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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBA・WBCスーパーミドル級~

2011年12月20日 | BOXING

WBA王者:アンドレ・ウォード vs WBC王者:カール・フロッチ
試合結果:ウォード判定勝ち

●所見~ウォードの場合~
やはりディフェンスの良い選手は負けないな。
確実な位置取り、動く時もガードを下げず、最小限のムーブで当てさせない。
後のコメントに 「 相手の遅さに驚いた 」 とかあったらしいが、スピード差は極端には感じられなかった。
恐らくそれは目のスピードによるもので、視覚がものの動きを捉え、視神経から脳に伝達され、
脳が処理 ( IN→OUT ) し、動的なOUTPUTが行われる。
そのスピード差はμsレベルかもしれないがボクシングではそれが大きな差になるのだろう。
( ホントかね? )

また、攻撃も良く、
頭を傾けながらジャブで踏込み、相手が合わせてきた所に左肘を上げたジャブで顔を押し上げる。
相手の長い距離に対し、強引に入らず、徐々に距離を測り、入った時は叩き付ける様な右フック。
接近戦では押し相撲で負けてなく、ロープに押し込み完全に胸を合わせ、インサイドを取り、
距離をゼロにしていた。
A・モレノの記事でディフェンスが良い選手は攻撃も巧いと書いたがこの選手を見るとまさにその通りで
どれも合理的で卒が無い。
但し、攻撃パターンはどれも合理的過ぎて迫力、攻撃性に欠ける。
ジャッジも所詮、人で、好みも入るだろうから 「 あんなへっぴり腰のヤツにポイントやれねえよ 」
と思うかもしれない。
だから2ポイント差が2人いたのか。
更にはクリンチ多い。
フェイントからクリンチって ..。
家に帰ってカミさんが 「 あなた、カールに抱きつき過ぎよ 」

●所見~フロッチの場合~
深い懐を終始殺された。
ミドルレンジでは相手の攻防の巧さでジャブも左フックも右も殆ど当たらなかった。
本人の背中からのカメラの映像を見るに、相手には全く隙が無く、当たる雰囲気もなかった。
接近戦では両脇に手を入れられ、胸を合わされ、上体を起こされた。
この態勢ではリーチが長く、ミドルレンジ以上を得意とする選手にとっては圧倒的に不利だ。
大相撲では下手でまわしを取られても上手を取れば有利な力士もいるが ( 白鳳、把瑠都など ) 、
ボクシングではインサイドが有利となる。
唯一のクリーンヒットはR終了後、打ってしまった右フックだけだった。

スーパー6のMVPを挙げるならばこの選手。
2敗はしたが優勝者よりも対戦相手の質が良く、どの試合もエキサイティングでサプライズもあった。

●PS
企画ものはボクシングには不向き。
ワールドカップとかも不要。

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