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Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~エロール・スペンスJr vs テレンス・クロフォード~

2023年07月30日 | BOXING
WBA・WBC・IBF・WBOウェルター級タイトルマッチ

WBA・WBC・IBF王者:エロール・スペンスJr vs WBO王者:テレンス・クロフォード
試合結果:クロフォード9RTKO勝ち

■分析~スペンスJrの場合~
現代は1秒たりともムダにしない、できない。
81年のシュガー・レイ・レナードvsトーマス・ハーンズの1Rレナードはユラユラとダンスをしてラウンド半分を費やした。
ダニー・ロペスvsサルバドル・サンチェスなども序盤にゆったりとした時間があった。
ラリー・ホームズvsマイケル・スピンクスは途中両者寝てたし。
もっともラウンド数、ルール、その時の風潮など過去現代と違うが。

相手より長身ながらリーチは短いのか。
その割には長いリーチを持て余している。
実際、上へのフックは相手の後頭部側に巻き込んだり、下はキドニー、ベルトラインあたりだった。
しっかり狙って打ってない。
おそらくこの選手はvsオーソドックスではそのサウスポースタイルの利点を発揮できて圧倒的な空間支配とロングパンチの
ヒッティングをできるのでだろうが vsサウスポーを苦手とするようだ。
ダメージ受けた時の回復の仕方を経験少ないようで体のバランスの置き方、攻撃する態勢の取り方などバラバラだ。
7Rダウンする前の攻撃などかなり雑で右フックのコンビネーションを狙い打ちされた。
最後のほうはアフロぽいヘアースタイルも手伝いマービン・ハグラーとのリマッチで痛烈KOされたウィリー・モンローを見るようだった。

ウェルター級統一戦はレナード vs ハーンズから始まり、幾多の戦いでボクシング界を魅了してきた。
( ドン・カリー vs ミルトン・マクローリーがカヤの外はせつないが )
この試合も歴史の印象に残るだろうか。

■分析~クロフォードの場合~
偉大なるヘビー級王座25度防衛のジョー・ルイスは同じデトロイト出身でウェルター級のトーマス・ハーンズを
「 あの目は恐ろしい。 まるで 「 お前を殺す 」 と言っているかのようだ 」 と評したが
クロフォードは眉間あたりの雰囲気がハーンズと似ている。
肌はアントニオ・ターバー vs ロイジョーンスjrで顕著だったコールタール色(この形容?)vs チョコレート色でクロフォードは前者。
黒光りする肌にハーンズ似の顔ときたらまさに暗殺者の目だ。

ジャブは肩の力が入っていてゴツゴツと強く重い。
井上の記事でジャブを強く打つ欠点を言ったが、この選手にはあてはまらない。
過去にダグラスvsホリフィールドの記事で 「 まるで野球のバットの先で突くようだ 」 と言ったが、まさにそれ。
2Rテイクダウンのツーワンは右ジャブというかストレート。
距離、角度、打つタイミング、そして戻すタイミングも、どれもパーフェクト。
それで気をよくしのかその後もツーワンで右を打ち込んだ。
ジャブの突きあいは同じタイミングでも相手よりややリーチ長く重く、更にはオンガードポジションからノーモーションで、
なお逆手のガードポジションもよいので全て打ち勝っている。
その右は右フック打たないのか? と思っていたが7Rダブルの右フックでテイクダウン。
2発目の肘の角度を見るにこれもパーフェクト。
相手の芯を効かせるダメージングブローだ。
この試合(相手)ではサウスポーの利点を利用しない戦法だったのか、サウスポーながら洗練されたオーソドックスのように見えた。
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