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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBAウェルター級~

2009年10月20日 | BOXING

王者:ヴァチェスラフ・センチェンコ vs 挑戦者:佐々木基樹
試合結果:センチェンコ判定勝ち

●分析~センチェンコの場合~
長いワンツー主体にジャブは相手のガードもお構い無しに良く出て、時折打つ左フック、
右アッパーもフォームがキマっているのでムダが無く、相手の動きも良く見た上で打っていて、
実際に2R、相手がフックを首振りで避けるのを察知し、フェイント入れてアッパーを打った。
( 唯の偶然かも )
長身が短身と戦う場合、基本的に距離を置きストレートワンツーを打っておけば無難であり、
フックでガードを開かせる、アッパーで上体を起こす、等は焦れたり、KO狙いから来るものである。

とにかく冷静で、乱れない。
しかし左眉から流血した時のみ狼狽した表情を出した。
それはロッキー・バルボアに右フックを食い、コーナーに吹っ飛んだ際のイワン・ドラゴの様だった。

●分析~佐々木の場合~
1発目のパンチが届かないので必然的に1発目を伏線とし、2発目以降で当てる事を意図し、
且つその1発目にはフェイントを入れなければ伏線となる効果が表れない。
それを知り、実践も出来たがフェイントを入れる間に相手のパンチが飛んできて、更にそれが
シャープにより、ディフェンスに注意がいってしまう。
中盤に手数が出ず、相手のストレートをパツパツと打たれたのはそれによるものと見えた。
湯場の様な今回の相手と同体型と対戦経験があり、その時は右ストレートから思い切った
返しの左フックがよく出てよく決まったが、世界王者ともなればワケが違う。
距離感の違いに戸惑った事だろう。

洞察力に優れ、自身を客観視できるインテリジェンスな選手だが策略が適用不可に陥った時、
2枚目の有効なカードを持ち合わせていない。
また、トリッキーな動きも特に斬新的で無く、効果薄だった。
その線で行くならばD・カリーに相対した黄俊錫の様に相手だけでなく、見る者全てを惑わす
様な動きが必要だった。

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