王者:アントニオ・マルガリート vs 挑戦者:シェーン・モズリー
試合結果:モズリー9RTKO勝ち
●分析~マルガリートの場合~
相対的なスピード差は明らかで、相手のパンチはピシッピシッといかにもシャープだが、
こちらのパンチはブ~ンと振る様な感じ。
陣営にとり相手のスピードは十分に想定していただろうし、戦術も接近戦、乱打戦、
後半勝負など考えていた筈だが、尽く失敗した。
特に相手が下がらなかった事がプランを狂わせた一番の要因となり、その中で右パンチ
を食いすぎた。
この選手のガード位置は両手でアゴを覆うような構えによりテンプルが空く状態になり、
そこにウェイトの乗った右フックが飛んできて、また、得意な左アッパーを打つ際、左が
下がるのでそこに速い右ストレートが飛んできた。
しかし8Rのダウンシーンは信じられない様な光景だったな。
●分析~モズリーの場合~
1Rから右を多用し、相手の意識が右パンチに集中した時、とっておきの左フックを
ぶち込むと思われたが、この試合は終始その右を主軸としたスタイルで戦ったようだ。
この選手は身長の割りにリーチが188cmと長く、さらに思い切ってパンチを打つので
長身で懐が深い相手にも当たる。
バルガス、マヨルガを倒した左フックも普通ならばオープンブローになりそうだが
ナックルも返り、ウェイトも乗っていた。
まさに体型の利と言える。
この選手の苦手とするのは打ち終わりのガードも良いボクサータイプではないだろうか。
過去の敗戦からライト、コット、現在では階級違うがSW級のジンジルクがそのタイプ。
●PS
アリを敗ったフレイジャーにフォアマンが勝ち、そのフォアマンにアリが勝つ。
ホプキンスを敗ったテイラーにパブリックが勝ち、そのパブリックにホプキンスが勝つ。
モズリーを敗ったコットにマルガリートが勝ち、そのマルガリートにモズリーが勝つ。
強い者が勝つ訳ではなく、勝った者が強い訳でもない。
ならば誰が強いんだ!?
だからボクシングは面白い。