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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBA・IBFスーパーライト級~

2011年07月25日 | BOXING

WBA王者:アミール・カーン vs IBF王者:ザブ・ジュダー
試合結果:カーン5RKO勝ち

●所見~カーンの場合~
どのスポーツにも言える事だが基本に則ったフォーム、動きは違和感無く、見る側にしっくりと入る。
引っ掛る部分が無い場合、面白みに欠ける事もあるが、この選手のそれは非常に端正で、且つ、
抜群のプロポーションも手伝い、そしてスピードがあるので華やかさ、気品、美しささえ感じる。
( ベンガル系?の顔立ちはハンサムとは思わないが )
体全体がスピードに乗った中でテンポよくジャブ、ストレートを出したが腕の屈伸がスバ抜けて速く、
ジャブからの右の繋ぎも抜群に速い。
序盤のスピードにかけては超抜と言われるこの相手に全く負けていなかった。
3R、それ迄はワンツー主体だったが、突然に体ごと投げ出す右ストは頗るシャープなもので、
そのパンチは比較的サウスポーがオーソドックスに対する ” 左ジャブ ” として使われるものだが
相手のお株を奪うものだった。
その後は更にテンポが上がり、速い右で後退させ、速いワンツー連打でロープに追い込んだ。
このハンドスピードでは拳の握りが甘いと思われるがスタイル全体で見た場合、長所にも成り得る。

それ程遠くない未来にvsメイウェザーの実現を予感させる素晴らしいパフォーマンスだった。

●所見~ジュダーの場合~
このスピーディな選手がファーストコンタクトからスピード負けしていた。
相手のパンチは見えていたと思われるが、ディフェンスが対応しきれていなく、特に右ストに対し、
自身の左へスリップ、ダックしても浅いながらも食っている。
相手のジャブのタイミングで放たれる左フックは見えていなかった様だ。
完全なスピード負けだ。
故に相手の動きを見てしまい、手数も左スト、アッパーのタイミングも掴めなかった。

KO負けとなったローブローについて、
一般的なノーファウルカップの形状はベルトラインと一体となっていて、見た目以上に厚く硬い。
スローで見るに、強烈なアッパーによりベルトラインが跳ね上がっているが同時に金玉と肉棒
( そんなはっきり .. ) を包むカップも跳ね上げられる。
判り易く言えばカップの裾が玉袋 ( またそんなはっきり .. ) にグッと食い込むんだ。
そりゃ痛いよ。
但し、それ迄の展開で精神的に追い込まれていた事もダメージを増大させたと言える。
嘗て畑中氏がvsH・ローマンの1R、ダウンを食い、自信を粉砕された精神的ダメージのままに
3R、ローでのたうち回った光景と同様のものだ。

ボクシングでは見せ場は無かったが最高の見せ場のチャンスが訪れていた。
それは不本意なストップによる大暴れ。
表情を見るに、またやるのか? やってしまうのか?
レフェリーへの暴力、イスをぶん投げるなんて事は絶対やってはいけないが、見る人の0.01%
くらいは期待したのでは?
が、彼も人の世を学びましたのう。
この記事でも 「 ジュダーはやはりジュダーだった 」 で締めたかったが ..。

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