
伊東市役所全景。三月末に母兄と伊東温泉に行った際に見物して来ました。
建物が好きでいろいろ見てきましたが外観の奇抜さや自由度という点で飛び抜けている感があります。
いろいろなパーツを別々に作ってそれがなんとなく合体してしまったような印象。ぶっ飛んでいますが嫌いではないです。面白い。

全体の形としては鋭角のハの字型に置かれた二つの弓型の建物とその二つを繋ぐ中央のアトリウム的な部分という構成。
こちらはそのアトリウムですが五層分くらいの吹き抜けになっています。吹き抜け内にあるのは大階段と左右を繋ぐ数本のブリッジのみ。

建物は市街地から10分ほど歩いて丘を登ってきたところ。地形図で見るとホテルのある市街地から40mほど標高が高い場所でした。
土曜日で業務は停止していましたが、エレベーターで右側の建物の8階に登ることができました。市内と相模湾を一望する絶景です。海を見ていた母。
さて、この建物ですがこれほど特徴的な建築物でありながら得られる情報が非常に少ないんです。
いつものように「伊東市役所 庁舎 設計」などで検索すると「株式会社 織本構造設計」というのにあたりますが、ここは社名の通り構造設計です。
その中で作品紹介ページで探すと伊東市役所が見つかってそこには意匠設計として佐藤総合計画と書かれています。
おー、佐藤総合か、言われてみればいかにも佐藤総合っぽいので今度はそちらのサイトに行きますが、ここから先が続かない。
佐藤総合計画のサイトには用途別、県別で検索できる立派なプロジェクト紹介の仕組みがあるのですが、その膨大なリストの中に伊東市役所がないのです。
不思議ですねー。なぜなんでしょうか。何か理由があってこれを設計したことを会社の経歴から消したいんじゃないかなどと想像してしまいました。
ちなみにこの庁舎、1992年あたりから計画があって実際に落成したのは1995年。
バブルで伊東市の税収も大きくなっていて、それで今では考えられないような予算を組んで作ったんだと。とある方の伊東旅行記に書かれていました。
お金が有り余っていたせいでできちゃった系の建物はかなり面白い。バブルの功罪の中の微妙な位置づけな部分です。
建物の前に立った時にはとても25年前の物とは思わなかったです。今見ても斬新すぎるくらいで。どうして記録がないのか。ぶつぶつ。
この展望室が建物の何階だったのかを調べるために、伊東市のサイトで「各階案内」というページに行ったのですが、なんと提供された案内図がExcelでした。
なんだかなあ。この辺りが地方行政ののどかなところなのか。ちょっと感慨深かったのでキャプチャを貼っておきます。

役所の人が三日くらいかけて手作りしたような味わいで、じわる。(2019.3.31)
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