物語
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。
小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。
極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた――。
「Story Seller」に発表された一篇『SAID・A』に、
単行本のために書き下ろされた新たな一篇『SAID・B』を加えて贈る完全版!
真っ白な本に ブルーのリボンがかけられている表紙
これは 書ける人彼女が 読む人側彼に贈ったプレゼント?
『SAID・A』は、彼女が難病
思考するごとに 寿命が縮んでしまうという設定。
夫婦である彼と彼女の出会ったころからのエピソードに戻り
今ある 夫婦生活が綴られる。
病と闘いながらも お互いを尊重しあい労わりあい。
単なる夫婦愛の物語とは言いたくない。
こんな素敵な関係があったんだと
ただただ 涙なくしては読めませんでした。
そして、亡くなった後 みつけられた
最後に彼へと 宛てた手紙・・・。
「私の大好きな大好きな大好きなあなたへ」ではじまり
一番初めの読者はあなたです。
今まで読んできた小説の中で一番好きだ と言ってくれるあなたがいたから
こんなことになっても最後まで書けます。 と・・・。
最後まで支えてくれてありがとう。
私を幸せにしてくれてありがとう。
それでは。
で 手紙が終わっている。
さようなら。 とは書けなかった彼女・・・
切なすぎました。
『SAID・B』は、同じ設定で 結末だけが変わるかと思いきや
書ける彼女と 読む側彼というのが同じなだけで
まったく逆の設定・・・。
同じパターンなのに感覚がまったく違う。
でも ぐいぐい引き込まれるのは AもBも同じ。
これは 有川先生自身のお話らしいとか・・・。
だとしたら こんな素敵なご夫婦があったんだ と
ただただ 感銘。
読み終わったあと いつまでも 私の頭の中がグルグル廻ってしまう。
そして、心の中が素敵に重く。
久しぶりに最高の本に出会えました。
もちろん
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます