Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBCスーパーフェザー級~

2010年05月31日 | BOXING

王者:ビタリ・タイベルト vs 挑戦者:ヘクトール・ベラスケス
試合結果:タイベルト9R負傷判定勝ち

●所見~タイベルトの場合~
この階級としては小柄で、スタイルもサイドへの動きからジャブと共に大きく踏み込み距離を詰め、
ショートの左右フックを当てるといった感じ。
カザフスタンは人種的に欧州よりもアジアに近いのか、体型は胴長で四肢が短く、日本人に近い。
その体型で距離をとった出入りのボクサータイプの場合、当然に大きく踏み込まなければならず、
この選手もリラックスした構えからタイミングとスピードでジャブにグッと腰を入れ踏み込み、右に繋げるがその右はフックが多くなる。
踏み込んでのストレートワンツーは基本的にジャブを打った前足でブレーキを掛け、その反動で続く右に
パワーを持って行くので適度な踏み込みが必要となり、踏み込みが大きいとブレーキに負荷が
掛かり過ぎ、バランスがグラつき易い。
そのバランスを修正する時はストレートよりもフックの方が有効となる。
基本的にフックは少し位バランス悪くても打てるし、打てばバランス崩れるものだ。
悪いバランスを悪いバランスで修正する。
セルフアライメントって所か ( ニュアンス違うかな? ) 。

左を下げる割にスリップ、ダックが巧くなく、実際ジャブを食っていたし、接近する時、あるいは左フックの
打ち終わり後の構えにも隙があり、フットワークは必要以上でディフェンスは巧いとは言えない。
基礎体力と体の柔かさは有るが、相手のスタイルに対する適応性は感じられず、粟生の様なサウスポー
の利で戦う相手を苦手とするのではないだろうか。

●所見~ベラスケスの場合~
右左ストレートは威力ありそうだがフェイント入れたり、動きで角度変える等、当てる意思が感じられない。
また、戻りのスピードもスローで位置も低く、あれでは 「 打ち終わり打って下さい 」 って言う様なもの。
レコードの対戦相手は錚々たる名前が並ぶが殆どは負けている。
こう言った選手は欲が大きくないのだろう。
全てを掛けてトレーニングし、命を掛けて戦うって事も無いのだろう。
まあ、それはそれでいいさ。
向こう10年、キャリアUPの相手として戦い続けてくれれば。

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