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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBA・WBC・IBFスーパーフライ級~

2008年11月25日 | BOXING

F王者:ビック・ダルチニャン vs AC王者:クリスチャン・ミハレス
試合結果:ダルチニャン9RTKO勝ち

●分析~ダルチニャンの場合~
そのスタイルはレイジング・ブルとか称されているらしいが、力みかえった打ち方は
ロッキー・グラジアノのほうが近いのではと思うが ..。
脇を大きく開け肘を張ってパンチを打つスタイルは亜流ではあるが非セオリーでは無い。
各選手、体型、骨格、筋肉のつき方も異なるのでバランスがかかる ( を置く ) 部分も
異なる。
この選手の場合、座高よりも長い脚が上体の激しい躍動を生み出しバランスを構築
しているのではないだろうか。
脚の長い短距離ランナーは上半身がよく動くように。
スピードが鈍りがちになる強い拳の握りも打ち終わりのブレーキに役立っている。
それにしてもこの打ち方でこのスタミナはどういう事か。
スタミナを構築するグリコーゲンを作るあるいは溜める機能が人より強いのか、
試合前にそれだけ食ってるのか。
計量後から試合まで何をどれだけ飲食し、どのように過ごしているのかを知りたい。

●分析~ミハレスの場合~
印象的な部分が2つあった。
1つは1Rの最初に打った左は、タイミング、踏み込みと悪くなかったが腰が回転せず、
右肩と右腕が前に残ってしまい体の捻りが効いていない。
これは相手に対する必要以上の警戒が動きに出てしまうもので、徳山のペニャロサ戦、
名城のムニョス戦にみせた極端に頭を下げて打つ左フックがそれに当たる。
試合前には避けられる自信があったのだろうがいざ相対した瞬間のプレッシャーは
予想以上の強さだったのだろう。

2つ目は意図的かは判らないが1Rダウンした際、首、脚の緊張を完全に解いて目を
瞑り天を仰いだ。
ダメージは相当なものだったと思われるがその2秒程度でかなりのダメージ回復に
なったと思われる。
ボクサーはダウンしてもどうしても体に力を入れた状態を維持してしまう。
これは直に立とうとする意識と相手に弱みを見せたくない気持ちによるものだが、
それによりダメージを引きずってしまう事もある。
ボクシングは不思議なものでダメージを受けた選手が完全に緊張を解いた状態に
なると驚くほどに回復する事があり、
インターバルに20秒程度睡眠をとる ( そんな器用なヤツは稀だろうが )
あるいはダウンの際、死人ように体を開放する ( 渡辺Ⅱ戦のパヤオ ) などが言える。
もっともこれらはストップされたり、そのまま気持ちよくなってしまう懸念もあるが ..。

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