この本は2004年「このミステリーが凄い!」の
第3位に選ばれた本です。
私は初めて 伊坂幸太郎さんの本を読みました。
今まで遺伝子とかで親子関係を考えたことがなかった私ですが
この本を読んで 新たに考えることができました。
連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。
無意味な言葉の羅列に見えるその落書きと放火・・・。
このことが中心になって物語が進められています。
少々 ネタばれになってしまっているかも・・・ (^_^;)
自分(泉水)と、弟(春)は本当の兄弟ではなかった。
春は昔、母がレイプされてそのときに出来てしまった子。
親子は、そんなことがなかったように幸せに暮らしていくが
春は、性に関すること、女性にまで一切興味を持たなくなる。
親子であれば同じDNA。
親がレイプ犯である事実から、その血が自分に流れていることを
恐れ、嫌う・・・。
春のとった行動は、決して世間では許されないこと。
でも、春をよく理解する父と兄は 春を正しいと信じ、
法律で裁かれようとする春を静止した。
それでいい。
それでいい!と、私も凄く同感しました。
人情で春に同情したのではなく、
本当にこれでいいのだ! と思えたのです。
春をかばう気持ちもなく、春のとった行動を認める気持ちになれました。
遺伝子の力より、兄弟を信じる愛の力が勝ったことが嬉しかったです。
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