
私たちが普段使っている1万円札や千円札が、王子の飛鳥山公園の南東すぐの場所で印刷されているって知ってましたか。
私はほぼ地元なので、そこでお札を刷っていることはおぼろげに知っていましたが、それが「1万円札と千円札」に限定されているとは知りませんでした。

国立印刷局。造幣局とは違います。全国に4か所(東京・小田原・静岡・彦根)に工場があって、紙幣の他に債券や証券、官報などを手分けして印刷しています。
先日散歩しててふと、工場見学ってやってないのかと思って調べたらやってました。毎週、火曜と木曜日で要事前予約申し込み。
この門から中は原則撮影禁止。カメラもロッカーにしまいますので写真がほとんどありません。
この日の見学者は4人。おばあちゃんと孫、30代の男性、そして私。案内兼監視役が2名つきます。
最初に国立印刷局を説明するビデオが15分。未知の世界の話でとても面白い。その後、移動して実際に紙幣を刷っている現場を上のフロアから窓越しに見学します。
私は元の職業柄、印刷工場や印刷機には一家言あります。なので一般の雑誌やパンフレットを刷っている一般企業の印刷機との違いがめちゃくちゃ面白い。
平判の印刷機で、凹版(部分的に深凹版)とオフセットが合わせて10色以上、一気に刷れる機械なんてもちろん見たことも聞いたこともなかった。
機械のほとんどの部分がブルーのパネルで覆われていて、見学なのに全然見えないのが難点ですが、それでもいろいろと質問に答えてもらいました。
生産枚数は毎年日本銀行から1年分!の発注があって、この工場では2018年度は1万円と千円札で合わせて30億枚!
民間の印刷会社だと時期による需要の変化が一番辛いのですが、こういうところは計画生産できて楽ですね。ただし日銀の原価管理が厳しくて値引きを要求されたりするそうです。
品質管理とセキュリティの厳格さは半端ではない。わたしみたいなちゃらんぽらんに務まる雰囲気ではなさそうです。

工場の見学終わって、本館(上の航空写真のピンクっぽい建物)の前を通って元の集合場所に戻るのですが、昭和6年に建てられたこのビルがすごそうで中が見たかった。
建物全体はPrintingの頭文字のPの形になっているんだそうです。コンクリート初期の装飾性のある外壁が格好良かったです。

その建物の入り口わきに高さ3mくらいのコンクリート製の鳳凰像があって、それが明治の東京名所絵図に書かれた当時の印刷局の正面屋上に書かれているそのものです。

これね。

見学者用の展示室。ここは写真撮影オッケー。

ここでしか買えないお土産も売っています。工場見学、今まで行きたくて行けなかったやつがたくさんありますので順次回って行きたいなと思っています。
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