【森鴎外「舞姫」の世界その2】
今回はテキストを見ながら再放送を聞いた。
出口先生と解釈が違うところがいくつもあるが、
書かずにはおけないので、ひとつだけ書いておく。
あら探しをしようという意図は全くないことを強調しておきたい。
作品の終わりの方で、豊太郎がエリスを見舞う場面。
余は始めて病牀に侍するエリスを見て、その変わりたる姿に驚きぬ。彼はこの数週間の内にいたく痩せて、血走り目は窪み、灰色の頬は落ちたり。
上記の文中の「彼」は豊太郎ではなく、エリスのこと。
エリスが数週間病牀で寝込んでいた と解釈するのが普通だと思う。
先生の説明では、豊太郎が錯乱状態で数週間寝込んでいたと仰っているが。
本文中、エリスを「彼」と表現した箇所はいくつかある。
豊太郎とエリスが初めて会った場面の描写。
エリスを「少女」と書いてあるが、「彼」とも記述している。
彼は料(はか)らぬ深く歎きに遭ひて、(以下省略)
彼は驚きてわが黄なる面を打ち守りしが、(以下省略)
彼は優れて美なり。
彼は「ヰクトリア」座の座頭なり。
彼は涙ぐみて身をふるはせたり。
など表現されている。
出口先生はご自分の放送を聞いて、どう思われるだろうか?
また、この小説をきちんと読んだ人はどう感じるだろうか?
今回はテキストを見ながら再放送を聞いた。
出口先生と解釈が違うところがいくつもあるが、
書かずにはおけないので、ひとつだけ書いておく。
あら探しをしようという意図は全くないことを強調しておきたい。
作品の終わりの方で、豊太郎がエリスを見舞う場面。
余は始めて病牀に侍するエリスを見て、その変わりたる姿に驚きぬ。彼はこの数週間の内にいたく痩せて、血走り目は窪み、灰色の頬は落ちたり。
上記の文中の「彼」は豊太郎ではなく、エリスのこと。
エリスが数週間病牀で寝込んでいた と解釈するのが普通だと思う。
先生の説明では、豊太郎が錯乱状態で数週間寝込んでいたと仰っているが。
本文中、エリスを「彼」と表現した箇所はいくつかある。
豊太郎とエリスが初めて会った場面の描写。
エリスを「少女」と書いてあるが、「彼」とも記述している。
彼は料(はか)らぬ深く歎きに遭ひて、(以下省略)
彼は驚きてわが黄なる面を打ち守りしが、(以下省略)
彼は優れて美なり。
彼は「ヰクトリア」座の座頭なり。
彼は涙ぐみて身をふるはせたり。
など表現されている。
出口先生はご自分の放送を聞いて、どう思われるだろうか?
また、この小説をきちんと読んだ人はどう感じるだろうか?