goo blog サービス終了のお知らせ 

ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

日立と水戸(1) JR日立駅と津波避難階段

2020年02月25日 | 建築&土木見物

常磐線特急「ひたち」に乗って日立駅に来ました。一泊二日で日立と水戸。建物と偕楽園の梅とあんこう鍋のための小旅行です。

最初の目的地は日立駅。設計はJR東日本建築設計事務所ですが、日立市出身の妹島和世氏が「デザイン監修」していて妹島作品の一つとして紹介されることも多いです。
天井から足元までスケスケのガラスで構成されていて、海に近い部分では海の上に浮かんでいるような感覚と聞いて以前から見たいと思っていました。

常磐線と多くの貨物線を越える東西の自由通路の一番東寄りに海に面したフリースペースがあります。その手前に金沢や直島でも見た妹島和世のフラワーチェアが。
窓の前には椅子にもなる歩行器に座ったおばあさんが黙ってずっと海を見ていました。

窓の外には国道のバイパスと海。

しばらくしておばあさんは去っていきました。残念ながら曇り空でしたが、おかげで杉本博司風のいい感じの海。

地上部分は海側の車寄せになっています。こちらから見るとガラスの駅舎は2階ですが、海と反対の左側は地面がもう一段高くなっていて、そちらでは1階になります。

この駅舎は2011年3月に開業予定でしたが、震災で2か月遅れました。開業寸前の駅がどのような被害を受けたかは不明ですが市街地には1mほどの津波が来たようです。
駅舎と海岸の間にはかなりの高さの崖があります。駅の少し南側に崖下から崖上に避難するための階段が災害復興交付金を元に2015年に作られました。



崖の天辺と塔は10mほど離れていて、塔の上部から崖に向かって斜めに橋渡しされています。この部分に一切下支えがないところがカッコいい。
このような施設にデザインとか美観という要素はほとんど求められておらず、ひたすら質実剛健に作るものですが、その結果としてカッコよくなることが往々にしてあります。

崖の下のるみ子さん。

崖下から見る日立駅。海に面している部分は右側がフリースペースで左側がカフェです。

階段は125段。この階段を使えば今までより10分早く崖の上に避難できるそうです。

駅に戻って11時半に開店したカフェへ。海の見えるカフェとしてテレビや雑誌でもよく紹介されるこのお店。数分後にはお店の外で待つ人が多数いました。

フリースペースの手前にはストリートピアノがありました。小学校高学年くらいの男の子がコンクールで弾きそうな難曲をすらすら弾いていました。

跨線部分。向こう側にも崖があってコンテナがある線路の高さより一段高いところに町並みがあることが分かります。

陸側の駅入り口。こちらから見ると平屋に見えます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ものいう仕口 | トップ | 日立と水戸(2) 日立シビック... »

コメントを投稿