらいで、時間経過とともに、磐田昇格のムードが高まっていくのを見送るしか無くなります。

40分に磐田も最後の交代カードを使用。(小川大・山田→松本・金子)
そのフレッシュ効果か、ないしは場内のムードのおかげかは不明ですが、ATを迎えて攻勢に出る磐田。
大津のシュートをはじめとして、CKを多数得る等押し込んでいき。
そのCKも時間を使う選択はせずに金子がクロスを入れる、ただ昇格ムードに身を任せるような振る舞いでゴールを狙いにいきます。

そして水戸のゴールキックが左へ逸れた所で、磐田が待ちに待っていた試合終了の笛が吹かれ。
J1昇格を勝利で締めくくる胸すく試合となり、無事に今季のミッションを完遂する事となりました。
かつての黄金時代に「恐怖のサックスブルー」と謳われたのを思い出すかのような、今季のJ2での独走ぶり。
それを来季上位カテゴリで果たせるかどうか、不安要素は拭えない段階ですが、今は喜びを噛み締めるという感情に身を委ねて損は無いでしょう。


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