
今日、初めて交差法で立体視(ステレオグラム)に成功しました。
すごくうれしい。
平行法ではわりとすぐに見られるようになってもう30年くらいになるのに
交差法は昔から一度として見えた試しがなく、もう完全に諦めていました。
一か月くらい前に買って置いたままになっていた写真集の一番最後の方に掲載されていた写真。
説明が後ろのページにあったので、最初はなぜこの写真だけ見開きで同じものが2つ出ているのか悩んでいました。
後の説明を読んで、交差法のステレオグラムだと分かって、それからソファに寝転がってちょっとがんばったらできました。
一度できると何か頭の中に新しい回路が開いたような感じで次からはそれほど苦労なく見えます。
でも平行法と違って寄り目の状態で見るので、やめた後もしばらく世界のピントが合いにくい。
けっこう体にダメージをあたえる危険な技かも知れません。

写真集は飯村昭彦さんの「芸術物質の謎」というもの。(2009年雷鳥社)
超芸術トマソンの本の表紙の、煙突のてっぺんに立って一脚を使って自分撮りをした冒険者の方です。
ニンゲンの営みと自然と時間の流れが偶然に作り出す「芸術物質」を追い求めて写真を撮影しています。
表紙の何かアバンギャルドな壺のように見える写真は、新宿にある鉄柱の一部です。
何層にも塗り重ねられたペンキ、上から貼られるチラシ、それを固いもので削って剥がしたり、錆びたり・・・。
この鉄柱に起きたあらゆることが作用してこのような「若狭塗」にも見えてしまう作品となりました。
ちなみに私の交差法を開眼させた写真はブロック塀に釘で留められた「靴底」です。説明は省略します。
ちょっと違う?
あれの場合、老眼の私は絵が凹んで見えるんだけど
老眼じゃない人は凸で見えると聞きました。
あれ、凹んで見えるって老眼のせいじゃなくて
見かたが間違ってるんだと思うよ。
あれは平行法で見るものなんだけど、Reeさんは私が苦手だった交差で観てるんだと思う。
よーーーくみてみて。
私、きづいたの。
窓ガラスに入っている鉄線の格子とか、洗面台のタイルとか。
二つ置いた十円玉でもオッケー。
楽しいね。