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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

哀しきキューバンボクサー

2006年03月14日 | 

ワールド・ベースボール・クラシックで日本がキューバを破り優勝。おめでとう。
1回裏松坂からホームランを打った先頭打者のスローVTRを見て思った。
右足の蹴り~腰と背中の回転軸~肩、腕へのパワーの伝達~インパクト後の
フォロースルーと、すごい身体能力だ!!

キューバ共和国、知る人ぞ知るボクシング最強国である。
古 ( いにしえ ) のボクサー ” キッド・チョコレート ” が初の世界王者になり、
ギャビラン、ラモス、ナポレス、と続き強い選手の出現が期待されたがカストロ
政権の革命後、政略によりプロスポーツへの活動が禁止され選手達はアマチュア
に留まる事を余儀なくされオリンピックを目標にすることになる。

今までに5輪で獲得した金メダルは32個と群を抜いていて前回のアテネでも
金5個、銀2個を獲得している。

その歴史の中で現れた選手 ” テオフィロ・ステベンソン ”
ミュンヘン ・ モントリオール ・ モスクワでヘビー級を3連覇し、アマチュア史上
最強といわれるボクサーだ。ロサンゼルスでのボイコットがなければ間違いなく
史上初の4連覇をしたであろうといわれている。

2メートルの長身から打ち下ろす槍のような右はとてつもない破壊力があり
対戦者達はバッタバッタとマットに崩れていく。その中には後のプロヘビー級
王者となる3人もいた ( エリス、ペイジ、コーツィー ) 。

当時はヘッドギア着用も無く、プロとの技術的な違いも顕著では無かったので
米国のプロモーター達はこぞってハバナに出向きプロへのスカウトをする。
プロになれば将来は約束されている。王者になる事は間違いないし、アリ、
フレージャー、フォアマン、とライバルも揃っていた時代だ、1試合300万ドル
は稼げただろう。

しかしそんなサクセスを実現するにはしなければならない事がある。
米国への亡命 ...祖国を棄て、家族をも棄てるという事だ。
ステベンソンは言う

「 私は祖国も家族も愛している。プロになる必要はない ..。」

そして今日もサトウキビ畑で汗を流す..。

 
   ハバナの街並み 建物に描かれた顔はチェ・ゲバラ

 


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