Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBAスーパーフェザー級~

2009年06月30日 | BOXING

王者:ホルヘ・リナレス vs 挑戦者:ホサファト・ペレス
試合結果:リナレス8RTKO勝ち

●分析~リナレスの場合~
どの世界戦のフィニッシュシーンにおける激しさ、強烈さ、鮮やかさ、とは裏腹にそれ迄
の過程が妙につまらなく感じるのは私だけか?
パッキャオ、バレロなどはファーストコンタクトからエモーショナルな戦闘モード全開だが、
この選手の場合は、慌てず騒がず堅実に、バランス意識し、適正な位置取りで丁寧に
ジャブを突き、スキあらばカウンター、そして相手が弱り、崩れ出した所を一気に攻め
込む、といわゆる省エネ戦法。
確かにそのスタイルはユーリが見せた様なカウンターパンチャーとしては理想型であるが
静的なイメージが残る。
けれど相手を完全な攻撃モードに引き込み、パンチの打ち出しあるいは打ち終わりに
急所を的確に打ち抜く右カウンターを操り、世界戦4勝(4KO)だから文句は言えない。

「 もうホントニ~、やっぱりね~、ホントニ~、ホントニ~ 」 って富士サファリパークの
テーマソングでも歌うかと思った ..。
日本でキャリアを築き、日本語を話し、2階級制覇している割には日本ではファン以外に
全く認知されていない。
プロモーションを誤ってはいないだろうか?
バレロの様に帝拳と離別する事も一案ではないか?
日本的な義理の心を知るであろうリナレスはそんな事はしないだろうが。

●分析~ペレスの場合~
前腕をダラリと下げ、引き手は軽く置き、腰と首までを斜めに構える亜流なスタンスは
プエルトリカン、コロンビアンなどでは過去に見られたがメキシカンでは珍しい。
相対して初めて知ったが、長身で、足が長く、胴が短い。
斜の構えはその時点でダッキングの初動作が伴うので相手の右をすかさずダックし、
そして短い胴がダックした上体を直に戻す。
左パンチは肩に力みが無いのでモーションが無く、アッパーなどはゴム棒をしなやかに
振る様な遠心力を利かせる威力があった。 ( 当たらなかったが )
しかし右ガード位置はどのレンジでも下げているので相手の速いジャブを食い、さらには
グロッギー時も上がらなかったので結局取り返しのつかないパンチを食った。

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