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ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

知られざる昭和遺産*代々木駅東口

2020年06月15日 | TOKIO散歩

代々木駅。
山手線全29駅の中で乗降客数で言えば23位。第1位の新宿駅の隣にしてはあまりにも地味です。
まあそれも無理はない。駅の東250mの所には新宿御苑があってそのまま南の神宮外苑と繋がっている。
駅の南側は神宮の森があって、要するに街として発展できるスペースがほとんどない。
しかも残念なことに新宿御苑にも国立競技場のある外苑にも明治神宮に行くにも、最適な最寄り駅は別にあるからそのために乗降する人もいない。
写真で見る駅前はそれでも40年前と比べるとずいぶん立派になりました。
私が高校生の頃というと43年前くらいなんですが、その頃は代々木と言えば代ゼミがある街。それ以外は一切何もなかったです。
それでも私は毎日のように朝は代々木駅で降りていました。なぜかというと私が通っていた高校に行くには都合が良かったからです。

代々木駅東口。ただでさえ利用者の少ない代々木駅ですが、この出口を使う人となるとさらに限定されます。
限定される人の中に私の母校の生徒たちもある程度はいるはずです。
高校はその名に冠しているように新宿駅から行くのが一番近いです。でも、この代々木駅東口から行ったとしても実は距離に大きな差はありません。
1970年代の新宿駅南口の猥雑な街並みを行くよりは駅を出てすぐに新宿御苑の緑を見ながら歩く裏道の方が遥かに好ましかったのです。

こちらがストリートビューで見るその裏道の現在。ほとんど変わっていません。いや、あの頃は右側の柵はコンクリートの壁だったか?
まあ、いずれにしても毎朝待ち合わせしてカノジョと並んで学校に行くには新宿よりも代々木駅からの方が良かったことはご理解いただけるかと思います。

こないだ渋谷から歩いてここに来た時に久しぶりに見たんですが、たぶんこの出口、1970年代からまったく変わっていません。
こんなところで撮った写真も残っていませんし、ネットで検索しても古い写真が見つからなかったので断言はできないんですが、たぶん昔からこのデザインでした。

そもそも出口の屋根を支えているこの鉄骨が古レールですから。もしも80年代以降に駅を改装したとしても古レールは使いません。
ということで代々木駅東口はこの変わり行く界隈の駅の中でほとんど唯一、昭和、それも中期以前の昭和をそのまま残している貴重なものだと思います。
JRとしてもわざわざこんな出口にお金をかけて改装してもいいことは何もないと分かっているでしょうから、まだ当分はこのままなんだろうと安心しています。
良く見ると本当にいいデザインと風合いなので機会があったら一度見ておいてください。
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